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建設業法・元請の施工体制

一括下請負(丸投げ)とは?
元請が確認したい実質的関与と施工体制

工事を協力会社へ広く発注する予定があるとき、確認したいのは下請金額や自社施工率だけではありません。対象工事について、元請が何を計画し、誰が工程・品質・安全を管理し、下請会社へどのような指導を行うのかを整理することが大切です。

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最初に押さえたい考え方
一括下請負は、一社へ発注したか、外注割合が何%かという外形だけで決まるものではありません。請負契約単位・工事一件ごとに、発注範囲と元請の実質的関与を組み合わせて確認します。

図解:一括下請負を確認する基本の順序
1
対象工事を特定する

会社全体ではなく、確認する請負契約と工事範囲を明確にします。

2
下請へ発注する範囲を確認する

全部、主たる部分、独立して機能する工作物の工事に当たるかを整理します。

3
元請の実質的関与を確認する

施工計画、工程、品質、安全、技術的指導を誰が主体的に行うかを見ます。

4
許可・技術者・記録を横断確認する

特定建設業許可、監理技術者、専任要件、必要書類を別々に確認します。

一括下請負とは工事の実質的な丸投げを禁止するルール

建設業法第22条は、建設業者が請け負った建設工事を、いかなる方法によるかを問わず一括して他人に請け負わせることを原則として禁止しています。工事を一括して任せた側だけでなく、当該建設業者の請け負った建設工事を一括して引き受けた側も規制の対象です。

国土交通省の通知では、元請負人が施工へ実質的に関与していると認められる場合を除き、次のいずれかに当たると一括下請負になると整理されています。

  • 請け負った建設工事の全部または主たる部分を一括して他の業者へ請け負わせる場合
  • 工事の一部分であっても、他の部分から独立して機能を発揮する工作物の建設工事を一括して他の業者へ請け負わせる場合

したがって、請負契約単位・工事一件ごとに、これらの工事を一括して他人に請け負わせ、かつ元請がその施工へ実質的に関与していない場合に、一括下請負となります。

「主たる部分」は金額だけでは決まらない

主たる部分に当たるかどうかは、元請の主観や下請金額の比率だけでは決まりません。工事内容、目的物の構成、施工方法などを踏まえ、客観的に見て施工において主体的な役割を果たす部分かどうかによって判断します。

専門工事を下請へ発注すること自体が直ちに禁止されるわけではありません。専門工事業者を活用する場合でも、元請が対象工事全体を自ら総合的に企画、調整及び指導し、各管理業務に主体的な役割を果たしていることが重要です。

実質的関与は工事全体への主体的な関わりで確認する

元請が対象工事全体について、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、技術的指導などを自ら行い、それぞれの業務に主体的な役割を果たすとともに、工事全体を自ら総合的に企画、調整及び指導している場合は、一括下請負には該当しません。

資材の一部を購入した、現場へ時折足を運んだ、会議へ形式的に出席した、写真や報告書を受け取ったという事情があっても、それだけで実質的関与が当然に認められるわけではありません。個々の行為の有無ではなく、対象工事全体について継続的かつ総合的に役割を果たしているかを確認します。

判断は工事一件ごとです
別の工事で自社施工をしていることや、会社全体に施工管理部門があることだけで、今回の工事への実質的関与を説明できるわけではありません。

元請だけでなく引き受けた下請も対象になる

典型例として、協力会社が対象工事の全部を任され、施工計画、工程、品質、安全、他業者との調整を実質的に一手に担い、元請は発注者との契約や請求だけを行っているケースが挙げられます。

もっとも、これらの事情があるだけで直ちに結論が出るわけではありません。対象工事について、元請と下請のどちらが各管理業務を実際に担い、元請が総合的な企画、調整及び指導に主体的な役割を果たしているかをあわせて確認します。親会社から子会社への発注でも、別法人である以上、実質的関与がなければ一括下請負に該当し得ます。

丸投げと判断される可能性が高まる3つの発注パターン

全部を一社へ任せる

元請が契約・請求だけを担当し、協力会社が施工と管理を一体的に担う状態です。

主たる部分をまとめて任せる

目的物の主要な施工と工事全体の管理を一社へ任せる状態です。

複数社でも管理を手放す

特定の一社へ全体調整を任せる、または各社へ管理を任せきる状態です。

請け負った工事の全部を一社の協力会社へ任せている

元請が受注した工事の全部を一社へ任せ、かつ対象工事の施工へ実質的に関与していない場合は、一括下請負に該当します。元請は発注者との契約や請求だけを担当し、協力会社が施工方法、全体工程、人員配置、品質、安全、不具合対応、他業者との調整を一体的に決定・管理している状態は典型例です。

ただし、各事情が一つあるだけで直ちに決まるわけではありません。元請が対象工事全体を自ら総合的に企画、調整及び指導し、主体的に役割を果たしているかをあわせて確認します。自社に職人がいないことも、それだけで一括下請負になる理由ではありません。

工事の主たる部分をまとめて下請会社へ任せている

工事の主たる部分を一社へ任せ、元請がその施工へ実質的に関与していない場合も一括下請負に該当します。主たる部分は、工事内容、目的物の構成、施工方法などを踏まえて客観的に判断します。

元請が清掃、資材の一部手配、請求のみを担当し、目的物の施工と全体管理を下請会社へ任せている場合は、役割分担を丁寧に確認する必要があります。専門工事を発注する場合も、元請が工種間の工程、品質、安全を主体的に調整・管理することが大切です。

複数社へ分割していても元請が施工管理を行っていない

複数社へ分割発注したという外形だけで違法になるものではありません。一方、特定の一社が全体工程、他社への指示、品質、安全、現場調整を取りまとめ、元請は結果の報告を受けるだけであれば、実質的な元請機能を任せていると評価されるおそれがあります。

取りまとめ会社が存在しなくても、元請が各社の施工を把握せず、工程・品質・安全を各社へ個別に任せきっている場合は注意が必要です。元請が全体工程、工種間調整、施工報告、統一方針、協議事項、是正指示を主体的に担っているかを確認しましょう。

一括下請負の判断を左右する元請の「実質的関与」

実質的関与は、契約書や組織図に担当者名があるかではなく、対象工事の現場で誰が計画し、判断し、調整し、指導したかによって確認します。

契約書だけでなく現場の管理実態を確認する

契約書に「元請が施工管理を行う」と記載されていても、下請会社が工程、品質、安全、施工方法を実質的に判断・調整している場合は、契約と施工実態が一致していません。さらに、元請が対象工事全体を自ら管理せず、総合的な企画、調整及び指導を行っていない場合は、一括下請負の問題につながります。

元請に求められる主な役割は、施工計画、全体の進捗確認、下請会社間の工程調整、施工報告の確認、必要な立会い、品質・安全管理、技術的指導、発注者との協議、下請会社からの協議事項への判断です。

会議への形式的な出席、写真の受領、単発的な現場訪問だけでは、実質的関与が当然に認められるわけではありません。複数の管理行為を、対象工事全体について主体的、総合的かつ継続的に行う必要があります。

単に現場に技術者を置いているだけでは足りない

主任技術者や監理技術者を形式的に配置し、氏名を必要書類へ記載しているだけでは十分ではありません。必要な資格を有し、所属建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係にある適格な技術者が、対象工事を把握し、具体的な職務を遂行する必要があります。

下請会社が施工方法や工程変更を決め、元請の技術者には事後報告だけが行われる状態は、実質的関与を欠くおそれが高い典型例です。本質は事後報告という形式ではなく、元請が工事全体を自ら管理・判断していない点にあります。

自社に職人がいなくても元請の役割は残る

自社に職人がいないことや直接施工をしないことだけで、一括下請負に該当するわけではありません。ただし、施工を外注しても、元請として対象工事全体を総合的に企画、調整及び指導する役割は残ります。

自社施工を行わない元請は、施工計画、下請範囲、全体工程、施工報告、検査・立会い、品質・安全方針、技術的指導、発注者との協議結果の反映を担える体制を受注前に確保しましょう。

元請会社が施工前に確認したい6つの管理項目

確認項目 元請が整理したい内容
施工計画 誰が原案を作り、誰が検討・修正・最終決定するか
工程管理 全体工程、工種間調整、遅延時の判断を誰が担うか
品質管理 確認時期、検査、補修方法、再検査を誰が判断するか
安全管理 危険の把握、連絡調整、巡視、是正を誰が行うか
技術者 資格、雇用関係、配置区分、専任・兼任、職務実態
指導・是正 下請提案の審査、変更承認、是正指示の方法

施工計画を自社で検討し工事全体の方針を決めているか

下請会社が作成した施工計画を形式的に承認するだけでは十分ではありません。元請は、契約、設計図書、工期、現場条件、材料、施工順序を踏まえ、対象工事全体の基本方針を主体的に検討します。原案作成者、元請側の検討者、修正内容、最終決定者、変更時の承認者を明確にしましょう。

下請各社の作業内容と工程を把握し調整しているか

工程表を提出してもらうだけでなく、元請が全体の進捗を確認し、作業順序、資材搬入、検査、他工種との取り合いを調整する必要があります。下請会社同士で調整させ、元請が結果だけを聞く体制では、実質的関与を欠くおそれがあります。

施工状況を確認し品質上の問題へ対応しているか

完成後に写真や報告書を受け取るだけでなく、施工中の確認や必要な立会いを行います。不具合が見つかった場合は、原因、影響範囲、補修方法、工程への影響、再検査、発注者への報告を元請が確認・判断しましょう。

安全管理の方針を定め必要な指導をしているか

元請は、工事全体の危険要因を把握し、安全方針、作業間の連絡調整、巡視、設備・仮設物の確認、是正、緊急連絡、工程変更時の危険見直しを行います。安全書類の受領や朝礼への形式的な参加だけでなく、改善結果まで確認することが大切です。

主任技術者・監理技術者を適切に配置しているか

ここでは、特定建設業許可が必要かという許可要件、主任技術者と監理技術者のどちらを配置するかという配置要件、専任または兼任の可否という要件を分けて確認します。これらは相互に関係しますが、同一ではありません。

発注者から直接請け負った工事について、当該工事の施工のために締結する下請契約の請負代金総額が、一般工事では5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合、元請には原則として特定建設業許可が必要です。発注者から直接工事を請け負った特定建設業者がこの基準額以上の下請契約を締結して施工する場合は、主任技術者に代えて監理技術者を配置します。

特定建設業許可を持っているだけで、すべての元請工事に自動的に監理技術者が必要になるわけではありません。また、専任要件は、建設業法第26条、同法施行令、監理技術者制度運用マニュアル等に基づく別の判断です。許可の金額基準、配置区分、専任・兼任要件を混同しないようにしましょう。

金額基準は契約時点で再確認してください
一般工事5,000万円、建築一式工事8,000万円の基準額は、建設業法施行令第2条、第7条の4などの改正により2025年2月1日から適用されています。専任の監理技術者等を要する請負代金額の基準は別です。制度は改正される可能性があるため、最新法令をご確認ください。

配置技術者は、必要な資格を有する適格な技術者であること、所属建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係があること、工事内容を把握し具体的な職務を遂行できること、下請会社を指導・監督できることを確認します。これらは監理技術者制度運用マニュアル等に基づいて確認すべき事項です。

下請会社へ技術的な指導や是正指示を行っているか

施工方法、材料変更、品質問題、工程遅延、安全上の危険、下請会社間の調整が生じた場合は、元請側の主体的な判断が求められます。下請会社の専門的な提案を採用することに問題はありませんが、元請の技術者が対象工事全体への影響を検討し、採否を決める必要があります。

技術者を配置するときに避けたい3つの形骸化

名義だけを置いて施工状況を把握していない

氏名を施工体制に記載していても、本人が工事を把握し、具体的な職務を遂行していなければ、適切な技術上の管理を行っているとはいえません。施工計画、工程、品質、安全、下請指導、問題発生時の判断を実際に行える環境が必要です。

下請会社へ工程や品質の判断を任せきっている

下請会社は自社が請け負った範囲を管理しますが、元請の主任技術者・監理技術者には対象工事全体を統括する役割があります。専門的な判断材料を下請会社から得ることと、最終判断まで任せることは異なります。

配置技術者と社内担当者が連携していない

営業担当者が広い範囲を下請へ発注し、配置技術者が契約内容を把握していない状態は避けましょう。元請の管理業務、下請範囲、追加工事、工程変更、発注者との協議、指示経路を受注前から共有し、契約変更時は施工管理体制も見直します。

下請契約を締結する前に整理したい4つの役割分担

元請と下請それぞれの工事範囲を明確にする

工種名や「一式」だけでは、施工に付随する業務の担当が曖昧になる場合があります。資材調達、施工図、仮設、検査、養生、清掃などを誰が担当するかは、工事内容と契約条件に応じて明確にします。これらを必ず下請業務に含めるという意味ではありません。

施工計画・工程・品質・安全の決定権限を整理する

施工方法、工程変更、材料変更、不具合対応、安全対策、他工種調整について、誰が提案し、確認し、最終決定するかを決めます。下請会社へ一定の裁量を認めても、元請が対象工事全体の判断権限まで手放さないことが大切です。

報告・承認・是正指示の流れを実態と一致させる

工程遅延、設計図書との不一致、材料・施工方法の変更、施工不良、事故、再下請の追加について、報告と承認のルールを設けます。契約上は元請承認でも、現場では下請会社が独自に判断している場合は、契約と実態が一致していません。

再下請を含む施工体制と指示経路を確認する

一次下請がさらに発注する場合、元請は各社の契約関係、施工範囲、技術者・責任者、報告経路、追加手続を把握します。請負関係を無視して再下請会社の作業員へ日常的・具体的な直接指示をすると、別の法的問題につながる場合があります。

施工体制台帳・施工体系図は全工事に共通する義務ではありません
法令上、作成義務がある工事に限って作成し、実際の施工体制と一致させます。対象となる工事の要件は、公共工事か民間工事か、下請契約額などによって異なるため、契約時点の最新法令で別途確認してください。

施工への関与を説明するために残したい5つの記録

記録が存在するだけで実質的関与になるものではありません。元請が実際に行った確認、判断、調整、指示を後から説明できるように残します。

施工計画の検討経過

修正履歴、打合せ、承認、変更理由を残します。

工程会議と調整内容

進捗、遅延、他工種調整、元請指示を記録します。

品質確認と是正

検査、不具合、補修判断、再検査を残します。

安全巡視と技術指導

指摘、期限、改善結果、具体的指導を記録します。

技術者の判断内容

確認事項、協議、判断、指示、その後の対応を残します。

書類の量より、元請の判断が分かることが大切

承認印だけでは、元請が内容を検討したことを十分に説明できない場合があります。工程会議も、特定の下請会社が主導し、元請が議事録を受け取るだけでは、主体的な関与が分かりません。写真や日報も、何を確認し、どの基準で判断したかが分かるようにします。

会議への形式的な出席、写真の受領、単発的な訪問、単に現場に技術者を置いた事実だけでは足りません。複数の管理行為を対象工事全体について主体的、総合的かつ継続的に行ったことが分かる記録が必要です。

施工体制台帳や施工体系図は、対象工事に作成義務がある場合に限って確認します。全工事に必要なものではないため、自社の工事が対象かを別途確認しましょう。

公共工事と民間工事で異なる例外の考え方

公共工事は発注者の承諾があっても一括下請負できない

公共工事では一括下請負が全面的に禁止されています。建設業法第22条第3項の発注者による事前承諾の適用除外は、公共工事には適用されません。発注者が施工体制を把握している場合や事実上了承している場合でも、一括下請負は認められません。

一定の民間工事では事前の書面承諾による適用除外がある

一定の民間工事では、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合に、一括下請負禁止規定が適用されない仕組みがあります。対象工事、任せる範囲、下請負人、施工体制、役割、品質・安全管理、元請が負う責任を整理したうえで手続を進めます。

条文上は書面による承諾が基本です。電子的方法の可否や具体的手続は、「電子承諾で常に足りる」と一般化せず、契約時点の最新法令と発注者の運用を確認してください。

共同住宅の新築工事は適用除外を利用できない

発注者の承諾による適用除外の対象外として政令で定められている工事は、共同住宅を新築する建設工事です。共同住宅の新築工事では、民間工事で発注者が書面承諾した場合でも、一括下請負禁止規定の適用を外すことはできません。

共同住宅の改修工事や共同住宅以外の民間工事は、承諾による適用除外の対象になり得ますが、対象工事と事前承諾の要件を個別に確認する必要があります。

適用除外があっても他の責任は残る

適用除外が認められても、建設業許可、特定建設業許可、技術者配置、専任・兼任、下請契約、適正な下請代金、対象工事で必要となる施工体制台帳等の義務は別途確認します。

元請が発注者に対して負う工事完成、品質確保、契約不適合、損害対応などの契約責任も当然には消滅しません。安全管理に関する法令上の義務や、現場条件に応じた安全上の措置も別に残ります。

一括下請負を防ぐため受注前に見直したい3つの体制

自社の人員で施工管理を実施できるか

担当者数、他工事、現場までの距離、工期、専門知識、下請会社数、発注者との協議頻度を踏まえ、対象工事全体を総合的に企画、調整及び指導できるかを確認します。「施工は協力会社へ任せられる」という理由だけでなく、元請管理に必要な時間と費用も見込みましょう。

許可・配置・専任の要件を分けて確認する

当該工事の下請契約総額から特定建設業許可の要否を確認し、主任技術者または監理技術者の区分を確認し、さらに専任または兼任の要件を別に確認します。必要な資格と直接的かつ恒常的な雇用関係を満たす技術者を確保できるかも受注前に点検します。

下請発注後も元請側で判断できる体制を整える

配置技術者、現場担当者、工事責任者、契約担当者、経営者、代替担当者の役割と承認権限を整理します。下請会社からの提案をそのまま受け入れるのではなく、契約、品質、工程、安全、費用への影響を元請側で判断できる仕組みが必要です。

一括下請負に当たるかは工事ごとの実態確認が必要

同じ発注方法でも管理体制によって評価は異なる

下請率や下請会社数が同じでも、元請が施工計画を作成し複数業者を調整している工事と、一社が計画から完成までを実質的に担い元請は結果だけを受ける工事では、施工実態が異なります。一社発注か複数社発注かではなく、請負契約単位・工事一件ごとに確認します。

契約書だけでなく資料と現場運用を横断して確認する

元請契約、下請契約、見積内訳、施工計画、工程表、会議記録、検査記録、是正指示、技術者の資格・雇用・配置資料を照合します。施工体制台帳や施工体系図は、対象工事に作成義務がある場合に限って実態との整合性を確認します。

対象工事の一部分だけを修正しても、同じ工事の他の資料や現場運用に矛盾が残れば、根本的な整理にはなりません。会社全体ではなく、対象となる工事一件ごとに、発注範囲、実質的関与、許可、技術者、記録を横断して確認することが大切です。

相談時に分かる範囲で確認したいこと
  • 元請として受注する工事と下請へ発注する範囲
  • 施工計画、工程、品質、安全を担当する人
  • 下請契約の合計額と特定建設業許可の状況
  • 主任技術者・監理技術者の候補者と資格
  • 技術者の雇用関係、専任・兼任の予定
  • 契約書、見積書、工程表、会議記録などの資料
  • 施工体制台帳等の作成義務の有無

相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。
まずは現在の受注予定と施工体制を伺い、必要な許可、技術者配置、契約前に確認した方がよい内容を一緒に整理します。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。

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一括下請負についてよくある質問

工事の全部を下請会社へ発注すると、必ず一括下請負になりますか

発注範囲だけで機械的に決まるものではありません。請負契約単位・工事一件ごとに、元請が対象工事全体を自ら総合的に企画、調整及び指導し、実質的に関与しているかを確認します。

外注割合が低ければ問題ありませんか

外注割合が低いから安全ということはありません。外注割合が低い場合でも、元請が対象工事を自ら管理せず、施工へ実質的に関与していなければ問題となり得ます。割合ではなく実態が判断の中心です。

自社に職人がいなくても元請として受注できますか

自社施工を行わないことだけで一括下請負になるわけではありません。ただし、元請として施工計画、工程、品質、安全、技術的指導を主体的に行い、対象工事全体を総合的に企画、調整及び指導できる体制が必要です。

技術者を配置すれば実質的関与が認められますか

形式的な配置だけでは足りません。必要な資格を有し、所属建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係にある適格な技術者が、対象工事を把握し、施工計画、工程、品質、安全、下請指導などの具体的な職務を遂行する必要があります。

民間工事なら発注者の承諾があれば一括下請負できますか

一定の民間工事では事前の書面承諾による適用除外がありますが、共同住宅の新築工事は対象外です。また、適用除外があっても、許可、技術者、安全管理、発注者に対する契約責任などは別途残ります。

どの段階で行政書士へ相談できますか

契約書を作り終えてからでなくても相談できます。協力会社へ広く発注する予定がある、特定建設業許可や監理技術者の要否が分からない、元請側の管理体制を整理したいという段階からご相談いただけます。

元請として説明できる施工体制を工事ごとに整えましょう

  • 一括下請負は、全部または主たる部分、独立して機能する工作物の工事を一括して任せ、元請が実質的に関与していない場合に問題となります。
  • 実質的関与とは、元請が対象工事全体を自ら総合的に企画、調整及び指導し、各管理業務に主体的な役割を果たすことです。
  • 資材手配、会議出席、写真受領、現場訪問などの個別行為だけで、実質的関与が当然に認められるわけではありません。
  • 外注割合が低い場合でも、元請が施工へ実質的に関与していなければ問題となります。外注割合が低いこと自体は安全を保証しません。
  • 主任技術者・監理技術者は形式的な配置だけでは足りず、適格な技術者が具体的な職務を遂行する必要があります。
  • 特定建設業許可、技術者の配置区分、専任・兼任要件は別々に確認します。
  • 施工体制台帳・施工体系図は、法令上の作成義務がある工事に限って作成し、対象要件も別途確認します。
  • 判断は会社全体ではなく、請負契約単位・工事一件ごとの施工実態に基づいて行います。

一括下請負の確認は、契約書の名称を変えたり、形式的に技術者を置いたりするだけでは十分ではありません。元請が対象工事をどのように企画し、誰が工程・品質・安全を調整し、下請会社へどのような指導・監督を行うのかを具体化することが大切です。

現在の状況を伺い、受注範囲、下請発注、許可、技術者、保存しておきたい記録を一緒に整理します。

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国土交通省の建設業法令遵守ガイドライン2025年2月施行の金額基準
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別工事の判断は、契約内容、施工体制、技術者配置、実際の管理状況により異なります。契約時点の最新法令・公的資料をご確認ください。

あわせて確認したいこと

建設業の手続きであわせて確認したいこと

建設業許可は、新規申請だけでなく、更新、決算変更届、業種追加、技術者や役員の変更とも関係します。川崎市北部で建設業の手続きを確認したい方は、関連するご案内もご覧ください。

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