HANAWA行政書士事務所のロゴ HANAWA行政書士事務所 建設・製造・産廃業向け 許認可 × 外国人雇用 × 補助金 × 福利厚生
090-3718-2803 9:00-23:00 年中無休(土日祝日・20時以降は事前予約)
建設業の現場技術者配置

主任技術者と監理技術者の違い
現場に誰を配置するか5項目で確認

元請・下請の立場、許可区分、下請契約額、資格、専任・兼務を順に整理し、予定工事に必要な技術者を確認する方法を解説します。

ホーム > 建設業許可 > 主任技術者・監理技術者の配置

この記事の対象
元請工事を始める建設会社、現場への技術者配置に不安がある事業者、工事担当者を主な対象としています。工事ごとの結論は、契約関係、工事業種、下請計画、許可区分、配置候補者の資格などで変わります。

図解:配置する技術者を確認する基本の順番
1
元請・下請を確認

発注者から直接請け負う元請か、建設業者から請け負う下請かを整理します。

2
工事業種と許可区分を確認

対象業種の許可と、一般・特定の区分を確認します。

3
下請契約額を確認

元請は、その工事について締結する下請契約額の合計を見込みます。

4
資格と雇用関係を確認

配置候補者が対象業種の要件を満たすか、裏付け資料まで確認します。

5
専任・兼務を確認

請負代金額、公共性、他現場、営業所との兼務条件を確認します。

相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。
まずは現在分かる工事内容、元請・下請の立場、下請発注の予定、許可業種、配置候補者を伺い、確認した方がよい内容を一緒に整理します。資料があれば確認がスムーズですが、そろっていない段階でもご相談いただけます。

営業所と工事現場で異なる技術者の2つの役割

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 営業所技術者等は請負契約を技術面から支える
  • 主任技術者・監理技術者は工事現場の施工管理を担う
  • 資格要件が重なっても同じ制度として扱わない
  • 営業所技術者等を現場に配置するときは兼務要件を確認する

営業所技術者等と主任技術者・監理技術者は、資格要件が重なる場合があります。しかし、配置場所と担当する職務は異なります。両者を分けて理解することが、技術者配置を正しく判断する第一歩です。

営業所技術者等は請負契約を技術面から支える

営業所技術者等は、建設業許可を受ける営業所に置かれ、請負契約を技術面から支える技術者です。一般建設業では営業所技術者、特定建設業では特定営業所技術者と呼ばれます。

工事の見積りや契約内容を技術面から確認し、営業所における請負契約の適正な締結・履行を支えることが主な役割です。原則として、その営業所に常勤して職務に従事します。

営業所技術者等が在籍しているだけでは、個々の工事現場に必要な主任技術者や監理技術者を配置したことになりません。営業所の許可要件と現場の施工体制は、分けて確認する必要があります。

主任技術者・監理技術者は工事現場の施工管理を担う

主任技術者と監理技術者は、請け負った建設工事を適正に施工するため、工事現場に配置する技術者です。施工計画の作成、工程管理、品質管理、技術上の管理、施工に従事する者への指導監督などを担います。

主任技術者は、原則として建設業許可を受けた事業者が施工する現場に配置します。監理技術者は、発注者から直接工事を請け負い、元請が締結する下請契約額の合計が法定基準以上になる場合に必要です。

社内で「現場監督」と呼ばれている人がいれば足りるわけではありません。対象業種に対応した資格や実務経験など、法令上の要件を満たす人を選任します。

資格要件が重なっても同じ制度として扱わない

営業所技術者等と主任技術者・監理技術者には、同じ国家資格や実務経験が要件として認められる場合があります。ただし、同じ人が双方の資格要件を満たすことと、制度上の役割が同じであることは別です。

特定営業所技術者は営業所の許可要件を担い、監理技術者は個別の現場で施工管理を行います。配置場所、担当期間、専任性、兼務できる範囲も別々に判定します。

資格者の人数だけを見るのではなく、誰が、どの営業所または現場で、どの期間、どの職務を担うのかまで整理しましょう。

営業所技術者等を現場に配置するときは兼務要件を確認する

営業所技術者等は、法令上の要件を満たす場合、主任技術者または監理技術者を兼務できることがあります。専任を要しない現場との兼務では、営業所で締結した工事であることや、営業所と現場が近接し、常時連絡を取れることなどを確認します。

2024年12月13日施行の改正により、一定の要件をすべて満たす場合には、営業所技術者等が専任を要する一つの工事現場を兼務できる制度も設けられました。主な確認項目は、契約営業所、請負代金額、兼務現場数、移動時間、下請次数、連絡員、情報通信技術、人員配置計画書などです。

兼務は資格だけでは判断できません。
工事条件と本人の担当状況を整理し、適用する制度の要件を一つずつ確認する必要があります。

主任技術者と監理技術者を分ける3つの違い

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 主任技術者は原則として建設工事を施工するすべての許可業者が配置する
  • 監理技術者は一定規模以上を下請に出す元請業者が配置する
  • 監理技術者には主任技術者より上位の資格要件が求められる
  • 役割の違いを一覧表で確認する

主任技術者と監理技術者の違いは、単なる資格の上下関係ではありません。配置する会社の立場、下請契約の規模、必要な資格要件が異なります。

主任技術者は原則として建設工事を施工するすべての許可業者が配置する

主任技術者は、建設業許可を受けた事業者が建設工事を施工する場合に、原則として工事現場へ配置する技術者です。元請だけでなく、下請として施工する建設業者にも配置が求められます。

したがって、監理技術者が必要でない工事であっても、直ちに現場技術者の配置が不要になるわけではありません。まず予定工事がどの建設工事業種に当たるかを整理し、その業種に対応する資格または実務経験を持つ人を確認します。

監理技術者は一定規模以上を下請に出す元請業者が配置する

監理技術者が必要になるのは、発注者から直接工事を請け負った事業者が、その工事について合計5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上の下請契約を締結する場合です。5,000万円または8,000万円ちょうどの場合も含まれます。

判定に使うのは元請として受注した請負金額ではなく、元請が締結する下請契約額の合計です。この施工体制を組むには、対象業種の特定建設業許可も必要になります。

監理技術者には主任技術者より上位の資格要件が求められる

監理技術者は、多数の下請業者を含む施工体制を総合的に管理するため、主任技術者より厳しい資格要件が設けられています。

指定建設業以外では、対象業種に対応する一級国家資格や技術士のほか、一定の指導監督的実務経験によって要件を満たす場合があります。ただし、土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の指定建設業7業種では、実務経験だけで監理技術者になることはできません。一級国家資格者、技術士、国土交通大臣認定者などが必要です。

役割の違いを一覧表で確認する

確認項目 主任技術者 監理技術者
配置する会社 工事を施工する許可業者 法定額以上を下請に出す元請業者
元請・下請 双方 発注者から直接請け負う元請
下請契約額 監理技術者の基準未満など 合計5,000万円以上
建築一式工事 監理技術者の基準未満など 合計8,000万円以上
資格要件 国家資格または所定の実務経験 一級資格、技術士、指導監督的実務経験など
主な役割 担当工事の技術上の管理 下請を含む工事全体の総合的な管理

金額は「超」ではなく「以上」です。実際の配置では、工事業種、許可区分、専任要件、兼務条件も併せて確認します。

現場に配置する技術者を判断する5つの確認項目

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 自社が元請と下請のどちらになるか確認する
  • 予定工事に対応する建設業許可の業種を確認する
  • 一般建設業と特定建設業のどちらの許可を持つか確認する
  • 元請は下請契約の合計額を確認する
  • 配置予定者の資格・実務経験が工事業種に対応するか確認する

現場技術者は、工事金額だけでは決められません。会社の立場、許可業種、許可区分、下請計画、本人の資格を順番に確認します。

自社が元請と下請のどちらになるか確認する

最初に、自社が発注者から直接工事を請け負う元請なのか、他の建設業者から請け負う下請なのかを確認します。監理技術者の配置が問題になるのは、法定額以上を下請に発注する元請業者です。

下請として施工する会社は、受注額が大きくても、原則として自社の施工範囲に主任技術者を配置します。ただし、元請・下請を問わず専任が必要になる工事はあるため、契約関係と専任要件は別に確認してください。

予定工事に対応する建設業許可の業種を確認する

建設業許可は、土木一式、建築一式、電気、管など業種ごとに区分されています。配置する主任技術者または監理技術者も、その工事業種に対応した要件を満たさなければなりません。

「改修工事」などの名称だけでは業種を正確に判断できないことがあります。見積内訳、仕様書、施工範囲から実態を確認し、許可業種と配置資格を一致させます。

一般建設業と特定建設業のどちらの許可を持つか確認する

発注者から直接工事を請け負い、下請契約額の合計が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上になる場合は、対象業種の特定建設業許可が必要です。基準額と同額の場合も含みます。

監理技術者を確保できても、会社が一般建設業許可しか持っていなければ、この施工体制は組めません。見積りや受注判断の段階で、許可区分と下請計画を照合しましょう。

元請は下請契約の合計額を確認する

監理技術者の要否は、一社当たりの発注額ではなく、その工事について元請が締結する下請契約額の合計で判定します。建設工事の請負に当たらない材料売買などは、通常の下請契約額と扱いが異なります。

当初は基準未満でも、追加工事や変更契約により合計額が基準以上になる場合があります。工事中も下請発注額を更新し、監理技術者、特定建設業許可、施工体制台帳への影響を再確認します。

配置予定者の資格・実務経験が工事業種に対応するか確認する

配置予定者について、合格証明書、監理技術者資格者証、卒業証明書、実務経験証明書、雇用関係を確認できる資料などを確認します。

資格名が似ていても、資格区分や対象業種が異なる場合があります。実務経験で要件を満たすときは、経験した工事の内容、期間、立場を具体的に説明できる資料が必要です。所属会社との直接的かつ恒常的な雇用関係も確認しましょう。

監理技術者が必要か判断する4つのポイント

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 発注者から直接請け負う元請工事であること
  • 下請契約の合計額が法定基準以上になること
  • 一定額以上を下請に出すには特定建設業許可も必要になること
  • 変更契約や追加工事で下請契約額が増える場合にも再判定する

監理技術者の要否は、元請工事であることと下請契約の規模を中心に判断します。元請請負額だけを見ず、工事終了まで継続して確認することが必要です。

発注者から直接請け負う元請工事であること

監理技術者を配置するのは、発注者から直接工事を請け負い、法定額以上を下請に発注する元請業者です。ここでいう発注者は、建設工事の最初の注文者を指します。

元請から請け負った一次下請が二次下請へ多額の工事を発注しても、一次下請は発注者から直接請け負った者ではありません。通常は監理技術者ではなく主任技術者の配置を検討します。

下請契約の合計額が法定基準以上になること

元請工事であっても、すべての現場で監理技術者が必要になるわけではありません。下請契約額の合計が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合に配置します。

元請請負額が大きくても、自社施工が中心で下請契約額が基準未満なら、主任技術者を配置する場合があります。反対に、下請発注の割合が高く合計額が基準以上なら監理技術者が必要です。

一定額以上を下請に出すには特定建設業許可も必要になること

下請契約額が法定基準以上となる工事では、元請業者は対象業種の特定建設業許可を受けていなければなりません。

監理技術者になれる資格者がいても、一般建設業許可しかなければ、その施工体制は組めません。反対に、特定建設業許可があっても、対象工事に配置できる監理技術者がいなければ適正な体制を確保できません。許可と人員を一体で確認します。

変更契約や追加工事で下請契約額が増える場合にも再判定する

工事途中の追加発注により、下請契約額の合計が基準以上になることがあります。基準額に達することが見込まれた段階で、監理技術者の配置と特定建設業許可を確認してください。

当初は主任技術者を配置していた場合、監理技術者への変更や施工体制台帳の整備なども検討します。追加・変更契約の社内承認に、許可区分と技術者配置の再判定を組み込むと確認漏れを減らせます。

主任技術者・監理技術者の配置で確認する4つの資格要件

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 主任技術者になれる国家資格と実務経験を確認する
  • 監理技術者になれる国家資格と実務経験を確認する
  • 指定建設業では一級国家資格者等が必要になる
  • 監理技術者を専任配置する工事では資格者証と監理技術者講習を確認する

経験豊富な人でも、法令上の資格要件を満たすとは限りません。資格の種類、対象業種、実務経験、資格者証や講習の状況まで確認します。

主任技術者になれる国家資格と実務経験を確認する

主任技術者になる方法は、対象業種に対応する国家資格を持つ方法と、所定の実務経験を満たす方法に大きく分かれます。施工管理技士、建築士、技術士、電気工事士など、認められる資格は業種ごとに異なります。

実務経験で判断する場合は、学歴や指定学科により必要年数が変わることがあります。単なる在籍期間ではなく、対象業種の建設工事に関する技術上の経験が必要です。

監理技術者になれる国家資格と実務経験を確認する

監理技術者には、主任技術者より高い資格または経験が求められます。一級施工管理技士や技術士など、対象業種に対応する資格を持つ人は要件を満たせる場合があります。

指定建設業以外では、主任技術者の要件を満たしたうえで、一定規模以上の元請工事における指導監督的実務経験によって認められるケースもあります。ただし、指定建設業7業種では実務経験だけによる配置はできません。

指定建設業では一級国家資格者等が必要になる

土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業は指定建設業です。

これら7業種で監理技術者になるには、原則として一級施工管理技士、技術士、国土交通大臣認定者などであることが必要です。指導監督的実務経験だけでは要件を満たしません。なお、解体工事業は指定建設業7業種には含まれません。

監理技術者を専任配置する工事では資格者証と監理技術者講習を確認する

公共性のある施設や工作物に関する重要な工事で監理技術者を専任配置する場合は、監理技術者資格者証の交付を受け、監理技術者講習を修了している必要があります。

資格者証には有効期限があり、講習にも受講時期の要件があります。資格証明だけでなく、資格者証の有効期限と講習修了日を確認し、工期中に更新時期が来る場合は手続予定も整理しましょう。

専任配置と技術者兼務を判断する4つの手順

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 専任が必要となる工事の種類と請負代金額を確認する
  • 「専任が必要」と「他現場との兼務が一切できない」を分けて考える
  • 専任特例を利用できる工事か要件を確認する
  • 営業所技術者等との兼務は営業所・現場双方の条件を確認する

技術者を決めた後は、その人を現場に専任させる必要があるかを確認します。専任義務と監理技術者の配置基準は別の制度で、使用する金額も異なります。

専任が必要となる工事の種類と請負代金額を確認する

公共性のある施設や工作物に関する重要な建設工事では、請負代金額が4,500万円以上、建築一式工事では9,000万円以上になると、主任技術者または監理技術者を現場ごとに専任配置する必要があります。基準額と同額の場合も含み、元請・下請を問わず適用されます。

ここで見るのは、自社が請け負った工事の請負代金額です。監理技術者の要否を判定する下請契約額とは別に管理します。

「専任が必要」と「他現場との兼務が一切できない」を分けて考える

専任とは、原則としてその工事現場の職務にのみ従事することを意味します。ただし、一定の要件を満たす場合は、専任を要する工事でも複数現場を兼務できる特例があります。

一方、距離が近い、工期が一部重ならないといった社内判断だけで兼務させることは適切ではありません。専任の原則を確認したうえで、専任特例1号や監理技術者補佐を配置する特例などを検討します。

専任特例を利用できる工事か要件を確認する

建設業法第26条第3項第1号の専任特例では、情報通信技術、現場間の移動時間、工事数、請負代金額、下請次数、連絡員などの要件を満たす場合に、専任技術者が複数現場を兼務できます。

同項第2号の特例では、各現場に監理技術者補佐を専任配置することで、監理技術者が原則二つの現場を兼務できます。利用する特例の要件をすべて確認し、発注者の独自条件があれば契約書や仕様書も照合してください。

営業所技術者等との兼務は営業所・現場双方の条件を確認する

営業所技術者等が主任技術者または監理技術者を兼務する場合は、現場側だけでなく、営業所の職務も適正に行えるかを確認します。

専任現場との兼務では、契約営業所、請負代金額、現場数、移動時間、下請次数、連絡員、ICT環境などの法定要件があります。本人が営業所と現場の双方で実際に職務を果たせる体制まで整えることが必要です。

監理技術者補佐を活用する前に確認する3つの条件

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 監理技術者補佐を配置する特例では各現場に補佐を専任配置する
  • 監理技術者補佐を置いても監理技術者の配置は必要になる
  • 監理技術者・補佐・対象工事の要件をそれぞれ確認する

監理技術者補佐は、監理技術者を置かなくてよくなる制度ではありません。各現場に補佐を専任配置することで、一定の条件のもと監理技術者が複数工事を兼務できる仕組みです。

監理技術者補佐を配置する特例では各現場に補佐を専任配置する

建設業法第26条第3項第2号の特例を利用する場合は、監理技術者が担当する各工事現場に監理技術者補佐を専任配置します。実務上は、監理技術者補佐を配置する特例、特例監理技術者制度、専任特例2号などと呼ばれます。

補佐は、監理技術者の指導のもとで施工計画、工程管理、品質管理などの職務を支えます。監理技術者が兼務できる工事現場は原則二つです。

監理技術者補佐を置いても監理技術者の配置は必要になる

監理技術者補佐は、監理技術者に代わって現場全体の職務を担う技術者ではありません。補佐を配置しても、元請会社は監理技術者を選任し、その監理技術者が各現場の施工管理を行います。

監理技術者と補佐の間で、報告方法、現場確認の頻度、主要工程への立会い、緊急時の連絡体制などを決め、実際に管理できる運用を整えます。

監理技術者・補佐・対象工事の要件をそれぞれ確認する

監理技術者補佐には、主任技術者になれる資格に加え、一級技士補など法令で定められた要件が必要です。監理技術者側には資格者証や講習などの要件があり、双方に直接的かつ恒常的な雇用関係が求められます。

候補者の資格だけで判断せず、工事金額、工期、現場の位置、発注条件、監理技術者が職務を遂行できる範囲まで確認してください。

技術者を決める前に避けたい5つの判断ミス

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 元請の請負金額だけで監理技術者の要否を決める
  • 一般建設業許可のまま一定額以上を下請に発注する
  • 営業所技術者等を無条件で現場に配置できると考える
  • 専任基準と監理技術者の配置基準を混同する
  • 工事途中の増額や下請追加後に配置を見直さない

技術者配置では、資格者がいない場合だけでなく、金額の見方や制度の違いを誤解し、予定していた人を配置できない場合にも注意が必要です。

元請の請負金額だけで監理技術者の要否を決める

監理技術者の要否は、元請請負額ではなく、元請が締結する下請契約額の合計で判断します。自社施工が中心なら主任技術者となる場合があり、下請発注額が基準以上なら監理技術者が必要です。

見積総額だけでなく、自社施工と下請施工の範囲を整理し、下請計画が未確定なら複数の発注パターンで確認しましょう。

一般建設業許可のまま一定額以上を下請に発注する

一般建設業許可の会社でも元請工事を受注できますが、下請契約額の合計が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる施工体制には、対象業種の特定建設業許可が必要です。

監理技術者になれる資格者を採用しても、会社の許可区分は自動的に変わりません。見積提出前に許可通知書、下請計画、配置候補者を確認します。

営業所技術者等を無条件で現場に配置できると考える

営業所技術者等が現場技術者の資格要件を満たしていても、無条件で兼務できるわけではありません。専任を要しない現場との兼務と、専任現場との兼務では、確認する要件が異なります。

契約営業所、請負代金額、現場数、移動時間、下請次数、連絡員、情報通信技術、人員配置計画書などを確認し、営業所の職務も適正に行える体制かを判断します。

専任基準と監理技術者の配置基準を混同する

監理技術者の要否は、元請の下請契約額が合計5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上かで判断します。専任の要否は、公共性のある重要な工事における自社の請負代金額が4,500万円以上、建築一式工事では9,000万円以上かで判断します。

基準額も判定対象も異なります。社内確認表では別々の欄を設けると整理しやすくなります。

工事途中の増額や下請追加後に配置を見直さない

追加工事や下請契約の変更により、必要な技術者が変わることがあります。下請契約額が法定基準以上になれば、監理技術者と特定建設業許可を再確認します。請負代金額が専任基準以上になった場合は、専任性も再判定します。

追加・変更契約の承認手続きに、許可区分、下請契約額、配置技術者、専任・兼務の再確認を組み込みましょう。

契約前・着工前に技術者配置を確認する3ステップ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 工事業種・元請下請の立場・契約予定額を整理する
  • 下請契約額・許可区分・配置予定者の資格を照合する
  • 専任・兼務・資格者証などの個別要件を最終確認する

技術者配置は、契約後に考えるのではなく、受注判断の段階から確認することが大切です。工事条件と自社の許可・人員を順番に照合します。

工事業種・元請下請の立場・契約予定額を整理する

最初に整理したい項目
  • 工事名称と具体的な施工内容
  • 該当する建設工事業種
  • 元請または下請の区分
  • 自社の請負予定額
  • 工期と工事場所
  • 下請へ発注する工種と予定額

工事名称だけでは許可業種を判断できない場合があります。見積内訳や仕様書を使って施工内容を確認し、不足する情報は発注者や注文者へ確認します。

下請契約額・許可区分・配置予定者の資格を照合する

元請の場合は、下請契約額の合計が監理技術者の配置基準以上になるかを確認します。基準以上なら、対象業種の特定建設業許可と、監理技術者になれる人の双方が必要です。

主任技術者を配置する場合も、候補者の資格または実務経験が対象業種に対応するかを確認します。一人の資格者を複数案件に割り当てていないか、営業所技術者等との兼務になるかも整理してください。

専任・兼務・資格者証などの個別要件を最終確認する

請負代金額、工事の公共性、他の担当現場、移動時間、工期の重複を整理し、専任の要否と兼務の可否を確認します。監理技術者を専任配置する場合は、資格者証と講習も確認します。

特例を利用するときは、連絡員、ICT環境、人員配置計画書などを整えます。事実関係により判断が変わる場合は、契約前・着工前に許可行政庁や専門家へ確認すると安心です。

技術者配置に迷ったときは契約前の確認が重要

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 契約後に資格者不足が判明すると工事体制の変更が必要になる
  • 工事金額や下請計画が未確定でも早めに相談する
  • 予定工事に必要な許可と配置技術者を個別に確認する

主任技術者と監理技術者の判断は、工事金額だけでは完結しません。工事業種、契約関係、許可区分、下請計画、資格者の状況をまとめて確認します。

契約後に資格者不足が判明すると工事体制の変更が必要になる

契約後や着工直前に配置できる技術者がいないと分かると、施工体制や下請計画の見直しが必要になる場合があります。新たに資格者を採用しても、必要な雇用関係や資格資料をすぐ整えられるとは限りません。

契約書へ押印する前に、配置候補者と裏付け資料を確認し、金額と人員の両面から実行可能な施工体制かを整理しましょう。

工事金額や下請計画が未確定でも早めに相談する

すべての契約条件が確定していなくても、工事業種、元請予定額、下請発注の概算、工期、配置候補者が分かれば、想定される論点を整理できます。

下請契約額が基準付近なら、自社施工の範囲、下請計画、特定建設業許可の取得時期などを早めに検討できます。相談内容がまとまっていない段階でも、現在分かる範囲から確認を始められます。

予定工事に必要な許可と配置技術者を個別に確認する

同じ会社が受注する工事でも、必要な技術者は案件ごとに異なります。工事業種、元請・下請、下請契約額、公共性、工期、配置候補者の担当状況によって結論が変わります。

見積書、工事内容が分かる資料、許可通知書、下請計画、資格資料がお手元にあれば確認がスムーズです。資料がそろっていない場合も、現在の状況を伺い、次に確認した方がよい資料を一緒に整理します。

予定工事の技術者配置を一緒に整理します。
主任技術者でよいか、監理技術者が必要か、営業所技術者等との兼務を検討できるかなど、工事条件と自社の許可・人員を照合します。

建設業の技術者配置について相談する 建設業許可の案内を見る

よくある質問

元請工事では必ず監理技術者が必要ですか

元請工事であるだけでは決まりません。発注者から直接請け負い、元請が締結する下請契約額の合計が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合に監理技術者を配置します。

5,000万円ちょうどの下請契約でも監理技術者が必要ですか

下請契約額の合計が5,000万円ちょうどの場合も「以上」に含まれます。建築一式工事では8,000万円ちょうどの場合も対象です。特定建設業許可も併せて確認します。

監理技術者の配置基準と専任基準は同じですか

異なります。監理技術者の要否は元請の下請契約額で判断し、専任の要否は公共性のある重要な工事における自社の請負代金額で判断します。

営業所技術者等を工事現場へ配置できますか

法令上の要件を満たす場合は兼務できることがあります。専任を要する現場との兼務では、契約営業所、請負代金額、現場数、移動時間、下請次数、連絡体制などを個別に確認します。

資料がそろっていなくても相談できますか

ご相談いただけます。現在分かる工事内容、契約関係、下請予定額、許可業種、配置候補者を伺い、次に確認した方がよい資料を整理します。

予定工事ごとに、許可と配置技術者を確認します

  • 営業所技術者等と主任技術者・監理技術者は、配置場所と役割が異なります
  • 監理技術者は、元請の下請契約額が合計5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合に必要です
  • 専任基準は請負代金額4,500万円以上、建築一式工事では9,000万円以上で、監理技術者の配置基準とは別に判断します
  • 営業所技術者等や専任技術者の兼務には、工事金額、現場数、移動時間、下請次数などの要件があります
  • 契約前・着工前に、許可区分、下請契約額、資格、専任・兼務をまとめて確認することが大切です

主任技術者と監理技術者のどちらを配置するかは、一つの金額や資格名称だけでは判断できません。予定工事の内容、契約関係、下請計画、自社の許可、配置候補者の資格を照合します。

HANAWA行政書士事務所では、相談内容がまとまっていない段階でも、現在の状況を伺い、必要な許可や確認した方がよい資料を一緒に整理します。

お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。

予定工事の技術者配置について相談する 経営事項審査の記事を見る

制度の適用は個別条件で変わります。申請・契約時点の公的資料も併せてご確認ください。

国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」 国土交通省「専任義務の合理化・職務の特例」
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の工事条件、許可区分、資格要件、発注者の条件は、契約・着工時点の最新情報をご確認ください。

あわせて確認したいこと

建設業の手続きであわせて確認したいこと

建設業許可は、新規申請だけでなく、更新、決算変更届、業種追加、技術者や役員の変更とも関係します。川崎市北部で建設業の手続きを確認したい方は、関連するご案内もご覧ください。

前のページに戻る