建設業許可取得後に必要な手続き
決算変更届・変更届・更新・業種追加・経審
建設業許可は、取得後の管理まで含めて維持するものです。毎年の届出、会社や人員が変わったときの届出、更新や事業拡大時の申請を「いつ、何を確認するか」の順に整理します。
用語について
現在の法令上は「常勤役員等」「営業所技術者等」という名称が用いられています。本記事では、建設業者に広く知られている呼称も踏まえ、「経営業務の管理責任者(常勤役員等)」「専任技術者(営業所技術者等)」と併記します。
決算日から4か月以内に決算変更届を提出します。
内容に応じて2週間以内または30日以内に届け出ます。
更新、業種追加、人員要件を早めに確認します。
経審と入札参加資格を年間予定で管理します。
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。
まずは現在の許可内容、決算月、会社や人員の変更、今後の受注予定を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
建設業許可の取得後に必要となる手続きは3つの時期で整理できる
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 毎年の決算後に行う「決算変更届」
- 会社や人員の情報が変わったときに行う「変更届」
- 許可期限や事業拡大に合わせて行う「更新・業種追加」
- 公共工事を受注する事業者が確認したい「経営事項審査」
許可後の手続きは、毎年、変更時、期限前・事業拡大時に分けると把握しやすくなります。公共工事を直接請け負う事業者は、経営事項審査も含めて年間管理を行います。まずは自社に関係する場面を確認しましょう。
毎年の決算後に行う「決算変更届」
建設業許可を受けた事業者は、建設業法第11条第2項に基づき、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出します。工事実績が少ない年度、赤字決算の年度、完成工事がなかった年度も、原則として提出が必要です。
法人では、税務申告を終えた後、建設業法上の様式による財務諸表、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額などを作成します。税務署へ提出した決算書を、そのまま許可行政庁へ提出する手続きではありません。
未提出年度があると、更新や業種追加の前に過年度分の整理が必要になる場合があります。提出状況が分からないときは、控えや電子申請記録を確認し、許可取得後の各年度が途切れていないかを見ていきます。
決算変更届を詳しく確認する会社や人員の情報が変わったときに行う「変更届」
商号、所在地、資本金、役員、営業所、経営業務の管理責任者(常勤役員等)、専任技術者(営業所技術者等)など、許可申請時に届け出た事項が変わった場合は変更届を確認します。
商号、資本金、役員、営業所などは原則30日以内、常勤役員等や営業所技術者等など許可要件に関わる変更は原則2週間以内です。法人登記や社会保険の手続きを終えても、建設業許可の情報が自動的に更新されるわけではありません。
一人の退職が、役員、常勤役員等、営業所技術者等の複数の届出に関係することもあります。変更日、許可上の役割、後任候補者の資格や経験をまとめて確認することが大切です。
変更届を詳しく確認する許可期限や事業拡大に合わせて行う「更新・業種追加」
建設業許可の有効期間は原則5年間であり、許可を継続する場合は有効期間満了日の30日前までに更新申請書を提出します。30日前は準備開始の目安ではなく、申請書を提出しておくべき期限です。
新しい種類の工事を請け負うときは、現在の許可業種で対応できるかを確認します。許可業種が不足する場合は、追加業種に対応できる営業所技術者等を配置し、業種追加を検討します。
更新と業種追加の時期が近い場合は、同時申請が可能かを検討できます。ただし、追加業種の資料準備に時間がかかるときは、更新期限を優先した方が安全なこともあります。
更新を詳しく確認する 業種追加を詳しく確認する公共工事を受注する事業者が確認したい「経営事項審査」
国や地方公共団体などが発注する一定の公共工事を、発注者から直接請け負う事業者は、経営事項審査、いわゆる経審を受ける必要があります。民間工事のみを扱う事業者には通常必要ありません。
経審の有効期間は、結果通知書を受け取った日からではなく、審査基準日である決算日から1年7か月です。毎年同じ決算日を基準とする場合、次の決算から7か月以内に新しい結果通知書を受け取らなければ、有効な経審結果がない期間が生じます。
決算変更届、経営状況分析、経営規模等評価、結果通知書の受領には時間がかかります。最終期限から逆算するのではなく、決算後早めに準備を始めることが重要です。
経営事項審査を詳しく確認する毎年必要な決算変更届で確認したい4つのポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 決算変更届は毎事業年度終了後4か月以内に提出する
- 工事経歴書や財務諸表など提出書類を決算後に準備する
- 工事実績が少ない年度や赤字決算でも提出が必要になる
- 経審を受ける場合は決算変更届を先に提出する
決算変更届は、毎年繰り返す許可後管理の中心となる手続きです。期限、税務用決算書との違い、工事実績の整理方法を把握しておくと、更新や経審も進めやすくなります。
決算変更届は毎事業年度終了後4か月以内に提出する
決算変更届は、建設業法第11条第2項により、毎事業年度終了後4か月以内に提出します。3月31日決算の法人であれば原則7月31日まで、個人事業主は12月31日の事業年度終了後、原則翌年4月30日までです。
許可取得後に初めて迎える決算も対象です。許可を保有していた期間が短い場合でも、事業年度が終了すれば届出の要否を確認します。
提出を怠った場合は法令上の罰則対象となる可能性があり、更新申請時にも過年度分の整理を求められることがあります。必要以上に不安を抱えるのではなく、未提出が分かった時点で年度ごとの資料を確認しましょう。
工事経歴書や財務諸表など提出書類を決算後に準備する
決算変更届では、建設業法上の様式による財務諸表、工事経歴書、工事施工金額などを作成します。工事経歴書には、許可業種ごとに対象年度の完成工事を記載します。
工事名、工事場所、元請・下請の別、請負代金、着工・完成時期を日頃から工事台帳で管理しておくと、決算後の集計が進めやすくなります。
兼業売上や未成工事がある場合、税務申告書の売上をそのまま完成工事高へ転記できないことがあります。決算書、税務申告書、請求書、工事台帳の数字を照合し、説明できる状態に整えます。
工事実績が少ない年度や赤字決算でも提出が必要になる
決算変更届は、完成工事がない年度、赤字決算の年度、休業に近い年度でも、許可を保有している限り原則として提出します。工事実績がないときは、実績がないことを前提に必要書類を作成します。
赤字であることだけを理由に、直ちに一般建設業許可を維持できなくなるわけではありません。ただし、特定建設業の財産的基礎や経審の評点などに関係する可能性があるため、財務内容を正確に届け出ます。
複数年度分を後から作る場合は、当時の工事資料が見つからないことがあります。未提出が判明したら、決算書と工事資料を古い年度から順に整理すると確認しやすくなります。
経審を受ける場合は決算変更届を先に提出する
経審を申請する場合は、審査対象年度の決算変更届を先に提出します。経審では、決算変更届に記載した完成工事高や財務内容と関連する項目が審査されるためです。
決算数値と申告内容を確定します。
建設業用財務諸表と工事経歴書を提出します。
必要な審査を順に進めます。
有効期限と各発注機関の受付期間を確認します。
公共工事を継続して受注する事業者は、決算から7か月後を待たず、決算後すぐに資料収集を始めることが大切です。
会社情報が変わったときに確認する変更届の4つの場面
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 商号・所在地・資本金・役員が変わった場合
- 営業所を新設・移転・廃止した場合
- 常勤役員等や営業所技術者等が変わった場合
- 変更内容によって提出期限と必要書類が異なる
変更届は、変更が生じた日から期限が進みます。社内の登記、総務、人事の手続きと、建設業許可の手続きを関連づけ、変更情報が許可管理担当者へ届く仕組みを作ることが大切です。
商号・所在地・資本金・役員が変わった場合
商号、資本金、代表者、役員、主たる営業所の所在地などが変わった場合は、原則として変更後30日以内に届け出ます。登記事項証明書などを添付する場合がありますが、期限は登記完了日ではなく、実際の変更日を基準に確認します。
退任した役員が経営業務の管理責任者(常勤役員等)や専任技術者(営業所技術者等)を兼ねていたときは、人員要件に関する2週間以内の届出も必要になる可能性があります。
役職名だけでなく、その人が許可上どの役割を担っているかまで確認すると、関連する届出を整理できます。
営業所を新設・移転・廃止した場合
建設業を営む営業所を新設、移転、廃止した場合は、営業所の名称、所在地、営業業種などの変更を原則30日以内に届け出ます。
新設時には、事務所を確保するだけでなく、契約締結などの営業活動を継続的に行える実態、令第3条使用人、専任技術者(営業所技術者等)の配置を確認します。移転時には、登記上の本店と建設業法上の主たる営業所の関係も整理します。
営業所写真、賃貸借契約書、使用権原資料など、許可行政庁独自の確認資料を求められることがあります。物件契約前に必要条件を確認すると準備しやすくなります。
常勤役員等や営業所技術者等が変わった場合
経営業務の管理責任者として認識されている常勤役員等や、専任技術者に当たる営業所技術者等が変わった場合は、原則として2週間以内に届け出ます。
これらは許可要件に関わる人員です。退職後に後任者を探すのではなく、異動や退職の予定が分かった段階で、候補者の役員経験、建設業での経験、資格、実務経験、常勤性を確認します。
後任候補者の要件判断に迷う場合は、就任日や退職日が確定する前に相談すると、必要資料と人員配置を検討しやすくなります。
変更内容によって提出期限と必要書類が異なる
| 主な変更内容 | 一般的な期限 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 商号・資本金・役員・営業所 | 30日以内 | 登記内容、変更日、営業所の実態 |
| 常勤役員等 | 2週間以内 | 経営経験、常勤性、後任者 |
| 営業所技術者等 | 2週間以内 | 資格・実務経験、常勤性、担当業種 |
| 健康保険等の加入状況 | 2週間以内 | 適用関係、変更内容、確認資料 |
一つの出来事に複数の届出が関係することもあります。期限を過ぎている場合も未提出のままにせず、変更日を確認できる資料を整理し、管轄行政庁の案内に沿って対応します。
建設業許可の更新前に確認したい4つの管理項目
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 許可の有効期間は5年間で更新期限を過ぎると失効する
- 更新申請は有効期間満了日の30日前までに行う
- 過去の決算変更届や変更届の提出状況を確認する
- 更新要件を満たす人員・営業所・社会保険の状況を整理する
更新申請では、許可取得時から現在までの管理状況をまとめて確認します。満了日だけでなく、毎年の届出、人員、営業所、社会保険の状況を点検し、必要な整理を先に進めましょう。
許可の有効期間は5年間で更新期限を過ぎると失効する
建設業許可の有効期間は、原則として許可日から5年目を経過する日の前日までです。満了日が行政庁の休日でも、その日をもって期間が満了します。
更新申請をしないまま有効期間を過ぎると許可は失効し、再び許可を受けるには新規申請が必要となります。許可が必要な規模の工事を予定している場合は、事業への影響も考慮して期限を管理します。
許可日が複数ある場合は、それぞれの満了日を確認します。許可通知書、行政庁の検索情報、社内管理表を照合すると安心です。
更新申請は有効期間満了日の30日前までに行う
建設業法施行規則では、更新申請書を有効期間満了日の30日前までに提出することとされています。期限内に適切な更新申請が行われていれば、満了日までに処分が出ていない場合も、処分まで従前の許可が有効とされます。
30日前から準備を始めるのではなく、満了日の6か月前を社内点検の目安にすると、未提出届や人員上の課題を確認する時間を確保できます。
受付開始時期、提出方法、確認資料は許可行政庁により異なります。神奈川県や関東地方整備局など、管轄行政庁の最新の手引きを確認してください。
過去の決算変更届や変更届の提出状況を確認する
更新前には、前回の許可取得または更新以降、決算変更届が毎年度分提出されているかを確認します。役員、資本金、商号、営業所、常勤役員等、営業所技術者等についても、現在の状況と行政庁へ届け出た内容を照合します。
社内で手続きを済ませたつもりでも、許可行政庁への届出が漏れていることがあります。反対に、届出済みでも控えが見つからないケースもあります。
申請書の副本、受付記録、電子申請履歴などを確認し、未提出があれば変更の経緯と必要書類を整理してから更新準備へ進みます。
更新要件を満たす人員・営業所・社会保険の状況を整理する
更新時にも許可要件を満たしている必要があります。適切な経営体制、営業所技術者等の配置、営業所の実態、社会保険への適切な加入、欠格要件に該当する事情の有無を確認します。
更新直前に常勤役員等や営業所技術者等の退職が判明すると、後任者の要件確認に時間を要します。技術者が複数業種を担当している場合は、どの許可業種へ影響するかも確認してください。
- 許可通知書に記載された満了日
- 毎年度の決算変更届の控え
- 役員・営業所・人員の変更履歴
- 常勤役員等と営業所技術者等の在籍状況
- 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況
事業内容を広げるときに検討する業種追加の4つの判断基準
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 現在の許可業種で新しい工事を請け負えるか確認する
- 新たな建設業種の許可が必要になるケースを見極める
- 業種追加に必要な営業所技術者等の要件を確認する
- 更新と業種追加を同時に申請できるか検討する
業種追加は、契約後ではなく見積りや受注検討の段階で確認することが重要です。工事名だけで判断せず、施工内容、請負範囲、金額、人員体制を整理します。
現在の許可業種で新しい工事を請け負えるか確認する
建設業許可は29業種に分かれています。建築一式工事業を持っていても、内装、管、電気などの専門工事をすべて単独で請け負えるとは限りません。一式工事は、原則として総合的な企画、指導、調整を伴う工事です。
工事名称ではなく、実際の施工内容を確認します。複数工種を含むときは、主たる工事と附帯工事の関係も検討します。
判断に迷う工事は、仕様書、見積書、工事内訳を示して契約前に確認すると、受注条件を整理しやすくなります。
新たな建設業種の許可が必要になるケースを見極める
現在許可を受けていない業種でも、軽微な建設工事に該当すれば許可を受けずに請け負える場合があります。一方、軽微な工事の範囲を超える場合は、該当業種の許可が必要です。
契約を形式的に分割して金額を下げるのではなく、同一の建設工事として請け負う範囲や、支給材料の市場価格などを含めて判断します。
今後も継続的な受注が見込まれる場合は、業種追加によって受注範囲を明確にすることも検討できます。
業種追加に必要な営業所技術者等の要件を確認する
業種追加では、追加する業種に対応する専任技術者(営業所技術者等)を営業所ごとに配置できるかが重要です。要件は、国家資格、指定学科卒業後の実務経験、一定期間の実務経験などで確認します。
資格者が在籍していても、資格が追加業種に対応しない場合や、他社との関係から常勤性を確認できない場合があります。実務経験を使うときは、経験した工事の内容、期間、勤務先を資料で証明します。
候補者の氏名と資格名だけでなく、担当業種、勤務状況、過去の工事資料まで確認しましょう。
更新と業種追加を同時に申請できるか検討する
更新時期と業種追加の時期が近い場合は、同時申請を検討できます。重複する証明書や確認資料を整理しやすくなることがあります。
ただし、業種追加の技術者要件や経験資料の準備に時間がかかり、更新期限までに整わない場合は、更新を先行させる方が適切なこともあります。
受注予定日、更新期限、技術者の要件を並べ、許可を維持しながら事業計画に合う申請順序を決めます。
公共工事を受注する事業者が確認したい経審の4つのポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 経営事項審査が必要となる事業者を確認する
- 決算変更届から経審までの手続き順序を把握する
- 経審結果の有効期間1年7か月を切らさない
- 入札参加資格申請まで含めて年間予定を管理する
公共工事を継続して直接請け負う事業者は、毎年の決算後に経審を受け、有効な結果通知書を維持します。決算変更届から入札参加資格までを一連の予定として管理しましょう。
経営事項審査が必要となる事業者を確認する
国、地方公共団体などが発注する一定の公共工事を、発注者から直接請け負おうとする建設業者は経審を受けます。下請として公共工事に参加するだけの場合や、民間工事のみを請け負う場合は、通常、経審は必須ではありません。
経審では、経営状況、経営規模、技術力、社会性などが数値化され、総合評定値が算出されます。結果は発注機関による入札参加資格の格付けなどに利用されます。
公共工事への参入を検討するときは、希望する発注機関と業種、入札参加資格の受付時期から逆算して準備します。
決算変更届から経審までの手続き順序を把握する
| 順序 | 手続き | 主な確認 |
|---|---|---|
| 1 | 決算・税務申告 | 財務数値と申告内容 |
| 2 | 決算変更届 | 財務諸表、完成工事高、工事経歴 |
| 3 | 経営状況分析 | 登録分析機関への申請 |
| 4 | 経営規模等評価 | 許可行政庁への申請 |
| 5 | 結果通知 | 総合評定値と有効期限 |
| 6 | 入札参加資格 | 発注機関ごとの受付・格付け |
各手続きで用いる財務数値や完成工事高には整合性が必要です。途中で数字の相違が見つかると、訂正や補正によって結果通知が遅れる可能性があります。
経審結果の有効期間1年7か月を切らさない
経審の有効期間は、結果通知書の受領日からではなく、審査基準日から1年7か月です。3月31日決算を審査基準日とする場合、前年の結果を利用できるのは原則として翌年10月31日までとなります。
したがって、新しい決算日から7か月以内に次の結果通知書を受け取らなければ、有効な経審結果がない期間が生じます。ただし、7か月目に申請すればよいという意味ではありません。
決算変更届の期限は決算後4か月以内で、その後も分析、審査、補正、通知に時間を要します。公共工事を継続する場合は、決算後すぐに資料を集め、余裕を持って申請します。
入札参加資格申請まで含めて年間予定を管理する
経審は、入札参加資格審査に用いられる客観的事項の評価です。有効な経審結果があっても、希望する発注機関の入札へ直ちに参加できるとは限りません。
国、自治体、独立行政法人などの発注機関ごとに入札参加資格申請を行い、格付け、等級、登録業種などの審査を受けます。定期受付と随時受付があり、受付時期も異なります。
決算日、決算変更届の期限、経審申請日、結果の有効期限、入札参加資格の受付期間を一つのカレンダーで管理してください。
届出漏れを防ぐために社内で整えたい4つの管理方法
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 許可日・決算日・更新期限を一覧で管理する
- 役員や技術者の変更を担当者へ共有する仕組みを作る
- 工事契約前に許可業種と請負内容を確認する
- 毎年の決算後に許可関係の点検日を設ける
届出漏れを防ぐには、担当者個人の記憶に頼らず、期限、変更、人員、工事内容を社内で共有する仕組みが必要です。随時確認と年次点検を組み合わせます。
許可日・決算日・更新期限を一覧で管理する
許可管理表には、許可番号、大臣・知事の区分、一般・特定の区分、許可業種、許可日、満了日、決算日、決算変更届期限、過去の提出日、経審の有効期限などを記録します。
更新については、満了日の6か月前、3か月前など複数の通知を設定すると管理しやすくなります。表を作るだけでなく、誰が更新し、誰が確認するかも決めてください。
総務、経理、経営者、現場担当者が持つ情報が分かれている場合は、定期的に照合する機会を設けます。
役員や技術者の変更を担当者へ共有する仕組みを作る
役員の就任・退任、営業所長の異動、常勤役員等や営業所技術者等の退職が決まったら、登記や社会保険の担当者だけでなく、許可管理担当者にも共有します。
特に許可要件に関わる人員の変更は原則2週間以内です。退職手続き後ではなく、人事決定の段階で共有すると、後任者の要件と必要資料を確認できます。
人事異動申請書や退職手続きの確認項目に「建設業許可への影響」を加える方法も有効です。
工事契約前に許可業種と請負内容を確認する
新しい工事を受注するときは、該当業種、自社の許可業種、軽微な工事の範囲、一般・特定の区分、営業所の取扱業種、配置予定技術者を契約前に確認します。
工事名だけでは判断しにくいため、見積内訳、仕様書、施工範囲まで確認してください。営業担当者が受注を決めた後に許可条件を確認するのではなく、見積り・契約の社内手順へ組み込みます。
判断が難しいときは、工事資料を示して早めに相談すると、契約条件を整理しやすくなります。
毎年の決算後に許可関係の点検日を設ける
決算後は、決算変更届だけでなく、前年度中の役員変更、営業所、人員、社会保険、新たな工事、更新期限、経審予定を点検します。
ただし、決算後の点検だけでは2週間以内の変更届には間に合いません。変更時の随時確認と、決算後の年次確認を組み合わせることが重要です。
年に一度、許可通知書、届出控え、登記事項証明書、人員表を照合すると、更新直前に未提出が見つかる可能性を抑えられます。
建設業許可取得後の手続きを年間スケジュールで確認する
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 決算月から4か月以内に決算変更届を提出する
- 変更が発生した時点で変更届の要否を確認する
- 更新期限の6か月前を社内点検の目安にする
- 公共工事を受注する場合は経審の日程も組み込む
毎年の予定と突発的な変更を分けて管理します。決算変更届、更新、経審は年間予定へ登録し、人員や営業所の変更は発生時に確認できる体制を整えましょう。
決算月から4か月以内に決算変更届を提出する
| 3月決算法人の例 | 主な対応 |
|---|---|
| 3月末 | 事業年度終了 |
| 4~5月 | 決算、工事実績の集計 |
| 5月頃 | 税務申告 |
| 6~7月 | 建設業用財務諸表・工事経歴書の作成 |
| 7月末まで | 決算変更届の提出 |
経審を受ける場合は、その後に経営状況分析と経営規模等評価が続きます。税務申告と建設業の届出を別々に扱わず、決算後の一連の業務として予定を組むと進めやすくなります。
変更が発生した時点で変更届の要否を確認する
役員の退任、技術者の異動、営業所の移転などが生じた時点で、届出の要否と期限を確認します。2週間以内の届出は、月末や決算時にまとめる運用では間に合わないことがあります。
変更日、社内決定日、登記申請日、建設業変更届の期限を一覧にすると、優先する手続きが見えやすくなります。
一つの変更について、役員、常勤役員等、営業所技術者等、営業所、社会保険への影響をまとめて確認してください。
更新期限の6か月前を社内点検の目安にする
更新申請の提出期限は満了日の30日前ですが、6か月前を社内点検の目安にすると、未提出届や人員上の問題を整理する時間を確保できます。
決算変更届、変更届、常勤役員等、営業所技術者等、社会保険、必要な証明書を確認します。6か月前は法律上の期限ではなく、安全に準備するための社内目安です。
問題がなければ更新書類の作成へ進み、未提出や人員上の課題があれば優先順位を決めて対応します。
公共工事を受注する場合は経審の日程も組み込む
経審の有効期間は審査基準日から1年7か月です。毎年の決算後、決算変更届、経営状況分析、経営規模等評価を進め、新しい結果通知書を受け取ります。
さらに、発注機関ごとの入札参加資格申請には独自の受付期間があります。経審結果が間に合っても、受付時期を逃すと希望する入札への参加時期に影響することがあります。
決算、決算変更届、経審、入札参加資格申請を一つの年間カレンダーへ登録します。
建設業許可取得後の手続きで迷ったときの相談先
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 毎年の提出状況から確認したい場合
- 役員・営業所・技術者の変更があった場合
- 更新や業種追加をまとめて進めたい場合
- 経審を含めた年間管理を依頼したい場合
「何の手続きが必要か分からない」という段階でも相談できます。許可通知書、決算書、変更履歴など、手元にある情報から必要な手続きと優先順位を整理します。
毎年の提出状況から確認したい場合
決算変更届を提出した記憶がない、控えが見つからない、以前の担当者へ確認できない場合は、まず提出状況を整理します。
許可通知書、決算変更届の控え、各年度の決算書、工事台帳、現在の登記事項があると確認が進みやすくなります。すべてそろっていなくても、許可番号、決算月、最後に提出したと思われる時期から確認できます。
複数年度の未提出が考えられるときは、どの年度から作成するか、工事資料をどこまで確認できるかを一緒に整理します。
役員・営業所・技術者の変更があった場合
相談時には、何が変わったか、変更日はいつか、登記は済んでいるか、退職者が許可上どの役割を担っていたか、後任候補者の資格や経験を分かる範囲でお知らせください。
2週間以内の届出に該当する可能性がある場合は、資料がすべてそろうまで待たず、状況だけでも早めに確認すると対応方針を立てやすくなります。
期限を過ぎている場合も、現在の体制と変更経緯を確認し、管轄行政庁の取扱いに沿って対応を検討します。
更新や業種追加をまとめて進めたい場合
更新と業種追加を同時に進められるかは、更新期限、追加業種、技術者要件、過去の届出状況で判断します。
許可通知書、追加したい業種、受注予定の工事内容、担当予定技術者の資格や経験が分かる資料があると、申請方針を検討しやすくなります。
業種追加の準備が更新期限に間に合わない場合は、更新を先行させる方法もあります。何を優先するかを事業予定と期限から整理します。
経審を含めた年間管理を依頼したい場合
公共工事を継続して受注する事業者は、決算変更届、経営状況分析、経審、入札参加資格申請を一連の手続きとして管理します。
決算日、現在の結果通知書、有効期限、希望する発注機関、受審業種、技術職員の資格と在籍状況を確認します。
直近の結果だけでなく、次の結果通知書をいつまでに受け取る必要があるかを把握し、決算後の資料収集から年間予定を組みます。
建設業許可は取得後の管理まで含めて維持することが重要
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 毎年必要な手続きは決算変更届
- 変更時に必要な手続きは変更届
- 期限前・事業拡大時には更新や業種追加を確認する
- 公共工事を受注する事業者は経審も年間管理に含める
建設業許可は、許可通知書を受け取った時点で管理が終わる制度ではありません。毎年、変更時、期限前、事業拡大時の手続きを適切に行うことで、予定する工事を安定して受注できる状態を整えます。
毎年必要な手続きは決算変更届
決算変更届は毎事業年度終了後4か月以内に提出します。工事実績がない年度や赤字の年度も、許可を保有している限り原則として対象です。
毎年提出しておくことで、更新、業種追加、経審の際に過年度分をさかのぼって整理する負担を減らせます。
提出状況に不安がある場合は、直近年度だけでなく、前回更新以降の各年度を確認してください。
変更時に必要な手続きは変更届
商号、資本金、役員、営業所などは原則30日以内、常勤役員等や営業所技術者等などは原則2週間以内です。一つの人事異動が複数の届出に関係することもあります。
登記や社会保険の手続きだけで完了したと考えず、建設業許可への影響も確認します。
社内の人事・総務手続きに許可確認を組み込むと、変更時に必要な対応を整理しやすくなります。
期限前・事業拡大時には更新や業種追加を確認する
許可を継続する場合は満了日の30日前までに更新申請書を提出します。新たな工事を請け負う場合は、現在の許可業種で対応できるかを契約前に確認してください。
許可業種が不足する場合は、営業所技術者等の要件と申請時期を踏まえて業種追加を検討します。
更新と業種追加の時期が近い場合は同時申請も検討できますが、更新期限を優先すべきケースもあります。
公共工事を受注する事業者は経審も年間管理に含める
公共工事を発注者から直接請け負う事業者は、経審の有効期間を切らさないよう、毎年の決算後に手続きを進めます。
有効期間は審査基準日から1年7か月であり、次の決算から7か月以内に新しい結果通知書を受け取る必要があります。実務上は、決算後の早い時期から準備を始めます。
経審後の入札参加資格申請も含め、発注機関ごとの予定を管理してください。
現在の状況から、必要な手続きを一緒に整理します。
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。許可通知書や届出控えなど、お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
よくある質問
決算変更届を数年提出していない可能性があります。相談できますか
相談できます。許可通知書、各年度の決算書、工事資料、残っている届出控えを確認し、どの年度から整理するかを検討します。資料がすべてそろっていない場合も、現在あるものから確認できます。
変更届の2週間と30日は、どのように分かれますか
商号、資本金、役員、営業所などは原則30日以内、常勤役員等や営業所技術者等など許可要件に関わる変更は原則2週間以内です。複数の変更が関連することもあるため、変更内容をまとめて確認します。
更新期限が近く、届出状況も分かりません
まず許可満了日と、過去の決算変更届・変更届の提出状況を確認します。資料が完全にそろうまで待たず、分かる範囲を共有すると、優先して確認する事項を整理できます。
経審は毎年受ける必要がありますか
公共工事を継続して発注者から直接請け負う場合は、有効な経審結果を切らさないよう、原則として毎年の決算後に受審します。有効期間は結果通知日ではなく審査基準日から1年7か月です。
具体的な様式や必要書類は全国同じですか
制度の基本は共通ですが、提出部数、受付方法、確認資料、細かな運用は許可行政庁により異なる場合があります。申請時点で神奈川県、関東地方整備局など管轄行政庁の最新案内を確認します。
許可後の状況を一度整理すると、次に行う手続きが見えやすくなります
- 決算変更届は毎事業年度終了後4か月以内に提出します
- 変更届は内容に応じて原則2週間以内または30日以内です
- 更新申請書は有効期間満了日の30日前までに提出します
- 新しい工事の契約前に、許可業種と業種追加の要否を確認します
- 公共工事を継続する場合は、経審と入札参加資格を年間で管理します
許可通知書、過去の届出控え、登記事項、決算書、人員情報を一度照合すると、未提出の有無や今後の期限が見えやすくなります。すべてを事前に整理する必要はありません。まずは現在の状況を伺い、優先して確認した方がよい手続きから一緒に整理します。