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コラム

仕事が回らない時こそ「AIで何を削るか」──スライド・動画・ミニツールまで"作る作業"を手放す発想【行政書士×開業×AI】

Q:仕事が回らなくなってきました。AIを使うなら、結局「何を削る」発想がいちばん大事なのでしょうか?
A:
一般的には「AIで何ができるか」を探すより先に、"いま一番しんどい作業をAIに寄せて削る"と決めたほうが、改善が早く体感しやすいです。

特にスライドや動画のような「作る作業」は、一部の制作ツールで、テーマ(シナリオ)や素材を指定すると、構成案・台本案・字幕(テロップ)案・音声案の生成などをまとめて支援する場合があり、初回から負担を大きく下げられることがあります。また、2回目以降は、型や素材が蓄積する分、さらに軽くなりやすいです(機能や利用条件はサービス・プランにより異なります)。


「仕事が回らない」と感じるとき、対策が"頑張り方"に寄りがちです。しかし、時間が足りない局面ほど効果が出やすいのは、足す工夫ではなく「削る設計」です。

AIは、ChatGPT・Gemini・Claudeのような対話型AIだけでなく、Canvaのような制作ツール、NotebookLMのような整理・参照ツール、さらに周辺ツール(例:GAS)まで含めて組み合わせると、「削れる範囲」を一気に広がります。NotebookLMは、アップロード・指定したソースをもとに整理や回答を支援する、という性格が明確なため、実務の情報整理に組み込みやすい類型です。

また、画像素材の作成・編集についても、Geminiの画像生成・編集(Nano Banana・Nano Banana Pro)のように、アイデアからビジュアルのたたき台を作る用途が案内されています(提供状況は更新される可能性があります)。

本稿では、まず手を付けやすく効果が出やすい「スライド」「動画」「ミニツール」の3方向を中心に、"AIで何を削るか"の考え方を圧縮して整理します。


1. 仕事が回らない時に必要なのは「足す」より「AIで削る」発想

忙しさの正体は「作業の積み上げ」と「判断の渋滞」

仕事が回らない状態は、単純に作業が多いだけでなく、「小さな判断」が連続して渋滞していることが多いです。

たとえば、連絡の文書を整える、説明の順番を考える、体裁を合わせる、差分を確認する、といった"軽いが数が多い判断"が積み上がると、まとまった時間が消えていきます。

ここで重要なのは、気合いで押し切るのではなく、「判断を減らす」「作る回数を減らす」方向に設計を切り替えることです。

AI活用は「削る対象」を先に決めると一気に進む

AI活用が散らかる原因の多くは、「便利そうなこと」を広く試して、結局どれも業務に定着しないことがあるためです。

仕事が回らない局面では、まず次のどちらかに絞るほうが進めやすいです。

  • いま一番しんどい"作る作業"(スライド、動画、定型の案内文書など)
  • いま一番しんどい"整える作業"(要点整理、比較、表現の統一、体裁調整など)

「削る対象」を先に決めれば、使うAIや周辺ツールも自然に絞られます。さらに、削って生まれた時間を、高単価になりやすい業務(難度の高い案件対応、提案、意思決定など)へ回せると、時間対効果がはっきりしやすくなります。


2. 削れる時間が跳ね上がるのは「発想の切り替え」と「AI壁打ち」

作業を「集める・整える・作る・伝える・残す」に分けると削りどころが見える

行政書士業務に限らず、多くの仕事は次の5つでできています。

  • 集める:情報・素材・論点を集める
  • 整える:要点を揃える、構成を作る、表現を統一する
  • 作る:スライド・動画・説明資料・案内文書などの成果物を作る
  • 伝える:説明する、共有する、同じ案内を繰り返す
  • 残す:再利用できる形で保存する

この分解をすると、「自分が苦しいのは"作る"なのか、"整える"なのか」が見えてきます。見えた瞬間に、AIに寄せる対象が具体化します。

AI壁打ちで"代替案"を増やし、削る順番を決めやすくする

「何を削るべきか」が曖昧なとき、AIは"正解を出す存在"というより、代替案を増やす壁打ち相手として機能します。

たとえば、同じ内容を「文書で渡す」「スライドにする」「動画にする」「ミニツールで入力してもらう」のどれに寄せると、どの工程が削れそうか。こうした選択肢を増やすことで、現実的な優先順位がつけやすくなります。

また、反復タスクでは「指示を固定して繰り返し使う」機能(例:ChatGPTのGPTs)を併用すると、毎回の前提説明や型合わせを減らしやすくなります。

「いきなり完成」ではなく「仮置き→整える」の前提で回すと速い

AI活用が続くかどうかは、完成度よりも"回る形"になっているかの方が重要です。

最初は仮置きで作り、使ってみて、困るところだけ整える。この前提で回すほうが、「削れる」実感に早く到達しやすくなります。


3. AIにスライド作成そのものを任せると「初回」だけでなく「横展開」で効く

スライドは「構成・見出し・要点抽出・図解案」まで含めて工数が重い

スライド作成の工数が重いのは、デザイン以前に「何を」「どの順番で」「どの粒度で」伝えるかを決める必要があるからです。

この"考える工程"まで含めてAIに寄せられると、初回の負担が大きく下がります。制作ツール側でも、テキストからの生成や編集支援が案内されており、対話型AIだけで完結させない選択がしやすくなっています。

一度"型"ができると、別テーマでも「シナリオ差し替え」で量産しやすい

スライドでさらに効くのが横展開です。

一度「説明の型」(ページ構成・見出し・注意点の置き方)ができると、別テーマでも、テーマ(シナリオ)を指定して"同じ型で作り直す"ことがしやすくなります。

初回からAIで骨格を作り、横展開では同じ型で品質を揃えていきます。ここまで含めて「スライド作成そのものを任せる」価値になります。

事例:説明構成は固定し、テーマ名・手順・必要文書だけ差し替えて一式を作り直す発想

例として、以下のような"固定枠"を用意します。

  • 目的(この手続きで何ができるか)
  • 全体の流れ(どの順で進むか)
  • 注意点(誤解が出やすい前提・例外)
  • 必要文書(何を用意すべきか)
  • 期間・費用の考え方(見立ての前提)

この枠に対して、テーマ名・手順・必要文書などの差分を指定し、AIにスライドを組み直させるイメージです。

ポイントは「差し替えだけが楽」という話ではなく、初回から"構成を起こす・見出しを揃える・要点を抜く"工程をAIに寄せられるため、初速が上がることです。2本目以降は、内容の見直し(前提条件、例外、誤解の芽)のほうに時間を回しやすくなります。


4. AIに動画作成そのものを任せると「同じ説明の繰り返し」を仕組みで削れる

動画は「台本・テロップ・音声・尺調整」まで含めて初回の壁が高い

動画が大変なのは、「話す」だけでは終わらず、台本、テロップ(字幕)、音声、尺調整まで一気通貫で必要になるからです。

ただし一部の制作ツールでは、スクリプト(台本)を起点に動画生成へ進めたり、字幕(キャプション)を自動生成して編集・書き出しできる機能が用意されています。これらを組み合わせると、初回でも「まず形にする」までの負担を下げやすくなります。

一度"シリーズの型"ができると、テーマ差し替えで更新・追加が速くなる

動画もスライド同様、「シリーズの型」を作ると伸びます。

冒頭の共通説明、よくある不安、全体の流れ、最後の案内——この型を固定しておけば、テーマを変えても作り方は同じになります。

初回は"型づくり"を含むため重くなりがちだが、2本目以降は、テーマ指定→生成→確認→微調整の流れが作りやすくなります。

事例:共通パートは固定し、差分だけ差し替えてFAQや手順解説を増やす発想

例として、

  • 共通パート:相談の進め方・連絡のルール・準備の考え方
  • 差分パート:テーマごとの要件・必要文書・注意点

に分けます。

テーマを指定したうえで、台本案・字幕案・音声案などをAIに寄せ、確認と微調整に集中できる状態を作ると、「同じ説明の繰り返し」を仕組みで削る方向に寄せられます。


5. AIでミニツール化まで踏み込むと「作業そのもの」を仕組みに置き換えられる

やりたいことを「入力→処理→出力」に落として、毎回の手作業を減らす発想

ミニツール化は、行政手続に限らず「繰り返し作業」を仕組みに置き換える発想です。

考え方はシンプルで、やりたいことを次に落とすだけで道具になりやすくなります。

  • 入力:何を集めるか(フォーム、メモ、資料など)
  • 処理:どう整えるか(分類、要約、チェック、差分抽出など)
  • 出力:何を作るか(案内文書、一覧表、スライド素材、返信文書など)

対話型AIで「処理」を軽くし、周辺ツール(例:GAS)で「入力→処理→出力」をつなげる、という組み合わせも検討対象になってきます(詳細は実践編で扱う)。

小さく作って使い、直しながら育てる前提だと現実的に回る

ミニツールは、最初から大作を狙うほど止まりやすいです。

まずは「毎日か毎週、確実に発生する面倒」を1つだけ選び、小さく作って使い、直しながら育てる。この順番が現実的です。

AIの強みは、完成品を一度で出すことよりも、改善ループを速く回す点にもあります。

事例:チェック・集計・定型案内などを"道具"にして、別テーマでも項目差し替えで横展開する

例:問い合わせフォームの回答(入力)から、対応優先度を判定(処理)し、返信メール文書のドラフト(出力)を生成する、という流れで進めてみましょう。

この手の"入口→一次処理→一次返信"は職種を選ばず発生しやすく、ミニツール化の効果が出やすい領域です。


6. 注意点として、削るほど増える"確認"の落とし穴を避ける

事実関係・根拠・守秘(個人情報)の確認は省かない

AIによる高速化を実現するからこそ、最終的な品質担保と責任主体の明確化が、信頼を守る鍵となります。

とくに対外的に出す文書・スライド・動画は、前提条件や例外、表現の誤解がトラブルの種になり得る。守秘(個人情報・機微情報)も含め、入力する情報の扱いは先にルール化しておくと安全です。

また、外部サービスを使う場合は、利用規約・社内ルールに従い、個人情報を入力しない・匿名化する等、取り扱いを安全側に寄せる設計が無難です。

対外的に出す文書は「読み手の誤解」を前提に整える

読み手は、書き手と同じ前提で読んでくれないことがあります。

「どこまでが一般論か」「何を準備すべきか」「何が必要条件か」など、誤解されやすいところほど、先回りして明確にする設計が必要です。AIで作るほど、ここを曖昧にしない意識が成果を左右することになります。


7. まとめとして、AIは「できること」より先に「削れること」を決める

次の実践編で扱う範囲(具体の進め方・運用の型)への導線

AIは、対話型AI(ChatGPT・Gemini・Claude)だけでなく、制作系(例:Canva、Geminiの画像生成・編集(Nano Banana・Nano Banana Pro))、整理・参照系(例:NotebookLM)、自動化系(例:GAS)まで含めて"連携させる"ほど強くなります。

ただし、仕事が回らない局面で最も大事なのはツール選定よりも、「AIで何を削るか」を先に決めることです。

まずは、スライド・動画・ミニツールのどこを削りたいか1つに当たりを付け、AI壁打ちで代替案を増やし、型を作って横展開する——この順で進めると、導入として無理なく進めることが可能です。

実践編では、ここで触れた考え方を、実際に回る運用の型(始め方、見直し方、継続の工夫)として整理します。具体的な操作や入力例についても、実践編で解説させていただきます。


脚注

※本稿の「ミニツール」は、ノーコード・ローコードや周辺の自動化(例:GAS)も含め、繰り返し作業を支える小さな道具(チェック、集計、案内文書の整形など)を指します。
※本稿は導入として、まず「削る対象」を見つけるための考え方に絞って整理しています。


免責

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な法的助言を行うものではありません。実際の手続や判断は、最新の法令・行政運用・一次情報を確認のうえ、個別事情に応じて検討してください。


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