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コラム

実績が薄い行政書士でも「誰に頼むか」で選ばれる作り方(第1部まとめ)【行政書士×開業×AI】

Q:行政書士は実績がないと選ばれないのでしょうか。比較検討で「ここに頼みたい」と思ってもらうには、何をどう見せればいいですか?

A: 一般的には実績やクチコミは安心材料になり得ますが、開業準備中~開業直後に不足するのは珍しくありません。その場合は、経歴・専門テーマ・対応方針・説明の分かりやすさなど、実績以外の安心材料を「比較しやすい文書」に整えることで補えることがあります。AIは文書づくりの整理や叩き台作成に役立つ場合がありますが、出力は誤解や不整合を含むこともあるため、最終判断と法的な確認は人が担う前提で使うのが安全です。


ここまで【第1部】では、ホームページ/GBP/ブログ運用や、問い合わせにつなげるための「構成×配置」といった考え方を扱ってきました。今回は第1部のまとめとして、媒体の話から一段引いて、「実績が薄い時期に、比較検討で選ばれるための安心材料と強みの見せ方」を整理します。

私自身、開業当初は"露出を増やすこと"に意識が寄り、案内の文書が整っていないまま進めて遠回りしました。比較検討の場面で必要な情報が揃っていないと、せっかく見てもらえても不安が残りやすいと感じたためです。今回はその反省も踏まえ、AIは「迷いと手戻り」を減らす補助として位置づけでお届けします。


「2つの前提」─実績が薄くても選ばれるために

これまでの媒体・導線の話と、今回の焦点

ホームページやGBP、ブログなどは「見つけてもらう」入口として大切です。ただ、入口が整っていても、比較検討の段階で判断材料が不足していると、依頼まで進まないことがあります。

今回の焦点は媒体そのものではなく、どの媒体から来ても共通して比較対象に残る文書を整えることです。

AIは万能ではなく「迷いと手戻り」を減らす補助になる

AIは、文書づくりの負担を下げる助けになる場合があります。一方で、出力をそのまま採用すると、言い過ぎ・誤解・不整合が混ざることもあります。

基本線としては、AIは「整理・叩き台・見落とし防止」まで、人は「方針決定・表現の責任・法的な最終確認」を担う、という分担が安全です。


比較検討で止まりやすい「3つの不安」を先回りする

費用が読めない不安

比較検討で多いのは「結局いくらかかるのか分からない」という不安です。料金表があっても、追加費用の条件が曖昧だと、検討者は分かりやすい方を選び検討対象から落とされてしまいます。

必要なのは安さの強調ではなく、「料金の考え方」「追加が起きる条件」「見積の出し方」を過不足なく示す文書です。

手続きの手間・見通しが立たない不安

「何を用意し、どの順番で、どれくらいの期間がかかるのか」が見えないと、意思決定は止まりやすいです。

流れ・必要資料・想定期間の"考え方"を、検討者が追える順序で文書化しておくと、不安の多くは軽くなる場合があります。

失敗したくない不安(信頼性)

最後は「この人に任せて大丈夫か」という不安です。実績やクチコミは分かりやすい材料ですが、開業直後は十分に揃わないこともあります。

その場合でも、「守備範囲」「対応方針」「説明の仕方」「リスクの伝え方」などで信頼を補えることがあります。ポイントは、検討者が比較できる形に整えることです。


安心材料を整える──実績・クチコミがない時期の代替方法

実績・クチコミがある場合の出し方

実績・クチコミは、一般的に強い安心材料になり得ます。ただし、数字や表現が「結果保証」に読めると誤解を招きやすいです。

件数や評価を示すなら、期間・対象範囲・前提(例:取扱分野、受付方法、掲載対象)を添え、事実ベースで整えるのが無難です。また、第三者サイト(口コミ掲載先など)の利用規約や表示ルールに沿うことも前提になります。

「個別事情によって結果は異なる」ことが自然に伝わる言い回しにしておくと、誤解の予防になります。

代替① 経歴・学び・専門テーマ

実績が薄い時期は、「何を根拠に任せられるのか」を補う必要があります。

これまでの職務経験、学んできたテーマ、扱いたい分野の絞り方などは、誇張せずに出せる安心材料になりやすいです。単なる経歴紹介で終わらせず、「だから何が得意なのか」が伝わる文書にします。

代替② 対応方針・守備範囲・説明の分かりやすさ

「どこまで対応するか」「どこからは対応しないか」が見えるだけで、検討者は安心しやすくなります。

また、専門家には当たり前でも、初めての人には難しいことがあります。説明の順序や言葉選びが整っていること自体が安心材料になります。

代替③ 活動の蓄積の見せ方

ブログや案内の更新、よくある質問の追加などは、「相談を受けながら情報を整えている」姿勢として伝わる場合があります。

個別事例を扱う際は、守秘義務や特定可能性に配慮し、同意の有無・匿名化の程度・一般化の方法を慎重に検討するのが安全です(個人が特定される情報は出さない、など)。


強みが曖昧なときの言語化

強みは「誰の不安を、どう減らすか」

「強みが分からない」は、開業前後によく起こります。無理に立派な強みを作るより、次の視点で棚卸しすると整理しやすいです。

  • 誰が(地域/属性/状況)
  • どんな不安を(費用/手間/期限/失敗)
  • どう減らすか(流れの明確化/準備の支援/説明の丁寧さ)

強みは"自分が言いたいこと"より、"相手の不安"に寄せたほうが比較検討で伝わりやすい傾向があります。

AIとの壁打ちは"整理・言語化"まで

AIは、棚卸しした材料を「候補に並べる」「言い回しを整える」「抜けを見つける」といった整理に向いている場合があります。

ただし、強みの採否やターゲットの決定は人が責任を持って行う必要があります。AIは意思決定の代行ではなく、思考の補助として扱うのが前提です。

また、壁打ちの際は、依頼者や相談者の個人情報・機微情報を入力しない運用にしておくと安全です。


「3点セットの文書」で"誰に頼むか"の比較に勝つ

① 信頼の文書

信頼の文書は、「どんな人で、どんな姿勢で、どこまで対応するか」を短く伝える役割です。

ここが曖昧だと、実績がある場合でも比較で不利になることがあります。逆に、実績が薄くても、方針と守備範囲が明確だと安心につながりやすいです。

② 見通しの文書

見通しの文書は、「次に何をすればよいか」を迷わせないためのものです。

私自身、この部分が弱く、問い合わせ後に毎回同じ説明を繰り返していました。結果として対応が遅れ、検討者の不安を増やしてしまったことがあります。先に文書として整えるほうが、結果的に楽になる場面がありました。

③ 納得の文書

納得の文書は「料金」と「想定外」を減らす役割です。

料金は安さよりも透明性が重視されやすい領域です。追加費用が起きる条件を先に示すだけでも、比較検討での信頼につながる場合があります。


AIで短縮しやすい「5つの作業」

論点整理(何を伝えるべきかの抜け漏れ確認)

比較検討で必要な論点は一定パターンがあります。AIは、その論点の洗い出しや、抜けのチェックに役立つ場合があります。

文書の叩き台作成(ゼロから書かない)

最初の叩き台があるだけで、人の作業は「整える・削る・正す」に変わります。ここはAIが助けになる場面があります。

表現の安全側調整案(言い過ぎ回避の候補出し)

「強く言い切ると誤解が出る」「弱すぎると伝わらない」という場面で、AIは複数案の候補出しに使えることがあります。採用可否は人が判断します。

整合チェック(料金・対応範囲・流れの矛盾検出)

料金の条件、対応範囲、必要資料の記載がバラバラだと、検討者は不安になります。AIは矛盾の"候補"を見つける補助になる場合がありますが、最終的な確認は人が行います。

FAQ化・更新(増えた質問を文書に戻す)

問い合わせで増えた質問を、そのままFAQとして文書に戻すと、同じ説明の繰り返しが減ります。運用が軽くなるほど、継続もしやすくなります。


実践編

AIを用いた運用については、実践編で解説します。


まとめ:まず「1枚の文書」から整えると迷いが減る

最初の1枚に入れる要素(不安→安心材料→次の行動)

いきなり完璧を目指すより、まずは「1枚の文書」を作るほうが進みやすいです。

  • よくある不安(費用/手間/信頼)
  • それに対する安心材料(実績があれば実績、なければ代替分類)
  • 次の行動(相談の流れ、準備、連絡方法)

この1枚があると、ホームページでもGBPでもブログでも、内容の整合が取りやすくなります。

次回予告

次の【第2部】では、相談~受任の場面で、AIをどこまで使い、どこを人が担うべきかを整理します。


脚注

  1. 本記事でいう「文書」は、事務所の案内・FAQ・料金の考え方・手続きの流れ・プロフィール等、検討者が判断するための情報を指します。
  2. 実績・クチコミの扱いは、結果保証に読める表現や前提不足による誤認誘発を避ける観点が重要です。事実ベースで範囲や条件を明示し、誇張を避けた表現に調整することをおすすめします。

免責

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別具体の案件に対する法的助言ではありません。取り扱う分野や事案の状況によって適切な対応は異なります。

AIの利用にあたっては、出力の正確性・最新性・表現の適切性を必ず人が確認してください。また、利用するAIサービスの利用規約やデータの取扱い(学習利用の有無等)を確認し、依頼者・相談者の個人情報や機微情報は入力しない等、運用面の配慮も行ってください。守秘義務・個人情報の取り扱いにも十分ご配慮ください。


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第1部の記事(参考)
ホームページ業務はAIに任せるべき理由
行政書士ブログはAIを利用しても良い?
「ブログテーマが決まらない」と悩まなくなる考え方
「問い合わせが来ない」を改善する文書はAIで作れる?
行政書士のGoogleビジネスプロフィール運用は?

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