コラム
原本提出と書かれた書類は、必ず返ってこない?
Q. 原本提出と書かれた書類は、必ず返ってこない?
A.必ずしも返ってこないわけではありません。「提出書類:〇〇原本(コピー不可)」とされている場合でも、申請時に原本を確認したあと、返却が認められる運用がとられている場合もあります(常に認められるわけではありません)。手続きの性質によっては、原本を保管する必要がないためです。
役所や各種申請の案内で「提出書類:〇〇原本(コピー不可)」と書かれていると、「これは出したら戻らない」と考える方が多いと思います。
しかし実際には、行政実務において原本を確認したうえで写しを保存し、原本を返すという扱いがされる手続きもあります。このような運用は、一般に「原本還付」と呼ばれています。
原本提出とされている理由
「原本提出」とされる理由の多くは、次の点にあります。
- 記載内容が真正であることの確認
- 改ざん・偽造の防止
- 本人・資格・身分関係の事実確認
このような場合、行政側にとって必要なのは原本を一度確認することであって、必ずしも原本を恒久的に保管することではありません。
そのため、確認後に写しを保存し、いわゆる「原本還付」の運用がとられることがあります。
原本が返却される運用が見られる手続きの傾向
※以下は一般的な傾向です。すべての手続きで認められるわけではありません。
①身分関係・資格の確認が目的の書類
- 戸籍謄本・抄本
- 住民票
- 婚姻届受理証明書
- 資格証明書(写し不可とされているもの)
これらは、事実確認が目的であるため、原本確認後に返却が認められる運用がとられている例もあります。
②同一の原本を複数の手続きで使用する前提があるもの
- 相続手続きで使用する戸籍一式
- 許認可申請で複数提出が想定される証明書
- 役所・金融機関など提出先が複数ある手続き
このような場合、返却を前提とした扱いが採られている例もあります。
③法令・要領で原本保存が求められていない書類
- 原本の恒久保存が義務付けられていない
- 後日の紛争や監査の証拠として位置づけられていない
この場合、写し保存で足りると判断され、原本還付が行われることがあります。
原本が返却されにくいケース
一方で、通常の行政実務では、次のような場合は返却が難しいことが多いです。
- 申請書・届出書そのものが原本であるもの
- 法令や要領で原本保存が明示されている書類
- 後日の確認や争いを想定した証拠資料
これらは、提出された原本を公文書として管理する必要があるため、返却されない扱いになるのが一般的です。
実務上のポイント
原本還付を希望する場合は、申請時にその旨を窓口で申し出ることが重要です。返却の可否は、手続きの内容や機関ごとの運用によって異なるため、必ず公式案内や窓口で確認するようにしてください。
まとめ
「原本提出(コピー不可)」と書かれている書類でも、提出目的が確認に限られる場合、原本還付が認められる運用がとられている例があります。
原本提出という言葉だけで、「必ず戻らない」と決めつける必要はありません。
免責
本記事は一般的な行政手続に関する情報提供を目的としています。実際の取扱いは、法令のほか、各機関の要領や内部規程、個別事情によって異なります。申請にあたっては、必ず最新の公式案内や窓口の指示をご確認ください。
