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コラム

在留資格申請で労働条件通知書が重要になる3つの理由

2026年8月19日

労働条件通知書を作成していても、それだけで在留資格申請の準備が十分とは限りません。仕事内容の書き方や給与条件、申請書との整合性など、確認す…

労働条件通知書を作成していても、それだけで在留資格申請の準備が十分とは限りません。仕事内容の書き方や給与条件、申請書との整合性など、確認すべき点は複数あります。「会社で普段使っている書式をそのまま出してよいのか」と迷うケースも少なくありません。本記事では、判断に迷いやすいポイントを順番に確認します。

在留資格申請で労働条件通知書が重要になる3つの理由

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 労働条件通知書は「雇う予定があること」だけを示す書類ではない

  • 仕事内容や給与などは在留資格との関係でも確認される

  • 労働法上の書類と在留資格申請の資料という2つの側面がある

労働条件通知書は、会社と外国人との雇用条件を明らかにする重要な書類です。使用者には、労働者を採用する際、賃金や労働時間など一定の労働条件を明示する義務があります。そのうえで在留資格申請では、労働条件通知書等が、外国人がどのような仕事を、どのような条件で行う予定なのかを確認する資料となる場合があります。

労働条件通知書は「雇う予定があること」だけを示す書類ではない

在留資格申請における労働条件通知書は、単に「この会社がこの外国人を採用します」と示すだけの資料ではありません。仕事内容、給与、契約期間など、実際に予定されている雇用の内容を確認する資料としての意味も持ちます。

出入国在留管理庁が公表している就労資格に関するQ&Aでは、申請に当たり、雇用予定者の業務内容、給与、雇用予定期間などの労働条件が明示された書類を提出することが案内されています。ここで重要なのは、「雇用契約書」という名称・形式の書類でなければならないという意味ではなく、必要な労働条件を確認できる書類を準備するという点です。

ただし、これは労働条件を明示する書面等そのものを作成・交付しなくてもよい、という意味ではありません。労働基準法上、使用者は労働者を採用するときに一定の労働条件を書面等で明示する必要があります。

つまり、「雇用契約書というタイトルの書類が必須か」と「労働条件を明示しなくてよいか」は別の問題です。在留資格申請でも、この二つを分けて理解しておく必要があります。

仕事内容や給与などは在留資格との関係でも確認される

就労を目的とする在留資格では、「外国人を雇用すること」だけでなく、予定されている活動が申請する在留資格に該当するかが重要になります。

そのため、労働条件通知書等に記載する業務内容は、単なる社内上の職種名ではなく、実際にどのような仕事を担当するのかが分かる内容になっているか確認する必要があります。

たとえば「営業」「事務」「エンジニア」といった職種名だけでは、実際の業務を十分に説明できないことがあります。同じ「営業」であっても、海外取引先との交渉や市場調査を担当する場合と、店舗で販売業務を担当する場合では、具体的な活動内容が異なるためです。

給与や雇用予定期間についても、就労資格に関する申請資料として確認される事項に含まれます。出入国在留管理庁のQ&Aでも、業務内容、給与、雇用予定期間等の労働条件が明示された書類について案内されています。

採用条件としては問題がないと思っていても、在留資格という観点から見ると説明が足りないことがあります。労働条件通知書を作成した段階で終わりにせず、申請する在留資格との関係まで確認することが大切です。

労働法上の書類と在留資格申請の資料という2つの側面がある

労働条件通知書については、労働法上の「労働条件の明示」と、在留資格申請上の「雇用内容を説明する資料」という二つの側面を分けて考えると理解しやすくなります。

労働基準法第15条に基づき、使用者は労働者を採用する際、賃金、労働時間その他の一定の労働条件を明示しなければなりません。一定の事項については書面の交付による明示が必要であり、労働者が希望した場合にはFAXや電子メール等による方法も認められています。

また、2024年4月からは労働条件明示のルールが改正され、就業場所・業務について「雇入れ直後」だけでなく「変更の範囲」など、新たな明示事項が追加されています。厚生労働省は改正後のルールに対応したモデル労働条件通知書も公開しています。

一方、在留資格申請では、その労働条件通知書等が、外国人の予定する業務や給与、雇用期間などを確認する資料として用いられる場合があります。

したがって、「労働法上必要な明示ができているか」と「在留資格申請の内容を適切に説明できているか」の両方を確認する必要があります。

労働条件通知書で確認しておきたい5つのポイント

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 従事する業務内容が具体的に記載されているか

  • 就業場所と変更の範囲が明確になっているか

  • 契約期間と更新に関する条件が整理されているか

  • 給与などの労働条件が実際の採用条件と一致しているか

  • 申請書や会社側の説明資料と内容が食い違っていないか

労働条件通知書を確認するときは、一つひとつの記載事項を見るだけでは十分ではありません。「実際の雇用条件と合っているか」「他の申請資料と整合しているか」という横断的な確認も必要です。特に次の5つは、提出前に見直しておきたいポイントとなります。

従事する業務内容が具体的に記載されているか

在留資格申請との関係で特に確認したいのが、業務内容です。

たとえば労働条件通知書に「営業」「事務」「エンジニア」とだけ書かれていても、実際に何をする仕事なのかまでは分からない場合があります。同じ「営業」という名称でも、海外取引先との交渉を担当するのか、店舗で販売業務を行うのかでは、実際の活動内容が異なります。

そのため、職種名だけを見て判断するのではなく、外国人が入社後に担当する具体的な仕事内容を確認しておくことが重要です。

また、申請書や理由書、会社側の説明資料などで仕事内容を詳しく説明している場合は、その内容と労働条件通知書との間に矛盾がないかも確認します。

「会社ではこの職種名を使っているから」という理由だけで記載を決めるのではなく、予定している業務を正確に表しているかという視点で見直すことが大切です。

就業場所と変更の範囲が明確になっているか

就業場所についても、実際の勤務予定と労働条件通知書の記載を一致させる必要があります。

2024年4月から施行された労働条件明示ルールの改正により、労働契約の締結・更新時には、就業場所と業務について、雇入れ直後の内容に加えて「変更の範囲」を明示することが必要となりました。

たとえば、本社で採用手続をしていても、実際には別の事業所で勤務する予定であれば、その勤務場所を正確に把握しておかなければなりません。採用後に勤務場所が変更される可能性がある場合には、労働条件としてどの範囲まで想定しているのかも整理します。

在留資格申請でも勤務先に関する情報を記載する場合があります。労働条件通知書だけを見るのではなく、申請書その他の資料に記載した勤務先とも照合しておくと、食い違いを防ぎやすくなります。

契約期間と更新に関する条件が整理されているか

期間の定めがある労働契約では、契約期間と更新に関する条件を確認しておきます。

たとえば「1年間」とするのであれば、契約の開始日と終了日が予定している入社時期と整合しているかを確認します。また、契約を更新する可能性がある場合には、その取扱いが労働条件通知書に適切に反映されているかも重要です。

2024年4月からの労働条件明示ルールでは、有期契約労働者について、更新上限の有無とその内容などに関する明示事項も追加されています。

一方、在留資格の「在留期間」と雇用契約上の「契約期間」は同じ概念ではありません。そのため、希望する在留期間に合わせる目的だけで雇用契約の期間を決めるのではなく、実際の雇用予定に基づいて労働条件を定めることが基本です。

会社と本人が合意した実際の契約内容を正確に反映し、その条件を前提として申請内容を整理する必要があります。

給与などの労働条件が実際の採用条件と一致しているか

給与は、労働条件通知書だけでなく、求人票、採用通知、社内の稟議資料などにも記載されていることがあります。そのため、書類ごとに金額や条件が違っていないか確認しておくことが重要です。

特に注意したいのは、基本給と各種手当を含めた金額の扱いです。たとえば「月給25万円」と説明していても、労働条件通知書では基本給20万円と手当5万円に分かれている場合があります。このようなケースでは、それぞれの書類が何を示しているのか整理しておかなければ、外から見たときに食い違っているように見えることがあります。

賞与や固定残業代などを設定している場合も、実際の給与制度に沿った記載が必要です。

申請用に数字を合わせるのではなく、会社と外国人との間で確定している現実の労働条件を基準に、申請資料へ正確に反映させることが重要となります。

申請書や会社側の説明資料と内容が食い違っていないか

労働条件通知書そのものに問題がなくても、他の申請資料と内容が一致していなければ確認が必要です。

たとえば、労働条件通知書では「海外営業」、申請書では「一般事務」となっていた場合、実際に担当する仕事がどちらなのか分かりにくくなります。勤務先、入社予定日、給与、契約期間なども同様です。

こうした食い違いは、必ずしも意図的に生じるものではありません。採用担当者、人事担当者、申請書類を作成する担当者が異なる会社では、それぞれが別の時点の情報をもとに書類を作成した結果、内容がずれることがあります。

提出直前になって一つずつ書類を見るのではなく、申請人ごとに関係資料を並べ、同じ項目を横に比較すると確認しやすくなります。

重要なのは書類上の文言だけを機械的にそろえることではありません。実際の雇用条件という一つの事実を、それぞれの資料が矛盾なく説明している状態にすることです。

労働条件通知書と雇用契約書で迷ったときの3つの考え方

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 労働条件通知書と雇用契約書は何が違うのか

  • 在留資格申請ではどちらを提出するのか

  • 会社で普段使っている書式をそのまま提出してよいのか

「労働条件通知書と雇用契約書はどちらを準備すればよいのか」は、在留資格申請で迷いやすいポイントです。ここでは、「労働条件を明示する法的義務」と「在留資格申請で提出する書類の名称・形式」を混同しないことが重要になります。それぞれの書類の性質と、申請で何を明らかにする必要があるのかを分けて整理します。

労働条件通知書と雇用契約書は何が違うのか

労働条件通知書と雇用契約書には似た内容が記載されることがありますが、その性質は同じではありません。

労働条件通知書は、使用者が労働者に対して労働条件を明示するために交付する書面です。労働基準法第15条により、使用者には採用時に賃金や労働時間など一定の労働条件を明示する義務があり、そのうち一定の事項は書面等によって明示しなければなりません。したがって、労働条件の明示そのものは、会社の判断で省略できるものではありません。

一方、一般に「雇用契約書」と呼ばれる書類は、会社と労働者が合意した雇用条件を契約書の形で確認するものです。実務では、双方が署名する雇用契約書を作成する会社もあれば、「労働条件通知書兼雇用契約書」という形式を使用する会社もあります。

このため、「雇用契約書というタイトルの双方署名型の書類を必ず作らなければならないか」という問題と、「法律上必要な労働条件の明示を行わなければならないか」という問題は分けて考えなければなりません。

在留資格申請でも、この違いを理解していないと、「雇用契約書は必須ではない」という説明を「労働条件を明示する書類自体を作らなくてもよい」という意味に誤解するおそれがあります。

大切なのは書類のタイトルではなく、労働法上必要な明示を適切に行ったうえで、在留資格申請に必要な内容を確認できる資料を準備することです。

在留資格申請ではどちらを提出するのか

在留資格申請で提出すべき資料は、申請する在留資格や手続の種類などによって異なるため、まず該当する申請の提出資料を確認する必要があります。

この点について、出入国在留管理庁の就労資格に関するQ&Aでは、「雇用契約書」という形式の書面であること自体を必須とはせず、申請に当たっては、業務内容、給与、雇用予定期間等の労働条件が明示された書類を提出することが案内されています。つまり、必要事項を確認できる労働条件通知書等であれば、申請資料として用いることができるという趣旨です。

ここで注意したいのは、「雇用契約書でなくてもよい」という説明を、「労働条件通知書等も用意しなくてよい」という意味に取り違えないことです。

労働基準法上、使用者には一定の労働条件を明示する義務があります。厚生労働省も、使用者が労働者を採用するときには、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければならないと案内しています。

したがって、整理すると次のようになります。

  • 「雇用契約書」という名称・形式の書面でなければならないとは限らない

  • だからといって、労働条件の明示自体が不要になるわけではない

  • 在留資格申請では、業務内容、給与、雇用予定期間など、必要な労働条件を確認できる書類を準備する

  • 実際に何を提出するかは、申請する在留資格・手続について最新の案内を確認する

名称だけを見て「雇用契約書か、労働条件通知書か」の二者択一で考えるより、まず労働条件明示の義務を適切に果たし、そのうえで入管手続上必要な内容を備えた資料になっているかを確認することが重要です。

会社で普段使っている書式をそのまま提出してよいのか

会社で普段使用している労働条件通知書を在留資格申請に利用できる場合はあります。ただし、「社内でいつも使っているから、そのままで問題ない」とは限りません。

まず確認したいのは、その書式が現在の労働条件明示ルールに対応しているかどうかです。厚生労働省は、2024年4月からの改正内容を反映したモデル労働条件通知書を公開しており、就業場所や業務の変更の範囲などについても明示欄が設けられています。

古くから使用している社内書式の場合、法改正後に追加された明示事項が反映されていないことも考えられるため、様式そのものの点検も必要です。

さらに、労働法上必要な事項が記載されていることと、在留資格申請の資料として仕事内容などが十分に伝わることは別の問題です。

たとえば、社内書式に「営業職」とだけ記載する運用で労務管理上対応していたとしても、在留資格申請では具体的にどのような業務へ従事するのかを、他の資料を含めて説明する必要が生じる場合があります。

したがって、普段の書式を利用するときこそ、

  • 現行の労働条件明示ルールに対応しているか

  • 実際に合意している労働条件が正確に反映されているか

  • 在留資格申請の他の資料と内容が一致しているか

  • 予定する業務の内容が申請資料全体から十分に分かるか

という複数の視点から確認することが大切です。

在留資格申請前に防ぎたい3つの労働条件通知書の食い違い

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 労働条件通知書と申請書で仕事内容が違っている

  • 労働条件通知書と求人・採用時の説明で給与などが違っている

  • 実際に予定している働き方を通知書だけでは読み取れない

在留資格申請の書類は、それぞれ独立して存在するものではありません。同じ雇用について説明する以上、資料全体として内容がつながっている必要があります。ここでは、実務上見落としやすい3つの食い違いを確認します。

労働条件通知書と申請書で仕事内容が違っている

特に注意したいのが、仕事内容の表現が書類によって異なるケースです。

たとえば、採用担当者が作成した労働条件通知書には「営業職」、申請担当者が作成した在留資格申請書には「翻訳・通訳業務」と記載されているとします。実際に両方の業務を担当する予定だったとしても、書類だけを見ると仕事内容が一致していないように見える可能性があります。

このようなケースでは、どちらか一方の言葉に機械的に合わせればよいわけではありません。実際に担当する業務を整理したうえで、それぞれの書類が同じ雇用実態を矛盾なく説明できているか確認する必要があります。

また、労働条件通知書は労働者に対して労働条件を明示するための書面です。入管提出用に実態とは異なる仕事内容へ書き換えるような対応をするのではなく、実際に会社と本人との間で予定・合意している業務を正確に反映させることが前提となります。

申請書を完成させてから労働条件通知書を確認するのではなく、早い段階で仕事内容を具体化し、会社と申請人との認識も合わせておくと、後からの修正を減らせます。

労働条件通知書と求人・採用時の説明で給与などが違っている

採用活動から労働契約の締結までの間に条件が変更されることはあります。その場合、古い求人票や採用時の説明と、最終的な労働条件通知書で給与などが異なることも考えられます。

問題は、単純に書類の数字だけが違うことではなく、「最終的にどの条件で雇用することになったのか」が整理されていない状態です。

たとえば、求人時には月給24万円だったものの、選考を経て最終的に26万円で合意したのであれば、労働条件通知書には実際に確定した条件を反映し、在留資格申請の資料にも同じ前提を用いる必要があります。

反対に、申請上都合がよい数字に見せるため、労働条件通知書上の金額だけを実際の合意内容と異なる額に変更することは適切ではありません。

労働条件通知書は、単なる入管提出用資料ではなく、労働基準法上の労働条件明示にも関わる書類です。

採用条件と在留資格申請を別々の作業として進めるのではなく、会社と外国人との間で確定した最新の労働条件を一つの基準として管理することが、食い違い防止につながります。

実際に予定している働き方を通知書だけでは読み取れない

労働条件通知書の記載事項を満たしていても、それだけでは在留資格申請で確認したい具体的な仕事内容を十分に読み取れない場合があります。

たとえば「企画業務」と記載されていても、どのような商品やサービスについて、どのような知識を用いて企画するのかまでは分かりません。会社内では当たり前に理解できる職種名でも、会社の外から見ると具体的な仕事内容が伝わらないことがあります。

だからといって、労働条件通知書を「入管向けの説明書」に変えてしまえばよいわけではありません。

労働条件通知書には労働条件を正確に明示し、そのうえで在留資格申請上さらに説明が必要な事項があれば、申請書や会社側の説明資料などを含めて補うという考え方が適切です。

重要なのは一枚の書類にすべてを書き込むことではなく、申請資料全体から「誰が、どこで、どのような仕事を、どのような労働条件で行うのか」が一貫して読み取れる状態にすることです。

提出前に確認する3つのステップ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 申請する在留資格と提出が必要な資料を確認する

  • 労働条件通知書と他の申請資料・実際の雇用条件を照合する

  • 判断に迷う場合は出入国在留管理庁や専門家に確認する

労働条件通知書を作成した後は、「必要事項が埋まっているか」だけで確認を終えないことが大切です。申請する在留資格、他の提出資料、実際の雇用内容という3つの視点から順番に確認すると、見落としを減らしやすくなります。

申請する在留資格と提出が必要な資料を確認する

最初に確認するのは、自分が行う申請で何が必要なのかです。

在留資格申請の提出資料は、申請する在留資格や、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請といった手続の違いなどによって異なる場合があります。

また、出入国在留管理庁が示す就労資格に関するQ&Aでは、雇用契約書という名称・形式に限定せず、業務内容、給与、雇用予定期間等の労働条件が明示された書類を申請に当たって提出することが案内されています。

この説明は、「労働条件を明示しなくてもよい」という意味ではありません。使用者には労働基準法上の労働条件明示義務があることを前提として、入管へ提出する資料が「雇用契約書」という名称でなければならないわけではない、と整理する必要があります。

そのため、以前別の外国人を採用したときの書類一式を、そのまま今回も使用できるとは限りません。

まず今回の申請について最新の提出資料を確認し、そのうえで、自社が交付する労働条件通知書等が必要な内容を備えているかを確認することが基本です。

労働条件通知書と他の申請資料・実際の雇用条件を照合する

次に、労働条件通知書を単独でチェックするのではなく、他の申請資料と並べて確認します。

特に確認しておきたいのは、仕事内容、勤務先、給与、契約期間、入社予定日などです。同じ事項が複数の書類に記載されている場合は、表現や数字に食い違いがないか照合します。

さらに重要なのが、書類同士だけを一致させて終わらないことです。

確認の基準となるのは、会社と外国人との間で実際に予定・合意している労働条件です。その事実を正確に労働条件通知書等へ反映し、さらに在留資格申請書類も同じ事実を前提として作成する必要があります。

つまり、

実際の雇用条件 → 労働条件通知書等 → 在留資格申請資料

という流れで確認するのが基本となります。

書類同士に食い違いが見つかった場合も、「どちらかへ文言を合わせれば終わり」と考えるのではなく、そもそも実際の仕事内容や給与等が何であるのかまで戻って確認することが大切です。

判断に迷う場合は出入国在留管理庁や専門家に確認する

必要書類を確認しても、自社のケースにどの資料が必要なのか、仕事内容の記載が在留資格との関係で適切なのか判断しにくいことがあります。

その場合は、曖昧なまま書類を作って提出するのではなく、確認できる段階で整理することが重要です。

在留資格ごとの一般的な必要書類や手続については、出入国在留管理庁が案内しています。就労資格についても、雇用予定者の業務内容、給与、雇用予定期間など、申請時に確認される労働条件に関するQ&Aが公表されています。

一方、「この具体的な仕事内容は予定している在留資格に該当するのか」「会社で作成した労働条件通知書と申請書類の内容をどのように整理すればよいのか」など、個別事情を前提とした検討が必要な場合には、在留資格申請を取り扱う行政書士などの専門家へ相談する方法があります。

また、労働条件の明示方法や労働法上の取扱いそのものについて確認が必要な場合には、労働基準監督署など労働関係の窓口や、社会保険労務士などの専門家へ確認するという切り分けも必要です。

在留資格と労働法は密接に関係しますが、同じ制度ではありません。「入管へ何を出すか」と「雇用主としてどのような労働条件明示が必要か」を分けたうえで、両方に矛盾が生じないよう整理することが重要です。

まとめ

  • 労働条件通知書等は、在留資格申請で業務内容や給与、雇用期間などを確認する資料となる場合があります

  • 「雇用契約書」という名称・形式の書類が必須ではない場合でも、労働基準法上の労働条件明示義務がなくなるわけではありません

  • 労働条件通知書と雇用契約書は性質が異なるため、書類の名称だけではなく、それぞれの役割と内容を理解することが重要です

  • 仕事内容、給与、勤務先、契約期間などは、労働条件通知書・申請書類・実際の雇用条件を横断して確認する必要があります

  • 自社のケースで判断しにくい点があれば、提出前に出入国在留管理庁や内容に応じた専門家へ確認する方法があります

労働条件通知書は、単に「在留資格申請のために用意する書類」ではありません。まず、使用者が労働者に労働条件を明示するという労働法上の役割があり、その書類が在留資格申請では雇用内容を確認する資料としても使われる場合があります。

そのため、「雇用契約書を作るべきか、労働条件通知書でよいのか」という書類の名称だけに目を向けると、本当に確認すべき点を見落としかねません。

重要なのは、実際に予定している仕事内容や給与などの労働条件が適切に明示され、それと在留資格申請の内容が一致していることです。

「書類は一通りそろっているものの、この仕事内容の書き方でよいのか」「会社で使っている労働条件通知書をそのまま提出できるのか」「申請書との表現の違いが問題にならないか」といった疑問が残っている場合は、書類を提出する前に一度全体を整理する意味があります。

一つひとつの書類だけを見るのではなく、実際の雇用条件、労働条件通知書等、在留資格申請資料の3つが同じ事実を説明できているかという視点で確認することが、適切な申請準備につながります。

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