コラム
【入門編 第6回】非就労系在留資格の全体像:学生や観光客のための資格
入管業務の土台を築くシリーズ、第6回は**「非就労系在留資格」**の全体像を深く掘り下げます。
非就労系在留資格は、日本で働くことを主な目的としない外国人が取得するものです。しかし、これらの在留資格を持つ外国人も、一定の条件を満たせば就労活動が可能になる場合があります。このルールを正確に理解することは、入管業務を行う上で非常に重要です。
本記事では、主要な非就労系在留資格である「留学」「文化活動」「短期滞在」の基本と、実務上特に重要となる**「資格外活動許可」**について解説します。
1. 主要な非就労系在留資格の基本
非就労系在留資格は、主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。
(1) 留学
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概要: 日本の大学、専門学校、日本語学校などで教育を受けるための在留資格です。
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実務上のポイント:
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在留期間: 最長で4年3ヶ月ですが、学校のカリキュラムや学年によって異なります。
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申請時の注意点: 申請者本人の学習意欲に加え、日本の生活費を賄えるだけの**「経済力」**を証明することが重要です。経費支弁者(親など)の収入証明などが求められます。
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アルバイト: 原則として就労はできませんが、後述する**「資格外活動許可」**を得ることで、週28時間以内のアルバイトが認められます。
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(2) 文化活動
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概要: 収入を伴わない学術上または芸術上の活動を行うための在留資格です。
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実務上のポイント:
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対象活動: 日本文化の研究、語学研修、日本の伝統芸能の習得などが該当します。
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注意点: **「収入を伴わない活動」**が原則です。報酬が発生する活動はできず、生活手段を証明するための預金残高や送金計画の提出が求められます。
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(3) 短期滞在
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概要: 観光、保養、親族訪問、商談など、90日以内の短期間で日本に滞在するための在留資格です。
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実務上のポイント:
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活動範囲: 入国時に申告した目的以外の活動はできません。就労活動は原則として認められていません。
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在留期間の延長: 原則不可です。病気や災害など、やむを得ない事情がある場合に限り、特例的に許可されることがあります。
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2. 資格外活動許可の考え方と重要性
非就労系在留資格を持つ外国人が、収入を伴う活動をするためには、**「資格外活動許可」**が必要です。これは原則禁止されている就労を、特別に許可する制度です。
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許可の種類:
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包括許可: 「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ人が、風俗営業等の一部職種を除き、週28時間以内のアルバイトを行う場合。
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個別許可: 特定の機関で特定の業務を行う場合。
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実務上のポイント:
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就労時間の厳守: 週28時間というルールを厳守しているか、クライアントである企業や本人に確認することが重要です。時間を超過した場合、不法就労と見なされ、在留期間の更新が不許可になったり、退去強制の対象になったりするリスクがあります。
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職種の制限: 風俗営業等の営業活動や、性風俗関連特殊営業に関わる業務は認められていません。
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3. 非就労系在留資格から就労系への変更とトラブル対応
非就労系在留資格を持つ外国人が日本で就職した場合、就労系在留資格への変更許可申請が必要になります。
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実務上のポイント:
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要件: 変更申請時も、就労系在留資格の要件(学歴・職歴、業務内容の関連性など)を満たしている必要があります。
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注意点: 留学生が在留資格変更申請を行う場合、出席率や学業成績も審査の対象となります。
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問題発生時の対応:
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申請者が就労時間超過や禁止されたアルバイトをしていたことが発覚した場合、まずはすぐに活動を中止させることが最優先です。
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その上で、今後の在留資格更新に備え、経緯説明書や反省文などを準備する必要があります。
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まとめ:非就労系在留資格の正確な理解が、お客様の未来を拓く
非就労系在留資格は、単なるビザの手続きではありません。来日した外国人の日本での生活や将来に深く関わるものです。
行政書士として、各在留資格の制度とルールを正確に把握し、お客様の状況とニーズに合わせた適切な助言を行うことが、お客様の未来を守り、信頼を築くことにつながります。
HANAWA行政書士事務所では、神奈川県川崎市から**一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)**を中心に、ビザ・在留資格のサポートを実施しております。外国人雇用に関わる企業様や、在留資格の更新・変更でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。