コラム
高齢者の『点検商法』を見抜く質問リスト—高齢者トラブルを防ぐ
突然訪問して「無料点検」を持ちかけ、不安をあおって不要な工事契約を結ばせる手口について、警察や消費生活相談窓口が注意を呼びかけています。家族が同じ対応をとれるよう、最初に聞く質問、家に入れないコツ、契約後の手順、相談先を短く整理します。
目次
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点検商法を見抜くために最初に聞く「5つの質問リスト」
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その場で被害を防ぐ「3つの鉄則(開けない・入れない・上がらせない)」
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親を守りつつ関係も守る「2つの声かけテンプレ」
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契約してしまったときに慌てない「4ステップ対処」
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川崎を中心に迷わない「相談先」
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FAQ
点検商法を見抜くために最初に聞く「5つの質問リスト」
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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質問1「会社名・担当者名・所在地を“書面で”出せますか?」
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質問2「点検の根拠(法律・契約・管理会社の指示)は何ですか?」
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質問3「“今すぐ必要”の根拠(写真・数値・見積内訳)を見せられますか?」
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質問4「今日決めずに、家族(第三者)に確認してからでいいですか?」
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質問5「相見積もりを取っても同条件で対応できますか?」
最初に「確認質問」を固定しておくと、その場で契約に流されにくくなります。突然の訪問から「無料点検」を持ち掛け、不要な工事契約へ誘導する手口があるためです。ここからは、短く聞けて効果が出やすい5問に絞って解説します。
質問1「会社名・担当者名・所在地を“書面で”出せますか?」
相手が名乗った内容は、「書面で残す」前提で確認してください。後日相談する際に「どの事業者の、誰と、いつ話したか」が重要になるからです。名刺や会社案内、住所、電話番号、見積書などを求め、受け取れない場合はその場の点検や契約を進めないほうが安心です。
質問2「点検の根拠(法律・契約・管理会社の指示)は何ですか?」
「なぜ点検が必要なのか」は、根拠とセットで確認しましょう。「屋根が壊れている」「水漏れの危険」などと不安をあおる説明は、注意喚起でもよく見られます。根拠として受け止めてよいのは、管理会社からの通知や契約書類など、第三者が確認できる情報に限ります。曖昧な説明のまま点検や契約に進まないことが要点です。
質問3「“今すぐ必要”の根拠(写真・数値・見積内訳)を見せられますか?」
「今すぐ」と言われたら、根拠の提示を求め、提示が不十分なら進めない姿勢が大切です。屋根に上げて確認させた後に壊された上、写真を見せられて請求されたといった例もあるためです。写真は場所・状態が分かるものか、見積は工事項目や数量など内訳があるかを確認し、納得できない場合は当日の点検や契約をしないほうが安心でしょう。
質問4「今日決めずに、家族(第三者)に確認してからでいいですか?」
先に「今日は決めない」と伝えて、判断のペースを取り戻してください。焦らせて契約に結び付けようとする場合があるためです。家族に確認する時間を置き、必要なら消費生活相談窓口に状況を伝えて助言を受ける流れが確実です。
質問5「相見積もりを取っても同条件で対応できますか?」
リフォーム等を検討するなら、相見積もりを前提に進めるほうが安心です。複数社から見積りを取り、慎重に検討することが勧められているためです。比較の際は、工事範囲・使用材料・保証の有無など条件をそろえると、判断材料が整理しやすくなります。
その場で被害を防ぐ「3つの鉄則(開けない・入れない・上がらせない)」
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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インターホン越しで完結(ドアを開けない)
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家の中に入れない(書面はポストでOK)
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屋根・床下などに上がらせない(“点検”を口実にしがち)
突然の訪問に対しては、「家に入れない・その場で点検させない」を徹底するのが基本です。安易に自宅に入れず、その場で点検や契約をしないほうが安心だからです。ここでは、現場で迷わないための3つの行動に落とし込みます。
インターホン越しで完結(ドアを開けない)
対応はインターホン越しで完結させましょう。対面になるほど断りにくく、話が長引きやすいからです。用件は短く聞き、点検や契約の話になってもその場で結論を出さず、「書面があるならポストへ」と伝えて終了する形が安心につながります。
家の中に入れない(書面はポストでOK)
家の中には入れないと決めておくと、対応がぶれません。突然の訪問ほど、その場で点検や契約に進みやすいからです。書面の受け取りが必要でも、対面で受け取る必然性はありません。ポスト投函を依頼し、家族や相談窓口に確認してから判断しましょう。
屋根・床下などに上がらせない(“点検”を口実にしがち)
屋根・床下などの点検は、突然の訪問では応じないほうが安全です。屋根に上げて確認させたところ壊された、不安をあおられ不必要な工事をされたといった例があるためです。点検が必要か迷う場合は、管理会社や信頼できる事業者、消費生活相談窓口に相談してから手配するほうが安心につながります。
親を守りつつ関係も守る「2つの声かけテンプレ」
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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自尊心を守る言い方(「念のため確認するね」)
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家族ルール化する言い方(「うちは家族で決めてから」)
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事前に決める「1枚メモ」(合言葉・緊急連絡先・断り文句)
家族が「同じルール」で動ける状態にしておくほど、再発を防ぎやすくなります。高齢者等の家に不審な訪問者が来ていないか、家族や周囲が気を配るよう呼びかけがあるためです。ここでは、親の自尊心を傷つけず、実務的に動ける言い方に整えます。
自尊心を守る言い方(「念のため確認するね」)
親には責めずに「確認」を自然に挟む言い方が向いています。家族の見守りが再発防止に役立つからです。例えば「対応してくれて助かったよ。念のため確認するね」と伝え、相手の名刺や書面を一緒に確認する流れにすると、情報が整理しやすくなります。
家族ルール化する言い方(「うちは家族で決めてから」)
断る言葉は短い家族ルールに統一すると、押し切られにくくなります。個人の判断よりも、ルールのほうが言い切りやすいからです。「うちは家族で決めてからです。書面はポストへ」で十分です。長い説明はせず、同じ言葉を繰り返す運用が現実的です。
事前に決める「1枚メモ」(合言葉・緊急連絡先・断り文句)
合言葉と連絡先を1枚にまとめ、見える場所に置いておくと安心です。突然の訪問ほど判断が急がされやすく、事前準備が役立つためです。
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合言葉:「今日決めない」「家族に確認」
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断り文句:「その場では点検しません。書面はポストへ」
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緊急連絡先:家族、管理会社、消費者ホットライン188、警察相談ダイヤル#9110
契約してしまったときに慌てない「4ステップ対処」
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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ステップ1:契約書・名刺・チラシを確保(写真でもOK)
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ステップ2:支払い前にストップ(現金・振込・クレカ)
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ステップ3:クーリングオフ等の整理(取引形態・期限の確認)
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ステップ4:相談先へ連絡(伝える項目テンプレ)
契約後は、「証拠を確保して、期限のある手続きを確認し、相談につなぐ」順で動くと落ち着きます。特定商取引法でクーリング・オフ等のルールが定められているためです。ここでは、家族が同じ順番で動けるよう、手順を短く固定します。
ステップ1:契約書・名刺・チラシを確保(写真でもOK)
まず書面と相手情報を集め、残しておきましょう。クーリング・オフ等の検討に「法律で決められた書面を受け取った日」などの情報が必要になるためです。契約書・見積書・領収書・名刺・チラシは全ページ撮影し、訪問日時や担当者名もメモしておくと相談が進みやすくなります。
ステップ2:支払い前にストップ(現金・振込・クレカ)
支払いは急がず、相談先の助言を受けたうえで対応してください。契約トラブルでは事実関係の整理と手続きの選択が重要だからです。現金・振込・クレジットのいずれでも、支払い前なら状況説明がしやすいので、まず相談につなげてください。
ステップ3:クーリングオフ等の整理(取引形態・期限の確認)
クーリング・オフは「対象取引か」と「起算日」を確認するところから始まります。訪問販売では、条件を満たす場合に「法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内」で、書面または電磁的記録により撤回・解除できる仕組みがあるためです。
また、事業者が事実と違うことを告げたり威迫したりしてクーリング・オフを妨げた場合、期間経過後でもクーリング・オフできる旨が説明されていることがあります。
なお、現金取引で総額3,000円未満の場合などは適用されないことがある点も示されています。対象になるか迷う時点で、相談窓口に契約書面の有無と日付を伝えて確認してください。
ステップ4:相談先へ連絡(伝える項目テンプレ)
相談では、まず「事実」を短く並べて伝えるとスムーズです。消費生活相談窓口が最寄りのセンターにつなぎ、助言・あっせん等で解決を支援する仕組みがあるためです。
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いつ(訪問日・契約日)
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どこで(住所)
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相手(会社名・担当者・電話番号)
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何を(工事内容・商品/役務)
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いくら(総額・内訳があれば)
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支払い状況(未払い/支払い済み・方法)
不安や危険を感じる状況なら、すぐ警察へ相談するよう促される場合もあります。警察相談ダイヤル#9110も選択肢です。
川崎を中心に迷わない「相談先」
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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まずは川崎市 消費者行政センター(044-200-3030)
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川崎の時間外は、かながわ中央消費生活センター(045-311-0999)や188へ
相談先を先に把握しておくと、「次に何をするか」を迷いにくくなります。ここでは川崎を中心に、すぐ使える連絡先だけを整理します。
まずは川崎市 消費者行政センター(044-200-3030)
川崎市内の相談は、まず川崎市 消費者行政センター(044-200-3030)に連絡してください。電話の前に、契約書面・名刺・見積書の有無と日付を手元にそろえておくと話が進みやすくなります。
川崎の時間外は、かながわ中央消費生活センター(045-311-0999)や188へ
時間外や窓口が分からない場合は、かながわ中央消費生活センター(045-311-0999)や188を利用します。いずれも、状況を短く説明すると案内を受けやすくなります。
FAQ
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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Q「クーリングオフの期限はいつ?」
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Q「“無料点検です”と言われたら、何て言えばいい?」
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Q「親が“もう約束した”と言う。家族はどう介入する?」
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Q「録音やメモはしていい?何を残せばいい?」
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Q「川崎で相談するとき、最初に何を伝えると早い?」
迷ったら「その場で点検・契約しない」「書面を残す」「相談へつなぐ」に戻ると整理しやすくなります。突然の訪問では、その場で点検や契約をしないほうが安心だからです。
Q「クーリングオフの期限はいつ?」
訪問販売の場合、条件を満たせば「法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内」にクーリング・オフできるケースがあります。書面の受領日が起点になるため、まず契約書面の有無と日付を確認し、迷う時点で相談窓口へ連絡してください。
Q「“無料点検です”と言われたら、何て言えばいい?」
突然の訪問では、安易に自宅に入れないことが大切です。返答は「その場では点検しません。書面があるならポストへ」で足ります。対応は短く区切り、家族に共有しましょう。
Q「親が“もう約束した”と言う。家族はどう介入する?」
家族や周囲が気を配るよう呼びかけがあります。まずは相手の会社名・担当者名・連絡先、約束した日時、書面の有無を確認し、必要なら消費生活相談窓口へつなげてください。
Q「録音やメモはしていい?何を残せばいい?」
まず残すべきは「書面」と「相手が特定できる情報」です。クーリング・オフ等を検討する際に、事実関係を整理できる証拠が役立つためです。契約書面・見積書・領収書・名刺の写真、訪問日時、担当者名、説明内容の要点メモを残してください。録音の扱いは状況で配慮点が変わり得るため、迷う場合は相談窓口で確認しましょう。
Q「川崎で相談するとき、最初に何を伝えると早い?」
最初は「契約日・相手・内容・金額・支払い状況」を短く伝えると、話が早く進みます。相談員が状況を整理しやすくなり、次の案内が早くなるからです。川崎市内なら川崎市 消費者行政センター(044-200-3030)へ、契約日・相手情報・契約内容・金額・支払い状況・書面の有無を短く伝えると整理が進みます。
まとめ
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警察は、突然の「無料点検」から不要な工事契約に誘導する手口に注意を促しています。
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その場での基本は「家に入れない」「その場では点検や契約に進まない」です。
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工事を検討する場合、複数社の見積りで慎重に検討することが勧められています。
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訪問販売では、条件を満たす場合に「書面受領日から8日以内」でクーリング・オフできるケースがあります。
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迷ったら188で最寄り窓口へ、危険や威迫を感じたら警察相談#9110も選択肢です。
今日できる対策として、合言葉と連絡先を「1枚メモ」にして見える場所に置いてください。突然の訪問ほど準備の差が出るため、家族で同じ動き方にそろえることが被害予防につながります。
脚注
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本文は、消費者庁(特定商取引法/消費者ホットライン)、警察庁資料、警視庁の注意喚起、各自治体の公式案内など一次情報に基づき、一般の方向けに要点を整理したものです。
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クーリング・オフ等の可否は取引形態・書面交付状況・勧誘状況で変わります。個別事情の判断や具体的な手続きは、消費生活相談窓口や弁護士など専門家に相談してください。
