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コラム

手が震えて名前が書けない…それでも「印鑑登録」を諦めないための完全ガイド

Q. 手が震えて自分の名前が書けません。印鑑登録はもうできないのでしょうか?

A. いいえ、諦める必要はありません。

ご本人に「登録する意思」があることを、職員が面談や疎明資料で確認できれば、代筆による申請が認められる場合があります。自治体(川崎市など)によって運用が異なるため、事前の確認が分かれ道となります。


「宅配便のハンコ」とは重みが違うからこそ

不動産売却や相続手続きで急に必要になる「印鑑証明書」。しかし、ご本人が高齢や病気で手が震え、委任状や申請書に「自筆」できない場合、窓口で「本人署名がないと受け付けられない」と断られるケースが後を絶ちません。

ネットショッピングの荷物を受け取る時、手が震えていれば「代わりに書いておきますね」で済むこともあります。しかし、印鑑登録は「家を売る」「数千万円の遺産を分ける」といった、人生を左右する場面で使われるものです。

そのため、役所の窓口では「本当に本人が自分の意思で、この印鑑を登録しようとしているか?」を厳格に確認します。その最大の証拠が「自筆の署名」なのです。

「名前が書けないなら、もう印鑑登録はできない(=成年後見制度を使うしかない)」――そう思い込んでしまうご家族も多いのですが、実は「意思はあるけれど、身体的な理由で書けないだけ」の人を救うルートが用意されています。

本記事では、川崎市を例に、署名が困難な方がスムーズに印鑑登録を完了させるための、具体的な手順と「窓口での伝え方」を、チェックリスト形式でまとめました。本人の「登録したい」という意思さえ確認できれば、代筆や代理人による申請を認める救済措置が法的に存在します。ポイントは、自治体ごとの「事務処理要領」に記された例外規定を正しく活用することです。


目次

  1. 署名困難な方のための「印鑑登録」5つのステップ
  2. よくある勘違いと注意点
  3. まとめ:「今日が期限」を避けるために

1. 署名困難な方のための「印鑑登録」5つのステップ

「今日が期限なのに窓口で断られた」という事態を防ぐために、以下の5つのステップを確認してください。

ステップ1:「意思の疎通」が可能か確認する

☐ YES/NOの意思表示ができる、あるいは名前や生年月日を口頭で言える状態であれば、代筆ルートの検討が可能です。

認知症などで「判断能力」がない場合は成年後見が必要ですが、身体的な「筆記困難」だけであれば、通常の印鑑登録の枠組みで対応できるケースがほとんどです。

ステップ2:自治体の「事務処理要領」を電話で確認する

☐ 窓口へ行く前に「本人は意思表示可能だが、麻痺(または震え)で自筆ができない。代筆による委任状は可能か?」と伝えてください。

自治体によって運用が大きく異なるため、この1本の電話が成否を分けます。川崎市の場合、公式サイトにも特例についての記載がありますが、詳細は電話確認が確実です。

ステップ3:疎明(そめい)資料を用意する

☐ 手が不自由であることを証明する「身体障害者手帳」や、医師の診断書(写しでも可)があると、窓口での話がスムーズに進みます。

疎明資料は必須ではありませんが、職員の判断を助け、申請を円滑に進めるための重要な材料となります。

ステップ4:代理人申請か、本人出頭かを選ぶ

☐ 川崎市の場合、本人が窓口に行けない場合は「照会回答方式」となり、即日発行はできません。お急ぎの場合は、本人出頭+代筆の可否を確認してください。

照会回答方式では、郵送による本人確認を挟むため、1週間程度の時間を要します。スケジュールに余裕を持って動くことが重要です。

ステップ5:代筆者の選定

☐ 自治体によっては「職員が代筆する」場合と「家族が代筆し、本人が指印(スタンプ)を捺す」場合があります。

どちらの方式が採用されるかは自治体の判断によりますので、ステップ2の電話確認時に併せて質問しておくとよいでしょう。


2. よくある勘違いと注意点

勘違い1:「名前が書けない=成年後見が必要」ではない

認知症などで「判断能力」がない場合は後見が必要ですが、身体的な「筆記困難」だけであれば、通常の印鑑登録の枠組みで対応できるケースがほとんどです。

意思の確認ができる状態であれば、まずは通常の手続きで対応可能かを確認しましょう。

勘違い2:「即日発行」にこだわりすぎない

例外的な対応(代筆など)を求める場合、役所側も慎重になります。郵送による本人確認を挟む「照会回答方式」になることを前提に、1週間程度の余裕を持って動きましょう。

特に不動産取引や相続手続きなど、期限が定められている場合は、早めの準備が不可欠です。


まとめ:「今日が期限」を避けるために

印鑑登録における署名困難のケースは、決して珍しいものではありません。高齢化が進む現代において、多くの自治体が救済措置を設けています。

重要なのは、窓口に行く前の1本の電話です。「本人は意思表示可能だが、身体的理由で自筆ができない」という状況を事前に伝え、必要な準備を整えてから臨むことで、突き返されるリスクを大幅に減らすことができます。

「今日が期限なのに間に合わない」という事態を避けるため、印鑑証明書が必要とわかった時点で、早めに動き出すことをお勧めします。


免責事項

本記事は2026年1月23日時点の一般情報を掲載しています。印鑑登録は各自治体の条例により運用が異なるため、個別のケースについては、必ず管轄の市区町村窓口、または専門家へご相談ください。

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