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コラム

【ケース別】手続きの順序問題を解決! 創業融資と免許取得を同期させる「条件付認可」対応

創業融資は許可が必要、建設業許可は営業所(事務所)や体制が整わないと進まない——この「鶏と卵」の状態を回避するために、本記事では「条件付きで先に審査を進める」考え方を軸に、公庫と制度融資を同時並行させる段取りを解説します。

イメージは「予約注文(仮押さえ)」です。先に"予約"として審査を進め、最後は「許可が取れたら実行」という形で着地させます。

融資と建設業許可が噛み合わない原因を「2つの審査目線」で整理する

この章のポイント

  • 公庫・制度融資(保証協会つき)で違う「許認可の扱い」を先に揃える(提出タイミング/実行条件)
  • 建設業許可の要件のうち、融資と衝突しやすい"詰まりポイント"を棚卸しする(財産・人・拠点)
  • 知事許可/大臣許可、一般/特定の違いでスケジュールと必要証拠がどう変わるか
融資は「返せる見込み」、許可は「条件を満たすか」を見ています。見る角度が違うだけなので、同じ順番で説明できる形に揃えると同時並行が回り始めます。

公庫・制度融資(保証協会つき)で違う「許認可の扱い」を先に揃える(提出タイミング/実行条件)

最初に決めたいのは「いつ何を出すか」です。公庫では、許認可が未取得の場合でも、創業前などで今後確実に取得できる場合は申込が可能です。さらに、日本政策金融公庫の案内では、許認可が必要な事業でも「現在未取得で、これから取得予定の場合は、お申込時のご準備は不要」とされています(脚注参照)。

一方、制度融資は金融機関に加えて保証協会の審査が入り、信用保証書の条件に沿って融資が実行される流れが基本です。

ここを先に言語化して、「審査は先に予約注文(仮押さえ)し、実行は許可取得後」という条件で揃えると、途中で話がねじれにくくなります。

建設業許可の要件のうち、融資と衝突しやすい"詰まりポイント"を棚卸しする(財産・人・拠点)

同時並行が止まる原因は、だいたい「お金・人・営業所(事務所)」のどれかです。お金は500万円の条件が代表で、後の章で最短ルートを整理します。

人は経管・専技(経営の責任者・技術の責任者)の説明が弱いと、補正が増えがちです。拠点は、営業所の実体が伝わらないと審査期間が延びます。

まずはこの3点を棚卸しし、弱点を先に埋めておくと、金融機関の面談でも説明がぶれにくくなります。

知事許可/大臣許可、一般/特定の違いでスケジュールと必要証拠がどう変わるか

許可の種類によって、準備の重さが変わります。特に特定建設業許可は、一般よりも財務の条件が増えるため、融資と許可の同期難易度が上がりやすいです。

たとえば手引きでは、特定の財産的基礎として以下の条件を満たすことが示されています。

  • 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  • 流動比率が75%以上であること
  • 資本金が2,000万円以上、かつ自己資本(純資産合計)が4,000万円以上

受注規模と営業所の増設予定を踏まえ、どの許可を取りに行くかを早めに決めると、融資側への説明も一本化しやすくなります。

「許可見込み」を客観化する"4点セット"で金融機関の不安を消す

この章のポイント

  • 行政(建設業課等)への事前相談メモ・回答内容で「要件充足の方向性」を残す
  • 申請書控え・受付印・補正指示の履歴で「手続きが進んでいる事実」を見せる
  • 経管・専技の立証を"審査が読みやすい束"にする(経験証明の組み立て)
  • 財産要件の裏付けを"日付つき"で提示する(自己資本/残高証明/資金調達能力)
金融機関が安心するのは「許可が取れそう」という感覚ではなく、第三者が見ても分かる根拠です。4点を揃えると、条件付きでも前に進めやすくなります。

行政(建設業課等)への事前相談メモ・回答内容で「要件充足の方向性」を残す

ここで言う「要件充足の方向性」は、言い換えると「条件をクリアできそうな根拠」です。相談日・担当・質問・回答をA4一枚にまとめ、関連資料(経歴、資格、契約書の写しなど)を添えます。

ポイントは、回答を自分の言葉で"解釈しすぎない"ことです。事実として残すほど、行政にも金融機関にも説明が通りやすくなります。

申請書控え・受付印・補正指示の履歴で「手続きが進んでいる事実」を見せる

次は「もう動いている」証拠を出します。申請書控えの受付印、補正指示の内容、提出済み・未提出の状況を時系列で並べるだけで十分です。

この整理があると、保証協会の照会にも答えやすくなり、担当者の不安を先回りできます。制度融資は信用保証書の条件に沿って融資が実行されるため、条件の整理が早いほど前に進みます。

経管・専技の立証を"審査が読みやすい束"にする(経験証明の組み立て)

人の証明は「散らばり」をなくすほど強くなります。①人物サマリー(役割・期間)②経験の裏づけ(工事契約、請求書、入金記録など)③様式への転記、の順で一つに束ねるやり方がおすすめです。

面談では専門用語を並べるより、「経営の責任者・技術の責任者として、何を、どれだけ、どの期間やってきたか」を一貫して説明できると評価されやすくなります。

財産要件の裏付けを"日付つき"で提示する(自己資本/残高証明/資金調達能力)

財産面は、最初から「確実に通る見せ方」を選びます。最も確実なのは、直近の確定申告書(個人事業主)または決算書(法人)の貸借対照表で純資産(自己資本)を確認できる方法です。

手引きでも「自己資本」は、法人なら貸借対照表の純資産合計などとして整理されています。残高証明で示す場合は、後述のとおり有効期限が自治体で異なるため、工程表に"取得日"まで組み込みます。

「500万円の壁」と融資を同時に越える"3つの作戦"を選び分ける

この章のポイント

  • 自己資本で越える:資本金設計・決算(見え方)から逆算する
  • 残高証明で越える:発行期限を踏まえて申請日を"逆算固定"する
  • 資金調達能力で越える:融資側の書面化(内諾)を取りに行く/制度融資と接続する
500万円は「用意する」だけでなく「どう証明するか」が勝負です。自社の状況に合う作戦を選ぶほど、融資と許可の同期がスムーズになります。
作戦① 自己資本 決算書で純資産500万円以上を示す。説明が最短で、金融機関への「返済能力」説明とも連動しやすい。
作戦② 残高証明 有効期限が自治体ごとに異なる。申請提出日・証明取得日・入金予定をセットで固定する。
作戦③ 資金調達能力 融資の内諾・条件を書面化し、「調達できる根拠」として提示する。

自己資本で越える:資本金設計・決算(見え方)から逆算する

自己資本で越えるのは説明が最短です。直前決算で自己資本(純資産合計)が500万円以上なら、許可側の説明が一気に通ります。このルートが強い理由はシンプルで、後から数字を作りにくい"決算・申告"で裏づけできるためです。金融機関に対しても「返せる見込み」の説明がしやすくなります。

残高証明で越える:発行期限を踏まえて申請日を"逆算固定"する

残高証明はスピード勝負ですが、期限管理が命です。手引きでは「申請直前4週間以内」などの基準が示される例があります。ただし、自治体により残高証明書の有効期限が異なる(申請受理前1か月以内など)ため、各自治体の運用を必ず確認します。

①申請提出日(または予約日)②残高証明の取得日③入金予定(売掛回収・資金移動)をセットで固定します。複数口座で合算するなら基準日を揃えるなど、細部まで詰めておくと安心です。

資金調達能力で越える:融資側の書面化(内諾)を取りに行く/制度融資と接続する

資金調達能力で越えるなら「口約束を減らす」のがポイントです。一般建設業の財産的基礎として「500万円以上の資金を調達する能力」を、残高証明や融資証明で判断する例が示されています。

融資相談の結果を面談メモやメールで残し、条件(いつ・何が揃えば実行か)を明文化します。制度融資は保証承諾の後に、信用保証書の条件に沿って融資が実行されるため、条件整理が早いほど前に進みます。

不許可リスクを潰すために「人・拠点・社会保険」を2段階で固める

この章のポイント

  • 営業所の実体を"写真と契約"で固め、審査に耐える状態にする
  • 常勤性・専任配置・社会保険の論点を先回りして証拠化する
  • 欠格要件・役員/使用人の整理を先に済ませ、補正で崩れない申請にする
リスクは「後で直せばいい」と放置すると膨らみます。2段階で固めると、補正が出ても工程が崩れにくくなります。

営業所の実体を"写真と契約"で固め、審査に耐える状態にする

営業所(事務所)は「実際に営業しているか」が見られます。契約書(名義・用途)、看板や郵便受け、執務スペースの写真、通信環境などを揃えると説得力が上がります。融資側も「事業の実態」を気にするため、"予約注文(仮押さえ)"の前提として見せられる状態にしておくとスムーズです。

常勤性・専任配置・社会保険の論点を先回りして証拠化する

「この人は本当に常勤か」は必ず見られます。雇用契約や勤務実態が分かる資料、兼業の整理、社会保険の加入状況などを先に固めます。この部分が曖昧だと、許可側も融資側も確認が増えます。先に証拠を揃えるほど、全体の往復が減ります。

欠格要件・役員/使用人の整理を先に済ませ、補正で崩れない申請にする

最後は「後から出る地雷」を潰します。役員・主要な使用人の情報が動くと、許可書類も融資書類も二重に直すことになります。申請〜融資実行までの期間は"変更しない方針"を決め、やむを得ず変更が出る場合は、同じ説明資料を行政と金融機関に同時提出できる形にしておきます。これだけでも工程を守りやすくなります。

公庫と制度融資を同時並行させる「7コマ工程表」でデッドロックを解除する

この章のポイント

  • どの書類を「誰に」「いつ」出すか、工程表(ガント)の作り方をテンプレ化する
  • 面談・保証協会照会・補正対応に備えた"バッファ設計"の入れ方
  • 使途(設備・運転)と支出タイミングをリンクさせ、資金使途ブレを防ぐ
ここで言う「デッドロック」は身動きが取れない状態のことです。工程表は「やることリスト」ではなく「判断する日程表」なので、提出先が増えるほど効果が出ます。

どの書類を「誰に」「いつ」出すか、工程表(ガント)の作り方をテンプレ化する

工程表は提出先を3列に分けるとシンプルです(行政/金融機関/保証協会・自治体)。許可は「申請→補正→許可通知」、融資は「相談→申込→面談→審査→契約→実行」を横に並べ、交差点(提出日)を固定します。テンプレを作っておくと、案件ごとの微調整で済みます。

面談・保証協会照会・補正対応に備えた"バッファ設計"の入れ方

同時並行が崩れるのは、追加資料が出たときです。制度融資は保証承諾の工程があるため、照会が1往復増える想定で余白を入れておくと安心です。許可側も補正が起きやすいので、工程表に「補正1回分」「照会1回分」を最初から入れておきます。余白を先に置くと、急な依頼でも慌てにくくなります。

使途(設備・運転)と支出タイミングをリンクさせ、資金使途ブレを防ぐ

ここでは資金使途(=お金の使い道)を一本にします。特に注意したいのは、融資実行前に自己資金を使いすぎると「融資の必要性」を疑われることがある点です。制度融資では、設備資金で"すでに支払い済み"のものが対象外になる例も見られます。

支出は審査の節目に合わせて段階化し、見積書・契約書・支払予定表をセットで管理します。先に使いすぎない設計が、審査を軽くします。

「仮申請」と条件付き契約で損失を抑える"3つの安全装置"

この章のポイント

  • 物件・外注・リースを「許可取得/融資実行」条件で結び、撤退コストを限定する
  • 支出を3段階(調査→着手→本工事)に分割し、止血ポイントを作る
  • もし詰んだ時の逃げ道を用意する(業種の組み替え/一般⇄特定の再設計)
同時並行で大切なのは「前に進む仕組み」より「止まれる仕組み」です。安全装置があるほど、判断が早くなります。

物件・外注・リースを「許可取得/融資実行」条件で結び、撤退コストを限定する

最初の安全装置は契約条項です。事務所賃貸、外注、リースなどは「許可取得」「融資実行」を条件にし、解除時の精算ルールも決めます。こうしておくと、不許可や融資否決でも損失を抑えられます。相手先にも条件が明確になるため、交渉が通る場面があります。

支出を3段階(調査→着手→本工事)に分割し、止血ポイントを作る

次は「お金の出し方」を分けます。①調査(要件確認・写真・図面)②着手(最小限の備品や通信)③本工事(大型投資)に分割し、次へ進む条件を決めます。

ここでの「止血ポイント」は、言い換えると"損失を止める区切り"です。融資実行前に自己資金を使いすぎると必要性が弱く見えることがあるので、支出は審査の節目に合わせます。

もし詰んだ時の逃げ道を用意する(業種の組み替え/一般⇄特定の再設計)

最後に「詰んだ時の別ルート」を用意します。たとえば、まず一般で取得してから拡張する、業種追加の順序を変えるなどです。特定は財務条件が重くなるため、今の受注計画に対して過大な申請になっていないか見直します。特定の数値条件(資本金2,000万円・自己資本4,000万円など)は直前決算で判断される例が示されています。

逃げ道があると、面談でも「最悪でもこうする」と説明でき、審査側の不安が下がります。

行政と金融を同時に回すと成果が変わる「専門家連携の3メリット」

この章のポイント

  • 行政書士:要件の穴を事前に潰し、補正を最短化する
  • 税理士:財産要件・資本政策・資金繰り表で"数字の不安"を消す
  • 金融機関:保証協会が見たい論点を先回りし、条件整理を前倒しする
同時並行は"翻訳作業"です。言い回しが違う相手をつなぐほど、早く進みます。

行政書士:要件の穴を事前に潰し、補正を最短化する

行政書士は「書類作成」だけでなく、落とし穴の発見役です。経管・専技(経営の責任者・技術の責任者)の説明や営業所の実体など、補正が起きやすい箇所を先に固めます。結果として「条件をクリアできそうな根拠」が早めに揃い、金融機関側も条件付きで動きやすくなります。

税理士:財産要件・資本政策・資金繰り表で"数字の不安"を消す

税理士が強いのは500万円の証明です。直近の確定申告書(個人事業主)または決算書(法人)の貸借対照表で純資産(自己資本)を確認できる形に整えると、説明の往復が減ります。さらに資金繰り表を作ると、融資側の「返済の見込み」説明が一気に楽になります。数字の整合が取れるほど、追加質問が減りやすいです。

金融機関:保証協会が見たい論点を先回りし、条件整理を前倒しする

制度融資では保証協会の審査が入り、保証承諾を経て融資実行へ進みます。だからこそ、金融機関担当者と「どの根拠があれば許可見込みと言えるか」を先に合わせます。提出資料を早めに共有し、実行条件(許可取得、営業所整備など)を前倒しで合意すると手戻りが減ります。

まとめ

  • 公庫では、許認可が未取得でも「これから取得予定」の場合は申込時に許認可証等の準備が不要とされています(脚注参照)。
  • 制度融資は保証承諾の後、信用保証書の条件に沿って融資が実行されるため、条件整理が勝負です。
  • 500万円は、残高証明よりも「直近の確定申告書・決算書の純資産」で示せると説明が最短になります。
  • 残高証明の有効期限は自治体で差があり、1か月以内などの運用例もあるため、必ず管轄の手引きで確認します。
  • 融資実行前に自己資金を使いすぎると必要性を疑われることがあるので、「お金の使い道」と支出時期を工程表で厳密に管理します。
  • 行政と銀行(+保証協会)の前提を翻訳して、同じ工程表で回すのがプロの開業支援です。まずは「お金・人・営業所」の棚卸しを行い、許可見込みの根拠を4点セットで揃えるところから着手してください。

【脚注】日本政策金融公庫:許認可が必要な事業でも、現在未取得でこれから取得予定の場合は、お申込時のご準備は不要と案内されています。

【免責】制度融資は自治体・取扱金融機関・信用保証協会の審査等が必要で、条件や必要書類は地域・制度で異なります。

 


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