コラム
【連載第1回】夏の朝、老犬ロッキーとゆったり散歩しながら考える飼い主の備え
愛犬エピソード:朝の散歩でゆっくり歩く
朝の光が柔らかく差し込む時間、18歳の老犬ロッキーと散歩に出かけました。白内障が進んでほとんど目が見えていないロッキーは、以前のように軽快には歩けませんが、それでも慎重に足を運び、匂いや風の変化を頼りに周囲を感じています。
夏の暑さが増す前の涼しい時間帯に、ゆっくりと公園まで歩きました。ロッキーは匂いをかぎながら、時折立ち止まりながらも、一歩一歩確実に進みます。その姿に、歳を重ねても日々の楽しみを大切にすることの意味を改めて感じます。
歩幅は以前より狭くなりましたが、散歩を通じて私とロッキーの信頼関係は変わらず、むしろ深まっているように思えます。彼の存在は、毎日の生活のリズムを作り、何気ない朝の散歩がかけがえのない時間になることを教えてくれます。
法務テーマ:飼い主の高齢化に備えた遺言・信託
ロッキーのような老犬を飼っている場合、飼い主自身が高齢になったときの生活やペットの世話に備えることが重要です。特に、もし飼い主に万一のことがあった場合、愛犬の生活が不安定にならないよう準備をしておく必要があります。ここでは、飼い主自身の遺言・信託について解説します。
1. 遺言の活用
遺言は、飼い主が亡くなった後の財産や行動を指定できる法律文書です。若くても将来に備えて作成しておくことが望ましいといえます。老犬の生活を誰に引き継いでもらうか、必要な費用をどう確保するかをあらかじめ明確にしておくことで、家族間のトラブルや不安を防ぐことができます。
遺言では以下の点を整理すると良いでしょう。
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愛犬の譲渡先(家族・友人・信頼できる第三者)の明確化
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必要な生活費・医療費の概算と支払い方法
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日常の世話や健康管理に関する希望
ただし、遺言書を作成しても、受け入れ先との話し合いなしでは、実際に引き継ぎがスムーズに進まない場合があります。単に公正証書を作るだけでなく、譲渡先との事前相談が非常に重要です。受け入れ側の生活環境やペットに対する理解度、金銭面や医療面の対応力などを確認し、双方が納得したうえで引き継ぎ計画を作ることが成功の鍵です。
2. ペット信託の活用
遺言とあわせて「ペット信託」を検討する方法もあります。信託では、飼い主が財産を信託し、管理者(信託受託者)が愛犬の生活費や医療費を管理しながら世話を行うことが可能です。メリットは以下の通りです。
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財産とペットの世話を法律的に明確に管理できる
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飼い主に万一のことがあっても、老犬の生活が継続される
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家族間の争いを避けやすい
信託を活用する場合も、受託者や譲渡先と十分な相談・合意形成をしておくことが重要です。信託契約書に世話の具体的内容や医療対応の手順、費用負担のルールなどを明記しておくことで、ロッキーの生活が安心・安定します。
3. 早めの準備が大切
遺言や信託は、年齢が若くても早めに準備しておくことが望ましいです。高齢になってからでは判断力や体力の面で制約が出る可能性があります。飼い主自身が元気なうちに、譲渡先との相談や書類作成を進めることが、愛犬の安心につながります。
まとめ
ロッキーとの朝の散歩を通じて、老犬と過ごす時間の尊さを改めて感じました。ゆっくり歩く姿を見守ることで、日常の些細な瞬間がどれほどかけがえのないものかに気づかされます。
一方で、飼い主自身の高齢化に備えた法務面の準備も欠かせません。遺言や信託を活用することで、愛犬が安心して生活を続けられる環境を整えることができます。重要なのは、書類だけでなく譲渡先との事前相談です。受け入れ側と十分に話し合い、双方が納得した上で計画を作ることが、最も安心できる方法です。
今日からできる行動例
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愛犬の生活費・医療費の見積もりを作成
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信頼できる譲渡先の候補をリストアップ
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譲渡先と具体的な世話内容や費用の話し合い
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遺言や信託について専門家に相談
若いうちから備えることで、ロッキーのような老犬が夏を安心して過ごせる日々を守ることができます。愛犬との大切な時間を未来まで安心して続けるために、まずは今日から準備を始めましょう。