コラム
実践編 第4回:ホームページの"修正"をAIで進める【行政書士×開業×AI】
Q:ホームページをAIで作成してみたけど、レイアウトやコンテンツ、フォームやブログ機能まで含めて修正したい場合はどうする?
A:多くの場合は、現状ソースと「目的(1行)」「修正範囲(4分類)」「触らない領域」をまとめて渡し、AIに"修正後ソース(ファイル単位)+変更点一覧(差分)+動作確認項目"まで一括で出させると進めやすいです。 ただし、入力の長さや扱える形式は環境により異なるため、難しい場合は対象を分割して進めます。この回では、出力形式の指定を先に固め、コピペ用プロンプト(修正指示書)のテンプレートまで揃えます。
第1〜3回でホームページを形にできても、「ここだけ直したい」が積み重なると手が止まりがちです。特に、レイアウト・文章・導線に加えて、フォームやブログ機能など"動く部分"が絡むと、どこから手を付けるべきか迷いやすくなります。
そこで今回は、修正指示書(コピペ用プロンプト)を使い、AIに修正自体をさせたうえで、修正後ソースと差分まで出させる流れを中心にまとめます。うまくいかないときの代替手順(小分け修正)も含め、実務で回しやすい形に整理します。
1. 最初に3つそろえる:目的・現状ソース・修正範囲
目的は「1行」だけにする(例:不安を減らし問い合わせ増)
修正が止まる最大の原因は、要望が膨らんで"目的"が散ることです。まずは目的を1行に固定します。
例:
- 不安を減らし、問い合わせの一歩目を軽くする
- 料金と流れを明確にし、相談前の迷いを減らす
- フォーム離脱を減らし、送信完了まで到達させる
この1行が、修正指示書の「軸」になります。
現状ソースを「HTML/CSS/JS」と「文章」に分けて用意する
AIに修正させるときは、入力を次の2束に分けると破綻しにくくなります。
ソース束(HTML/CSS/JS、テンプレート、設定ファイル等)
- 可能ならファイル名つきで用意する(例:index.html / style.css / main.js)
文章束(ページ内の文章・導線テキスト・注意書き等)
- ソースに埋め込まれていても、別途「抽出した文章」として渡すと指示が通りやすくなります
つまずきやすいポイント: 貼り付けが長すぎて途中で欠けることがあります。 回避策: まずは「対象ページ」「対象機能」「対象ファイル」だけに絞り、1ファイルずつ進めます(後半の代替手順参照)。
修正範囲を4分類する(レイアウト/コンテンツ/表現/機能)
修正指示は、最初に4分類してラベルを付けると混乱が減ります。
- レイアウト: 配置、余白、色、レスポンシブ、見出し階層の見え方
- コンテンツ: サービス説明、料金、流れ、よくある質問、導線の不足
- 表現: 断定の強さ、読みやすさ、専門用語の言い換え、安心材料の出し方
- 機能: フォーム項目、送信後表示、ブログ一覧/詳細、動作するUI
つまずきやすいポイント: やりたいことが多すぎて指示が長文化し、軸がぶれます。 回避策: 4分類のうち"今回触るもの"だけ残し、優先順位を1〜3つに絞ります。
2. 修正の頼み方は2択:丸ごと再生成より「差分指定」で安定する
「差分で出す」指定(どこを/何を/どう変える)
AIに任せるときの基本は、差分指定です。「全体を直して」ではなく、次の3点をセットにします。
- どのページ/どの機能を対象にするか
- 何を変えるか(目的に直結する内容)
- どう変えるか(制約、触らない領域、優先順位)
なぜ差分指定が有効なのか、丸ごと再生成と比較します。
| 項目 | 丸ごと再生成 | 差分指定(推奨) |
|---|---|---|
| 精度 | 予期せぬ箇所が書き換わるリスクが高い | 修正箇所が限定され、崩れにくい |
| 確認コスト | 全行のチェックが必要になりがち | 提示された差分(変更点一覧)の確認が中心 |
| 再現性 | 指示の揺れや出力のブレが出やすい | 既存構造を維持したまま微調整しやすい |
「置換できる形で出す」指定(ファイル名・該当箇所・修正後)
出力形式は、反映作業のしやすさを左右します。AIには置換できる形で出させます。
- ファイル名ごとにコードブロックで出力する
- 変更箇所の目印を添える(検索キー:該当セクション名、id/class、コメント等)
- 変更点一覧(差分)として、どのファイルのどの箇所をどう変えたかを示させる
修正後の崩れを減らす制約(触らない領域を決める)
特にレイアウトや機能は、触らない領域を明記すると安定します。
例:
- 既存のクラス名/ID/関数名/イベント紐付けは原則維持
- 外部ライブラリの新規導入はしない
- フォーム送信先や環境依存値は変更しない(プレースホルダーで表記)
- ブログのデータ取得処理は触らない(表示調整のみ)
つまずきやすいポイント: 見た目だけ直したいのに、構造まで作り替えられて崩れます。 回避策: 「必要最小限の変更」「触らない領域」を、修正指示書の先頭に置きます。
3. PC手順は5ステップ:AIに修正→差分確認→反映まで
ステップ1:現状ソースと要望をまとめて貼る
- 修正対象(ページ/機能)を決めます
- ソース束(該当ファイル)を用意します
- 目的(1行)+修正範囲(4分類)+触らない領域を用意します
- コピペ用プロンプトに沿って貼り付けます
ステップ2:修正後ソースを「ファイル単位」で出させる
- 「ファイル名ごとに出力」を指定します
- 既存ファイルと同じ構成で、修正後ソースを返させます
- 追加ファイルがある場合は、新規ファイルとして明示させます
ステップ3:差分(変更点一覧)を必ず出させる
- 変更点一覧を箇条書きで出力させます
- 各項目に「対象ファイル/検索キー/現状→修正後/目的との関係/副作用チェック」を入れさせます
- 影響が大きい変更があれば強調させます
ステップ4:ローカルで差し替え→表示崩れを確認する
- 反映前に、現状ソースを退避します(戻し用)
- 修正後ソースをファイル単位で差し替えます
- PC表示で主要ページを確認します
- 画面幅を狭めて崩れを確認します(スマートフォン想定)
つまずきやすいポイント: CSSだけのつもりが、HTML側のクラス名も変わっています。 回避策: 差分の「クラス名/ID/イベント紐付け」の変更有無を最優先で確認します。
ステップ5:戻せる状態を作ってから公開反映する
- いつでも戻せるように、修正前ソースを確保します
- 公開反映は可能なら段階的(1ページ/1機能ずつ)に行います
- フォーム送信やブログ表示など、動作確認が必要な箇所を優先して確認します
(補足)スマートフォンで行う場合の留意点(貼り付け・長文入力・ファイル扱い)
スマートフォンは「長文貼り付け」「複数ファイルの扱い」で差が出やすいです。多くの場合は次の進め方が現実的です。
- まずは差分設計(変更点一覧)だけ出させます
- 対象を絞ります(1ファイル/1機能)
- 出力形式を固定します(ファイル名→コードブロック→差分→動作確認)
参考:作業全体の見取り図(AIと人の役割分担)
【人】目的1行・範囲4分類・触らない領域を決める
↓
【人】現状ソースを用意(対象を絞って貼る/分割も可)
↓
【AI】修正後ソース(ファイル単位)+変更点一覧+動作確認項目を出力
↓
【人】差分(変更点一覧)で影響範囲を確認(クラス名/ID/イベントを優先)
↓
【人】ローカル差し替え→表示・動作確認(フォーム/ブログ)
↓
【人→AI】ズレがあれば追いプロンプトで再修正(最小変更で繰り返す)
↓
【人】戻せる状態で公開反映
4. コピペ用プロンプトは最低3本:修正指示書テンプレート集
基本(汎用テンプレート):現状→修正後ソース+差分を出す
コピペ用プロンプト
|
あなたは「Webディレクター(要件整理)+Webデザイナー(UI/可読性)+Webプログラマー(安全な改修)」として、既存ホームページを改修します。 【機密情報の扱い(必須)】 【表現の条件(必須)】 【最重要ルール(崩れ防止)】 【目的(1行)】 【修正範囲(4分類で列挙)】 【触らない領域(必須)】 【出力形式(厳守)】 【現状ソース】 |
使いどころ: 一度で「修正後ソース」「差分」「動作確認」を揃えたいとき。
入力時の注意(プレースホルダー化): 機密情報や環境依存値は、必ず「dummy」等に置換してから入力します。
NG例(やりがち): 送信先URLやAPIキー等をそのまま貼る(機密漏えいと誤反映の原因になります)。
具体例(匿名化入力例):レイアウト+文章+機能(フォーム/ブログ)を同時に直す
コピペ用プロンプト
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あなたは既存ホームページの改修担当です。目的に沿って、現状ソースを土台に「最小変更」で改修し、差し替え可能な修正後ソースを出してください。 【機密情報の扱い(必須)】 【表現の条件(必須)】 【目的(1行)】 【優先順位つき修正要望】 【崩れ防止の制約(厳守)】 【出力形式(厳守)】 【現状ソース(例:プレースホルダー化済み)】 |
使いどころ: 修正要望が複数あるときに、優先順位でブレを抑えたいとき。
入力時の注意(プレースホルダー化): 機密情報・環境依存値は「dummy」等へ置換してから入力します。
NG例(やりがち): 「サーバー設定も含めて全部直して」(表示調整と環境設定が混ざり、崩れやすくなります)。
編集(追いプロンプト):意図違い・崩れ・反映しにくさを詰める
コピペ用プロンプト
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出力ありがとうございます。次の問題点を解消するように「最小変更」で再修正してください。 【機密情報の扱い(必須)】 【表現の条件(必須)】 【問題点(当てはまるものだけ残す)】 【再修正のルール(厳守)】 【目的(1行)】 【対象ソース(前回あなたが出した修正後ソース)】 |
使いどころ: 1回目の出力を"差し替えできる形"に整え直すとき。
入力時の注意(プレースホルダー化): 固有情報は「dummy」等に置換してから入力します。
NG例(やりがち): 「もっと良くして」だけで、どこが問題かを書かない(同じズレが再発しやすいです)。
(追加)短縮/整形用:文章量と導線を最適化する
コピペ用プロンプト
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あなたはWebのビジネスライター兼編集者です。次のページ内文章を、目的に沿って短縮・整形してください。 【表現の条件(必須)】 【目的(1行)】 【条件】 【出力形式】 ---対象文章--- |
使いどころ: ページが長くなり、要点と導線が埋もれたときの整形に使います。
入力時の注意: 固有の事例・固有名詞は一般化した文章に置き換えます。
NG例(やりがち): 料金や流れを削りすぎて、次の行動が分からない文章にする(導線が弱くなります)。
(追加)ファクト確認/安全表現化:誤認誘発・断定を避ける文章に寄せる
コピペ用プロンプト
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あなたは編集者として、次の文章に「誤認誘発」「断定が強い表現」「誇大に見える表現」「比較優良表示」がないか点検し、安全側の言い回しに修正してください。 【出力形式】 ---対象文章--- |
使いどころ: 公開前に「強すぎる表現」を減らし、誤解されにくい文章へ寄せたいとき。
入力時の注意: 推測につながる固有情報は避け、一般化した文章で点検します。
NG例(やりがち): 「必ず」「100%」などの断定を残したまま公開する(誤解につながりやすいです)。
5. 直すポイントは4分類で迷わない:レイアウト/文章/導線/機能
レイアウト修正:余白・並び・レスポンシブの指示の出し方
レイアウトは「見た目」だけでなく「読ませたい順」の設計です。指示は次の順にすると通りやすくなります。
- 先に見せたい要素(取扱業務・地域・流れ等)
- 並び順
- 余白やサイズの方向性(詰める/広げる)
- 画面幅を狭めたときの対応(1列化など)
コンテンツ修正:サービス説明・料金・流れの不足を埋める
「何を頼めるか」「いくら/どのくらいかかるか」「次に何をするか」が揃うと、問い合わせまでの迷いが減ります。料金の前提(範囲・例外)と、流れ(最初の一歩)は不足しやすいため、優先して補います。
表現修正:言い過ぎ回避・読みやすさ・専門用語の置き換え
対外文章は、断定が強いと誤解を招きやすいです。「一般的には」「場合によっては」を適切に挟みつつ、比較優良表示に見える言い回しを避けると安全側に寄ります。
機能修正:フォーム項目・送信後表示・ブログ一覧/詳細の直し方
機能は「見える部分」と「動く部分」を分けると事故が減ります。
- 見える部分: フォーム項目の並び、ラベル、送信後の案内文章、ブログ一覧の表示
- 動く部分: 送信処理、バリデーション、データ取得
修正指示書では、まず「表示と文章」を優先し、動く部分を触る場合は理由と影響範囲を明示させます。
実績・クチコミ文章の直し方:実績が少ない場合の代替安心材料も含める
実績が少ない時期は珍しくありません。その場合は、次のような"代替の安心材料"を文章として整えます。
- 取扱テーマの範囲(何ができて/何ができないか)
- 相談時の進め方(ヒアリング→見通し提示→次の行動)
- 学びや研鑽の蓄積(一般化した言い方)
- 地域性・対応方針(分かりやすさ、連絡の取り方等)
※比較優良表示に見える表現は避け、数値や実績を出す場合は前提(期間・対象・母数)を添えます。
強み文章の直し方:強みが分からないときのAI壁打ち(整理・言語化)
「強みが分からない」は開業前後によく起きます。ここはAIに"決めさせる"のではなく、壁打ちで整理します。得意な相談の型/説明が得意な場面/避けたい案件の傾向を箇条書きにし、ホームページの文章へ落とし込みます。
※比較優良表示に見える言い回し(最強、No.1等)は避け、事実に基づく範囲の表現に寄せます。
6. つまずきポイントは7つ:崩れる・動かない・反映できないの対策
崩れる:CSSを触りすぎた/クラス名が変わった
対策: クラス名は変えない前提にします。CSSは"触るセレクター範囲"を指定し、必要最小限に絞ります。
動かない:JSの依存関係が壊れた/イベントが消えた
対策: 関数名・イベント紐付けを維持します。変更が必要なら、理由/該当箇所/動作確認項目をセットで出させます。
フォームが送れない:必須項目・バリデーション・送信先の不整合
対策: フォームは「表示」と「送信」を分けます。送信先など環境依存値はプレースホルダーで扱い、反映前に確認します。
ブログが表示されない:一覧と詳細の参照先・テンプレートの不一致
対策: 一覧と詳細の参照関係(リンク先、テンプレート)を変える場合は、差分でセット提示させます。
差分が追えない:出力形式がバラバラ(統一させる追い指示)
対策: ファイル名→コードブロック→差分→動作確認、の順に固定します。崩れたら追いプロンプトで矯正します。
意図と違う:目的・優先順位・触らない領域が曖昧
対策: 目的1行+優先順位+触らない領域を必ず入れます。ここが弱いほど、別方向に進みやすくなります。
代替手順:小分け修正(1ファイルずつ/1機能ずつ)に切り替える
対策: うまくいかないときは範囲を絞って進めます。例として、style.cssだけ → index.htmlの特定セクションだけ → フォーム表示だけ、の順に行います。
7. 最後に3チェック:速くするほど確認が重要になる
表示チェック(PC/スマートフォン想定・主要ブラウザー想定)
- PC表示で主要ページを確認します
- 画面幅を狭めた表示を確認します(スマートフォン想定)
- 見出し階層と余白が意図通りか確認します
導線チェック(問い合わせまで迷わない文章か)
次の3点がページ内で迷わず追えるか確認します。
- 何を頼めるか
- いくら/どのくらいかかるか
- 次に何をするか(フォームへ)
公開前チェック(バックアップ・戻し方・影響範囲)
- 修正前ソースを戻せる状態にします
- 影響範囲(他ページ・他機能)を想定します
- フォーム送信、ブログ表示など"動作"を優先して確認します
- 公開する文章に、誤認誘発・断定・比較優良表示に見える表現がないか最終点検します
まとめ
- 「目的1行・範囲4分類」で指示を固定する: AIのブレを防ぐための必須設定です。
- 「修正後ソース+差分+テスト」をセットで出させる: 確認負荷を最小化する出力形式です。
- 「触らない領域」を明文化する: フォームやJSなど既存機能を壊さないための防衛策です。
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