コラム
【入門編 第9回】在留期間更新許可申請の基礎:日本での滞在を継続するための完全ガイド
在留資格を持つ外国人が日本に中長期的に滞在する際、在留期間が満了する前に**「在留期間更新許可申請」**を行う必要があります。
この申請は、外国人本人の将来に大きく関わる手続きであり、私たち行政書士にとっても極めて重要なサポート業務の一つです。
今回は、申請のタイミングや審査の視点、必要書類、そして実務上の注意点まで含めてお届けします。
1. 更新申請のタイミングと重要性
在留期間の更新申請は、在留期間満了日の3ヶ月前から申請可能となります。このタイミングを正確に把握し、余裕を持って手続きを進めることが、安定した在留資格維持の鍵です。
なぜ早期申請が重要なのか?
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審査期間の確保: 申請から許可まで、通常2週間から1ヶ月程度かかります。場合によっては、数ヶ月を要することもあります。
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「特例期間」の活用: 在留期間満了日までに申請を提出すれば、審査結果が出るまでの間は在留期間が最大2ヶ月間自動的に延長されます。
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不許可時の対応: 万が一、不許可となった場合、通知日から「出国準備期間(30日程度)」が与えられます。この期間内に再申請や異議申立てを行う必要があるため、時間的余裕が不可欠です。
【実務上のポイント】 お客様には、在留カードの有効期限をこまめに確認していただき、必ず3ヶ月前には準備を始めるよう促しましょう。書類の不備が見つかっても、修正する時間を確保できます。
2. 審査で重視される基本的なポイント
更新申請の審査では、申請人の在留状況が「良好」であるかどうかが総合的に判断されます。以下のポイントは特に重要です。
審査の主な観点
審査項目 | 内容例 |
活動の継続性 | 雇用契約の更新、大学の在籍証明など |
生計の安定性 | 給与明細、課税証明書、扶養関係など |
素行要件 | 犯罪歴、交通違反、未納税なども含まれる |
社会保険加入状況 | 加入義務がある場合、未加入や未納はマイナス評価 |
実務でよくあるチェックポイント
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扶養家族が多く収入が少ない: 扶養関係と生活状況を丁寧に説明する必要があります。
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転職して職務内容が変わった: 職務内容の説明と、在留資格との整合性が求められます。
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社会保険に未加入だった: 過去の加入状況と今後の改善意志を示す対応が必要です。
3. 必要となる主要な書類の概要
在留資格の種類によって必要書類は異なりますが、ここでは一般的に共通して必要となる主要書類の概要を解説します。
共通書類
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在留期間更新許可申請書
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写真(3ヶ月以内に撮影したもの)
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パスポート、在留カードの提示
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手数料納付書
類型別の主要書類(例:技術・人文知識・国際業務)
カテゴリー | 必要となる主要書類 |
申請人本人 | 住民税の課税証明書及び納税証明書(直近1年分) |
所属機関 | 会社四季報の写し、直近年度の決算報告書のコピー、源泉徴収票など |
申請の理由 | 在職証明書、活動内容を証明する書類など |
【実務上のポイント】 お客様が準備すべき書類のリストを作成し、一つひとつ丁寧に確認することが大切です。特に、会社から受け取る書類に不備がないか、行政書士が主体的にチェックしましょう。
4. 実務上の注意点と問題発生時の対応
① 会社都合での転職・解雇
会社を辞めてから在留資格の活動を行わない期間が3ヶ月以上続くと、在留資格が取り消される可能性があります。転職先が決まっていない場合は、更新申請の前に転職活動を優先するよう助言が必要です。
② 税金等の未納
税金や社会保険料の未納は、更新審査で最も厳しい審査ポイントの一つです。たとえ少額でも、未納分があれば速やかに納付するよう促しましょう。
③ 申請後の転居・転職
申請後に住所や所属機関が変更になった場合は、14日以内に入管に届け出が必要です。これらの届出を怠ると、更新審査で不利になるため、必ずお客様に伝えておきましょう。
④ 不許可時の対応
不許可通知を受け取った場合でも、諦める必要はありません。入管からの不許可理由を正確に把握し、状況に応じて「再申請」または「異議申立て」を行います。行政書士の専門知識と経験が最も活かされる場面です。
5. まとめ
在留期間更新許可申請は、単なる書類提出の手続きではありません。お客様の日本での生活を左右する重要なプロセスです。
行政書士として、申請のタイミングや審査のポイント、必要な書類を網羅的に理解し、お客様の状況に合わせた的確なアドバイスとサポートを提供することが、信頼を築く上で不可欠です。
HANAWA行政書士事務所では、神奈川県川崎市から一都三県を中心に、ビザ・在留資格のサポートを実施しております。入管手続きに関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。