コラム
Q.相続人の調べ方(戸籍の取り寄せの入口)って何から?相続準備の最短ルート
相続の準備は何から始めればよいのでしょうか。
結論は「相続人を戸籍で確定すること」です。
相続手続の多くは、法定相続人を戸籍で確認できることを前提に進みます。戸籍の取り寄せという入口を押さえることで、その後の預金払戻し、不動産登記、各種名義変更の見通しが立ちます。
本記事では、法務省等の公的情報に沿って、神奈川県全域のご家庭向けに、相続準備の最短ルートを分かりやすく整理します。
目次
• 相続準備の最短ルートは「相続人の確定」から始める3つの理由
• 戸籍の取り寄せは「本籍地の確認」から始める2つの入口
• 相続準備を一気に進める「財産目録作成」の3ステップ
• 家族トラブルを防ぐために今すぐできる「家族会議の進め方」
• 神奈川県全域で相続相談を検討する前に確認すべきチェックリスト
相続準備の最短ルートは「相続人の確定」から始める3つの理由
結論
相続準備の出発点は、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を確定することです。これは、すべての相続手続の土台となる重要な工程です。
理由① 相続手続は「相続人全員」が関与するのが原則
預金の払戻し、不動産の相続登記、遺産分割協議は、原則として相続人全員の関与を前提に進みます。
金融機関や法務局では、戸籍による相続関係の確認が求められます。
相続人が一人でも漏れている場合、手続は進みません。
理由② 現在の戸籍だけでは足りない
戸籍は、転籍や法改製により作り替えられています。
そのため、死亡時の戸籍だけでは出生までの身分関係が確認できない場合があります。
必要なのは原則として、
• 現在戸籍
• 除籍
• 改製原戸籍
を通じて、出生から死亡まで連続していることを確認することです。
理由③ 相続放棄の熟慮期間がある
相続には、家庭裁判所で行う相続放棄という制度があります。
相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に手続が必要です(民法)。
負債の有無を判断するためにも、早期の相続人確定と財産調査が重要です。
戸籍の取り寄せは「本籍地の確認」から始める2つの入口
結論
戸籍取得の第一歩は「本籍地の特定」です。
本籍地が分かれば、請求先の市区町村が明確になります。
入口① 現在戸籍から遡る基本ルート
-
死亡時の本籍地で戸籍を取得
-
そこから除籍・改製原戸籍へ遡る
-
出生の記載まで連続しているか確認
戸籍の「作成日」と「記載事項」を確認し、前の戸籍へつながっているかを丁寧に確認します。単に枚数をそろえるだけでなく、内容の連続性を確認することが重要です。
入口② 本籍地が不明な場合
本籍地が分からない場合は、
• 住民票(本籍記載あり)
• 戸籍の附票
を取得します。
戸籍の附票には、その戸籍が置かれていた本籍地と住所履歴が記載されています。
※住所と本籍は異なります。両者を混同しないよう注意が必要です。
相続準備を一気に進める「財産目録作成」の3ステップ
結論
相続人が確定したら、次は財産の全体像を把握します。財産目録の作成は、遺産分割協議や相続税の検討の基礎資料となります。
ステップ① 財産の洗い出し
主な対象は次のとおりです。
• 不動産
• 預貯金
• 有価証券
• 生命保険
• 負債(借入金・保証債務等)
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も対象である点に注意が必要です。
ステップ② 客観資料で確認する
• 預貯金 → 残高証明書
• 不動産 → 登記事項証明書
• 固定資産 → 固定資産税納税通知書
• 有価証券 → 証券会社発行書類
• 負債 → 契約書、請求書等
口頭情報だけで判断せず、必ず書面で確認することが重要です。
ステップ③ マイナス財産の確認
借入金や保証債務は相続の対象です。
必要に応じて、信用情報機関への開示請求により借入状況を確認します。
負債が多い場合は、相続放棄や限定承認の検討が必要になる場合があります。
家族トラブルを防ぐために今すぐできる「家族会議の進め方」
家族会議は、相続に関する情報を共有する場です。
法的効力を持つものではありませんが、誤解や思い違いを防ぐうえで有効です。
親世代が共有しておくべき事項
• 財産の所在
• 借入の有無
• 保険契約の内容
• 遺言書の有無
可能であれば、資料を提示しながら説明します。
子世代が確認しておく質問
• 財産の一覧はあるか
• 借入や保証はあるか
• 遺言書は作成しているか
• エンディングノートはあるか
事前に確認しておくことで、将来的な混乱を防ぎやすくなります。
神奈川県全域で相続相談を検討する前のチェックリスト
持参するとよい資料
• 戸籍一式
• 財産目録
• 不動産資料
• 借入資料
資料が整理されていると、相談が具体的に進みやすくなります。
専門家の業務範囲(法令上の原則)
• 司法書士:不動産登記申請代理など
• 税理士:税務申告
• 弁護士:紛争解決、代理交渉
• 行政書士:官公署提出書類の作成等(紛争性のないもの)
※具体的な業務範囲は各士業法で定められています。
早期相談の意義
• 手続の見通しが立つ
• 相続放棄の期間管理ができる
• 書類不足を防げる
費用は内容により異なります。必ず事前見積りを確認してください。
まとめ
• 相続準備の起点は相続人の戸籍による確定
• 戸籍は本籍地の特定から始める
• 出生から死亡まで連続した戸籍を確認する
• 財産と負債を一覧化する
• 家族で情報共有し、必要に応じ専門家へ相談する
相続準備は「相続人の確定」と「財産の把握」が軸です。
戸籍の取り寄せという入口から、順序立てて着実に進めてください。
脚注
本記事は法令および公的機関の一般公開情報に基づき制度概要を解説したものです。個別事案により必要書類や手続は異なります。具体的な判断は、専門家へご相談ください。
