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コラム

【連載第9回】旅行カートで行く日帰り旅行と「旅行契約・宿泊施設利用規約」の知識

我が家の愛犬、イタリアングレーハウンドのロッキー(シニア犬)とアッシュ(やんちゃ盛りのパピー)は、最近「旅行用カート」を手に入れました。これが我が家にとって大正解。2匹を一度に連れての移動は体力的にも周囲への配慮的にも大変ですが、カートに入れることでずいぶんと楽になりました。

先日は箱根まで日帰り旅行へ。電車もロープウェイも、カートに入れていればスムーズに利用できることが多く、観光施設でも「カートやキャリー必須」といった条件で犬同伴を許可している場所が増えてきています。

ロッキーは年齢的にも落ち着いており、カートの中でゆったりと景色を眺めるだけで満足そう。一方、アッシュは「外に出たい!」と元気いっぱいで、カートの天井に鼻先を押し付ける場面もありました。それでも、移動中に他のお客さんや観光客に迷惑をかけることがなく、飼い主としては安心感が大きかったです。

観光先のカフェやショップでも「ペット同伴OK」ではあっても、必ず利用規約や案内掲示がありました。「キャリーやカート利用必須」「吠える場合は入店不可」「施設内での排泄は禁止」など。実際、入館時にスタッフから「ファスナーは必ず閉めてください」と念押しされる場面もありました。

一見すると細かい規則のように感じますが、これらは「皆が快適に過ごすためのルール」。私自身、2匹を連れてみて、規約の必要性を実感しました。ロッキーもアッシュもマナーを守って過ごしてくれたおかげで、旅行を心から楽しむことができたのです。


旅行契約・宿泊施設利用規約

旅行契約とは?

旅行代理店を通じてツアーや宿泊を予約すると、私たちは「旅行業法」に基づく「旅行契約」を結びます。代表的には、

  • 募集型企画旅行契約:旅行会社があらかじめ企画したツアーに参加する契約

  • 受注型企画旅行契約:利用者の要望に応じて企画されるオーダーメイド旅行契約

  • 手配旅行契約:宿泊や交通手段のみを旅行会社が手配する契約

ペット同伴旅行では、追加の条件(頭数制限、料金、持参書類など)が契約条件に組み込まれることがあります。契約書面(旅行条件書)に記載されている場合、それは法的に有効な契約条項となります。

宿泊施設利用規約の位置づけ

宿泊施設ごとに定められている「利用規約」も、宿泊契約の一部です。宿泊約款とも呼ばれ、一般的には以下の事項が盛り込まれます:

  • チェックイン・アウトの時間

  • 支払い方法

  • 利用者の遵守事項(騒音禁止、喫煙禁止など)

  • ペット宿泊条件(体重制限、頭数制限、狂犬病予防接種証明の提示義務、ケージ利用義務など)

  • 施設側の解除権(規約違反時には宿泊を拒否できる)

これらは宿泊契約書や宿泊約款として、チェックイン時に署名・同意を求められるケースが多く、法的拘束力を持ちます。

ペット同伴旅行での飼い主側注意点

  1. 追加料金と申告義務
     ペット1頭ごとに宿泊料がかかることが一般的です。無断持ち込みは契約違反となり、追加清掃費や違約金が請求される可能性があります。

  2. 損害賠償責任
     犬が客室の家具を傷つけた場合、民法709条(不法行為責任)に基づき修繕費を請求される可能性があります。また、吠え声で他の宿泊客からクレームが出れば、施設側が損害賠償請求を検討することもあります。

  3. 旅行中止や変更時の対応
     利用者都合のキャンセルは取消料が発生します。ペット同伴だからといって特別扱いはなく、通常の旅行契約の取消規定が適用されます。

宿泊施設側の注意点

施設にとっても、ペット受け入れにはリスク管理が不可欠です。具体的には:

  • 規約の明確化
     「小型犬のみ可」なのか「全犬種可」なのか、体重制限や頭数制限を明確に定め、利用規約に盛り込む必要があります。あいまいな規定だと、利用者とのトラブルに発展しかねません。

  • 損害賠償の範囲を明示
     犬による汚損・破損に対し、どの範囲まで請求するのかを規約に書き込むことが重要です。「実費請求」と明記しておけば、法的根拠をもって請求できます。

  • 衛生・安全面の確保
     ワクチン接種証明や狂犬病予防接種証明の提示を義務付けておくことは、他の宿泊客や施設従業員を守るうえで必須です。

  • 他利用者への配慮
     ペット同伴可能エリアと一般宿泊者エリアを区分することも有効です。これにより「犬が苦手なお客様」への配慮となり、クレームを未然に防ぐことができます。

  • 従業員対応のマニュアル化
     「吠え続けている犬への対応」や「粗相があった場合の清掃手順」などをマニュアル化しておくと、現場での混乱を防げます。

こうした工夫により、施設側はトラブルを減らし、リスクをコントロールできます。行政書士は、このような利用規約や宿泊約款の作成・改訂の支援を行うことが可能です。


まとめ

愛犬との旅行は楽しいイベントである一方、法律や契約の枠組みの中で成り立っています。飼い主側には「規約を守る責任」があり、施設側には「安全で公平な規約を整備する義務」があります。

ロッキーとアッシュとの旅行を通じて、私は「規約があるからこそ安心して楽しめる」ということを改めて実感しました。カートのファスナーを閉める、小型犬だけの利用を守る――こうした小さな遵守が、他の利用者や施設側の信頼につながります。

これから愛犬と旅行を計画されている飼い主の皆様へ。

  • 事前に利用規約を読み込む

  • 狂犬病予防接種証明など必要書類を準備する

  • 宿泊施設への申告は正確に行う
    この3点を意識するだけで、トラブルを大幅に減らせます。

また、宿泊施設を運営される方へ。ペット受け入れは集客効果がありますが、リスク管理を怠ると逆にクレームや損害賠償につながりかねません。利用規約の策定・改訂は、専門家と相談しながら進めるのが安心です。

HANAWA行政書士事務所では、旅行契約や宿泊施設利用規約に関するご相談、規約策定のサポート、ペット同伴施設のルール整備のご相談も承っております。
愛犬家にも施設にも「安心できる環境」をつくることが、私たちの役割です。どうぞお気軽にご相談ください。
 


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