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コラム

【連載第13回】集合住宅でのペット飼育規約違反と退去請求:事前確認と日常管理でトラブル回避

愛犬エピソード

私の家には2頭のイタリアングレーハウンドがいます。

  • ロッキー(18歳):全身ブルーホワイト。白髪が増えましたが、穏やかで落ち着いた老犬です。

  • アッシュ(10ヵ月):全身白を基調に、顔右半分に黒の模様が入るやんちゃなパピー。好奇心旺盛で、集合住宅の共用部で思わぬトラブルを起こすこともあります。

ロッキーは年齢を重ねても安定していますが、アッシュの活発さは日々の管理に注意が必要です。この経験から、規約遵守や日常管理の重要性を痛感しています。


導入

新築マンションに愛犬を迎えた田中夫妻。しかし、ペット飼育規約を十分に確認していませんでした。

入居後まもなく、アッシュの夜間の鳴き声が隣室に届き、管理会社から口頭での注意を受けます。苦情が続くと次に書面での警告、改善が見られない場合は契約解除という段階を経て、最悪の場合**「退去請求」**に発展する可能性があります。

このように、トラブルは段階的に進行します。飼い主は事前確認と日常管理を徹底し、管理者はルールの周知と注意喚起の仕組みを整えることが不可欠です。


トラブル事例

典型的なケース:

  • 夜間の犬の鳴き声が隣室に届き、苦情が繰り返される

  • ペット共用部での排泄や悪臭が慢性的に隣室に届く

  • 規約違反が継続し、管理会社が契約解除手続きを検討

これらはいずれも、社会通念上の我慢の範囲(受忍限度)を超える行為と判断される可能性があります。


背景

受忍限度とは

法律上、「受忍限度」とは、社会通念上、近隣住民が我慢すべき範囲の騒音や臭いを指します。夜間の過剰な鳴き声や排泄物の悪臭など、日常生活の快適さを著しく害する場合は、受忍限度を超えると判断され、管理会社から改善要求や契約解除の根拠になります。

規約違反と退去請求

集合住宅の管理規約や契約書に定められたペット飼育ルールに違反すると、契約違反として扱われます。重大な違反や継続的な違反の場合、最終的には退去請求につながることがあります。


 

飼い主視点:「知らなかった」では済まされない!入居前後の飼い主チェックリスト

  1. 規約の精読:ペットの種類、頭数、共用部の使用制限、夜間行動のルールを確認

  2. 騒音・臭い対策:室内トイレ・鳴き声対策・消臭グッズを準備

  3. 近隣への配慮:引っ越し時の挨拶、苦情対応の準備

  4. 日常記録の保持:トラブル時に証拠として残せるよう、鳴き声や臭いの発生状況を記録

  5. 管理会社との定期連絡:些細なトラブルでも報告し、改善の姿勢を示す

管理者視点:トラブルを未然に防ぐ!管理者・オーナー向けチェックリスト

  1. 規約・細則の明確化:ペットの種類、頭数、使用制限、違反時の措置を明文化

  2. 注意喚起の仕組み:口頭→書面→契約解除の段階的措置を設計

  3. 記録管理:苦情内容や対応経過を記録し、後の証拠として活用

  4. 定期的な入居者説明:新規入居時やペット飼育ルールの変更時に周知

  5. トラブル対応窓口の整備:迅速かつ公正な対応体制を構築


専門家アドバイス

集合住宅でのペットトラブルは、飼い主の不注意や管理会社の対応不足が原因で拡大することがあります。事前に規約を確認し、日常の行動を記録することで多くのトラブルは回避可能です。また、万一のトラブル発生時には、記録を元に冷静に交渉することが重要です。


まとめ(不安→安心の言葉)

飼い主も管理者も、お互いの立場を理解し、ルールを明確化することで、トラブルは未然に防げます。

不安を感じたら、まずは専門家に相談し、法的根拠に基づいた対応策を確認することが安心への第一歩です。


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