コラム
契約書を自分で作って大丈夫?専門家に依頼するメリット
契約書は、取引先や顧客との信頼関係を守るために欠かせない文書です。しかし「ネットのひな形を使えばいいのでは?」「自分で作成してコストを抑えたい」と考える方も多いでしょう。確かに自作は可能ですが、法的なリスクや不備が残る可能性があります。ここでは契約書を自作する際の注意点と、専門家に依頼するメリットを初心者でもわかりやすく解説します。
目次
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契約書を自分で作成するメリットとデメリット
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自分で作成するメリット
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自分で作成するデメリット
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契約書に関する基礎知識
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契約書の役割
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契約書の必須項目
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契約書を自作する際に注意すべきポイント
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リーガルチェックの重要性
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印紙税と契約書の取り扱い
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訂正方法
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英文契約書の注意点
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専門家に依頼するメリット
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行政書士に依頼するメリット
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弁護士との違い
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まとめ:契約書は専門家に相談するのが安心
契約書を自分で作成するメリットとデメリット
自分で作成するメリット
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コストを抑えられる
行政書士や弁護士に依頼すると数万円以上かかることがありますが、自作なら無料または数千円程度で済みます。 -
スピード感がある
すぐに契約したい場合、自分で作れば即日対応も可能です。 -
内容を把握しやすい
自分で作ることで契約内容を理解しやすくなります。
自分で作成するデメリット
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法的に不十分な内容になりやすい
条文の書き方を誤ると、契約を守ってもらえなかったり、裁判で無効になる可能性があります。 -
トラブル発生時に不利になる
曖昧な表現や抜け漏れがあると、相手に有利な解釈をされかねません。 -
印紙税や割印などの知識が必要
印紙を貼る契約書かどうか、割印のルールなどを知らないと、後から税務署に指摘されることもあります。
契約書に関する基礎知識
契約書の役割
契約書は「口約束の補強」と考えるとわかりやすいです。口頭の合意でも契約は成立しますが、後になって「そんな約束していない」と争いになることがあります。そのため、契約内容を文書に残し、証拠として機能させるのが契約書の役割です。
契約書の必須項目
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契約の当事者(甲・乙)
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契約の目的(何をする契約か)
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契約期間
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対価・支払方法
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契約解除の条件
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紛争時の管轄裁判所
これらが不明確だと、いざという時に「どちらが正しいのか」判断できなくなります。
契約書を自作する際に注意すべきポイント
リーガルチェックの重要性
ネットのひな形や過去の契約書をコピーして使う方もいますが、そのままでは自分の取引に合わないケースが多くあります。専門家によるリーガルチェックを受ければ、不足条項や不利な条件を事前に修正できます。
印紙税と契約書の取り扱い
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収入印紙
金額の記載がある請負契約書や売買契約書などには印紙が必要です。貼り忘れると追徴課税を受けるリスクがあります。 -
割印・契印
契約書を複数ページにわたって作る場合、改ざん防止のためにページの間に割印を押します。契印がなければ後から差し替えられる恐れがあります。 -
製本・袋とじ
契約書を袋とじにして割印を押すと、契約の信頼性が高まります。
訂正方法
契約書に誤記があった場合、二重線で訂正し、当事者双方が訂正印を押す必要があります。修正液や消しゴムで消すと、改ざんの疑いを持たれるため避けましょう。
英文契約書の注意点
海外企業との取引では英文契約書を使うことがあります。翻訳サイトだけでは不十分で、専門用語の誤訳やニュアンスの違いで大きなリスクにつながります。国際取引の経験がある専門家に依頼するのが安心です。
専門家に依頼するメリット
行政書士に依頼するメリット
行政書士は契約書の作成やリーガルチェックを得意としています。依頼することで次のような利点があります。
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契約目的に合わせたオーダーメイドの契約書を作れる
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印紙税や割印の正しい取り扱いがわかる
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法律や判例に基づいた安全な条項を盛り込める
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取引相手に対して「きちんと契約している」という信頼感を与えられる
弁護士との違い
弁護士は紛争が発生した際の交渉や訴訟を担当できますが、行政書士は予防法務(契約書作成・チェック)が専門です。費用面でも行政書士の方が依頼しやすいケースが多いでしょう。
まとめ:契約書は専門家に相談するのが安心
契約書を自分で作ることは可能ですが、法的リスクや税務上の誤りを避けるには限界があります。トラブルを未然に防ぐためには、行政書士や弁護士といった専門家に相談するのが安心です。特に事業を始めたばかりの個人事業主や法人にとって、契約書は将来のリスクを減らす保険のようなもの。正しく整備することで、信頼関係を強化し、安心して取引を進めることができます。