コラム
車庫証明|書類は通ったのに「現地調査」で落ちる3つの典型
Q:車庫証明、申請は受理されたのに後からNGになることはありますか?
A:あります。書類に不備がなくても、現地調査で「保管の実態」が確認できない場合、補正や不許可になることがあります。
車庫証明を自分で申請し、警察署の窓口では特に指摘もなかった。 ところが数日後、 「現地で確認が取れませんでした」 という連絡が入る。
「書類は合っているはずなのに、なぜ?」 このとき問題になるのが、現地調査で見られる"実態"です。
この記事では、現地調査でつまずきやすい典型パターンだけに絞って整理します。
前提:法律上の定義
ここで前提として、法律上の定義を一度だけ確認します。
「自動車の保管場所」とは、道路以外の場所で自動車を日常的に保管する場所をいい、「自動車の使用の本拠の位置」とは、自動車の使用を主として管理する場所をいいます(自動車の保管場所の確保等に関する法律2条)。
重要なのは、住民票の住所と、使用の本拠の位置は必ずしも一致しないという点です。
この考え方を前提に、現地調査が行われます。
現地調査で落ちる3つの典型パターン
※以下はいずれも、法令および公式手引に基づく一般的な整理です。個別事案の可否を断定するものではありません。
① 申請した駐車位置に、別の車が日常的に停まっている
- 配置図・所在図は正しい
- 使用承諾書(または自認書)も提出している
- しかし調査時、申請車両とは別の車が常時使用している
この場合、その場所が「当該自動車を日常的に保管する場所」とはいえないと判断される余地があります。
一時的な駐車ではなく、日常的な使用実態が見られる点がポイントです。
② 使用の本拠と、実際の生活実態が結びついていない
次のようなケースは要注意です。
- 住民票の住所と駐車場は同じ
- しかし実際には、別の場所で生活している(単身赴任・二拠点生活など)
法律上、「使用の本拠の位置」は自動車の使用を主として管理する場所とされています。
そのため、形式的な住所関係が整っていても、車を日常的に管理・使用している実態が別にある場合には、現地調査で確認対象となることがあります。
③ 図面上は入るが、実地では入出庫が困難
- 寸法上は車が収まる
- しかし現地では
- 切り返しができない
- 構造物や常設物がある
- 実質的に出し入れできない
このような場合、「置ける」ことと「日常的に保管・使用できる」ことは別と判断される可能性があります。
保管場所とは、単に車を置くスペースではなく、通常の使用に耐える状態であることが前提です。
現地調査前のセルフチェック
次に当てはまる場合は、一度立ち止まって確認してみてください。
- 申請した区画に、他人・他車が常時停まっている
- 書類上の住所と、実際の生活拠点がズレている
- 普段は別の場所に車を停めていることが多い
- 出し入れのたびに物を動かす必要がある
- 図面作成時から現地状況が変わっている
よくある勘違い
- 「書類が受理された=問題なし」ではない
- 「住民票の住所なら大丈夫」とは限らない
- 「寸法が足りていれば通る」とも限らない
車庫証明では、現地でどう見えるか、どう使われているかが重要になります。
補足
なお、現地調査の具体的な判断は、管轄警察署の運用や現地状況によって異なる場合があります。本記事は、法令および公式資料に基づく一般的な考え方を整理したものです。
参考
自動車の保管場所の確保等に関する法律(第2条) https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338AC0000000112
自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338M50000002008
神奈川県警察|自動車保管場所証明申請の手引 https://www.police.pref.kanagawa.jp/docs/pscs/03_shinsei.pdf
免責
本記事は、法令・公式資料に基づく一般的な情報提供を目的としています。個別の事情により、判断や対応が異なる場合があります。
