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コラム

一人会社の法人化で変わる5つのポイント|メリット・デメリットを行政書士が解説

「そろそろ法人化したほうがいいのかな…?」
売上が安定してきた個人事業主から、そんな相談をよく受けます。

法人化には、節税・信頼性アップ・経費の拡大といった大きなメリットがあります。一方で、社会保険の負担や維持コストなどのデメリットも無視できません。

この記事では、行政書士の視点から「一人会社でも失敗しにくい法人化の考え方」をわかりやすく解説します。最後には無料相談フォームの案内も用意しました。まずは全体像から押さえましょう。


目次

  • 法人化とは?一人会社でもわかる基本と流れ

  • 法人化のメリット|個人事業主が得られる4つの変化

  • 法人化のデメリット|後悔しないための注意点

  • 法人化のタイミング|ベストな判断基準3つ

  • 副業の法人化に注意!よくある3つの落とし穴

  • 法人化の費用と維持コスト|いくらから始められる?

  • 法人化で後悔しないための3つのチェックポイント

  • まとめ|法人化の判断に迷ったら専門家に相談を


法人化とは?一人会社でもわかる基本と流れ

法人化とは「事業を個人から会社に切り替える」こと

法人化とは、これまで個人名義で行っていた事業を、会社という形に切り替えることです。つまり、事業の主体が「あなた個人」から「あなたが代表を務める法人」に変わります。

たとえば、個人事業主の山田太郎さんが株式会社YAMADAを設立した場合、今後は会社が売上を受け取り、経費を支出し、税金を納めます。経営の責任とお金の流れが会社単位になるのが法人化の基本です。
※個人事業をやめる場合は、税務署への「個人事業の廃業届出書」提出が必要です(提出先・期限は最寄りの税務署、原則として廃業日から1か月以内が目安)。


一人会社でも設立できる?株式会社と合同会社の違い

「一人で会社を作れるの?」という不安は不要です。株式会社も合同会社(LLC)も、一人で設立し、一人で運営できます。

会社形態 特徴 設立費用の目安
株式会社 信用度が高く、取引・融資に強い 約20〜25万円(定款認証+登録免許税など)
合同会社(LLC) 設立費用が安く、手続きが簡単 約6〜10万円

最初は費用の安い合同会社で始める人も多いです。将来の信用力や事業拡大を重視するなら、株式会社を検討するとよいでしょう。


法人化の手続きと行政書士に依頼する場合の流れ

法人を設立するには、次のような手続きが必要です。

  1. 商号(会社名)・所在地・事業内容を決める

  2. 定款を作成(株式会社は公証役場で認証)

  3. 登録免許税を納付して法務局で設立登記

  4. 税務署・都道府県税事務所・年金事務所等への届出

書類は細かく手間もかかります。行政書士や司法書士に依頼すれば、ミスを抑えつつスムーズに進められます。時間の節約にもつながります。


法人化のメリット|個人事業主が得られる4つの変化

所得税・住民税が軽減される「節税効果」

法人化の代表的メリットは税負担のコントロールがしやすくなる点です。個人事業主は所得が増えるほど税率が上がる「累進課税」ですが、法人は区分ごとの税率に地方法人税や事業税等を含めた実効税率で概ね約30%前後が目安になります(事業規模・自治体等で変動)。

たとえば年間利益が800万円なら、30〜40万円程度の軽減になる試算例もあります。これは役員報酬の設定や経費の取り扱いで変わります。※上記はあくまで概算で、実際の金額は所得区分・控除・社会保険料等により異なります。


銀行・取引先からの信頼性アップ

法人は登記簿に会社情報が登録されます。第三者が確認できるため、取引先や金融機関からの信頼が上がりやすいのが特徴です。融資・助成金・法人契約などが進めやすくなるケースもあります。


経費の幅が広がることでお金の使い方が柔軟に

法人では、個人よりも「業務関連性」を説明しやすい費目が増えます。たとえば役員車両、会議費、福利厚生費などが代表例です。適切な根拠資料(契約書・議事録・領収書等)を残すことで、税務上のリスクを下げつつ手取りの最適化を図れます。


家族を役員・社員にできることで所得分散が可能に

家族を役員や従業員として雇い、給与を支払えば、世帯全体での所得分散ができます。結果として税率の平準化が期待できます。
実際に業務を行っていること、かつ社会通念上相当な給与水準であることが前提です。不相当に高い給与や形式的な在籍は、経費算入が認められないおそれがあります。


法人化のデメリット|後悔しないための注意点

社会保険の加入が義務化され、負担が増える

法人は原則として健康保険・厚生年金の強制適用事業所です。代表取締役1人のみの会社でも加入義務が生じます。個人時代の国民健康保険より保険料が上がる場合があるため、報酬設計と保険料をセットで試算しておくと安心です。


会社維持のための費用・手間(決算、登記など)がかかる

法人は毎年、決算と法人税申告が必要です。税理士に依頼する場合は年間10〜30万円程度が相場。役員変更や本店移転時の登記費用も発生します。「設立したら終わり」ではありません。継続的な管理コストを見込んでおきましょう。


赤字でも法人住民税が発生する点に注意

利益が出ていなくても、**均等割(都道府県・市区町村合算で年7万円程度が目安)**は発生します。収益が読みにくい段階での拙速な法人化は、負担だけが増えることがあります。


法人化のタイミング|ベストな判断基準3つ

年間利益が500万円を超えたとき

一般的に、年間利益が500万円を超えると税負担の面で法人化の効果が出やすくなります。ただし法令上の基準ではなく、あくまで実務上の目安です。費用構造や家族構成、社会保険の負担で最適点は変わります。


取引先から「会社にしてほしい」と言われたとき

法人としか契約できない企業もあります。取引先から法人化を求められたら、信用面の強化が必要というサインと捉えましょう。受注機会を逃さないための切り替え検討が有効です。


将来の事業拡大や信用力を重視したくなったとき

従業員の採用や設備投資、融資活用などを想定しているなら、法人化が有利に働く場面が増えます。登記情報の公開は対外的な信用の土台になります。


副業の法人化に注意!よくある3つの落とし穴

勤務先の就業規則違反になる可能性

副業で法人を設立すると、勤務先の就業規則に反する場合があります。事前に社内規程を確認しましょう。なお、国家公務員・地方公務員は法律で兼業が原則禁止と定められています。該当する方は所管庁の許可要件を必ず確認してください。


節税どころか社会保険負担で逆効果になることも

法人化により社会保険料が発生し、売上規模によっては負担が増えることがあります。節税額だけで判断せず、保険料・顧問料・均等割を含む総コストで比較すると判断を誤りにくくなります。


実態がないと“節税目的法人”と見なされるリスク

売上や業務実態が乏しい場合、形式だけの法人と見なされるおそれがあります。契約書・請求書・帳簿・業務の証跡を整え、実体のある経営を心がけましょう。


法人化の費用と維持コスト|いくらから始められる?

設立費用(定款認証・登録免許税など)の目安

項目 株式会社 合同会社
定款認証費用 約5万円 不要
登録免許税 15万円 6万円
その他実費 約2〜3万円 約1〜2万円
合計目安 約20〜25万円 約6〜10万円

上記は標準的な目安です。発起人数、目的記載、定款作成方法などで増減します。


決算・税理士・社会保険などの年間コスト

法人維持には次のような費用がかかります。

  • 税理士費用:年間10〜30万円(記帳代行の有無・売上規模で変動)

  • 社会保険料:役員報酬に応じて毎月数万円が目安

  • 法人住民税(均等割):年約7万円〜(自治体で差あり)

年間の固定費+変動費を合算し、黒字が残るか事前に確認しておきましょう。


行政書士・税理士に依頼する場合の費用感

専門家に依頼すれば、設立から各種届出、顧問面談まで一括で支援を受けられます。設立費用+顧問料で年間30万円前後が相場の一例です。初めての法人化では、ミス防止と時間短縮の観点から外部専門家の活用が有効です。


法人化で後悔しないための3つのチェックポイント

「節税」だけを目的にしない

節税だけで判断すると、社会保険料や管理コストで逆効果になることがあります。節税・信用力・成長計画の3点で総合判断しましょう。


維持費・管理コストを事前に試算する

税理士費用や保険料、均等割などの固定費を年額で見える化し、資金繰りに落とし込みます。設立前に複数パターンのシミュレーションを行うと失敗が減ります。


信頼できる専門家に相談して判断する

収入水準・家族構成・事業の将来像で最適解は変わります。行政書士や税理士に相談し、自分の前提条件に合う設計を選びましょう。早期の相談は手戻りも防ぎます。


まとめ|法人化の判断に迷ったら専門家に相談を

法人化の判断は「人によって最適解が違う」

法人化の効果は一律ではありません。税率構造、社会保険、信用力、運転資金の各視点から総合的に比較して決めましょう。


行政書士による法人化サポートの流れ

  • 現状のヒアリング

  • 最適な法人形態・設立時期の提案

  • 書類作成・登記サポート

  • 税理士・社労士との連携フォロー

法人化はやり直しが難しいテーマです。迷う段階で相談すれば、無駄を抑えやすくなります。

 


  • 本文は一般的な制度説明であり、具体的な適用や金額は状況により異なります。詳細は必ず、行政書士・税理士・社労士などの専門家へご相談ください。

  • 税率・金額は代表的な目安です。実効税率は事業規模や自治体、控除等で変動します。節税額の試算例は概算であり、実際の軽減額を保証するものではありません。

  • 個人事業を廃止する場合は「個人事業の廃業届出書」の提出が必要です。提出期限・様式は所轄税務署で確認してください。

  • 家族への給与計上は、実際の労務提供と相当額が前提です。不相当な給与は損金算入が否認される可能性があります。

  • 法人の社会保険は原則強制適用です。役員1名体制でも加入義務が生じます。

  • 公務員は兼業が原則禁止です。該当する方は所管庁の許可要件をご確認ください。


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