コラム
カメラマンの仕事が「技人国」に該当するかを判断する3つのポイント
「大卒の外国人だから、カメラマンとして技人国で採用できる」と考えている場合は注意が必要です。在留資格は学歴だけで決まるものではなく、実際に…
「大卒の外国人だから、カメラマンとして技人国で採用できる」と考えている場合は注意が必要です。在留資格は学歴だけで決まるものではなく、実際に担当する業務の専門性や内容が重要になります。撮影内容によっては「興行」が適切なケースもあるため、申請前に仕事内容を整理しておくことが大切です。
カメラマンの仕事が「技人国」に該当するかを判断する3つのポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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「技人国」は専門的な知識や技術を必要とする業務が対象
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大卒であれば必ず「技人国」が認められるわけではない
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学歴・専攻内容と実際の仕事内容との関連性が重要
カメラマンを外国人材として採用するとき、最初に確認すべきなのは「カメラマンという職種名」ではなく、実際に何を主たる業務として行うのかです。単にカメラを操作して写真や動画を撮影する業務だけでは、技人国に求められる学術的な専門知識を使う仕事と評価されにくい点に注意が必要です。
「技人国」は専門的な知識や技術を必要とする業務が対象
「技術・人文知識・国際業務」、通称「技人国」は、現在の入管法上、一つの正式な在留資格です。対象となるのは、自然科学・人文科学の分野に属する技術や知識を必要とする業務、または外国の文化に基盤を持つ思考・感受性を必要とする業務です。
出入国在留管理庁は、自然科学・人文科学の分野に属する技術・知識を必要とする業務について、「学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務」であることを示しています。つまり、経験を積めば行える作業や、技能の習熟によって遂行できる現場作業とは区別して考えなければなりません。
この点からみると、現場でカメラを構え、指示された対象を撮影することを中心とする、いわゆるカメラマン業務は、技人国への該当性が低く、対象外と判断されるリスクが高いと考えられます。
一方、映像コンテンツの企画・構成、演出・ディレクション、映像表現の設計、高度なデジタル編集、カラーグレーディングなど、大学等で学んだ理論や専門知識を直接活用する業務が主たる仕事であれば、技人国への該当性を検討できる余地があります。
重要なのは、「撮影もする」という事実ではなく、専門知識を必要とする業務が雇用契約上・実態上の主たる業務になっているかです。撮影作業に専門業務を付け加えただけでは足りず、業務全体を具体的に確認する必要があります。
大卒であれば必ず「技人国」が認められるわけではない
大学を卒業していることは技人国を検討するうえで重要な要素ですが、「大卒=技人国で働ける」という関係にはありません。
技術・人文知識に該当する業務では、原則として、従事する業務に必要な技術・知識に関連する科目を専攻して大学を卒業したこと、これと同等以上の教育を受けたこと、日本の専門学校の専門課程を修了して一定の要件を満たすこと、または関連する業務について10年以上の実務経験を有することなどが基準となります。
この10年以上の実務経験には、大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程、専修学校の専門課程などで、その技術・知識に関連する科目を専攻した期間を含めることができます。
そのため、大学を卒業していない映像クリエイターであっても、関連分野で長期間の実務経験を積んでいれば、学歴とは別のルートから要件を検討できる場合があります。ただし、10年の経験があれば撮影業務そのものが技人国になる、という意味ではありません。
たとえば、10年以上カメラマンとして撮影を続けてきたとしても、採用後の業務が単なる撮影作業にとどまれば、そもそも仕事自体が技人国の活動に該当しない可能性があります。
したがって、「本人が学歴・経験の要件を満たすか」と「担当する仕事が技人国に該当するか」は分けて確認しなければなりません。
なお、「国際業務」に該当する業務には別の実務経験基準が設けられているため、すべての技人国業務について一律に「10年」と考えるのも適切ではありません。実際に従事する活動区分から確認することが重要です。
学歴・専攻内容と実際の仕事内容との関連性が重要
技人国を検討する場合、採用予定者が何を学んだかだけでなく、その知識を採用後の仕事でどのように使うのかを整理する必要があります。
たとえば、大学で映像制作、映画、メディア、デザイン、情報技術などを学んでいる場合でも、入社後の仕事が撮影機材の運搬、カメラの設置、指示された構図での撮影といった実務作業を中心とするのであれば、専攻との関連性以前に、仕事内容そのものが技人国に該当するかが問題になります。
反対に、映像企画、演出設計、デジタル映像処理、映像制作工程の管理など、専攻した理論・専門知識を具体的に使用する業務であれば、学歴との関連性を説明しやすくなります。
大学卒業者については、出入国在留管理庁の資料でも、専攻と業務との関連性は専門学校卒業者と比較して柔軟に判断されることが示されています。ただし、「大学を出ていれば無関係な仕事でもよい」という意味ではありません。
申請では、卒業証明書や成績証明書だけを見るのではなく、「大学等で何を学び、その知識を日本でどの業務に使うのか」という一本の流れを作ることが大切です。
カメラマンが原則として「技人国」に該当しにくい3つの理由
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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撮影作業そのものは現業的な業務と判断される可能性がある
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専門知識を必要とする業務かどうかは仕事内容から審査される
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「カメラマン」という職種名だけでは在留資格を判断できない
カメラマンの仕事を技人国で検討する際に最も注意したいのは、撮影技術の高さと、入管法上の「学術的な専門知識を必要とする業務」は同じではないことです。優れた撮影技能を持っていたとしても、それだけで技人国への該当性が認められるわけではありません。
撮影作業そのものは現業的な業務と判断される可能性がある
カメラを操作し、写真や映像を撮影する実務作業そのものは、技人国の対象外と判断されるリスクが高い業務です。
技人国で求められているのは、大学等で修得する学術上の知識を背景とする一定水準以上の業務です。これに対し、撮影技術は実務経験や反復的な訓練によって習得される技能としての側面が強くあります。
そのため、「外国人が非常に優秀なカメラマンだから」「海外で何年もプロとして撮影してきたから」という理由だけで技人国に該当するとは限りません。
ここで重要になるのが、撮影そのものと、撮影を含む映像制作全体の企画・設計業務を区別することです。
たとえば、企画意図に基づいて映像表現を設計し、構成や演出を決定し、撮影後のデジタル処理や色彩設計まで一貫して担当するといった仕事であれば、単なる撮影技能とは異なる専門性を説明できる可能性があります。
反対に、実態の大半が現場撮影であるにもかかわらず、職務説明書だけに「企画」「ディレクション」と記載しても十分とは限りません。実際の業務内容との整合性が重要になります。
専門知識を必要とする業務かどうかは仕事内容から審査される
在留資格の審査では、会社が付けた職種名よりも、外国人本人が実際に行う活動の内容が重要です。
たとえば「映像クリエイター」「コンテンツディレクター」という肩書で採用しても、業務の大半がカメラを持って現場を回り、指示どおりに撮影する仕事であれば、肩書だけで専門職として扱われるとは限りません。
逆に「カメラマン」という肩書であっても、実際には撮影計画の立案、映像構成、制作ディレクション、デジタル映像処理などを主として行っている場合には、その実態を具体的に説明することが重要になります。
申請前には、少なくとも次の内容を整理しておくと判断しやすくなります。
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1日の業務のうち撮影が占める割合
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企画・構成・演出を本人が担当するか
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編集やデジタル処理をどの程度行うか
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その仕事に大学等で学ぶ専門知識が必要か
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本人の専攻や職歴とどのようにつながるか
職務内容を細かく分解すると、「技人国として検討できる仕事なのか」「別の在留資格を考えるべきなのか」が見えやすくなります。
「カメラマン」という職種名だけでは在留資格を判断できない
在留資格は職業名の一覧表から機械的に決まるものではありません。
同じ「カメラマン」でも、写真館で記念写真を撮影する人、広告撮影を行う人、映画制作の撮影部門に参加する人、映像コンテンツ全体を企画・演出する人では、日本で行う活動の内容が大きく異なります。
そのため、「カメラマンは技人国ですか」という問いだけでは、正確な判断はできません。
特に注意したいのは、「技人国で難しいなら職種名をクリエイターに変えればよい」という考え方です。在留資格は名称ではなく実態で判断されるため、雇用契約書や職務説明書だけを形式的に変更することは適切ではありません。
確認すべきなのは、採用後に本人が毎日どのような仕事を行い、その仕事がどの在留資格の活動に当てはまるのかという点です。
この整理を採用前に行っておけば、雇用契約を結んだ後になって「予定していた仕事では申請が難しい」と判明するリスクを抑えやすくなります。
カメラマンの仕事内容から確認したい3つのケース
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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写真館や企業の商品撮影を担当するケース
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映像制作会社で撮影や映像制作を担当するケース
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撮影だけでなく企画・編集・ディレクションまで担当するケース
カメラマンの在留資格を考えるときは、具体的な勤務場面まで落とし込んで検討することが重要です。同じ撮影でも、記念写真の撮影、商品広告、映画・映像制作では活動の性質が異なり、検討すべき在留資格も変わる可能性があります。
写真館や企業の商品撮影を担当するケース
写真館で証明写真や家族写真を撮影したり、企業内で商品を決められた方法で撮影したりする仕事は、技人国との関係では慎重な検討が必要です。
業務の中心がカメラ操作、照明の設置、撮影対象の配置、撮影データの整理などである場合、大学等で修得する学術的な知識を必要とする仕事ではなく、撮影技能を用いる実務作業と評価される可能性があります。
一方、商品広告についてコンセプト設計から担当し、マーケティング上の目的を踏まえてビジュアル戦略を構築するなど、別の専門業務を主として行う場合は事情が変わります。
ただし、ここでも「商品撮影だから技人国」「広告だから技人国」と一律に判断することはできません。
さらに、商業用写真の撮影そのものについては、「興行」に該当する活動として出入国在留管理庁が明示しています。そのため、商業用写真を撮影する外国人については、技人国だけに絞らず「興行」への該当性も確認する必要があります。
映像制作会社で撮影や映像制作を担当するケース
映像制作会社に勤務する場合も、「映像会社だから技人国が使える」とは限りません。
本人の仕事が、カメラを操作して映像を収録する撮影担当なのか、映像作品の企画・構成・演出・編集まで担う制作職なのかによって評価は異なります。
とくに映画や放送番組の製作に係る活動は、在留資格「興行」の対象として出入国在留管理庁が明示しています。
したがって、映画制作現場のカメラマンを採用する場面では、「映像関係だから技人国」と考えるのではなく、まず本人が参加する作品や活動内容を確認したうえで、「興行」を含めて適切な在留資格を検討する必要があります。
また、映像会社の正社員として長期雇用する予定であっても、雇用形態だけで在留資格が決まるわけではありません。
本人が何を制作し、どの工程を担当し、どのような専門知識や技能を使用するのかまで確認することが重要です。
撮影だけでなく企画・編集・ディレクションまで担当するケース
撮影だけでなく、映像コンテンツの企画、構成、演出、編集、カラーグレーディングなどまで一貫して担当する場合には、技人国への該当性を検討できる余地が広がります。
ただし、重要なのは「業務項目に企画や編集が含まれていること」ではありません。
技人国として説明するのであれば、大学等で修得した専門知識を活用する業務が主たる業務であり、撮影作業がその専門業務に付随する関係になっていることを具体的に整理する必要があります。
たとえば、映像理論やデザイン、メディア表現などを学んだ人材が、企業の映像コンテンツについて企画意図を設計し、構成を作成し、演出方針を決定して、専門的な映像処理まで行うのであれば、単なる撮影担当とは異なる説明が可能です。
一方、勤務時間の大部分が撮影で、企画会議への参加が月に数回ある程度という実態なら、企画業務を理由に技人国へ該当すると説明することには慎重さが求められます。
「何ができる人か」だけでなく、「日本で実際に何を主としてさせるのか」が判断の中心になります。
映画や商業用写真の撮影なら「興行」を検討する3つのポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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映画製作に係る活動は「興行」の対象になり得る
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商業用写真の撮影も「興行」の対象として明示されている
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契約内容・活動内容・実績などから該当性を確認する
カメラマンが技人国に該当しないからといって、日本でカメラマンとして活動できないとは限りません。在留資格「興行」には、映画製作や商業用写真撮影など一定の芸能活動が含まれています。撮影内容によっては、技人国よりも「興行」を検討する方が活動実態に合う場合があります。
映画製作に係る活動は「興行」の対象になり得る
出入国在留管理庁は、在留資格「興行」の対象となる芸能活動として、「放送番組又は映画の製作に係る活動」を明示しています。
したがって、外国人が映画制作のために来日し、撮影スタッフとして制作活動に参加するようなケースでは、技人国だけでなく「興行」への該当性を検討する必要があります。
ここでいう「興行」は、舞台に立つ俳優や歌手だけの在留資格ではありません。
映画製作など、表舞台に出演しない制作活動であっても対象となるケースがあるため、「カメラマンだから興行ではない」と判断するのも適切ではありません。
一方で、映像制作会社に雇われていれば、すべての仕事が自動的に興行になるわけでもありません。
制作するコンテンツの性質、本人の役割、活動期間、契約関係などを確認し、実際の活動がどの在留資格に該当するのかを個別に整理する必要があります。
商業用写真の撮影も「興行」の対象として明示されている
商業用写真の撮影は、在留資格「興行」の対象となる活動として明確に示されています。
出入国在留管理庁は、「興行」(基準3号)の対象として、商品・事業の宣伝、放送番組・映画の製作に加えて、「商業用写真の撮影に係る活動」を挙げています。
そのため、広告写真、ファッション撮影など、商業目的で写真を撮影する外国人カメラマンについては、技人国で無理に説明するのではなく、「興行」が適切ではないかという視点を持つことが重要です。
これは、カメラマンの在留資格を考えるうえで非常に重要なポイントです。
「大卒だから技人国」「企業が雇用するから技人国」と先に在留資格を決めてしまうと、実際の活動に合わない申請内容になる可能性があります。
まず予定している撮影の目的や内容を確認し、それに合った在留資格を選択することが適切な申請への第一歩です。
契約内容・活動内容・実績などから該当性を確認する
「興行」を検討する場合も、「カメラマンであれば自動的に興行になる」というものではありません。
出入国在留管理庁が公表する「興行」(基準3号)の申請資料では、申請人の芸能活動上の実績を証する資料に加え、日本で行う具体的な活動内容、期間、地位、報酬を証する文書などが求められています。
また、受入れ機関についても、登記事項証明書、直近の決算書、従業員名簿、案内書など、機関の概要を確認する資料が掲げられています。
つまり、本人が「カメラマンです」と説明するだけではなく、
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どの作品・広告等を撮影するのか
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誰とどのような契約を締結するのか
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日本でどの程度の期間活動するのか
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どのような役割を担うのか
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どの程度の報酬を受けるのか
といった情報を具体的に整理する必要があります。
技人国か興行かで迷う場面ほど、在留資格の名称から考えるのではなく、予定している活動を先に分解することが重要です。
カメラマンとして外国人を採用する前に確認したい3つの事項
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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雇用契約書だけでなく実際に担当する業務を具体化する
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本人の学歴・職歴と予定している業務との関連性を確認する
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「技人国」だけで判断せず他の在留資格も含めて検討する
外国人カメラマンの採用では、「採用してから在留資格を考える」のではなく、雇用条件を固める段階で仕事内容と在留資格を照合しておくことが重要です。業務内容、本人の経歴、報酬、会社側の状況を合わせて整理すると、申請段階での食い違いを防ぎやすくなります。
雇用契約書だけでなく実際に担当する業務を具体化する
技人国の申請では、雇用契約書に記載する職種名だけを整えても十分ではありません。
たとえば、契約書に「映像制作・企画業務」と記載していても、実際には毎日撮影現場でカメラ操作のみを担当するのであれば、書面と実態が一致していないことになります。
採用前には、業務内容をできるだけ具体化しましょう。
「映像制作」と一括りにするのではなく、企画、構成、撮影、照明、編集、音響、デジタル処理、ディレクションなどに分解し、それぞれをどの程度担当する予定なのか確認することが有効です。
さらに、誰が指示を出すのか、本人にどこまで裁量があるのか、専門知識を必要とする判断を本人が行うのかといった点も整理すると、実態が見えやすくなります。
申請書類は、許可を得るために仕事を言い換えるものではありません。実際に予定している雇用内容を正確に説明し、その活動に合った在留資格を選ぶことが基本です。
本人の学歴・職歴と予定している業務との関連性を確認する
仕事内容が専門的であっても、本人側の要件を確認しなければ技人国の申請はできません。
まず大学卒業者であれば、専攻科目と予定業務の関連性を確認します。日本の専門学校を卒業した人については、専門士または高度専門士の称号など、該当する要件も確認が必要です。
学歴による要件を満たさない場合には、関連する技術・知識について10年以上の実務経験による立証を検討できる場合があります。この実務経験には、一定の教育機関で関連科目を専攻した期間を含めることが可能です。
たとえば、大学を卒業していない映像制作者でも、映像制作会社等で長年、企画・演出・編集などの専門業務に従事してきた実績がある場合には、職歴による要件を検討する余地があります。
ただし、実務経験10年は、技人国に該当しない撮影作業を技人国に変えるための制度ではありません。
「本人が基準を満たしているか」と「仕事が技人国の対象か」の両方を満たす必要があります。
「技人国」だけで判断せず他の在留資格も含めて検討する
外国人を雇用するとき、「会社員として雇うから技人国」と考えると、在留資格の選択を誤る可能性があります。
カメラマンの場合は特に、活動内容によって「興行」を検討すべきケースがあります。商業用写真の撮影や映画製作に係る活動が「興行」の対象として明示されているためです。
また、本人がすでに身分・地位に基づく在留資格を持っている場合など、就労活動の制限が技人国とは異なるケースもあります。
したがって、採用前には次の順番で整理すると分かりやすくなります。
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日本で実際に行わせる仕事を具体化する
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その活動がどの在留資格に該当するか確認する
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本人がその在留資格の要件を満たすか確認する
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雇用条件・報酬・会社側の要件を確認する
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必要な立証資料を準備する
最初から技人国に当てはめようとするのではなく、活動内容から在留資格を選ぶことが重要です。
カメラマンの在留資格で迷ったときに専門家へ相談する3つのメリット
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
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採用予定の仕事内容から適切な在留資格を整理できる
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「技人国」と「興行」のどちらを検討すべきか判断しやすくなる
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申請前に仕事内容や必要書類を整理して不許可リスクを減らせる
カメラマンの在留資格は、「撮影」という言葉だけでは判断しにくい分野です。業務の一部だけを見るのではなく、本人の経歴、主たる業務、撮影の目的、契約内容、報酬、受入企業の状況まで確認すると、申請方針を具体化しやすくなります。
採用予定の仕事内容から適切な在留資格を整理できる
専門家に相談するメリットの一つは、求人票や職種名ではなく、実際の仕事内容から在留資格を整理できることです。
カメラマンの場合、「撮影」「編集」「映像制作」「ディレクション」など複数の業務が混在していることが少なくありません。
そのため、最初に各業務の割合や内容を整理し、どの仕事が主たる業務なのかを確認することが大切です。
たとえば、求人票上は「映像クリエイター」として募集していても、実際には撮影業務が大半であれば、技人国への該当性について慎重な検討が必要になります。
逆に、映像表現の企画・設計や専門的な編集を中心とする場合は、本人の学歴・職歴との関連性まで含めて技人国を検討することになります。
採用条件を確定する前に整理しておけば、「内定を出した後に予定していた在留資格では難しいと判明する」といった事態を避けやすくなります。
「技人国」と「興行」のどちらを検討すべきか判断しやすくなる
カメラマンの採用で難しいのは、技人国だけを確認すればよいわけではない点です。
商業用写真の撮影や映画製作に係る活動は、「興行」の対象として出入国在留管理庁が明示しています。
そのため、採用予定の外国人が広告写真を撮影するのか、映画制作に参加するのか、企業の社内コンテンツを企画・制作するのかによって、検討する在留資格が変わる可能性があります。
さらに、技人国であれば本人の学歴・実務経験と職務内容の関連性、報酬等を確認する必要があります。「興行」であれば、具体的な活動、期間、地位、報酬、実績、受入れ機関等の資料を整理しなければなりません。
どちらが「取りやすいか」で選ぶのではなく、実際の活動にどちらが合っているのかを判断することが大切です。
活動実態に合った在留資格を選ぶことが、結果として安定した採用・就労につながります。
申請前に仕事内容や必要書類を整理して不許可リスクを減らせる
技人国の審査では、仕事内容や本人の学歴・実務経験だけを確認すればよいわけではありません。
基準上、日本人が同じ仕事に従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることも求められます。外国人だからという理由で、同種の仕事をする日本人より不当に低い給与を設定することはできません。
また、所属機関のカテゴリー等によって提出書類は異なりますが、出入国在留管理庁の現在の提出書類では、カテゴリー3または4に該当する企業について、登記事項証明書、事業内容を明らかにする資料、直近年度の決算文書などが求められています。新規事業の場合には、事業計画書が必要となります。
このため、審査では本人の条件だけでなく、受入企業に実際の事業基盤があるか、雇用や活動を継続できる実態があるかという観点も重要です。
ただし、「会社の規模が小さいから許可されない」という単純な基準ではありません。会社のカテゴリーや設立時期、事業内容などに応じて、必要な資料をそろえて事業実態や継続性を説明することが重要になります。
採用予定者の経歴だけを見るのではなく、
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本人の学歴・実務経験
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実際の業務内容
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専攻等との関連性
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日本人と同等額以上の報酬
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会社の事業内容・実態
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契約内容
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適切な在留資格の選択
まで一体として確認しておくことが、申請準備では重要です。
まとめ
カメラマンとして外国人を採用するときに押さえておきたいポイントは、次の5つです。
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単にカメラを操作して撮影する業務は、技人国の対象外と判断されるリスクが高い
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技人国では、専門的な仕事内容に加え、関連する学歴または原則10年以上の実務経験など本人側の要件も確認する必要がある
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映像企画、構成、演出、専門的な編集などが主たる業務であれば、技人国への該当性を検討できる余地がある
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映画製作や商業用写真の撮影では、在留資格「興行」を検討すべき場合がある
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業務内容だけでなく、報酬、契約関係、受入企業の事業実態なども含めて申請全体を確認することが重要
カメラマンの在留資格は、「大卒かどうか」「カメラマンという職種かどうか」だけでは結論を出せません。特に、撮影業務と専門的な映像制作業務が混在している場合や、商業撮影・映画制作に関わる場合は、どの在留資格で整理するべきか慎重な判断が必要です。
採用を具体的に進める段階では、候補者の履歴書・卒業証明書だけでなく、予定している仕事内容、業務割合、雇用条件、撮影するコンテンツの内容まで整理しておくと、相談時の判断も早くなります。「技人国で申請できると思って採用を決めた後に、実際の仕事内容では難しいと分かった」という事態を避けるためにも、雇用条件を確定する前の確認が有効です。