コラム
早いだけでは不十分?「速達」より「レターパック」が公的書類の提出に選ばれる合理的な理由
「1分1秒でも早く届けたい」とき、速達を選びがちだ。しかし、役所への申請や契約書送付では、レターパックや書留などの「追跡付きの郵便」が事実上のスタンダードとなっている。その差は速度よりも、「信書を送れるか」という法令遵守と、「いつ届いたか」という客観的な証拠力にある。
Q:速達の方が「急いでいる感」が出て良い気がするのですが?
A:ビジネスでは「速度」と同じくらい「追跡」と「法令遵守」が重要です。
速達はあくまで優先配達のオプションであり、単体では追跡番号が付かない。一方、レターパックは「信書」を送れる認可サービスであり、標準で追跡機能が備わっている。「出した・出していない」のトラブルを防ぎつつ、法令に則って送れる点が、実務で選ばれる最大の理由である。
「届いた」ことを証明できないリスクを回避せよ
この章のポイント
- 速達の注意点:単体ではポスト投函後の「足取り」が不明
- レターパック等の利点:追跡番号による「配送ステータス」の可視化
- 例え話:速達は「全力疾走」、追跡付きは「GPS付きの全力疾走」
提出物は到達までの説明責任が問われる。特に期限ギリギリの提出では、「最短で届く」こと以上に「確実に届いたと説明できる」追跡の有無が、リスク管理の結論を左右する。
速達の注意点:ポスト投函後の「足取り」が不明
速達は「基本料金に加算して優先配達にする」サービスである。しかし、速達単体では追跡番号が発行されない。追跡を前提とするなら、書留や特定記録を窓口で併用する必要があり、運用を誤ると「いつ届いたか」の証拠が残らなくなる。
レターパックの強み:追跡番号による「配送ステータス」の可視化
レターパックは、専用封筒に最初から追跡番号が付与されている。郵便追跡サービスにより、引受から配達完了までを確認できるため、相手から「届いていない」と言われても、送達状況をもとに迅速な調査や再送判断が可能だ。
レターパック「プラス」と「ライト」の決定的な使い分け
結論としては、「受領印(署名)が必要か」と「厚さ3cmを超えるか」で判断する。
受領印が必要な「プラス(赤)」は重要書類に
重要契約書や、相手の受領事実をより強固に示したいなら、対面受領のレターパックプラスが適している。ただし、万一の紛失に対する損害賠償は対象外であるため、原本の補償が必要な場合は「書留」を選択するのが安全だ。
郵便受けに届く「ライト(青)」は申請書類に
受領サインまでは不要だが「到達」を確認したい場面では、レターパックライトが効率的である。厚さ3cm・重さ4kg以内という制限はあるが、全国一律料金で追跡ができるため、大量の申請書類を扱う事務センター等への送付と相性が良い。
なぜ公的な手続きで「レターパック」が活用されるのか
公的機関が求める条件は「早く送った感じ」ではなく、「規定の発送方法(信書便)であり、追跡が可能であること」である。
1. 「信書」を送れる法的適合性
契約書や免許証、申請書は「信書」に該当する。郵便法により、信書は日本郵便のサービス(郵便物)や特定の信書便事業者のサービスで送る必要がある。
適合:レターパック、書留、定形郵便など
不可:ゆうパック、ゆうパケット、クリックポスト、一般的な宅配便(宅急便等)
2. 事務センターでの確認効率
役所や団体は大量の書類を受け取る。送り手が追跡番号で「到着済み」を確認できれば、電話での問い合わせが減り、双方の業務負荷が下がる。一部の機関(厚生労働省の免許申請など)では、管理の効率化からレターパックプラスを指定している事例もある。
3. 土日祝日の配達という実効速度
2021年の郵便法改正以降、普通郵便の土日祝配達は休止された。一方、レターパックは休日も毎日配達される。特定記録(追跡あり)は原則休日配達がないため、週末をまたぐ場合はレターパックの方が実効速度で勝る。
まとめ
- 速達は優先配達のオプション。追跡には書留等の併用が必要
- レターパックは「信書」に対応し、追跡と休日配達が標準装備
- プラスは対面受領、ライトは厚さ3cmまでのポスト投函
- 賠償が必要な重要書類は、書留も検討すべき
期限が絡む郵送は、「速い」だけでなく「届いたと示せる」ことが最短ルートである。まずはレターパックを基準に、受領印の要否と厚みでプラス・ライトを選択する運用を検討していただきたい。
