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AI導入を検討していると、「RPAとAIは何が違うのか」「これまで使ってきたワークフロー自動化は、生成AIに置き換えるべきなのか」という疑問が出てきます。特に、すでに社内で業務自動化に取り組んできた企業ほど、既存の仕組みとAIの関係を整理しておくことが大切です。今回のセクションでは、AIを万能な自動化手段として捉えるのではなく、RPA・ワークフロー自動化・AIを業務の中でどのように使い分けるかを確認していきます。

このセクションで学ぶこと

  • RPA、ワークフロー自動化、AIの基本的な役割の違い
  • 定型処理と判断支援を切り分ける考え方
  • AIですべてを置き換えるのではなく、既存自動化と組み合わせる視点
  • 自社業務を分解し、処理ごとに適した手段を選ぶための入口
  • AI活用時に確認しておきたい情報管理・責任分担・人間確認の考え方

想定学習時間は15分程度です。今回は使い分けの基本理解に絞り、詳細な業務フロー設計、条件分岐、ROI、システム構築は後続の章で扱います。

基本解説:RPA・ワークフロー自動化・AIの違い

「RPA・ワークフロー自動化・AIの違い」を一言で整理すると、RPAは決められた手順を正確に繰り返す仕組み、ワークフロー自動化は申請・承認・通知などの流れを管理する仕組み、AIは文章の内容を統計的に解釈し、分類・要約・回答案の生成などを支援する仕組みです。どれが優れているかではなく、得意な処理が異なると考えると理解しやすくなります。

RPAとは、Robotic Process Automationの略で、パソコン上の操作をルールに沿って自動化する仕組みです。たとえば、決まった画面を開く、所定の項目に数字を入力する、ファイルを保存する、システムからデータを取り出す、といった作業と相性がよいものです。

ワークフロー自動化は、申請、承認、通知、記録など、業務の流れをあらかじめ決めたルールに沿って進める仕組みです。たとえば、経費申請が提出されたら上長へ承認依頼を送り、承認後に経理へ通知する、といった流れが代表的です。

一方、AIは、文章やデータのパターンをもとに内容を解釈し、曖昧な情報を分類・要約・抽出したり、複数の候補から判断を支援したりする処理と相性があります。生成AIであれば、問い合わせ文の内容を分類する、社内文書を要約する、顧客への回答案を作る、議事録から論点を抽出する、といった使い方が考えられます。

ただし、AIは人間と同じ意味で内容を理解しているわけではありません。統計的なパターンにもとづいて出力を生成するため、実務では人間による確認を前提に扱うことが大切です。

経済産業省の「DXレポート」や、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表するDX推進に関する資料などでも、デジタル技術の活用は単なるツールの置き換えではなく、既存システム、業務プロセス、組織運用を見直しながら最適化していく、という観点が示されています。AI導入においても、この考え方を踏まえ、既存の自動化手段と組み合わせて検討することが実務上の出発点になります。

図解1:3つの自動化手段の基本的な役割

業務自動化では、まず処理の性質を見ます。手順が明確な処理は既存自動化、文章内容の分類・要約・抽出や判断支援が必要な処理はAIが候補になります。

RPA

得意なこと

決められた画面操作や転記、ファイル処理などを、手順通りに繰り返すこと。

請求書データを基幹システムの所定項目へ転記する。

ワークフロー自動化

得意なこと

申請、承認、通知、記録など、業務の流れをルールに沿って進めること。

申請内容に応じて承認者へ通知し、承認後に次の担当者へ回す。

AI

得意なこと

文章内容の統計的な解釈、分類、要約、抽出、判断支援、回答案作成など、柔軟な処理を支援すること。

問い合わせ文をもとに、内容分類や返信案の作成を支援する。

この図で読み取っていただきたい点は、AIがRPAやワークフロー自動化の上位互換ではないということです。業務の中には、AIを使わない方が安定しやすい処理もあります。

定型処理にはルールベースの自動化が向いています

手順や条件が明確に決まっている業務は、RPAやワークフロー自動化と相性がよい領域です。たとえば、経理部門で請求書の金額や取引先コードを所定の項目に転記する処理、営業事務で決まったフォーマットの受注情報を登録する処理、管理部門で承認済みの申請内容を台帳に記録する処理などが考えられます。

このような処理では、「どの画面を開くか」「どの項目に何を入力するか」「どの条件なら次へ進むか」が比較的はっきりしています。そのため、ルールに沿って確実に実行する仕組みの方が説明しやすく、運用管理もしやすい場合があります。

AIは分類・要約・抽出や判断支援が必要な処理に向いています

AIが力を発揮しやすいのは、入力内容に揺れがある処理です。たとえば、カスタマーサポートに届く問い合わせ文は、顧客ごとに表現が異なります。同じ「請求書について確認したい」という内容でも、文章の書き方、緊急度、背景事情はさまざまです。

このような場面では、AIが文章内容を統計的に解釈し、問い合わせ内容を分類したり、過去の対応方針を踏まえて回答案を作成したりする使い方が考えられます。担当者が最終責任を持ってAIの出力を確認し、必要に応じて修正したうえで顧客に回答します。AIは最終判断者というより、担当者の判断を支える補助者として位置づけると、社内でも説明しやすくなります。

AIは誤った内容を生成する場合もあります。特に法務、契約、労務、個人情報、対外回答、金額や条件に関わる業務では、人による確認を業務フローに含めることが重要です。AIを使う範囲と、人が確認する範囲を分けておくと、現場での不安を整理しやすくなります。

実務での考え方:業務を処理単位に分けて考える

業務自動化 AIの検討では、「この業務をAI化するかどうか」と大きく捉えすぎると、判断が難しくなります。実務では、業務全体をいくつかの処理に分解し、それぞれに適した手段を選ぶ方が整理しやすくなります。

たとえば、請求書処理という業務を考えてみます。請求書を受け取る、内容を確認する、必要項目を登録する、不備があれば担当者へ確認する、承認後に支払処理へ進める、といった複数の処理に分けられます。この中で、所定項目への転記はRPAや既存システム連携が向いているかもしれません。一方、請求書の備考欄やメール本文をもとに確認事項を分類・要約・抽出する処理は、AIが役立つ可能性があります。

図解2:業務を分解して、処理ごとに手段を選ぶ

「業務全体をAIに任せる」と考えるのではなく、入力から出力までの流れを分けて、定型処理とAI処理を組み合わせます。

入力を受け取る

請求書、申請書、問い合わせ文、メールなどを受け取ります。

主な手段:既存システム、フォーム、メール連携

分類・要約・抽出する

文章や添付資料の内容をもとに、対応区分や確認事項の候補を整理します。

主な手段:AI、生成AI

登録・通知・承認へ進める

決まった項目へ転記し、担当者や承認者へ回します。

主な手段:RPA、ワークフロー自動化

この図でのポイントは、AI処理と定型自動化を分けて設計することです。AIが分類・要約・抽出した結果を、人間が確認し、その後の登録や通知をRPAやワークフローで進める構成も考えられます。

「AIで置き換える」より「組み合わせる」と考える

AI導入を検討するとき、既存のRPAやワークフローをすべてAIに置き換える必要があるのか、という話になりがちです。しかし実務では、置き換えよりも組み合わせの方が現実的な場合が多くあります。

RPAは、決まった操作を安定して実行する点に強みがあります。ワークフロー自動化は、承認や通知の流れを可視化し、誰がどこで止まっているかを確認しやすくします。AIは、文章内容の分類・要約・抽出や判断支援により、これまで人が読み解いていた部分を支援できます。

つまり、RPA 生成AIの組み合わせでは、RPAが「動かす」、AIが「分類・要約・抽出し、候補を作る」、ワークフローが「流れを管理する」という役割分担が考えられます。このように整理すると、社内のIT部門、現場部門、管理部門の間でも話し合いがしやすくなります。

なお、AIが分類・要約・抽出した情報をRPAやワークフローに渡す場合、実際の連携にはAPI連携、データ形式の整備、システム間接続の設計、権限管理などが必要になる場合があります。今回のセクションでは考え方の整理にとどめ、具体的な連携設計や将来拡張性については次回以降で扱います。

最近では、RPA、AI、ワークフロー、データ連携などを組み合わせて業務全体の自動化を進める考え方を、ガートナー等が提唱する概念として「ハイパーオートメーション」と一般に呼ぶことがあります。本講座では、用語そのものを覚えることよりも、「業務を分解し、処理ごとに適した手段を組み合わせる」という考え方を重視します。

具体例:問い合わせ対応で考える使い分け

カスタマーサポートに届く問い合わせ対応を例にすると、AIと既存自動化の役割分担が見えやすくなります。

処理 向いている手段 考え方 コスト感・柔軟性の見方
問い合わせメールの受信 既存メールシステム、問い合わせ管理システム 受け付けの窓口は既存の仕組みを活用しやすい領域です。 既存環境を活用できる場合は追加負担を抑えやすいケースがあります。一方、窓口変更やシステム統合を伴う場合は、社内周知や運用変更の工数も見ておく必要があります。
問い合わせ内容の分類 AI 文章表現に揺れがあるため、AIによる分類支援が候補になります。 比較的低コストで始められるケースもありますが、要件、対象データの量、データ整備状況、セキュリティ要件により変動します。分類基準の変更は、プロンプトや指示、参照情報の調整で対応しやすい面があります。
回答案の作成 生成AI 過去のFAQや対応方針を踏まえ、担当者が最終責任を持って確認する前提で回答案を作ります。 柔軟性は高い一方、誤回答や表現の揺れが生じる可能性があります。対外回答では確認手順を組み込むことが重要です。費用は利用サービス、連携範囲、参照データの整備状況により変わります。
担当部署への振り分け ワークフロー自動化 分類結果に応じて、決まった部署へ通知する流れを設計できます。 初期設定や承認経路の整理に一定の工数がかかります。組織変更やルール変更時には設定見直しが必要です。既存ツールを活用できるかどうかで負担は変わります。
対応履歴の記録 RPA、システム連携 決まった項目への登録は、ルールベースの自動化と相性があります。 ツール選定、対象業務、開発体制、既存システムの仕様により幅がありますが、中程度以上のコストとなるケースも見られます。画面や項目が変わると修正が必要になりやすいため、保守体制も確認します。

このように見ると、ひとつの業務の中にも、AIに向く部分と、RPAやワークフロー自動化に向く部分が混在していることが分かります。最初から完璧に切り分ける必要はありません。まずは現在の業務の流れを確認し、「ここは決まった作業か」「ここは文章内容の分類・要約・抽出や判断支援が必要か」と見ていくと、検討を進めやすくなります。

コスト感と柔軟性は、投資判断の補助軸として見る

経営者や責任者が投資判断を行う際は、機能面だけでなく、開発・メンテナンスコストとルール変更への柔軟性も確認しておくと、比較しやすくなります。一般的に、RPAやワークフロー自動化は、安定した定型処理に強い一方、画面変更、項目変更、承認経路の変更があると修正が必要になることがあります。

一方、AIや生成AIは、指示文や参照情報の調整によって対応範囲を広げやすいケースがあります。ただし、柔軟性が高い分、出力のばらつきや誤回答への確認が必要です。また、AI活用の費用は、利用するサービス、対象データ、社内システムとの連携範囲、セキュリティ要件、運用体制によって大きく変わります。したがって、コストだけで判断するのではなく、「安定性を重視する処理か」「柔軟な分類・要約・抽出が必要な処理か」「人間確認をどこに置くか」を合わせて考えることが大切です。

よくあるつまずき:AIに任せる範囲を広く考えすぎる

AI導入の初期検討でよくあるつまずきは、「業務全体をAIで自動化できるか」という問いから始めてしまうことです。もちろん、将来的にはAIが多くの処理を支援する可能性があります。しかし、実務で社内説明や運用を考える場合は、もう少し細かく見る方が整理しやすくなります。

つまずき1:定型処理までAIで行おうとする

すでに手順が決まっており、RPAや既存システムで安定して処理できている領域まで、あえてAIで置き換えようとすると、説明や検証が複雑になることがあります。たとえば、決まった形式のデータを決まった項目に登録するだけであれば、ルールベースの自動化の方が適している場合があります。

つまずき2:AIの出力をそのまま業務判断に使おうとする

AIは、文章の分類・要約・抽出や候補案の作成に役立ちますが、社内規程、契約条件、顧客対応方針などが関係する場面では、人間による確認が重要になります。AIの役割を「最終判断」ではなく「判断支援」として設計すると、現場の安心感につながりやすくなります。

特に、法務・契約・対外回答・行政手続き・金額判断などの領域では、AIの出力を参考情報として扱い、担当者または責任者が最終確認する流れを明確にしておくと、実務上のリスクを整理しやすくなります。

つまずき3:例外処理を最初から細かく詰めすぎる

例外処理は重要ですが、初期段階からすべての例外を洗い出そうとすると、検討が進みにくくなることがあります。まずは、通常処理、よくある例外、人が確認する処理を大まかに分けるだけでも十分です。詳細な条件分岐や例外対応は、Chapter 5のワークフロー設計で改めて整理します。

つまずき4:入力情報の取り扱いを後回しにする

AIに入力する情報には、個人情報や機密情報が含まれる場合があります。個人情報保護法や社内規程に基づき、利用するAIサービスの利用規約やデータの取り扱い、学習利用の有無、保存範囲、アクセス権限などを確認し、必要に応じて匿名化や社内ルールの整備を行うことが重要です。

これは、AI活用を止めるための確認ではありません。安心して活用範囲を広げるために、どの情報を入力してよいか、どの情報は加工してから扱うか、どの業務では社内承認が必要かを整理しておく、という考え方です。

つまずき5:システム連携の前提を簡単に考えすぎる

AIが分類・要約・抽出した情報を、RPAやワークフロー、基幹システムへ渡す構成は有効な選択肢です。ただし、実際に運用するには、データ形式、APIの有無、権限設定、ログの残し方、エラー時の対応などを確認する必要があります。初期検討では、詳細な設計まで踏み込まなくても、「どのシステムとつながる可能性があるか」を把握しておくと、後の検討が進めやすくなります。

経営者・責任者向けの確認ポイント

経営者や責任者の立場では、「AIを導入するかどうか」だけでなく、「どの業務を、どの手段で、どの程度まで自動化するか」を確認しておくと、社内での説明がしやすくなります。

1

既存自動化の棚卸し

すでにRPAやワークフローで自動化されている業務を確認します。

2

AI向き領域の把握

文章内容の分類、要約、抽出、回答案作成などが発生している業務を見ます。

3

人間確認の位置づけ

どこで担当者や責任者が最終確認するかを大まかに整理します。

4

組み合わせの方針

置き換えではなく、既存自動化とAIをどう接続するかを考えます。

特に確認しておきたいのは、AIの導入目的です。単に「新しい技術を使う」ことではなく、担当者の確認作業を軽くする、問い合わせ対応の初動を早める、属人的な判断を整理する、入力作業の前段階を整えるなど、業務上の目的を言葉にしておくと判断しやすくなります。

また、AIを導入することで既存のRPAやワークフローが不要になるとは限りません。むしろ、AIが分類・要約・抽出した情報をRPAがシステムへ登録し、ワークフローが承認や通知を管理するなど、組み合わせによって実務上の効果が見えやすくなる場合があります。ただし、実際の連携にはAPI連携やデータ形式の整備、システム間接続の設計が必要になる場合があります。

経営判断では、効果の大きさだけでなく、保守性、責任分担、情報管理、現場の運用負荷を合わせて確認することが大切です。AIは柔軟な処理に向いていますが、誤情報やハルシネーション(事実と異なる内容の生成)が生じる可能性があります。特に対外的な回答や重要判断では、人間による確認と記録の残し方を検討しておくと、社内説明がしやすくなります。

AI導入支援者としての着眼点

AI導入コンサルタントを目指す方や、AI導入支援に関心がある方は、顧客に対して「AIでできます」と説明する前に、業務を処理単位で見立てることが大切です。顧客が求めているのは、AIという言葉そのものではなく、業務がどのように整理され、どの部分が楽になるのかという具体的な見通しです。

ヒアリングでは、次のような観点を持つと整理しやすくなります。

  • その業務は、毎回同じ手順で進んでいるか
  • 入力される情報に、文章表現や内容のばらつきがあるか
  • 担当者が判断している部分はどこか
  • AIの出力に対して、誰が最終責任を持って確認するか
  • 既存のRPAやワークフローはすでに使われているか
  • AIの出力をどのシステムに反映し、どの記録を残すか
  • API連携、データ形式、権限管理など、システム接続上の確認事項があるか
  • 入力情報に個人情報や機密情報が含まれる可能性があるか

支援者としては、RPAとAIの優劣を強調するよりも、「定型処理は既存自動化、分類・要約・抽出や判断支援はAIとして、業務の中で組み合わせる」という説明が実務に合いやすくなります。この考え方は、Chapter 3で扱う業務分解や、Chapter 5で扱うワークフロー設計にもつながります。

また、提案時には「AIでできること」だけでなく、「AIに任せない部分」「人が確認する部分」「社内ルールとして整える部分」を一緒に示すと、導入後の運用イメージが伝わりやすくなります。相談内容がまとまっていない段階でも、業務の流れを一緒に整理していくことで、適した自動化手段を見つけやすくなります。

ミニチェックリスト

自社でRPA・ワークフロー自動化・AIの使い分けを考える際は、次の項目を確認してみましょう。資料がそろっていない段階でも、業務の流れから整理できます。

  • 対象業務の中に、毎回同じ手順で行っている定型処理があるか
  • 所定項目への転記、ファイル保存、通知など、RPAやワークフローで対応しやすい処理があるか
  • 問い合わせ文、申請理由、備考欄など、文章内容の分類・要約・抽出が必要な処理があるか
  • 分類、要約、抽出、判断支援、回答案作成など、AIが補助できそうな処理があるか
  • AIの出力を、誰が最終責任を持って確認するかを説明できるか
  • AIに入力する情報に、個人情報や機密情報が含まれる可能性を確認したか
  • 個人情報保護法や社内規程に基づき、匿名化や入力制限の要否を確認したか
  • 既存のRPAやワークフローを活かしながら、AIを接続できる余地があるか
  • API連携、データ形式、権限管理など、システム連携上の確認事項があるか

まとめ:AI導入は、業務の中での役割分担から考える

今回は、RPA・ワークフロー自動化・AIの使い分けを整理しました。RPAやワークフロー自動化は、手順や条件が決まっている定型処理と相性があります。一方、AIは、文章内容の統計的な解釈、分類、要約、抽出、判断支援、回答案作成など、柔軟な処理を支援する場面で活用しやすいものです。

大切なのは、AIですべてを置き換えようとするのではなく、業務を分解し、処理ごとに適した手段を選ぶことです。請求書データの所定項目への転記は定型自動化、問い合わせ文の内容分類や回答案作成はAI、承認や通知はワークフロー自動化というように、組み合わせて考えることで、社内でも説明しやすくなります。

また、AI活用では、誤回答やハルシネーション(事実と異なる内容の生成)、個人情報・機密情報の取り扱い、責任の所在を確認しておくことも大切です。AIを「業務をすべて任せる存在」としてではなく、「人間の判断を支援し、既存の自動化と組み合わせる仕組み」として位置づけると、実務に落とし込みやすくなります。

次回は、AIが外部ツールや社内システムと連携する意味を扱います。AI単体で考えるのではなく、既存システム、データ、業務フローとどのようにつながるのかを確認していきます。

※本記事は業務効率化の一般的な考え方を解説したものです。生成AIの出力結果には誤りが含まれる可能性があり、ハルシネーション(事実と異なる内容の生成)が生じる場合もあります。実際の業務適用にあたっては、人間による最終確認を伴う業務フローを設計してください。

※AIに入力する情報には、個人情報や機密情報が含まれる場合があります。個人情報保護法や社内規程に基づき、利用するAIサービスの利用規約やデータの取り扱い、学習利用の有無、保存範囲等を確認し、必要に応じて匿名化や社内ルールの整備を行うことが重要です。

※AI、RPA、ワークフロー自動化の費用や導入範囲は、業種、企業規模、既存システム、データ整備状況、セキュリティ要件、運用体制によって変動します。実際の導入判断では、自社の状況に合わせて確認してください。

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