コラム
ペットとのお別れを迎えたときに知っておきたいこと
ペットとのお別れ直後は、悲しみで頭が真っ白になりやすいものです。川崎でのペット葬儀や火葬、手続きの流れを「今すぐ必要な順」に整理し、後悔を減らす判断の軸をやさしくまとめます。本記事は川崎市の制度および一般的な葬儀社の慣行に基づく内容です。
目次
- お別れの直後に混乱しないための「最初の30分でできる3つのこと」
- 川崎で選べるお見送りは「2つの方法」
- 火葬プランで後悔を減らすための「3つの違い」
- 役所まわりの手続き「2ステップ」
- 葬儀社選びで迷わない「見積もりチェック5つの視点」
- 当日のお別れを穏やかに進める4場面
- 供養の選択肢は「3つで十分」
- ペットロスと向き合うための7つの工夫
- よくある質問(6つ)
お別れの直後に混乱しないための「最初の30分でできる3つのこと」
最初の30分は「全部を正しくやる時間」ではなく、「混乱を小さくする時間」です。気持ちの安全を最優先に、安置と連絡だけ整えると、その後の判断が落ち着いて行えます。
まず"心が追いつかない前提"でいい
最初は泣いても構いませんし、判断を後に回すことも自然です。強いショック状態では意思決定の精度が落ちやすいからです。
最優先は「体を保冷し、安置を整えること」。火葬方法などは翌日に決めても差し支えない場合がほとんどです。
安置の基本
毛並みを整え、汚れを柔らかい布で拭き取り、体の下にペットシーツなど吸水性のあるものを敷きます。保冷剤はタオルで包み、首元や腹部、背中などに当て、体温をゆるやかに下げます。段ボールや箱を使って体勢が安定するように支えましょう。
体液に備えてシーツを多めに敷くと安心です。ドライアイスを扱う場合は必ず手袋をし、直接触れないよう注意してください。
連絡先を1つに絞る
同時に多方面へ連絡すると混乱します。
- 動物病院(安置や火葬の目安を確認)
- 葬儀社(プラン・対応時間・返骨の有無)
- 家族(代表者がまとめて共有)
この順番に進めると落ち着きやすいです。
川崎で選べるお見送りは「2つの方法」
川崎市では自治体での「動物遺体の回収・火葬」と、民間の「個別・立会い対応の葬儀社」いずれも利用が可能です。どちらも正解であり、ご自身の希望や体力、費用面から選ぶのが基本です。
市の回収火葬
川崎市では、家庭で亡くなった犬猫などの動物を市が委託した施設で合同火葬する制度があります。申込方法や料金は「川崎市動物愛護センター」の案内に従ってください。
特徴は、比較的費用が抑えられ、遺骨の返却がない点です。首輪や金属類は外してから申し込みます。最新情報は市公式サイトで必ず確認してください。
民間葬儀社
民間では「立会い」「返骨」「訪問火葬」など柔軟に選べます。電話時に「返骨の有無」「立会いの可否」「所要時間」を確認すると安心です。
宗教行為や法的資格を伴う儀式とは異なり、あくまで葬送支援サービスとして提供されています。
判断の軸
「遺骨を手元に残したいかどうか」が第一の分かれ目です。返骨なしの合同火葬と、個別での返骨のどちらが自分に合うかを考えると整理がしやすくなります。
火葬プランで後悔を減らすための「3つの違い」
合同火葬は費用を抑えられますが返骨ができません。個別火葬は一頭ずつ対応し、立会い・お骨上げ・返骨など柔軟な選択が可能です。
「立会いあり」は実感を伴う見送りに、「立会いなし」は心の負担軽減に適しています。どの選択も間違いではありません。
役所まわりの手続き「2ステップ」
犬の場合のみ「死亡届」が必要です。
犬の死亡届
動物愛護管理法の定めにより、犬の所有者は市区町村への登録が義務づけられています(法第25条)。死亡した場合は登録の抹消届を行う必要があります。
川崎市では、死亡の日から30日以内に動物愛護センターまたは区役所で手続きできます。鑑札・注射済票が必要です。
猫や小動物は法的義務がなく、届出は不要です。
マイクロチップ登録の変更
2022年6月施行の改正動物愛護管理法により、販売時のマイクロチップ登録が義務化されています。死亡時には登録情報の更新(削除)を行いましょう。
登録先は「環境省動物ID管理サイト」または指定登録団体(例:AIPO、日本マイクロチップ普及推進会議など)です。
葬儀社選びで迷わない「見積もりチェック5つの視点」
- 総額と内訳(出張費・骨壷など)
- 説明の丁寧さ
- 供養の選択肢
- 口コミの「理由」
- 家族の事情の共有
「追加料金の条件」と「担当者の説明態度」が信頼の目安です。宗教活動や押しつけを感じた場合は契約前に断る権利があります。
また、料金比較時に「内容が同条件か」を確認すると誤解が防げます。
当日のお別れを穏やかに進める4場面
- お別れ前:タオル・お花・燃やせる小物を準備
- 火葬中:軽い飲み物を取り、沈黙をそのままに
- お骨上げ:できる・できないいずれも尊重
- 帰宅後:骨壷の安置と短い声かけ
体調が悪い場合は立会いを他の家族に任せても構いません。宗教儀礼に制限はなく、「ありがとう」を伝えるだけでも立派なお別れです。
供養の選択肢は「3つで十分」
- 手元供養(自宅で骨壷を保管)
- 納骨・霊園供養(会いに行ける安心)
- 合同供養(他の子と一緒に供養)
供養は時期をずらしても問題ありません。感情が落ち着いてから決めるほうが後悔しにくいです。
民間霊園を利用する際は、宗教・永代供養・返骨可否・運営形態(民間/寺院)を確認してください。
体験談:深大寺での合同納骨
筆者は以前、犬を亡くした際に深大寺の合同納骨を利用しました。会いに行ける安心感と、区切りをつけられる感覚があり、時が経っても落ち着きます。
ペットロスと向き合うための7つの工夫
- 「後悔して当然」と理解する
- 思い出を片付けない自由を持つ
- 話せる相手を決める
- 睡眠と食事を守る
- SNSや写真と距離を取る
- 専門的支援を恐れない
- 自分のペースを尊重する
後悔や涙は自然な反応であり、病気ではありません。数週間続く強い抑うつや自責がある場合は、医療機関(心療内科)や自治体の無料相談窓口に相談してください。
よくある質問(6つ)
Q1. 夜間・休日は?
安置を優先し、翌朝に連絡しても問題ありません。夜間対応には追加料金がかかることがあります。
Q2. 火葬まで何日待てる?
保冷剤などを適切に使えば1〜2日は待てる場合がありますが、季節や体格によって異なります。動物病院か葬儀社に確認を。
Q3. 費用が厳しいときは?
川崎市の合同火葬は費用を抑えられる選択肢です。民間でも立会いなし個別火葬が比較的安価に利用できます。
Q4. 小動物や猫の扱いは?
猫・小動物にも民間火葬が可能です。市では犬以外の回収も一部で受け入れていますが、対応可否は要確認です。
Q5. 子どもへの伝え方は?
年齢に応じて短く、具体的に。「体が止まって、もう苦しくないよ」と表現するなどが推奨されています(日本臨床心理士会指針より)。
Q6. つらすぎるときの相談先は?
川崎市精神保健相談センター(044-200-2853)や、民間ペットロス専門カウンセリングなどへ相談可能です。
まとめ
- 最初の30分は「泣いていい・安置・連絡」の3点に絞る
- 川崎のお見送りは「市」と「民間」の2軸
- 火葬プランは返骨・立会い・お骨上げの有無を基準に
- 犬の死亡届とマイクロチップ登録の変更を忘れずに
- ペットロスは当日で終わりではなく、回復の過程
本記事は2025年12月時点の川崎市公式情報および環境省の告示に基づいて作成しています。詳細は川崎市動物愛護センター、環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」関連ページ、または利用予定の葬儀社公式サイトで最新情報をご確認ください。
