コラム
第1章 開業直後の孤独と現実 2-2 まずやるべき「自己棚卸し」:幅広く受けることで得られる経験と人脈
「まずは何でもやってみる」――開業初期の選択肢
開業して間もない頃、私は「専門を絞らずにまず幅広く受ける」という戦略を意識していました。理由は単純です。誰も私の存在を知らない状態では、特定の専門分野で勝負しても、依頼は簡単には来ないからです。
名刺を配りながら、「誰にどんなサービスを提供できるか」を考えました。最初は離婚協議書の作成、内容証明の送付、会社設立のサポートなど、分野も内容もバラバラです。正直、手探りの状態でした。しかし、この「雑多な案件の受注」が、後々の財産となりました。
初めての幅広い案件の経験
ある日、離婚協議書の案件を受けた直後、すぐに法人設立の問い合わせが入りました。知識も経験もまだ浅い中、調べながら進めるしかありません。しかし、この両極端の案件経験が、私に柔軟性を与えました。
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離婚協議書案件:心理的負担や依頼者とのコミュニケーション重視
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法人設立案件:手続きの正確性や書類管理能力が問われる
両方の案件を経験することで、行政書士としての基礎力が同時に伸びていく感覚を味わいました。たとえば、離婚協議書で求められる「相手方とのやり取りの丁寧さ」は、会社設立での書類確認や契約書のやり取りにも応用できます。幅広く受けることで、専門領域を超えたスキルの相互作用が生まれました。
人脈の広がりも財産になる
幅広い案件を受けるメリットは、経験値だけではありません。依頼者の属性や相談内容の幅広さに応じて、人脈が自然と広がるのです。
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離婚案件では、弁護士やカウンセラーと知り合いになる
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会社設立案件では、会計士や金融機関担当者と関係ができる
これらのつながりは、後々「困ったときに相談できるネットワーク」として返ってきます。私自身、初期の案件で知り合った税理士に、後に法人案件の難所を相談して助けてもらいました。この経験は、開業初期の不安を大きく和らげてくれました。
HANAWA’s Point
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幅広く受けることが成長の近道:最初から専門に絞らず、いろいろな案件を経験することで、自分の得意分野やスタイルが見えてきます。
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案件の多様性を活かして人脈を作る:依頼者や関係者とのつながりが、将来的な仕事の紹介や情報収集に直結します。
HANAWA’s Check
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案件の幅を広げすぎて混乱しない:全てを抱え込むと納期や品質に影響します。
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ネットワーク作りは受動的にならず能動的に:ただ依頼者と接するだけでなく、フォローや挨拶を丁寧に行うことで信頼関係を築きましょう。