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廃油・廃酸・廃アルカリの産廃許可

廃油・廃酸・廃アルカリを扱う事業者が確認したいこと

「現在の許可でこの廃液を運べるのか」「普通産廃として委託してよいのか」と判断に迷う場面では、廃液の名称だけでなく、性状、発生工程、許可品目、運搬区域、委託先の受入条件を順番に確認することが大切です。

この記事の要点
廃油・廃酸・廃アルカリは産業廃棄物ですが、引火点、pH、含有物質、発生工程などによって特別管理産業廃棄物に該当する場合があります。排出や受託を進める際は、「普通産廃か特管か」「許可品目に含まれるか」「委託先が受け入れられるか」を一体で確認します。

廃油・廃酸・廃アルカリの許可確認で押さえたい3つの前提

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 廃油・廃酸・廃アルカリは産業廃棄物の法定品目に含まれる
  • 同じ品目名でも性状によって普通産廃と特管に分かれる
  • 排出事業者には委託後も適正処理を確認する責任がある

許可確認の出発点は、「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」という名称だけで結論を出さないことです。廃棄物の性状や発生工程を整理し、必要な許可区分と委託先の許可内容を照合します。

廃油・廃酸・廃アルカリは産業廃棄物の法定品目に含まれる

事業活動に伴って発生した廃油・廃酸・廃アルカリは、廃棄物処理法上の産業廃棄物です。工場で使用した油、洗浄工程から生じた廃液、設備の整備で発生した液体などは、まず廃棄物に該当するかを確認し、そのうえで法令上の品目を整理します。

現場で使用する名称と、許可証や委託契約書に記載すべき品目が一致するとは限りません。「洗浄液」「切削液」「廃溶剤」「工場廃液」といった通称だけでは、廃油・廃酸・廃アルカリのどれに該当するかを判断しにくい場合があります。

排出事業者は、使用前の製品名に加え、どの工程で使用され、使用後に何が混入したのかを整理することが重要です。収集運搬業者も、依頼時の名称だけで受託を決めず、自社の許可品目と実際の廃棄物が対応しているかを確認します。

同じ品目名でも性状によって普通産廃と特管に分かれる

廃油・廃酸・廃アルカリは、すべてが同じ許可区分で取り扱われるわけではありません。人の健康や生活環境に被害を生じさせるおそれがある性状を有し、法令上の要件に該当するものは、特別管理産業廃棄物として通常の産業廃棄物より厳格に管理されます。

図解整理|普通産廃と特管を分ける主な確認軸
廃油引火点70℃未満の引火性廃油か、有害物質を含む特定有害産業廃棄物かを確認
廃酸pH2.0以下の著しい腐食性や、特定施設等からの排出・有害物質を確認
廃アルカリpH12.5以上の著しい腐食性や、特定施設等からの排出・有害物質を確認

引火性廃油には、引火点が70℃未満の燃焼しやすい廃油が含まれ、揮発油類、灯油類、軽油類などが例として示されています。廃酸はpH2.0以下、廃アルカリはpH12.5以上の著しい腐食性を有するものが対象です。

また、特定施設等から排出され、PCB、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼンなどの有害物質を所定の基準を超えて含むものは、特定有害産業廃棄物に該当する場合があります。個別の区分は、排出工程、性状、分析結果などを基に確認します。

排出事業者には委託後も適正処理を確認する責任がある

産業廃棄物の処理を許可業者へ委託しても、排出事業者としての責任がなくなるわけではありません。委託前には、収集運搬業者と処分業者の許可区分、有効期限、事業範囲、品目が委託内容と一致しているかを確認します。

以前から依頼している業者であっても、今回排出する廃液を扱えるとは限りません。許可証の写しを保管するだけでなく、実際の廃棄物と許可内容を照合することが大切です。

排出事業者が把握している性状、荷姿、保管中の変化、混合による支障、取扱上の注意事項などは、処理業者へ適切に伝えます。廃棄物データシート(WDS)などを活用すると、情報を記録として共有しやすくなります。

普通産廃か特管かを確認するための3つの視点

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 廃油は引火性などの性状と発生状況を確認する
  • 廃酸・廃アルカリはpHだけでなく含有物質や発生工程も確認する
  • 混合廃液は単一の品目名だけで判断しない

普通産廃と特管の区分を確認するときは、製品名や現場の通称だけに頼らないことが重要です。排出工程、使用後の変化、混入物、引火点、pH、分析結果などを整理します。

廃油は引火性などの性状と発生状況を確認する

廃油は、「油だから普通産廃」「燃料に使われていたから特管」と一律に決めず、廃棄物となった時点の性状と発生状況を確認します。

特別管理産業廃棄物に該当する引火性廃油は、引火点が70℃未満の燃焼しやすい廃油です。揮発油類、灯油類、軽油類などが代表例ですが、品名だけでなく実際の引火点が重要な判断材料になります。

さらに、PCBを含む廃油や、特定施設等から排出され、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼンなどを所定の基準を超えて含む廃油は、特定有害産業廃棄物として扱われる可能性があります。

製品名、用途、排出工程、混入物、SDS、引火点、分析結果を整理しましょう。廃棄物処理法上の区分と消防法上の危険物該当性は同一ではないため、消防法領域は所管窓口等へ個別に確認します。

廃酸・廃アルカリはpHだけでなく含有物質や発生工程も確認する

廃酸・廃アルカリでは、pHが重要な確認項目です。著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸と、pH12.5以上の廃アルカリは、特別管理産業廃棄物に該当します。

もっとも、pHだけですべての区分を判断できるわけではありません。特定施設等から排出され、有害物質を基準値を超えて含むものについても、別途、特別管理産業廃棄物に該当する基準が定められています。

排出工程、使用した原材料、混入する可能性がある物質、分析結果の有無を併せて整理しましょう。「酸性の洗浄液」「アルカリ性の排水」といった呼び方だけでは、許可区分や委託先の適否を確定しにくいことがあります。

混合廃液は単一の品目名だけで判断しない

工場廃液には、油分、水分、洗浄剤、薬品、金属粉、汚泥などが混ざっていることがあります。このような混合廃液は、容器に「廃油」と表示されていても、廃油だけに該当するとは限りません。

どの品目に該当するかは、発生工程、性状、含有物質を踏まえて個別に検討します。複数の産業廃棄物が一体不可分に混合している場合は、該当する品目を整理し、委託契約や許可範囲との整合性を確認します。

混合の結果、液状から泥状へ変化するなど主たる性状が変わった場合には、「汚泥」等の別品目として整理される可能性もあります。異なる廃液を混ぜる前に委託先へ相談し、混合後の性状と受入条件を確認することが大切です。

収集運搬できるかを判断するための4つの許可確認

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 普通産廃と特管のどちらの許可が必要か確認する
  • 許可証に廃油・廃酸・廃アルカリの品目が含まれているか確認する
  • 排出場所と運搬先を管轄する自治体の許可を確認する
  • 積替え保管の有無が許可内容と一致しているか確認する

廃液を運搬できるかは、車両や容器を用意できるかだけでは決まりません。区分、品目、積込み・荷卸しの区域、積替え保管の有無が、収集運搬業者の許可内容と一致していることが前提です。

普通産廃と特管のどちらの許可が必要か確認する

通常の産業廃棄物収集運搬業許可と、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可は別の許可です。引火性廃油、腐食性廃酸・廃アルカリ、特定有害産業廃棄物などを運搬する場合、通常の産廃収集運搬業許可だけでは対応しません。

受託前に、対象廃液が普通産廃か特管かを確認します。ここが曖昧なままでは、品目や運搬区域を確認しても、必要な許可区分が異なっている可能性があります。

「廃油を運んでほしい」と依頼された場合も、名称だけで受託を決めず、発生工程、引火点、含有物質などの資料を確認しましょう。情報が不足しているときは、契約や運搬を始める前に追加情報を整理します。

許可証に廃油・廃酸・廃アルカリの品目が含まれているか確認する

許可区分が一致していても、許可証に対象品目が含まれていなければ、その廃棄物を収集運搬することはできません。普通産廃であれば産業廃棄物収集運搬業許可、特管であれば特別管理産業廃棄物収集運搬業許可の事業範囲を確認します。

「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」の記載だけでなく、限定条件や除外事項にも注意が必要です。混合廃液については、実態に応じて複数品目が関係する可能性もあります。

現場の通称と許可証の品目を形式的に照合するのではなく、発生工程や性状を確認したうえで許可範囲に含まれるかを検討します。判断に迷う場合は、許可を行った都道府県等への事前確認が役立ちます。

排出場所と運搬先を管轄する自治体の許可を確認する

収集運搬業の許可は、廃棄物をどこで積み込み、どこで荷卸しするかに応じて確認します。工場で積み込んだ廃液を他の都道府県にある処分場へ直接運搬する場合は、原則として積込みを行う都道府県と荷卸しを行う都道府県の双方の許可が必要です。

積替え保管を伴わない通常の収集運搬では、原則として都道府県知事の許可があれば、その都道府県内にある政令市や中核市の区域でも積込み・荷卸しができます。県内の政令市をまたぐたびに、県と各市の許可を重ねて取得する仕組みではありません。

ただし、政令市等の区域内で積替え保管を行う場合などは、その自治体の許可が個別に必要となることがあります。途中で単に通過する地域については、一般的には通過のみを理由とする許可は不要と解されていますが、具体的な運用は関係自治体へ確認すると安心です。

積替え保管の有無が許可内容と一致しているか確認する

排出場所から処分場まで直接運搬せず、途中で廃棄物を積み替えたり、一時的に保管したりする場合は、積替え保管を含む許可が必要です。

許可証に「積替え保管を除く」と記載されている場合、その許可では積替え保管を伴う運搬を行えません。車両を変更する、容器を集約する、自社施設へ一度持ち帰るといった運用が、積替え保管に該当する場合もあります。

受注前に、積込みから荷卸しまでの経路、途中で行う作業、利用する施設を図にして整理すると、許可内容との不一致を確認しやすくなります。

委託先を選ぶ前に確認したい5つの項目

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 許可証の有効期限と事業範囲
  • 対象品目と特別管理産業廃棄物の種類
  • 予定する処分方法と処分先
  • 廃液の性状・荷姿・数量を受け入れられるか
  • 委託契約書とマニフェストの記載内容

「許可業者だから大丈夫」と考えず、今回の廃液と今回の運搬・処分に対応できるかを個別に照合します。許可証、受入条件、契約書、マニフェストの内容が一貫していることが重要です。

許可証の有効期限と事業範囲

委託先を選ぶ際は、許可証の有効期限、許可番号、許可区分、品目、限定条件、積替え保管の有無を確認します。以前受け取った許可証が手元にあっても、更新後に事業範囲が変わっている可能性があります。

処分業者の場合は、処分方法や処理施設の所在地も委託内容と照合します。処理業者検索システムは参考になりますが、最終的には業者から最新の許可証の写しを受け取り、今回の委託内容と照らし合わせます。

取引を継続している場合も、許可更新時や契約更新時に再確認する社内ルールを設けると、期限や条件変更を把握しやすくなります。

対象品目と特別管理産業廃棄物の種類

許可証の品目欄では、「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」が含まれているかを確認します。特管を委託する場合は、特別管理産業廃棄物収集運搬業または処分業の許可に、対象となる種類が含まれていることが必要です。

普通産廃の廃油を扱える許可があっても、引火性廃油や特定有害廃油まで扱えるとは限りません。反対に、特管の許可があるという理由だけで、あらゆる廃油・廃酸・廃アルカリを受け入れられるわけでもありません。

引火点70℃未満の引火性廃油なのか、有害物質を含む特定有害産業廃棄物なのかによって、受入範囲も異なります。許可証の限定や除外条件、処理施設の受入基準まで確認しましょう。

予定する処分方法と処分先

収集運搬業者に必要な許可があっても、処分業者が対象廃棄物を受け入れられなければ、適正な委託は成立しません。排出事業者は、収集運搬と処分を分けて考え、それぞれの許可内容を確認します。

処分業者については、対象品目、普通産廃・特管の区分、処分方法、処理施設、許可期限を照合します。収集運搬業者が予定する荷卸し先と、委託契約書やマニフェストに記載する処分先が一致していることも大切です。

処分方法の技術的な適否は、廃液の性状や施設の受入基準によって異なります。引火点、pH、含有物質、発生工程を処分業者へ提示し、受入れの可否を確認しましょう。

廃液の性状・荷姿・数量を受け入れられるか

許可証上の品目が一致していても、委託先が実際の廃液を受け入れられるとは限りません。処理施設や収集運搬業者は、性状、含有物質、荷姿、数量、搬入方法について受入条件を定めていることがあります。

相談・見積り時に整理すると確認しやすい情報
発生情報発生工程、使用前の製品、混入物、排出頻度
性状情報引火点、pH、SDS、分析結果、取扱上の注意
運搬情報容器、容量、数量、排出場所、予定する処分先

口頭説明だけでなく、WDS、SDS、分析結果などを用いて記録に残すと、認識のずれを減らせます。

委託契約書とマニフェストの記載内容

産業廃棄物の処理を委託する際は、収集運搬と処分について、法令に沿った書面による委託契約を締結します。契約書には、廃棄物の種類、数量、運搬先、処分場所、処分方法など、実際の委託内容に対応する事項を記載します。

マニフェストについても、契約書や実際の廃棄物と異なる品目を記載しないよう注意が必要です。虚偽または不正確な記載は、法令違反や行政上の対応につながる可能性があります。

委託契約書では廃油、現場では混合廃液、マニフェストでは汚泥というような不一致があると、適正な処理確認が難しくなります。契約前に廃棄物情報を整理し、許可証、契約書、マニフェストを一組として照合しましょう。

工場や整備工場で起こりやすい4つの見落とし

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 廃エンジンオイルを一律に同じ区分で扱ってしまう
  • 洗浄廃液を製品名や通称だけで分類してしまう
  • 異なる廃液を同じ容器に混ぜて性状が分からなくなる
  • 長年依頼している業者の許可更新や品目を確認していない

日常的に発生する廃液ほど、従来の運用をそのまま続けやすくなります。しかし、使用製品、混入物、工程、委託先が変われば、区分や確認事項も変わる可能性があります。

廃エンジンオイルを一律に同じ区分で扱ってしまう

整備工場から発生する廃エンジンオイルを、「これまで普通産廃として委託してきたから、今後も同じでよい」と一律に判断することは適切ではありません。

回収後の状態、他の油や液体の混入、保管方法によって、性状や委託先の受入条件が変わる可能性があります。燃料、洗浄用溶剤、ブレーキクリーナーなどが混入した場合には、引火点も確認します。

油種ごとに容器を分け、発生場所や内容物を表示し、委託先へ正確な情報を伝えましょう。新しい薬剤や設備を導入した場合には、廃棄物の性状が変化していないかを見直します。

洗浄廃液を製品名や通称だけで分類してしまう

「洗浄液」「剥離液」「脱脂液」は用途を示す名称であり、廃棄物処理法上の品目名ではありません。同じ名称でも、油を主体とするもの、酸性・アルカリ性のもの、有機溶剤を含むもの、水分や汚泥を多く含むものがあります。

使用前の製品情報だけでなく、使用後に洗浄対象から何が混入したかも整理しましょう。有機溶剤を含む場合は、引火点に加え、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの有害物質について確認が必要になる可能性があります。

委託前には、SDS、発生工程、使用方法、混入物、分析結果を確認し、処理業者へ情報を提示します。

異なる廃液を同じ容器に混ぜて性状が分からなくなる

異なる廃液を一つの容器へまとめると、内容物や性状が分からなくなることがあります。混合によって引火点やpHが変わり、処理方法や受入条件が変更される可能性もあります。

混合後の性状によっては、廃油・廃酸・廃アルカリではなく、汚泥等の別品目として整理されることも考えられます。

排出段階では、廃液の種類ごとに容器を分け、内容物、発生日、発生工程を表示しましょう。混合が避けられない場合は、事前に委託先へ相談し、混合後の性状や許可品目への影響を確認します。

長年依頼している業者の許可更新や品目を確認していない

長期間取引している処理業者でも、許可には有効期限があり、更新に伴って許可番号、品目、限定条件、事業範囲が変わる可能性があります。

委託先の会社名が同じでも、運搬先や処分施設が変更されている場合、従来の契約内容では対応しにくいことがあります。自社で新しい廃液が発生するようになれば、従来の許可品目だけでは不足するかもしれません。

許可更新時、契約更新時、新しい廃棄物の排出開始時、処分先変更時には、許可証と委託内容を再確認しましょう。確認日、有効期限、対象品目を一覧で管理すると、社内で共有しやすくなります。

液体廃棄物の保管と引渡しで確認したい3つの実務

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 内容物を識別できる表示と記録を残す
  • 容器や荷姿が委託先の受入条件に合っているか確認する
  • 性状が不明な廃液は混合せず事前相談する

液体廃棄物は、外見だけで内容を判別しにくいものです。保管から引渡しまで情報をつなげ、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の認識を一致させます。

内容物を識別できる表示と記録を残す

廃液を保管する際は、容器を見て内容物を識別できるように表示し、発生工程や保管開始日を記録します。「廃液」「廃油」とだけ書かれた容器が複数並んでいる状態では、引渡し時の取り違えにつながります。

廃液の名称、発生工程、主な内容物、容器番号、保管開始日などを表示し、引火点、pH、分析結果を別資料で管理している場合は、容器番号とひも付けます。

容器の表示と、委託契約書やマニフェストの品目が一致していることも確認しましょう。現場の通称を使う場合は、法令上の品目や委託先での受入名称との対応関係を社内で明確にします。

容器や荷姿が委託先の受入条件に合っているか確認する

廃液を引き渡す前には、ドラム缶、ポリ容器、タンクなどの荷姿が、収集運搬業者と処分業者の受入条件に合っているかを確認します。許可品目が一致していても、指定された容器や搬入方法に対応していなければ、回収や処分の方法を調整する必要があります。

容器の種類、容量、密閉状態、破損や漏れの有無、積込み方法、1回当たりの数量を確認します。適切な容器の材質は、廃液の性状、関係法令、委託先の設備・受入基準によって異なります。

引火点、pH、含有物質などの情報を委託先へ伝え、予定する容器で引渡し可能かを事前に相談しましょう。

性状が不明な廃液は混合せず事前相談する

保管期間が長く、発生工程や内容物が分からない廃液は、他の廃液と混ぜず、区分して保管することが重要です。性状が不明なまま混合すると、分析や分類がさらに難しくなります。

容器の表示、過去の作業記録、購入履歴、SDS、現場担当者への聞き取りから、可能な範囲で情報を集めます。それでも判断しにくい場合は、処分業者や分析機関に状況を説明し、引火点、pH、有害物質などの分析が必要かを相談します。

行政書士は化学的分析を行う立場にはありませんが、判明している情報を基に、想定される許可区分、必要な許可品目、許可自治体などを整理する支援が可能です。

許可区分の判断に迷ったときの3ステップ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 排出工程と廃液の情報を整理する
  • 委託予定業者の許可証と受入条件を照合する
  • 行政窓口や専門家に確認してから委託する

判断に迷った場合は、結論を急いで普通産廃または特管に当てはめるのではなく、情報整理、許可照合、外部確認の順に進めます。

図解整理|確認を進める3段階
発生工程・性状・資料を整理
許可証・受入条件と照合
行政窓口・専門家へ確認

排出工程と廃液の情報を整理する

最初に、廃液の実態を整理します。許可証を確認しても、対象となる廃棄物の内容が分からなければ、許可範囲との照合はできません。

  • 発生した事業場と工程
  • 使用前の製品や原材料
  • 使用後に混入した可能性がある物質
  • 引火点、pH、SDS、分析結果
  • 容器、数量、排出頻度
  • 排出場所と予定する運搬先

写真、工程図、容器表示、SDS、分析表などをまとめると、状況を説明しやすくなります。情報がない項目は推測で埋めず、「不明」として整理することも大切です。

なお、対象物が廃棄物に該当するか、有価物として取り扱えるかも確認事項です。廃棄物該当性は、性状、排出状況、通常の取扱形態、取引価値、占有者の意思などを総合的に勘案して判断されます。

委託予定業者の許可証と受入条件を照合する

廃液情報を整理したら、委託予定業者の許可証と照合します。普通産廃または特管の区分、品目、限定条件、許可自治体、有効期限、積替え保管の有無を確認します。

収集運搬業者だけでなく、処分業者の許可内容も確認しましょう。運搬できても、処分先が受け入れられなければ適正な委託にはなりません。

許可品目に含まれていても、引火点、pH、有害物質、荷姿、数量が施設の受入条件に合わないことがあります。見積書、受入条件、委託契約書案、予定する運搬経路を併せて確認すると、認識のずれを見つけやすくなります。

行政窓口や専門家に確認してから委託する

資料を整理しても区分や必要な許可が明確にならない場合は、委託前に行政窓口や専門家へ確認します。実際の性状や発生工程によって判断が変わる事項を、名称だけで結論付けないことが大切です。

相談時には、発生工程、製品情報、SDS、引火点、pH、分析結果、写真、予定する委託先の許可証などを提示します。確認した内容は、担当部署、確認日、回答の趣旨とともに記録しておくと、社内で共有しやすくなります。

相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。

まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。

特別管理産業廃棄物の許可を確認する 産廃収集運搬業許可を確認する

廃油・廃酸・廃アルカリの許可申請で行政書士が支援できる3つのこと

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 普通産廃・特管を踏まえた必要許可の整理
  • 取り扱う品目や事業範囲の確認
  • 新規許可・変更・更新に必要な書類の整理

行政書士へ相談する利点は、申請書を作成することだけではありません。予定する事業内容を確認し、許可区分、品目、許可自治体、申請時期を整理することで、許可取得後の運用とのずれを抑えやすくなります。

普通産廃・特管を踏まえた必要許可の整理

新たに廃油・廃酸・廃アルカリの収集運搬を始める場合、普通産廃の許可で対応するのか、特管の許可も必要なのかを整理します。

この確認をせずに申請を進めると、許可取得後に、引火点70℃未満の廃油や特定有害産業廃棄物を予定どおり運べないことが分かる場合があります。反対に、実際の事業計画に不要な区分や品目まで申請すると、事業計画の説明が複雑になることもあります。

行政書士は、予定する排出元、廃棄物、運搬先、運搬方法を聞き取り、申請すべき許可区分を整理します。化学的判定が必要な事項は、処理業者、分析機関、行政窓口との確認を組み合わせます。

取り扱う品目や事業範囲の確認

許可申請では、廃油・廃酸・廃アルカリなど、取り扱う産業廃棄物の種類を事業計画に合わせて選定します。将来扱う可能性だけで品目を並べるのではなく、予定する排出事業者、発生工程、運搬先との整合性を説明できることが重要です。

積替え保管を行うか、どの都道府県等で許可を取得するか、どの車両や容器を使うかも確認します。既に許可を持っている事業者は、新しい廃液の受託前に、現在の許可品目と限定条件に含まれているかを確認しましょう。

許可証の文言と実際の営業内容を照合し、受注できる業務の範囲を明確にすることが大切です。

新規許可・変更・更新に必要な書類の整理

産業廃棄物収集運搬業の手続には、新規許可、更新、変更許可、変更届などがあります。どの手続が必要かは、現在の許可状況と変更内容によって異なります。

新しい都道府県で収集運搬を始める場合、品目を追加する場合、積替え保管を新たに行う場合、役員や車両などが変わる場合では、必要な対応が同じとは限りません。

行政書士は、許可証、定款、登記事項証明書、講習会修了証、車両資料、決算書類、事業計画などを確認し、必要書類と準備日程を整理します。契約や受注を確定する前に、現在の許可で対応できるかを確認すると、申請準備を進めやすくなります。

廃油・廃酸・廃アルカリについてよくある確認

廃油はすべて特別管理産業廃棄物ですか?

すべてではありません。引火点70℃未満の引火性廃油や、法令上の要件を満たす特定有害産業廃棄物などが特管に該当します。製品名だけでなく、使用後の性状や発生工程を確認します。

pHが分かれば廃酸・廃アルカリの区分を判断できますか?

pHは重要な判断材料ですが、それだけですべての区分が決まるとは限りません。特定施設等からの排出や有害物質の含有状況について、別の判定基準が関係する場合があります。

通常の産廃収集運搬業許可で特管を運べますか?

通常の産業廃棄物収集運搬業許可と、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可は別の許可です。対象廃液が特管に該当する場合は、対象品目を含む特管の収集運搬業許可を確認します。

資料がそろっていなくても相談できますか?

相談内容がまとまっていない段階でもご相談いただけます。現在分かっている発生工程、廃液の名称、排出場所、運搬先、許可証などから、確認した方がよい事項を一緒に整理します。

まとめ|名称ではなく性状・品目・許可区分をセットで確認する

  • 廃油は引火点70℃未満の引火性廃油や、有害物質を含む特定有害廃油として特管に該当する場合があります。
  • 廃酸・廃アルカリはpHに加え、発生施設や有害物質の含有状況も確認します。
  • 普通産廃と特管では、収集運搬業・処分業に必要な許可区分が異なります。
  • 許可証では、品目、有効期限、許可自治体、限定条件、積替え保管の有無まで確認することが大切です。
  • 委託契約書とマニフェストは、実際の性状、品目、運搬先、処分先と一致させます。

廃液の区分や許可範囲が明確でない場合でも、発生工程、SDS、引火点やpHの資料、分析結果、写真、現在の許可証など、手元にある情報から確認事項を整理できます。

現在の状況から、確認した方がよい内容を一緒に整理します。

相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。

特別管理産業廃棄物収集運搬業許可について相談する 産業廃棄物収集運搬業許可について相談する

参考にした公的情報

制度の詳細、判定基準、申請様式、自治体の運用は、委託先や事業予定地を管轄する行政庁の最新案内も併せて確認してください。

環境省:特別管理廃棄物規制の概要 環境省:特別管理産業廃棄物の判定基準 環境省:廃棄物情報の提供に関するガイドライン 環境省:収集運搬業許可の合理化 e-Gov法令検索:廃棄物処理法
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あわせて確認したいこと

建設・解体・産廃まわりの手続きについて

解体工事や産業廃棄物の運搬では、建設業許可、解体工事業登録、産業廃棄物収集運搬業許可を分けて確認する必要があります。事業内容や車両の使い方に応じて、必要な手続きを整理します。

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