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コラム

【おひとり様・おふたり様向け】信託契約書の作り方のポイント

はじめに:信託契約書の重要性と本記事の位置付け

家族信託は、認知症や老後の財産管理に備える強力なツールです。しかし、信託契約書が曖昧だと、せっかくの信託も思うように機能しません
本記事では、おひとり様・おふたり様向けに、信託契約書作成のステップ、具体的記載例、よくある失敗と回避策、活用事例、注意点まで、実務目線で詳しく解説します。

※当事務所では、リモート打合せで全国対応可能です。
※本記事は分かりやすく簡略化しています。詳細は条文確認や専門家相談を推奨します。


1. 信託契約書とは何か

1-1. 信託契約書の役割

信託契約書は、家族信託の「設計図」「ルールブック」です。
主な役割は以下です。

  • 信託財産の明確化

  • 受託者の権限・義務の明記

  • 受益者の権利の整理

  • 財産管理のルール化

これにより、後日のトラブルを予防し、受託者が安心して業務を遂行できます。

1-2. 信託財産の明細

信託財産は不動産や預貯金だけでなく、有価証券、動産(骨董品・貴金属)、ペットや事業資産も対象になります。
信託契約書では、できるだけ具体的に記載することが重要です。

  • 不動産:登記簿謄本の地番、地目、地積、建物の構造、床面積

  • 預貯金:銀行名、支店名、口座番号、通帳残高

  • 有価証券:銘柄、数量、口座情報

  • 動産:種類、所在、管理方法

  • ペット:飼育環境、費用負担、世話の責任者

1-3. 受託者の権限と義務

受託者は、信託財産を管理・運用する責任を負います。
契約書には具体的な権限を定めることが不可欠です。

  • 権限例:自宅売却、賃貸契約締結、預貯金引き出し、投資運用

  • 免責条項:業務の誠実遂行での損失は免責される場合を明記

  • 善管注意義務:受託者は「善良なる管理者」として注意義務を負う

トラブル例

  • 不動産賃貸借契約の更新ができない

  • 大規模修繕の資金調達ができない

  • 医療費支払いで家族が困窮

こうしたリスクを契約書で事前に制御することが、信託の成功には不可欠です。


2. 信託契約書作成の基本ステップ

Step1:信託設計の整理

信託設計では、まず目的の明確化が重要です。
「生活費確保」「医療費支払い」「相続準備」「ペットの世話」「事業承継」など、家族のニーズを整理します。

また、家族信託は遺言書や成年後見制度との違いも意識する必要があります。

  • 遺言書:死亡後に効力、柔軟性は限定的

  • 成年後見制度:判断能力低下後に開始、裁判所の監督が必要

  • 家族信託:生前から財産管理可能、柔軟性高、認知症予防にも効果

行政書士は、漠然とした不安を具体的な信託設計に落とし込みます。

Step2:信託財産と権限の明確化

  • 財産ごとに詳細情報を記載

  • 不動産:信託登記の必要性を明示

  • 預貯金:信託口口座開設手順を明記

  • 権限範囲:日常管理から臨時出費まで具体化

行政書士は、条文に抜け漏れがないかチェックし、将来起こりうるリスクを予測します。

Step3:受益者と生活費ルールの設定

  • 定期支給:月額〇万円

  • 臨時支出:医療費、施設費は随時対応

  • ボーナス支給:年2回

  • 生活費の優先順位:医療費 → 施設費 → 日常生活費

おひとり様・おふたり様で柔軟に設計可能です。

Step4:条文チェックと修正

  • 法的観点からの条文修正

  • 「業際の問題」(弁護士・司法書士との業務範囲の棲み分け)

  • 信託監督人や受益者代理人の設置検討

行政書士は、契約書の完成度を高め、トラブル予防を担保します。

Step5:署名・押印、保管

  • 原本の安全保管

  • 受託者・受益者・行政書士控えの確保


3. 記載すべき具体的ポイント

おひとり様向け

  • 第二受託者(後継ぎ受託者)を指定

  • 任意後見契約との併用も検討

  • 緊急時対応:病院・介護施設・行政手続きの代理権

契約書に規定がない場合、受託者死亡時は家庭裁判所への申立てが必要となります。

おふたり様向け

  • 共同財産管理:夫婦共同名義の不動産信託化

  • 受益者連続型信託:二次相続まで見据えた設計、税務メリット(小規模宅地等)

  • 意思決定ルール:どちらかが認知症になった場合の判断方法を明確化


4. 契約書作成でよくあるミスと回避法

ミス1:曖昧な財産範囲

  • 「預貯金全般」記載 → 新規口座や名義違い口座は対象外の可能性

  • 相続発生後の相続税申告でトラブルになることも

ミス2:受託者権限の過小/過大

  • 権限過小:入院費用の引き出しができず家族困窮

  • 権限過大:不動産売却など本人意思を超える行為の危険

ミス3:信託監督人・受益者代理人未設定

  • 受託者の不正や誤った財産運用の防止策が不足

  • 契約書で監督人の権限と報告義務を明確化


5. 活用事例

ケース1:おひとり様・生活費確保

  • 受託者:信頼する親族

  • 財産:預貯金、賃貸マンション

  • 契約書で生活費優先支出と受託者交代ルールを明記

ケース2:おふたり様・二次相続対応

  • 受益者連続型信託で二次相続まで対応

  • 意思決定ルールを契約書に明記

  • 子世代への資産移転もスムーズ

ケース3:ペットの世話

  • ペット用信託:生活費、医療費、世話の責任者を明記

  • 受託者がペットの飼育環境を管理

ケース4:事業承継

  • 家族信託で株式や事業資産を管理

  • 受益者連続型で後継者への移転スムーズ


6. 専門家に相談すべきタイミング

  • 信託設計初期:財産整理・目的設定

  • 契約書作成時:条文チェック、権限範囲・免責条項の設計

  • 契約後:受託者交代や財産追加・変更時

行政書士が関与することで、法的リスクを最小化し、トラブル防止につながります。


7. まとめ

  • 信託契約書は家族信託の「設計図」

  • 財産の明細、受託者権限、生活費ルールを具体的に記載

  • おひとり様・おふたり様でルールや権限の設定方法が異なる

  • 行政書士によるチェックでミスやトラブルを防ぐ

安心で柔軟な財産管理を設計するには、契約書作成前に専門家に相談し、条文を具体化することが不可欠です。


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