離婚協議書を作るタイミングはいつ?
離婚届提出前に整理したいこと
離婚届を出す前は、「何を決めておけばよいのか」「口約束のままで問題ないのか」と不安を感じやすい時期です。離婚協議書は、夫婦で合意した内容を確認し、後日の行き違いを防ぐための書面です。
特に、養育費・面会交流・財産分与・慰謝料などは、離婚後の生活に関わる大切な内容です。感情的な話し合いになりやすい場面だからこそ、決めた内容を落ち着いて整理し、書面に残すことが重要になります。
この記事では、離婚協議書を作るタイミングや、離婚届を提出する前に確認しておきたい内容をわかりやすく解説します。離婚を急ぐためではなく、合意した内容を明確にし、将来の不安を減らすための準備として確認していきましょう。
図解|離婚届提出前に確認したい流れ
この流れは、離婚を急ぐためのものではありません。話し合った内容を冷静に見直し、後日の確認をしやすくするための整理です。
離婚協議書は離婚届を出す前に検討したい理由
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 離婚協議書は夫婦で合意した内容を書面に残すもの
- 離婚届を出した後は話し合いが進みにくくなる場合がある
- 口約束ではなく書面にすることで認識のずれを防ぎやすくなる
離婚協議書は、離婚そのものを急がせるための書面ではありません。夫婦で話し合った内容を整理し、後から確認できる形にするためのものです。離婚届を出す前に検討しておくことで、決めるべき内容の抜け漏れに気づきやすくなります。
離婚協議書は夫婦で合意した内容を書面に残すもの
離婚協議書とは、夫婦が離婚にあたって合意した内容を書面にまとめたものです。たとえば、養育費の金額、支払い方法、面会交流、財産分与、慰謝料などを記載します。
口頭で合意していても、時間が経つと「そのように決めた覚えはない」「細かい条件までは話していない」と認識が分かれることがあります。書面に残しておけば、合意した内容を双方が確認しやすくなり、後日の行き違いを防ぎやすくなるでしょう。
大切なのは、どちらか一方に有利な内容を押しつけることではありません。夫婦で確認した内容を整理し、離婚後の生活に必要な約束を明確にすることが目的です。そのため、離婚届を提出する前の段階で、どの項目を決めるべきか確認しておくことが大切になります。
離婚届を出した後は話し合いが進みにくくなる場合がある
離婚届を提出した後でも、財産分与や養育費などについて話し合うことは可能です。ただし、法律上、請求期限がある項目には注意が必要です。財産分与は、2026年4月1日以降に離婚した場合は原則として離婚後5年以内、2026年3月31日以前に離婚した場合は従前どおり離婚後2年以内に請求する必要があります。
慰謝料についても、期限を意識しておきたい項目です。不法行為に基づく慰謝料請求権は、原則として損害および加害者を知った時から3年で時効にかかります。また、不法行為の時から20年という期間制限もあります。離婚慰謝料では離婚成立時が起算点となることが多いですが、事案により異なるため、判断に迷う場合は確認が必要です。
また、離婚後は生活環境が変わり、相手と連絡を取りづらくなる場合があります。離婚前は話し合えていた内容でも、離婚後になると温度差が生じるケースは少なくありません。そのため、離婚届を提出する前に、決めるべき内容をできるだけ整理しておくことが安心につながります。
口約束ではなく書面にすることで認識のずれを防ぎやすくなる
夫婦間で話し合いができている場合でも、口約束だけでは不安が残ることがあります。特に、毎月の支払いが続く養育費や、将来の事情変更があり得る面会交流などは、具体的に書面化しておくことが大切です。
たとえば、養育費について「毎月支払う」とだけ決めていても、金額、支払日、振込先、いつまで支払うのかが曖昧だと、後からトラブルになる可能性があります。面会交流も、頻度や方法をある程度整理しておくことで、双方が対応しやすくなります。
書面にすることで、感情的な言い合いを防ぐ効果も期待できます。合意内容が目に見える形になるため、「何を決めたか」「何がまだ決まっていないか」を冷静に確認できるからです。離婚協議書は、夫婦間の約束を整理するための実務的な書面といえます。
離婚協議書は離婚後でも作れるが提出前の整理が安心につながる
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 離婚後に作成できる場合もある
- 離婚後は相手と連絡を取りづらくなる可能性がある
- 提出前に確認することで合意内容の抜け漏れに気づきやすい
離婚協議書は、必ず離婚届提出前でなければ作れないものではありません。離婚後に作成した場合でも、当事者間の契約として効力を持つことがあります。ただし、離婚後は相手の協力が得られにくくなることがあるため、提出前に整理しておくほうが安心です。
離婚後に作成できる場合もある
離婚協議書は、離婚届を提出した後に作成できる場合もあります。離婚後に改めて養育費や財産分与について話し合い、合意した内容を書面にまとめること自体は可能です。内容が明確で当事者双方が合意していれば、契約としての効力を持つことがあります。
ただし、離婚後に作成する場合は、相手が話し合いに応じるかどうかが大きなポイントになります。離婚前は合意できそうだった内容でも、時間が経つと考えが変わることがあります。
そのため、「離婚後でも作れるから後で考えればよい」と安易に先送りするのは避けたいところです。財産分与や年金分割などには請求期限もあるため、離婚届を出す前に、少なくとも何を決めておくべきか確認しておくと安心です。
離婚後は相手と連絡を取りづらくなる可能性がある
離婚後は、相手との距離ができることで、連絡や話し合いが難しくなる場合があります。転居、勤務時間の変化、新しい生活の開始などにより、連絡を取ること自体が負担になるケースもあります。
また、離婚が成立したことで、相手が「もう話し合いは終わった」と受け止めることもあります。その場合、未決定の内容があっても、改めて協議の場を設けるまでに時間がかかるかもしれません。
離婚届を提出する前に書面化を検討しておけば、話し合いができるうちに必要な内容を確認できます。相手を急かすのではなく、双方が納得した内容を残すための準備として考えるとよいでしょう。
提出前に確認することで合意内容の抜け漏れに気づきやすい
離婚届を提出する前に離婚協議書を検討すると、合意内容の抜け漏れに気づきやすくなります。離婚時には親権や養育費だけでなく、財産分与、年金分割、慰謝料、住宅ローン、保険、車、家財など、確認すべき項目が多くあります。
話し合いの中では重要だと思っていなかった内容でも、書面にしようとすると「ここは決まっていない」と気づくことがあります。たとえば、養育費の金額は決めていても、支払日や終了時期が未定のままになっていることがあります。
提出前に確認しておくことは、離婚を進めるためだけの作業ではありません。冷静に立ち止まり、合意内容を見直す機会になります。不安な点が見つかった場合は、その段階で相談し、必要な修正や追加を検討することが大切です。
離婚協議書を作るタイミングで考えたい3つの段階
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 離婚条件について話し合いを始めた段階
- 養育費や財産分与など大枠の合意ができた段階
- 離婚届を提出する前の最終確認の段階
離婚協議書は、すべての条件が完全に決まってから考えるものとは限りません。話し合いを始めた段階、大枠の合意ができた段階、提出前の最終確認の段階で、それぞれ確認すべきことがあります。段階ごとに整理すれば、無理なく準備を進めやすくなります。
離婚条件について話し合いを始めた段階
離婚条件について話し合いを始めた段階では、まず「何を決める必要があるのか」を把握することが大切です。この時点で離婚協議書を完成させる必要はありませんが、書面化を意識して話し合うことで、確認すべき項目が明確になります。
子どもがいる場合は親権、監護、養育費、面会交流が重要です。夫婦共有の財産がある場合は、預貯金、不動産、自動車、保険、住宅ローンなども確認対象になります。慰謝料や年金分割が関係するケースもあるでしょう。
早い段階で項目を整理しておけば、感情的な話し合いだけで終わりにくくなります。「何を決めたか」「何が未定か」を分けて考えられるため、後から見直しやすくなるのも利点です。内容に不安がある場合は、相談を通じて必要な項目を確認しておくと安心です。
養育費や財産分与など大枠の合意ができた段階
養育費や財産分与などについて大枠の合意ができた段階は、離婚協議書の作成を具体的に検討しやすいタイミングです。合意内容が見えてきたら、口頭の約束だけで終わらせず、具体的な条件として整理していきます。
養育費であれば金額だけでなく、支払日、支払方法、支払期間、振込手数料の負担なども確認する必要があります。財産分与では、対象財産、分け方、引き渡し時期、名義変更の有無などを整理します。
この段階で専門家に確認すると、表現の曖昧さや不足している項目に気づきやすくなります。夫婦で合意したつもりでも、書き方によっては後から解釈が分かれることがあるため、慎重に進めることが大切です。
離婚届を提出する前の最終確認の段階
離婚届を提出する前の最終確認の段階では、合意内容に抜け漏れがないかを確認します。すでに話し合った内容でも、離婚届を出す前に改めて見直すことで、不安な点を整理しやすくなります。
確認したい項目としては、養育費の支払い条件、面会交流の方法、財産分与の内容、慰謝料の有無、年金分割、住宅やローンの扱いなどがあります。子どもがいる場合は、進学費用や医療費など、将来発生する可能性がある費用についても検討しておくとよいでしょう。
この段階で大切なのは、形式的に書面を整えるだけではありません。双方が内容を理解し、無理のない約束になっているかを確認することです。少しでも判断に迷う部分がある場合は、提出前に相談し、合意内容を整理してから進めると安心につながります。
離婚届提出前に整理しておきたい5つの合意内容
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 親権や監護者など子どもに関する取り決め
- 養育費の金額・支払日・支払方法
- 面会交流の頻度や方法
- 財産分与や慰謝料に関する取り決め
- 年金分割やその他の費用負担
離婚届を提出する前には、離婚後の生活に関わる内容を整理しておくことが大切です。特に、子どもやお金に関する取り決めは、後から確認が必要になりやすい部分です。書面化を前提に整理することで、合意内容を具体的に確認できます。
図解|離婚届提出前に確認したい項目
| 項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 子ども | 親権、監護、生活場所、面会交流、進学・医療費 |
| お金 | 養育費、財産分与、慰謝料、支払期限、支払方法 |
| 将来の手続 | 年金分割、名義変更、住宅ローン、清算条項 |
| 書面の形 | 離婚協議書にするか、公正証書まで作成するか |
親権や監護者など子どもに関する取り決め
子どもがいる夫婦の場合、親権者をどのように定めるかは離婚届にも関わる重要な内容です。2026年4月1日施行の改正後は、離婚後の親権について、単独親権または共同親権を選択できる制度になっています。そのため、親権者の定め方や監護の分担について、子どもの利益を中心に確認することが大切です。
親権と監護のあり方は、家庭によって考え方や事情が異なります。子どもの年齢、生活環境、学校、きょうだい関係、通院状況なども踏まえて、子どもにとって無理のない形を考える必要があります。話し合いでは、親同士の都合だけでなく、子どもの生活の安定を中心に検討しましょう。
離婚協議書には、親権者、監護者、子どもの生活場所、監護の分担などを記載することがあります。内容を明確にしておくことで、離婚後の生活を始める際の混乱を減らしやすくなります。不安がある場合は、早めに整理しておきたい項目です。
養育費の金額・支払日・支払方法
養育費は、子どもの生活を支えるために重要な取り決めです。離婚協議書に記載する際は、金額だけでなく、支払日、支払方法、支払期間まで具体的に決めておくことが大切になります。
養育費の金額は、家庭裁判所で参照される養育費算定表を参考にすることが一般的です。ただし、算定表はあくまで目安であり、子どもの進学、医療、習い事、父母の収入状況など、個別事情も考慮して決める必要があります。
支払い期間については、成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、単に「成年に達するまで」と書くと、18歳までと解釈される可能性があります。そこで、終期は「20歳に達する日の属する月まで」「大学を卒業する年の3月まで」など、当事者間で明示的に定めることが重要です。成人年齢が18歳になったからといって、養育費の終期が当然に18歳になるわけではないため、誤解が生じない書き方に整えましょう。
面会交流の頻度や方法
面会交流は、離婚後に子どもと別居する親が、子どもと会ったり連絡を取ったりするための取り決めです。離婚協議書では、頻度、時間、場所、連絡方法などを整理しておくことがあります。
たとえば、「月1回程度」「学校行事への参加」「電話やオンラインでの交流」など、家庭の状況に応じた方法を検討します。ただし、細かく決めすぎると、子どもの体調や予定に対応しづらくなる場合があります。そのため、基本的なルールと柔軟に調整する余地の両方を考えることが大切です。
面会交流は、親同士の希望だけでなく、子どもの気持ちや生活リズムにも配慮する必要があります。離婚後に話し合いが難しくなることもあるため、提出前に大枠を確認しておくと安心です。
財産分与や慰謝料に関する取り決め
財産分与は、婚姻中に夫婦で築いた財産を分けるための取り決めです。預貯金、不動産、自動車、保険、退職金、家財など、対象になる財産を整理しておく必要があります。
離婚協議書では、どの財産を誰が取得するのか、いつまでに支払うのか、名義変更をどうするのかなどを具体的に記載します。住宅ローンが残っている場合や、不動産の名義が一方になっている場合は、慎重に確認したほうがよいでしょう。財産分与は、2026年4月1日以降の離婚では原則として離婚後5年以内、2026年3月31日以前の離婚では従前どおり離婚後2年以内に請求する必要があります。
慰謝料についても、支払いの有無、金額、支払方法、期限を明確にしておくことが大切です。不法行為に基づく慰謝料請求権は、原則として損害および加害者を知った時から3年で時効にかかります。離婚慰謝料では離婚成立時が起算点となることが多いですが、事案により異なります。金銭に関する内容は、後から争いになりやすい部分です。感情的な合意で終わらせず、実際に履行できる内容かどうかを確認してから書面化すると安心です。
清算条項も確認したい内容です。
離婚協議書には、最後に「この協議書に定めるもののほか、今後、お互いに金銭や財産上の請求をしない」という趣旨の条項を盛り込むのが一般的です。清算条項を入れることで、離婚後に予期しない追加請求が生じるトラブルを防ぎ、お互いが合意内容を確認したうえで新しい生活を始めやすくなります。
年金分割やその他の費用負担
離婚時には、年金分割についても確認が必要になる場合があります。特に婚姻期間が長い夫婦や、一方が第3号被保険者だった期間がある場合は、将来の年金に影響する可能性があります。
年金分割には、夫婦の合意または裁判手続によって分割割合を決める「合意分割」と、第3号被保険者だった人からの請求により一定期間の厚生年金記録を分割する「3号分割」があります。分割割合が決まっていても、年金事務所などで請求手続きをしなければ年金は分割されません。2026年4月1日以降に離婚した場合、年金分割の請求期限は原則として離婚した日の翌日から5年以内です。2026年3月31日以前に離婚した場合は、従前どおり原則2年以内となります。
また、子どもの進学費用、医療費、習い事、スマートフォン代、保険料、引っ越し費用など、離婚後に発生する費用についても整理しておくとよいでしょう。すべてを細かく決めるのが難しい場合でも、どのような費用を協議対象にするかを確認しておくだけで、後日の話し合いがしやすくなります。
子どもがいる夫婦が離婚協議書で特に確認したいこと
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 養育費は将来の生活を見据えて具体的に決める
- 面会交流は子どもの状況に合わせて無理のない形にする
- 進学・医療・転居など将来起こり得る変化も考えておく
子どもがいる場合、離婚協議書では子どもの生活に関わる内容を特に丁寧に確認する必要があります。養育費や面会交流は、離婚時だけでなく離婚後も続く取り決めです。子どもの成長や生活環境の変化も考えながら整理しておきましょう。
養育費は将来の生活を見据えて具体的に決める
養育費は、子どもの日々の生活や教育を支えるための費用です。そのため、離婚時点の感情だけで決めるのではなく、将来の生活を見据えて具体的に整理することが大切です。
金額については、父母双方の収入、子どもの人数、年齢などを踏まえて話し合います。家庭裁判所の養育費算定表を参考にすることが一般的ですが、子どもの進学予定や医療事情など、家庭ごとの事情も考慮する必要があります。あわせて、支払日、支払方法、支払期間、進学費用や医療費の扱いも確認しておくとよいでしょう。
支払い期間は、「成年に達するまで」といった曖昧な表現ではなく、「20歳に達する日の属する月まで」「大学を卒業する年の3月まで」など、当事者間で明示的に定めることが重要です。成人年齢は18歳ですが、子どもが経済的に自立していない場合は、個別事情に応じて20歳や大学卒業時までと定めることもあります。双方が現実的に守れる内容にすることで、離婚後の不安を減らしやすくなります。
面会交流は子どもの状況に合わせて無理のない形にする
面会交流は、子どもと別居する親との関係を保つための取り決めです。ただし、親の希望だけで決めるのではなく、子どもの年齢、性格、学校生活、体調、気持ちに配慮する必要があります。
幼い子どもの場合は短時間から始めるほうがよいこともあります。学校や習い事が忙しい年齢であれば、頻度や時間帯に配慮が必要です。遠方に住む場合は、対面だけでなく電話やオンラインでの交流を組み合わせる方法も考えられます。
離婚協議書では、基本的な頻度や連絡方法を決めつつ、子どもの都合に応じて協議できる余地を残すことも大切です。無理のある取り決めは、後から続けにくくなる可能性があります。子どもの安定を中心に考え、実情に合った内容に整えましょう。
進学・医療・転居など将来起こり得る変化も考えておく
子どもの生活は、離婚時点の状況から変化していきます。進学、受験、病気やけが、転居、親の収入変化など、将来起こり得る事情についても考えておくことが大切です。
離婚協議書にすべての将来事情を細かく書くことは難しいかもしれません。しかし、「進学費用や高額な医療費が発生した場合は、その都度協議する」などの形で、話し合いのルールを入れておくことはできます。転居が面会交流に影響する場合も、事前に連絡や協議の方法を決めておくと安心です。
将来の変化に備えることは、不安を増やすためではありません。離婚後に子どもの生活を守るための準備です。今決められることと、将来協議することを分けて整理しておくと、現実的な書面になりやすくなります。
離婚協議書を公正証書にするか迷ったときの判断ポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 養育費など継続的な支払いがある場合は公正証書も検討する
- 公正証書にすると支払いが滞った場合の備えになりやすい
- 内容に不安がある場合は専門家に確認してから進める
離婚協議書を作成する際は、公正証書にするかどうかも検討したいポイントです。特に、養育費や慰謝料などの金銭支払いが続く場合は、将来の不払いに備える意味があります。内容や状況に応じて、必要性を確認しておきましょう。
養育費など継続的な支払いがある場合は公正証書も検討する
養育費のように、長期間にわたって支払いが続く約束がある場合は、公正証書にすることも検討できます。公正証書は、公証人が作成する公文書であり、内容をより明確な形で残しやすい方法です。
通常の離婚協議書でも、夫婦間の合意内容を確認する書面として役立ちます。ただし、養育費や慰謝料などの支払いが滞った場合に備えたいときは、公正証書の作成が選択肢になります。特に「毎月いくらを、いつまで支払うのか」といった金銭支払いの約束がある場合は、慎重に検討したほうがよいでしょう。
公正証書にするかどうかは、夫婦の状況や取り決めの内容によって異なります。必要以上に不安になる必要はありませんが、後日の備えとして確認しておく価値があります。合意内容を守りやすくする実務的な手段として、検討しておきたい方法です。
公正証書にすると支払いが滞った場合の備えになりやすい
養育費や慰謝料などの金銭支払いについて、強制執行認諾文言を付した公正証書を作成しておくと、支払いが滞った場合に、裁判を経ることなく強制執行が可能です。給与や預貯金などの差し押さえを検討できるため、離婚後の生活費や子どもの養育に関わる支払いを守るうえで、強力な備えになります。
ただし、公正証書にすればすべての問題が自動的に解決するわけではありません。記載内容が曖昧だったり、金額や期限が特定できなかったりすると、期待した効果を得にくい場合があります。養育費の金額、支払日、支払期間、支払方法、遅れた場合の扱いなどは、具体的に記載することが大切です。
公正証書は、相手を疑うためだけに作るものではなく、合意内容の履行を確保するための実務的な手段です。支払いが長期にわたる場合は、通常の離婚協議書との違いを確認してから判断するとよいでしょう。
内容に不安がある場合は専門家に確認してから進める
離婚協議書や公正証書の内容に不安がある場合は、作成前に専門家へ確認することをおすすめします。自分たちでは合意できていると思っていても、書面として見ると表現が曖昧だったり、重要な項目が抜けていたりすることがあります。
たとえば、養育費の終了時期、進学費用の扱い、財産分与の支払い期限、住宅ローンの負担、清算条項の有無などは、後から問題になりやすい部分です。専門家に確認すれば、合意内容をどのように書けばよいか、どの項目を追加すべきかを整理しやすくなります。
離婚協議書は、インターネット上のひな形だけで十分とは限りません。家庭ごとの事情に合わせて調整する必要があります。判断に迷う内容がある場合は、早めに確認してから進めることで、より安心できる書面に近づきます。
離婚協議書の作成時期に迷ったら早めに相談して整理する
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 合意内容が固まっていない段階でも相談できる
- 夫婦で決めた内容をどのように書面化するか確認できる
- 不安な点を整理してから離婚届提出を検討できる
離婚協議書の作成時期に迷う場合は、早めに相談して合意内容を整理することが大切です。すべてが決まってからでなければ相談できないわけではありません。むしろ、未決定の項目を把握するために相談することで、冷静に次の判断をしやすくなります。
合意内容が固まっていない段階でも相談できる
離婚協議書について相談するタイミングは、合意内容がすべて固まってからとは限りません。まだ話し合いの途中であっても、何を決めるべきか、どの項目を整理すべきかを確認するために相談できます。
たとえば、養育費の金額は話し合っているものの、支払期間や進学費用が未定というケースがあります。財産分与についても、預貯金は決まっていても保険や車、住宅ローンの扱いが残っている場合があります。年金分割や清算条項のように、話し合いの中で見落としやすい項目もあります。
相談は、離婚を急ぐためのものではありません。夫婦で決めた内容を正確に書面化し、不安な点を明確にするための機会です。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。
夫婦で決めた内容をどのように書面化するか確認できる
夫婦で話し合った内容がある程度決まっていても、それをどのように書面にすればよいか迷うことがあります。離婚協議書では、合意内容をできるだけ具体的に記載する必要があるため、表現の仕方が重要です。
「養育費を支払う」とだけ書くよりも、金額、支払日、支払方法、支払期間を明確にしたほうが、後から確認しやすくなります。財産分与でも、対象口座や金額、支払期限を整理する必要があります。清算条項についても、どの範囲で今後の請求をしないと定めるのか、慎重に確認したい部分です。
まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
不安な点を整理してから離婚届提出を検討できる
離婚届を提出する前に不安な点を整理しておくと、後から「決めておけばよかった」と感じる場面を減らしやすくなります。離婚協議書の作成時期に迷っている場合は、まず未決定の内容を確認することが大切です。
不安が残りやすい項目には、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割、住宅ローン、清算条項などがあります。これらは離婚後の生活に関わるため、曖昧なまま進めると負担が大きくなることがあります。提出前に整理すれば、必要な話し合いや書面化の準備を進めやすくなります。
離婚協議書の作成時期や記載内容に迷う場合は、早い段階で専門家に相談し、夫婦で合意した内容をどのように書面化すればよいか確認しておくと安心です。
まとめ:離婚協議書は離婚届提出前に合意内容を整理するための大切な書面
離婚協議書は、離婚を急がせるためのものではなく、夫婦で合意した内容を確認し、後日の行き違いを防ぐための書面です。離婚届を提出する前に検討しておくことで、何を決めるべきか、どの内容を明確にすべきかを整理しやすくなります。
- 離婚協議書は、夫婦で合意した内容を書面に残し、後日の認識違いを防ぐためのものです。
- 離婚届提出前に整理しておくと、養育費・財産分与・年金分割などの抜け漏れに気づきやすくなります。
- 養育費の終期は「成年まで」だけでなく、「20歳に達する日の属する月まで」「大学卒業時まで」など個別事情に応じて具体的に定めることが大切です。
- 財産分与、慰謝料、年金分割には請求期限があるため、離婚後に先送りしすぎないよう注意が必要です。
- 公正証書や清算条項の要否に迷う場合は、早めに相談して合意内容を整理すると安心です。
離婚協議書を作るタイミングに迷ったときは、まず夫婦で決めた内容と、まだ決まっていない内容を分けて確認することが大切です。自分たちだけで判断しにくい部分がある場合は、専門家に相談し、離婚届を提出する前に合意内容を冷静に整理しておきましょう。
まずは状況整理からご相談ください
離婚協議書を作る時期、記載内容、公正証書にするかどうかなど、現在の状況に合わせて一緒に確認します。資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
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