コラム
【相続でもめる家・もめない家の違いとは?】相続トラブルを未然に防ぐ!遺産分割協議の進め方と注意点
「うちは財産も少ないし、きょうだい仲もいいから相続でもめることはない」――
実はこの言葉、相続トラブルの現場でよく耳にする“フラグ”です。これまで円満だった家族関係に亀裂が入ってしまうのは、相続が**「感情」と「お金」が複雑に交差する場面**だからこそ。
今回は、相続でもめやすい家・もめにくい家の違いや、相続トラブルを避けるための遺産分割協議の正しい進め方と注意点について、行政書士の視点から詳しく解説します。
なぜ相続でもめるのか?財産の多さだけが原因ではない
相続トラブルの原因は、単に「財産が多いから」だけではありません。むしろ、遺産総額が1,000万円未満の少額の相続で、かえって感情的な対立が激しくなるケースは少なくないのです。よくある原因には以下のようなものがあります。
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親の面倒を見た・見ていないで意見が割れる(介護の寄与分):特定の相続人が被相続人の介護や財産維持に貢献したと主張しても、他の相続人がそれを認めない場合
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生前贈与を受けた人と受けていない人で不公平感がある(特別受益):特定の相続人が多額の生前贈与を受けていたことが判明し、他の相続人が公平な配分を求める場合
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兄弟間の仲が悪い、または疎遠:元々関係性が希薄だったり、過去のいざこざが解消されていなかったりする場合
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相続財産の多くが不動産で分けづらい:自宅や土地など、物理的に分けにくい財産が主な場合、評価方法や帰属で揉めやすい
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親の遺言書が不明確・なかった:被相続人の意思が不明瞭なため、相続人それぞれが自分に都合の良い解釈をする場合
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財産の全容が不明瞭:誰がどれだけ財産を持っているか、相続人全員で把握できていない場合
つまり、「情報の共有不足」と「感情の行き違い」が、大きな火種になることが多いのです。
もめる家・もめない家の違いとは?
相続でもめやすい家には、いくつかの共通点が見られます。たとえば…
もめる家の特徴
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親が遺言書を残していない、または内容が不明確
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相続人同士の関係が希薄、または過去のわだかまりがある
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誰がどれだけ財産を持っているか、生前から家族に知らされていない
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不動産の評価や分け方について、特定の相続人だけが主張する
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感情的な話し合いになりやすく、冷静な議論ができない
一方で、もめにくい家は次のような点に配慮しています。
もめない家の特徴
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公正証書遺言など、法的効力があり明確な遺言がある
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生前に財産の内容や、自身の希望を家族に伝えている
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生前贈与などを行う際に、他の兄弟姉妹への配慮や説明がある
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家族間のコミュニケーションが良好で、お互いを尊重し合える
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必要に応じて、**信頼できる第三者(行政書士や税理士など)**のサポートを積極的に利用する
遺産分割協議とは?進め方のポイント
相続が発生すると、有効な遺言がない限り、**「遺産分割協議」**を行い、相続人全員で財産の分け方を話し合います。協議の内容は後に「遺産分割協議書」として書面に残し、相続人全員が署名・押印します。
この遺産分割協議を円滑に進めるうえで大切なポイントは以下の通りです。
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相続人を正確に確定する 亡くなった方の戸籍謄本を出生から死亡まで遡って取り寄せ、誰が法定相続人であるかを正確に把握する必要があります。思わぬ相続人が現れるケースもあるため、慎重に行いましょう。
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相続財産を徹底的に調査する 預貯金、不動産、株式、自動車といったプラスの財産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの財産も含めて、全ての財産をリストアップします。通帳、権利証、固定資産税納税通知書などを確認し、漏れがないようにしましょう。
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法定相続分を理解する 民法で定められた相続の「基準」となる法定相続分を確認したうえで協議を進めると、公平性の意識が高まり、納得感が得られやすくなります。ただし、これはあくまで目安であり、必ずしもその通りに分ける必要はありません。
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全員の合意を得る 遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。一人でも同意しない相続人がいると、協議は停滞し、家庭裁判所での調停や審判に移行する可能性が高まります。話し合いが難航する場合は、後述する第三者の専門家を交えるのが有効です。
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協議内容を必ず書面化する 協議が成立したら、必ず遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印(実印)しましょう。この協議書は、不動産の相続登記や預貯金の解約・名義変更など、様々な手続きで必要となる非常に重要な書類です。
遺産分割協議の注意点と専門家の役割
相続は法律だけでなく、「人間関係」の問題が大きく影響します。だからこそ、次のような点に注意が必要です。
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感情的な発言を避ける 過去の不満や個人的な感情を持ち出すと、話し合いはこじれやすくなります。なるべく冷静に、事実ベースで話すことを心がけ、相手の意見にも耳を傾ける姿勢が大切です。
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期限に注意する 相続税の申告には、相続開始から10カ月以内という期限があります。遺産分割協議に時間をかけすぎると、この期限に間に合わず、相続税の特例が受けられないなど、損になる可能性もあります。
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第三者に相談する 相続財産の複雑さ、相続人同士の対立、特定の相続人からの連絡拒否など、自分たちだけでは解決が難しいと感じたら、迷わず行政書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。
行政書士は、戸籍の取得による相続人調査、相続財産の調査、遺産分割協議書の作成、公正証書遺言の作成サポートなど、相続に関する一連の手続きをスムーズにサポートできます。専門家が間に入ることで、感情的な対立を避け、客観的かつ法的な視点から円満な解決へと導くことが可能です。
まとめ:備えと情報共有が、家族を守る
相続は、時に「争族」となって家族の絆を壊してしまうことがあります。しかし、ちょっとした生前の備えや事前の話し合い、そして適切なタイミングでの専門家の活用によって、多くのトラブルは未然に防げるのです。
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親が元気なうちに、遺言や財産の方針を確認する
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相続人同士で定期的に情報共有をしておく
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話し合いが難しい場合は、第三者の専門家に相談し、冷静なサポートを得る
HANAWA行政書士事務所では、相続人調査、協議書作成、公正証書遺言の作成サポート、そして相続に関するお困りごとの相談まで、相続に関する一連の手続きを幅広くサポートしています。神奈川県川崎市から一都三県を中心に、生前整理のサポートも承っております。
「うちは大丈夫」と思っている今こそ、大切な家族と未来のために、備えを始めてみませんか?
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