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コラム

みなし再入国許可を利用する前に確認したい3つの基本要件

2026年8月21日

在留期間更新や在留資格変更の審査が続いている一方で、海外渡航の予定もある。このような場合は、「出国できるか」だけでなく、「どの手続をして、…

在留期間更新や在留資格変更の審査が続いている一方で、海外渡航の予定もある。このような場合は、「出国できるか」だけでなく、「どの手続をして、いつまでに日本へ戻る必要があるか」まで確認することが大切です。

みなし再入国許可では、空港で単に「日本へ戻ります」と伝えればよいわけではありません。法律上の「再び入国する意図の表明」には所定の方法があります。中長期在留者は在留カードを所持・提示する必要があり、特別永住者については、在留カードではなく、特別永住者証明書を所持して出国し、出国確認の際に提示する必要があります。

さらに、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請をしている場合には、従前の在留期間が満了した後も一定の場合に在留を継続できる「特例期間」と、みなし再入国許可によって再入国できる期限、申請に対する処分を受ける期限を分けて考えなければなりません。

ただし、更新・変更申請中であることだけで、みなし再入国許可の要件を満たすことになるわけではありません。有効な旅券、中長期在留者であれば在留カード、特別永住者であれば特別永住者証明書の所持、対象外事由に該当しないこと、出国時に所定の方法で再び入国する意図を表明することなど、制度ごとの要件を満たす必要があります。

この記事では、みなし再入国許可の基本から、出国時の手続、特例期間中に海外へ渡航する場合の注意点まで順を追って解説します。

みなし再入国許可を利用する前に確認したい3つの基本要件

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 有効な旅券を所持していることが前提となる

  • 中長期在留者は在留カードを所持している必要がある

  • すべての外国人がみなし再入国許可を利用できるわけではない

みなし再入国許可は、一定の要件を満たす人が、日本を一時的に出国して再び入国する場合に、あらかじめ通常の再入国許可を取得しなくても利用できる制度です。ただし、有効な旅券を持っていれば誰でも利用できるわけではありません。中長期在留者と特別永住者では必要となる証明書や有効期間も異なるため、自分に適用される制度を確認することが重要です。

有効な旅券を所持していることが前提となる

みなし再入国許可を利用するためには、原則として有効な旅券を所持している必要があります。

入管法26条の2第1項は、一定の要件を満たして日本に在留する外国人が、有効な旅券を所持し、所定の方法で再び入国する意図を表明して出国するときに、再入国許可を受けたものとみなす仕組みを定めています。

そのため、出国予定日だけでなく、旅券そのものの有効期限も事前に確認しておくことが大切です。

ただし、旅券の有効期限と、みなし再入国許可の有効期間は別の問題です。 旅券の残存期間が短いからといって、それだけで入管法上のみなし再入国許可の法定期間が短縮されるという意味ではありません。

一方、旅券の有効期限が近い場合には、渡航先の入国条件や航空会社の搭乗確認に影響する可能性があります。また、日本へ再入国する際にも有効な旅券を提示できるかを確認しておく必要があります。

「みなし再入国許可の期限」と「旅券の有効期限」を混同せず、それぞれを確認することが重要です。

中長期在留者は在留カードを所持している必要がある

中長期在留者がみなし再入国許可を利用する場合には、有効な旅券に加えて在留カードを所持している必要があります。

入管法26条の2第1項では、中長期在留者について在留カードを所持する者であることが要件とされています。また、出国時の意思表明に際しては、所定の手続とあわせて在留カードを提示します。

したがって、中長期在留者については、少なくとも次の点を確認しておく必要があります。

  • 有効な旅券を所持していること

  • 在留カードを所持していること

  • 出国時に所定の方法で再入国の意思を表明すること

  • 出国審査の際に在留カードを提示すること

一方、特別永住者については、在留カードではなく、特別永住者証明書を所持して出国する必要があります。

出入国在留管理庁の特別永住者制度に関する案内でも、みなし再入国許可を利用する場合は有効な旅券と特別永住者証明書を所持し、出国確認の際に旅券と特別永住者証明書を提示するものとされています。

つまり、中長期在留者は「旅券+在留カード」、特別永住者は「旅券+特別永住者証明書」を準備することになります。

海外へ出発する際には、旅券だけを準備するのではなく、自分の法的地位に応じた証明書も忘れずに携帯してください。

すべての外国人がみなし再入国許可を利用できるわけではない

みなし再入国許可には、対象外となるケースがあります。

出入国在留管理庁は、在留資格取消手続中の人、出国確認の留保対象者、収容令書の発付を受けている人など、一定の者を一般のみなし再入国許可の対象外として案内しています。

また、「3月」以下の在留期間を決定されている人や、「短期滞在」の在留資格で在留する人は、一般のみなし再入国許可の対象外です。

「短期滞在」の在留資格で在留する人は、みなし再入国許可の対象外です。短期滞在中に一旦出国すると、次回の入国は新規の入国手続となります。 出入国在留管理庁も、短期滞在者はみなし再入国許可の対象ではなく、再び日本へ入国するときは新規入国となる旨を案内しています。

一方、特別永住者にもみなし再入国許可制度が適用されますが、必要な証明書および有効期間は一般の中長期在留者等と異なります。

特別永住者の場合は、有効な旅券と特別永住者証明書を所持して所定の手続を行う必要があり、みなし再入国許可の有効期間は出国の日から2年間です。一般のみなし再入国許可の原則1年間とは異なります。

「以前もみなし再入国で出国できたから今回も大丈夫」と考えるのではなく、現在の在留資格、在留期間、申請状況、特別永住者であるかどうかなどを基準に判断することが大切です。

「再び入国する意図の表明」で押さえたい2つの手続

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 「日本に戻るつもりです」と口頭で伝えるだけでは足りない

  • 所定の書面を提出し、中長期在留者は在留カードも提示する

みなし再入国許可で重要なのが、入管法26条の2第1項にいう「再び入国する意図の表明」です。これは単なる本人の予定や気持ちではなく、所定の方法によって行います。実務上は、再入国出国記録の所定欄へのチェック、出国審査を担当する入国審査官への提示、みなし再入国許可による出国を希望する旨の伝達を確実に行うことが重要です。

「日本に戻るつもりです」と口頭で伝えるだけでは足りない

「再び入国する意図の表明」と聞くと、出国審査の際に「日本へ戻ります」と口頭で伝えればよいように感じるかもしれません。

しかし、法令上は所定の書面による手続が定められています。また、出入国在留管理庁は実務上の手続として、再入国出国記録、いわゆる再入国EDカードの所定欄にチェックしたうえで入国審査官に提示し、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えるよう案内しています。

つまり、出国審査の際に、出国審査を担当する入国審査官へ所定の再入国出国記録を提出・提示し、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝える必要があります。

「日本へ戻るつもりだった」という本人の認識だけでは、所定の手続をしたことにはなりません。

空港では慌ただしくなりがちですが、再入国出国記録のチェック欄と、自分がみなし再入国許可で出国することを確認したうえで出国審査を受けることが大切です。

所定の書面を提出し、中長期在留者は在留カードも提示する

みなし再入国許可による出国では、所定の再入国出国記録を使用して再び入国する意思を表明します。

実務上は、再入国出国記録の所定欄にチェックし、出国審査を担当する入国審査官へ提示するとともに、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えます。

中長期在留者については、これに加えて在留カードの所持・提示が必要です。

また、特別永住者については、在留カードではなく、特別永住者証明書を所持して出国し、出国確認の際に提示する必要があります。 出入国在留管理庁は、特別永住者がみなし再入国許可を希望する場合には、旅券と特別永住者証明書を携帯し、出国確認の際に提示するよう案内しています。

特に注意したいのは、再入国許可やみなし再入国許可を利用しない通常の出国として手続を終えてしまうことです。

再入国許可またはみなし再入国許可を利用せずに出国すると、従前の在留資格・在留期間を維持したまま再入国することはできません。再び日本へ入国する場合は、原則として新たな入国手続が必要となります。

そのため、出国審査では手続を人任せにせず、自分がみなし再入国許可による一時的な出国を希望していることを確認しておくことが重要です。

出国時に間違えやすい3つのポイント

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 出国審査の際にみなし再入国許可を利用する意思を明確にする

  • 通常の再入国許可とみなし再入国許可を混同しない

  • みなし再入国許可の有効期間を出国前に確認する

みなし再入国許可は事前申請を原則不要とする便利な制度ですが、「何もしなくても自動的に再入国できる制度」ではありません。出国時の意思表明と、利用者に応じた証明書の所持・提示、再入国期限の管理が重要です。また、通常の再入国許可とは有効期間などが異なるため、海外滞在の予定に合わせて確認する必要があります。

出国審査の際にみなし再入国許可を利用する意思を明確にする

出国時には、自分が「みなし再入国許可によって一時的に出国する」という意思を明確にして手続を行う必要があります。

具体的には、再入国出国記録の所定欄にチェックし、出国審査を担当する入国審査官へ提示するとともに、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えます。

中長期在留者は在留カードを提示します。特別永住者については、特別永住者証明書を所持して出国し、出国確認の際に提示する必要があります。

空港では搭乗手続や保安検査、手荷物への対応などで慌ただしくなりがちです。

しかし、出国審査は、再入国許可またはみなし再入国許可によって、従前の在留資格・在留期間に基づく再入国をするための重要な手続です。ただし、更新・変更申請の許可を保証するものではありません。

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請中の場合、みなし再入国許可で日本へ戻れることと、その申請が許可されることは別の問題です。

利用する制度と現在の申請状況を分けて理解しておきましょう。

通常の再入国許可とみなし再入国許可を混同しない

みなし再入国許可と通常の再入国許可は、同じ再入国に関する制度であっても仕組みが異なります。

通常の再入国許可は、日本を出国する前に申請し、許可を受ける制度です。一方、みなし再入国許可は、一定の要件を満たした人が出国時に所定の方法で再び入国する意思を表明することで利用する仕組みとなっています。

通常の再入国許可は、申請に基づいて許可される制度であり、許可期間は、現に有する在留期間の範囲内で、原則として最長5年です。特別永住者については、最長6年です。 出入国在留管理庁もこの期間を案内しています。

これに対し、一般のみなし再入国許可は原則として出国の日から1年間です。

特別永住者のみなし再入国許可は、出国の日から2年間となります。

海外への長期滞在が予定されている場合や、更新・変更申請中で帰国時期に不確定要素がある場合には、みなし再入国許可で足りるのか、通常の再入国許可を検討する必要があるのかを、出国前に整理することが大切です。

みなし再入国許可の有効期間を出国前に確認する

一般のみなし再入国許可の有効期間は、原則として出国の日から1年間です。

通常のケースでは、従前の在留期間の満了日が出国から1年を経過する前に到来する場合には、その在留期間との関係を確認する必要があります。

一方、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請中で、申請に係る処分が従前の在留期間の満了日までにされず、特例期間が適用される場合には別の整理が必要です。

この場合、出入国在留管理庁のQ&A上、みなし再入国許可による再入国期限は、「従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日」または「出国の日から1年」のいずれか早い日とされています。

つまり、「更新・変更申請をした」という事実だけで、この再入国期限が当然に適用されるわけではありません。

申請に対する処分が従前の在留期間満了日までにされず、特例期間に入るケースであることを確認したうえで判断する必要があります。

さらに、再入国できればそれで手続が完了するわけではありません。特例期間の終了前に、申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。

再入国期限と処分を受ける期限を分けて管理することが重要です。

在留期間更新・変更の申請中に知っておきたい3つの関係

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 在留期間更新許可申請中の特例期間とは何か

  • 在留資格変更許可申請中の特例期間とは何か

  • 特例期間中でもみなし再入国許可を利用できる場合がある

在留期間更新や在留資格変更を申請したものの、申請に対する処分が従前の在留期間の満了日までに行われないことがあります。一定の要件を満たす場合に関係するのが「特例期間」です。申請しただけで無条件に2か月の在留期間が付加される制度ではありません。また、海外渡航を伴う場合には、再入国期限と申請先で処分を受ける期限をそれぞれ確認する必要があります。

在留期間更新許可申請中の特例期間とは何か

在留期間更新許可申請を従前の在留期間満了前に行い、その申請に対する処分が在留期間満了日までに行われない場合には、一定の条件のもとで従前の在留資格による在留を継続できる制度があります。

これが一般に「特例期間」と呼ばれる仕組みです。

一定の場合には、申請に対する処分がされる時または従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する時のいずれか早い時まで、引き続き従前の在留資格をもって日本に在留することができます。出入国在留管理庁も、在留カード上の申請中表示などとあわせて、この特例期間の仕組みを案内しています。

ただし、「更新申請をしたから必ず2か月間在留できる」という意味ではありません。

申請に対する処分がされた場合は、その処分の内容に従って在留資格・在留期間等を確認する必要があり、特例期間を前提に在留を続けることはできません。

また、処分がされないまま従前の在留期間満了日から2か月を経過することもできません。

特例期間の終了前に、申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。

在留資格変更許可申請中の特例期間とは何か

在留資格変更許可申請についても、一定の場合には、従前の在留期間が満了した後も申請に対する処分がされるまで従前の在留資格で在留を継続できる特例があります。

たとえば、「留学」から就労可能な在留資格へ変更する場合など、現在の在留資格から別の在留資格への変更申請中に従前の在留期間満了日を迎えるケースが考えられます。

ここで重要なのは、特例期間が「申請した新しい在留資格をすでに取得している期間」ではないことです。

申請中は、あくまで変更許可に関する処分を待っている状態であり、申請が許可されることまで保証されているわけではありません。

また、申請に対する処分がされた場合は、その処分の内容に従って在留資格・在留期間等を確認する必要があり、特例期間を前提に在留を続けることはできません。

海外へ出国する場合には、更新・変更申請中であることとは別に、みなし再入国許可または通常の再入国許可の要件を確認する必要があります。

出国方法、再入国期限、申請先で処分を受ける期限を一体として整理することが大切です。

特例期間中でもみなし再入国許可を利用できる場合がある

在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請中であっても、一定の場合には再入国許可やみなし再入国許可を利用して出国することができます。

ただし、申請中であることだけで、みなし再入国許可を利用できるわけではありません。

有効な旅券、中長期在留者であれば在留カードの所持、対象外事由に該当しないこと、出国時に再び入国する意思を所定の方法で表明することなど、みなし再入国許可そのものの要件も満たす必要があります。

さらに、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請中で、申請に係る処分が従前の在留期間の満了日までにされない場合には、出入国在留管理庁のQ&A上、みなし再入国許可による再入国期限は、「従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日」または「出国の日から1年」のいずれか早い日とされています。

そして、再入国しただけで手続が完了するわけではありません。

特例期間の終了前に、申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。再入国しただけで、特例期間終了後も当然に在留できるわけではありません。

出入国在留管理庁Q&Aは、再入国後、従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する前に申請先へ行き、申請の結果を受け取るよう案内しています。さらに、従前の在留期間の満了の日から2か月を経過すると、申請をしていても不法残留となるため、期限内に申請先で処分を受ける必要があります。

したがって、特例期間中の海外渡航では、

  • 日本へ再入国できる期限

  • 申請先で申請に対する処分を受ける期限

を明確に分けて管理することが重要です。

特例期間中の海外渡航で注意したい3つのリスク

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 出国できることと安心して長期間海外に滞在できることは別問題

  • 審査結果や追加資料への対応が必要になる可能性がある

  • 再入国の時期が遅くなるほど手続上の不確実性が高まる

特例期間が適用される場合でも、一定の要件を満たせば海外へ出国することは可能です。しかし、「法律上出国できる」ということだけで渡航日程を決めるのは適切ではありません。在留審査は海外滞在中も進む可能性があり、再入国期限とは別に、特例期間終了前に申請先で処分を受ける必要もあります。

出国できることと安心して長期間海外に滞在できることは別問題

特例期間中にみなし再入国許可を利用できる場合があるとしても、それは長期間海外に滞在しても問題が生じないことを保証するものではありません。

海外渡航には、航空便の欠航、体調不良、家族事情、現地での交通障害など、予定どおり帰国できなくなる要因があります。

通常の旅行であれば数日の遅れで済む場合でも、再入国期限や特例期間終了日が近いケースでは、その数日が在留上の大きな問題につながる可能性があります。

特に更新・変更申請中にみなし再入国許可で出国する場合は、所定の期限までに再入国することに加えて、再入国後、特例期間終了前に申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。

したがって、制度上の最終期限をそのまま「安心して海外にいられる最終日」と考えるのは適切ではありません。

帰国後の手続まで逆算し、予定変更が生じても対応できる余裕を確保することが重要です。

審査結果や追加資料への対応が必要になる可能性がある

在留期間更新や在留資格変更の申請をしている間も、審査は進みます。

申請内容によっては、審査の途中で追加資料の提出や事情確認への対応が必要になる場合があります。

出入国在留管理庁も、更新・変更申請中に出国することは可能としつつ、申請先の出入国在留管理局から審査手続に関連した連絡が来る可能性があるため、出国中でも連絡を取れる状態にしておくことが望ましいと案内しています。

本人が海外に長期間滞在していると、必要書類の準備、連絡への対応、帰国日の調整などが難しくなる可能性があります。

家族、勤務先、学校、申請を依頼した行政書士など、国内で連絡を確認できる人がいる場合には、海外滞在中の連絡方法も整理しておくとよいでしょう。

また、審査が進んだ場合には、特例期間終了前に申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。

「出国できるか」だけでなく、「海外にいる間に申請手続が進んだ場合に対応できるか」という視点も大切です。

再入国の時期が遅くなるほど手続上の不確実性が高まる

帰国予定日を再入国期限や特例期間終了日の直前に設定すると、予想外の事情が生じた場合に対応できる余地が小さくなります。

また、みなし再入国許可は、通常の再入国許可と同じように海外から有効期間を延長できる制度ではありません。

そのため、「期限が近づいたら海外で延長すればよい」という前提で渡航日程を組むことは避ける必要があります。

さらに、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請中で、申請に係る処分が従前の在留期間の満了日までにされない場合には、出入国在留管理庁のQ&A上、みなし再入国許可による再入国期限は、「従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日」または「出国の日から1年」のいずれか早い日とされています。

そして、再入国後にも期限があります。

特例期間の終了前、すなわち申請に対する処分がそれ以前にされない場合でも、従前の在留期間満了日から2か月を経過する前に、申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。

従前の在留期間満了日から2か月を経過すると、申請を行っていても不法残留となります。

したがって、

  • みなし再入国許可は海外から自由に延長できないこと

  • 特例期間が適用されるケースでは再入国期限があること

  • 再入国後にも申請先で処分を受ける期限があること

を分けて考えることが重要です。

可能な範囲で早めに再入国し、帰国後の在留手続にも余裕を残すことが、実務上のリスク管理につながります。

みなし再入国許可で出国する前に確認する3ステップ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 現在の在留期間と申請状況を確認する

  • 帰国予定日が制度上の期限内か確認する

  • 判断に迷う場合は出入国在留管理局などへ事前に確認する

海外渡航を予定している場合には、「空港で手続すれば大丈夫」と考えるのではなく、出国前に現在の在留状況を整理しておくことが大切です。特に更新・変更申請中の場合は、従前の在留期限、特例期間、再入国期限、帰国予定日、申請先で処分を受ける期限という複数の日付が関係します。

現在の在留期間と申請状況を確認する

最初に確認するのは、現在の在留資格と従前の在留期間満了日です。

そのうえで、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請をしている場合には、申請日と現在の審査状況も整理します。

最低限、次の事項は確認しておくと分かりやすくなります。

  • 現在の在留資格

  • 従前の在留期間満了日

  • 在留カードの状況

  • 申請している手続の種類

  • 申請日

  • 申請先の出入国在留管理局

  • 出国予定日

  • 再入国予定日

  • 特例期間が適用される場合の終了日

  • 申請に対する処分の状況

また、更新・変更申請中は、在留カード表面の在留期限だけでなく、申請中である旨の記載の有無や、オンライン申請の場合の申請受付に関する資料も確認してください。

地方出入国在留管理官署の窓口で申請した場合は、原則として在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されます。一方、オンライン申請では在留カード裏面に「申請中」の印が押印されないため、申請受付番号等が記載された受付完了メールなどによって申請中であることを確認する必要があります。

出入国在留管理庁は、オンライン申請後に特例期間となった場合、在留カードとあわせて申請受付番号が記載されたメールを携行するよう案内しています。

「申請中だから大丈夫」という一言で判断せず、客観的に申請中であることを確認できる資料まで整理しておくことが重要です。

帰国予定日が制度上の期限内か確認する

次に、予定している帰国日が制度上の再入国期限内であるかを確認します。

通常の一般的なケースでは、みなし再入国許可は原則として出国の日から1年間であり、従前の在留期間満了日との関係も確認する必要があります。

一方、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請中で、申請に係る処分が従前の在留期間の満了日までにされない場合には、出入国在留管理庁のQ&A上、みなし再入国許可による再入国期限は、「従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日」または「出国の日から1年」のいずれか早い日とされています。

この場合には、単純に在留カード表面に記載された従前の在留期間満了日だけを見て判断することはできません。

さらに、再入国できる期限と、申請に対する処分を受ける期限は別に確認する必要があります。

再入国後も、特例期間の終了前に、申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受けなければなりません。

したがって、

  • いつまでに日本へ再入国する必要があるか

  • 再入国後、いつまでに申請先で処分を受ける必要があるか

を分けて確認することが大切です。

帰国予定日が再入国期限の直前になる場合には、航空便の欠航や変更も考慮し、より慎重に日程を設定する必要があります。

判断に迷う場合は出入国在留管理局などへ事前に確認する

みなし再入国許可は一般的な制度ですが、実際に利用できるか、どの期限までに再入国する必要があるかは、現在の在留状況によって判断が必要になる場合があります。

とくに、

  • 従前の在留期間がすでに満了し、特例期間に入っている

  • 更新・変更申請に対する処分が近く行われる可能性がある

  • 長期間海外に滞在する予定がある

  • 帰国予定日が再入国期限に近い

  • 追加資料の提出や事情説明を求められている

  • オンライン申請後に出国する予定がある

  • 通常の再入国許可とみなし再入国許可のどちらを利用すべきか迷っている

といったケースでは、出国前に確認しておくことが重要です。

制度そのものについては、出入国在留管理庁や管轄の地方出入国在留管理局等に確認できます。

また、申請中の在留手続と海外渡航の日程を一緒に整理したい場合には、出入国在留管理業務を取り扱う行政書士などの専門家へ相談する方法もあります。

相談する際は、「海外へ行っても大丈夫ですか」とだけ伝えるのではなく、

  • 在留カード

  • 申請受付に関する資料

  • オンライン申請の場合は受付完了メール等

  • 従前の在留期間満了日

  • 申請日

  • 出国予定日

  • 帰国予定日

  • 海外滞在の目的と期間

などを整理しておくと、具体的な確認につながります。

まとめ|「出国できるか」だけでなく「いつ再入国するか」まで考える

今回のポイントは次の5つです。

  • みなし再入国許可は、有効な旅券を所持し、「3月」以下の在留期間または「短期滞在」に該当せず、対象外事由にも該当しない人が、出国時に所定の意思表明をすることで利用できる制度です。中長期在留者は在留カードを所持・提示する必要があり、特別永住者については特別永住者証明書を所持して出国し、出国確認の際に提示する必要があります

  • 「再び入国する意図の表明」は、再入国出国記録の所定欄にチェックして入国審査官に提示し、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えることによって行います。中長期在留者は在留カードを提示し、特別永住者は特別永住者証明書を提示します

  • 一般のみなし再入国許可は原則として出国の日から1年間です。特別永住者にもみなし再入国許可制度が適用されますが、有効期間は出国の日から2年間で、必要となる証明書も一般の中長期在留者等とは異なります

  • 在留期間更新・変更申請中で、申請に対する処分が従前の在留期間満了日までにされず特例期間が適用される場合、みなし再入国による再入国期限は「従前の在留期間満了日から2か月を経過する日」または「出国日から1年」のいずれか早い日です。再入国後も特例期間終了前に申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります

  • 帰国日を期限ぎりぎりに設定すると、航空便の欠航や審査手続への対応が難しくなる可能性があります。出国前に在留期限、申請状況、再入国期限、帰国後の処分手続まで一体として確認することが重要です

再び入国する意図は所定の方法で表明する

みなし再入国許可を利用するときの「再び入国する意図」は、本人が心の中で日本へ戻るつもりでいるだけでは足りません。

「再び入国する意図の表明」は、再入国出国記録の所定欄にチェックして入国審査官に提示し、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えることによって行います。中長期在留者は在留カードを提示します。

また、特別永住者については、特別永住者証明書を所持して出国し、出国確認の際に提示する必要があります。 出入国在留管理庁も、特別永住者がみなし再入国許可を希望する場合、旅券と特別永住者証明書を携帯し、出国確認時に提示するよう案内しています。

空港での出国審査は短時間で終わることが多いからこそ、事前に制度を理解し、必要書類と意思表明の方法を確認しておくことが重要です。

再入国出国記録のチェック内容まで自分で確認したうえで、出国審査を受けるようにしましょう。

特例期間中の出国では帰国時期にも注意する

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請の審査中であっても、一定の要件を満たす場合には、みなし再入国許可によって出国・再入国することができます。

ただし、申請中であることだけで、特例期間やみなし再入国許可の要件が当然に満たされるわけではありません。

在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請中で、申請に係る処分が従前の在留期間の満了日までにされない場合には、出入国在留管理庁のQ&A上、みなし再入国許可による再入国期限は、「従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日」または「出国の日から1年」のいずれか早い日とされています。

さらに、再入国できればそれで十分というわけではありません。

特例期間の終了前に、申請先の出入国在留管理局で申請に対する処分を受ける必要があります。再入国しただけで、特例期間終了後も当然に在留できるわけではありません。

従前の在留期間の満了の日から2か月を経過すると、申請をしていても不法残留となるため、期限内に申請先で処分を受ける必要があります。

特例期間中の海外渡航では、「いつ日本へ戻るか」と「帰国後いつまでに申請先で処分を受けるか」の双方を確認することが重要です。

不確実な事情がある場合は早めの再入国を検討する

制度上の期限まで余裕があるとしても、帰国日を期限直前に設定することには一定のリスクがあります。

航空便の欠航や変更、現地での病気やけが、家族事情、審査中の追加資料への対応など、出国時点では予測できない出来事が生じる可能性があるためです。

また、みなし再入国許可については、通常の再入国許可と同じように海外から自由に有効期間を延長できるわけではありません。

更新・変更申請中で特例期間が適用される場合には、再入国期限を守るだけでなく、帰国後に特例期間終了前の処分手続を行う時間も必要です。

そのため、「期限ぎりぎりでも法律上戻れるか」という視点だけでなく、「帰国が数日遅れた場合でも対応できるか」「帰国後に申請先で処分を受ける時間が残っているか」という視点を持つことが大切です。

在留期限、特例期間、再入国予定日、現在の申請内容が複雑に重なっている場合には、一般的な制度説明だけでは判断しにくいこともあります。

そのような場合は、航空券や出国日を確定させる前に、自分の在留状況を一度整理してみてください。必要に応じて出入国在留管理局や専門家へ確認することで、「みなし再入国許可を利用できるか」だけではなく、「いつまでに戻る必要があるか」「帰国後いつまでに処分を受ける必要があるか」「通常の再入国許可を検討したほうがよいか」といった具体的な判断につなげやすくなります。

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在留資格・外国人雇用の確認について

外国人の雇用や在留資格の手続きでは、現在の在留資格、業務内容、雇用契約の内容を整理することが大切です。事業者の方は、採用前の確認からご相談いただけます。

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