一般建設業許可と特定建設業許可の違い
元請として下請契約を結ぶ前の確認事項
予定工事を現在の許可区分で受注できるか迷ったときに、元請・下請の立場、下請契約総額、許可業種、財産要件、技術者要件を順番に確認できるよう整理しました。
まず押さえたい結論
一般建設業と特定建設業の違いは、元請として受注する工事の請負総額だけでは決まりません。発注者から直接請け負った工事について、一次下請業者と締結する建設工事の契約総額が、建築一式工事以外で5,000万円以上、建築一式工事で8,000万円以上になるかを確認します。
※本記事の金額基準や許可要件は、2025年2月1日施行の建設業法施行令改正に基づく、2026年8月1日時点で有効な国土交通省の公式情報を確認して記載しています。実際の申請や契約にあたっては、最新情報と個別の契約内容をご確認ください。
発注者から直接請け負う工事か、別の建設会社から請け負う下請工事かを確認します。
建築一式工事か、内装仕上工事・管工事などの専門工事かを整理します。
1社ごとではなく、同じ元請工事について締結する建設工事契約を合計します。
許可通知書などで、対象業種が一般・特定のどちらかを照合します。
一般建設業と特定建設業の違いがわかる3つの判断軸
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 発注者から直接請け負う元請工事かを確認する
- 工事1件あたりの下請契約総額を確認する
- 建築一式工事かその他の工事かを確認する
一般建設業と特定建設業の区分は、工事の受注額だけを見ても判断できません。元請工事に該当するか、その工事で締結する下請契約の総額はいくらか、どの許可業種に当たるかという順序で確認する必要があります。
発注者から直接請け負う元請工事かを確認する
最初に確認するのは、自社が工事の発注者から直接請け負う立場にあるかどうかです。特定建設業許可の金額基準が問題になるのは、発注者から直接工事を請け負った元請業者が、一定規模以上の下請契約を締結する場合だからです。
施主、事業主、国、地方公共団体などから直接請け負う工事は、元請工事として確認対象になります。一方、別の建設会社から一次下請や二次下請として受注した工事は、受注額が大きくても、同じ下請契約総額の基準によって一般・特定を判断するものではありません。
契約書や注文書では、工事件名だけでなく、契約相手が工事の発注者なのか、上位の建設会社なのかを確認しましょう。契約関係が複雑な場合は、発注者から自社までの契約経路を図にすると判断しやすくなります。
工事1件あたりの下請契約総額を確認する
元請工事であることを確認したら、その工事について一次下請業者と締結する建設工事の契約額を合計します。見るべき金額は、元請として受注する工事の請負総額ではありません。
一般建設業で対応できる範囲は5,000万円未満です。5,000万円以上は特定建設業許可が必要となります。
一般建設業で対応できる範囲は8,000万円未満です。8,000万円以上は特定建設業許可が必要となります。
5,000万円または8,000万円ちょうどの場合は「以上」に含まれるため、特定建設業側に当たります。たとえば、建築一式工事以外でA社へ2,500万円、B社へ1,800万円、C社へ700万円を発注すると合計は5,000万円です。各社への発注額が基準未満でも、総額が基準以上となるため、一般建設業許可のまま締結することはできません。
建築一式工事かその他の工事かを確認する
下請契約総額の基準は、建築一式工事とその他の工事で異なります。現在の金額基準は、2025年2月1日に施行された建設業法施行令の改正により、従来の4,500万円、建築一式工事7,000万円から引き上げられました。
建物に関する工事であっても、すべてが建築一式工事になるわけではありません。施工内容によっては、内装仕上工事、電気工事、管工事、塗装工事などの専門工事に該当します。
契約書の工事件名だけで判断せず、見積内訳や施工範囲を確認し、どの許可業種で請け負う工事なのかを整理することが重要です。
一般建設業と特定建設業を比較する5つの項目
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 締結できる下請契約の規模の違い
- 元請として受注できる工事金額に上限があるか
- 財産的基礎に関する要件の違い
- 営業所技術者等に求められる要件の違い
- 現場に配置する主任技術者・監理技術者の違い
一般建設業と特定建設業では、元請工事で締結できる下請契約の規模に加え、財産的基礎や技術者の要件も異なります。主な違いを比較表で整理します。
| 比較項目 | 一般建設業 | 特定建設業 |
|---|---|---|
| 区分が問題になる場面 | 元請工事で基準未満の下請契約を締結する場合 | 元請工事で基準以上の下請契約を締結する場合 |
| 元請としての受注額 | 一般・特定による上限なし | 一般・特定による上限なし |
| 下請契約総額 建築一式工事以外 |
5,000万円未満 | 5,000万円以上 |
| 下請契約総額 建築一式工事 |
8,000万円未満 | 8,000万円以上 |
| 財産的基礎 | 一般建設業の基準 | 一般建設業より厳しい基準 |
| 営業所の技術者 | 営業所技術者 | 特定営業所技術者 |
| 元請現場の技術者 | 原則として主任技術者 | 下請契約総額が基準未満なら主任技術者、基準以上なら監理技術者 |
締結できる下請契約の規模の違い
一般建設業と特定建設業の中心的な違いは、発注者から直接請け負った工事について締結できる下請契約の規模です。
一般建設業者は、建築一式工事以外について、下請契約総額が5,000万円以上となる契約を締結して施工することはできません。建築一式工事では8,000万円以上が対象です。したがって、一般建設業で対応できる範囲は、建築一式工事以外が5,000万円未満、建築一式工事が8,000万円未満となります。
なお、集計対象となるのは建設工事の下請契約です。資材の売買、警備、測量などが含まれる場合は、契約名だけでなく実態を確認して区分します。
元請として受注できる工事金額に上限があるか
一般建設業許可であっても、元請として発注者から直接受注する工事の請負金額に、一般・特定の区分による上限はありません。
数億円の工事を受注しても、下請契約総額が基準未満であり、必要な許可業種や技術者の要件を満たしていれば、受注額だけを理由として特定建設業許可が必要になるわけではありません。
反対に、元請受注額が比較的小さくても、工事の大部分を下請へ発注し、その総額が基準以上となれば、特定建設業許可が必要です。受注総額と下請契約総額を分けて確認しましょう。
財産的基礎に関する要件の違い
特定建設業許可では、多数の下請業者を使用する工事を想定し、一般建設業より厳しい財産的基礎が求められます。
一般建設業では、次のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資本が500万円以上ある
- 500万円以上の資金調達能力がある
- 許可申請直前の過去5年間、建設業の許可を受けて継続して営業した実績がある
特定建設業では、次のすべてを満たさなければなりません。
- 欠損の額が資本金の20%を超えていない
- 流動比率が75%以上である
- 資本金が2,000万円以上である
- 自己資本が4,000万円以上である
個人事業主の自己資本は法人と計算方法が異なります。
法人では原則として貸借対照表の純資産合計額を基礎に確認します。個人事業主は、期首資本金、事業主借勘定、事業主利益、事業主貸勘定、利益留保性の引当金・準備金などを用いる別の算式で計算します。申請時は管轄行政庁の手引きに沿って確認することが大切です。
営業所技術者等に求められる要件の違い
建設業許可を受ける営業所には、許可業種に対応する営業所技術者等を配置する必要があります。一般建設業では営業所技術者、特定建設業では特定営業所技術者が必要です。
指定建設業以外の業種では、対象業種に対応する一級国家資格者のほか、一般建設業の営業所技術者または主任技術者となれる基礎要件を満たし、元請として請け負った所定金額以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験を持つ者などが対象となります。単に指導監督的実務経験だけがあればよいわけではありません。
指定建設業7業種
- 土木工事業
- 建築工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- 鋼構造物工事業
- 舗装工事業
- 造園工事業
指定建設業では、原則として一級国家資格者または国土交通大臣特別認定者が対象となり、指導監督的実務経験による経路は利用できません。
現場に配置する主任技術者・監理技術者の違い
営業所に配置する技術者と、工事現場に配置する技術者は役割が異なります。建設業者が工事を施工する場合は、原則として現場に主任技術者を配置します。
一方、元請業者が発注者から直接請け負った工事について、一次下請への発注総額が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合は、監理技術者を配置しなければなりません。主任技術者では足りません。
特定建設業許可を持つ会社でも、すべての元請現場に監理技術者を配置するわけではありません。その工事の下請契約総額が基準未満なら原則として主任技術者、基準以上なら監理技術者を配置します。
特定建設業許可が必要か判断する4つの確認手順
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 受注予定の工事が元請工事かを確認する
- 自社施工と下請施工の範囲を整理する
- 締結予定の下請契約を合計する
- 許可を受けている業種と区分を照合する
予定工事に特定建設業許可が必要かどうかは、契約書の請負金額だけでは判定できません。発注関係、施工範囲、下請契約額、許可業種の順に確認すると、判断の取り違えを防げます。
受注予定の工事が元請工事かを確認する
最初に、自社が発注者と直接契約する工事かどうかを確認します。特定建設業許可の下請金額基準は、発注者から直接工事を請け負う元請業者に対して適用されるためです。
契約相手が施主、事業主、国、地方公共団体などであれば、元請工事に当たる可能性が高くなります。ゼネコンや別の建設会社から工事の一部を受注する場合は、下請としての契約です。
契約書の名称だけで決めつけず、誰が工事の発注者であり、自社がどの位置で契約するのかを確認してください。
自社施工と下請施工の範囲を整理する
次に、工事全体のうち、自社で施工する部分と下請業者へ発注する部分を分けます。一般・特定の判断で確認するのは、元請受注額ではなく、下請業者との建設工事契約総額だからです。
- 自社の技術者や作業員で施工する範囲
- 一次下請へ発注する工事
- 資材のみを購入する取引
- 測量、警備など建設工事以外の業務
- 発注先や金額が未確定の部分
- 追加工事により外注する可能性がある部分
見積時点では自社施工を予定していても、受注後に下請施工へ変更することがあります。想定される変更も含めて確認すると、契約後に基準へ達する可能性も整理しやすくなります。
締結予定の下請契約を合計する
下請施工の範囲を整理したら、同じ元請工事について一次下請業者と締結する建設工事契約の金額を合計します。1社ごとの発注額ではなく、一次下請契約全体の総額で判断してください。
追加工事や設計変更により、下請契約額が増える可能性にも注意が必要です。当初は基準未満でも、変更後に基準以上となれば許可区分や監理技術者の配置を改めて確認する必要があります。
金額が基準付近の場合
契約額が確定するまで待つのではなく、概算の下請発注計画を作成して確認する方法があります。予定額、追加工事の可能性、未確定部分を分けて整理すると、判断材料が明確になります。
許可を受けている業種と区分を照合する
最後に、予定工事に対応する建設業の種類と、自社が取得している許可業種・許可区分を照合します。建設業許可は29業種に分かれており、一般建設業か特定建設業かも業種ごとに確認します。
たとえば、管工事業で特定建設業許可を持っていても、内装仕上工事業が一般建設業であれば、内装仕上工事について基準以上の下請契約を締結できるわけではありません。
許可通知書や許可証明書を確認し、予定工事に対応する業種が記載されているか、その業種が一般・特定のどちらで許可されているかを照合してください。
金額基準を確認するときに間違いやすい4つのポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 元請工事の受注総額だけでは判断しない
- 1社ごとの発注額ではなく下請契約の総額で判断する
- 発注者から直接請け負った工事と下請工事を区別する
- 契約を分割して基準を回避できるとは考えない
一般・特定の判断では、元請の受注額だけが注目されがちです。しかし、実際には元請・下請の立場や、複数の下請契約を合計した金額を確認しなければ、正確な判断につながりません。
元請工事の受注総額だけでは判断しない
請負金額が大きいからといって、必ず特定建設業許可が必要になるわけではありません。一般・特定を分ける基準は、発注者から直接請け負った金額ではなく、その工事について締結する下請契約の総額です。
一方、受注額が比較的小さくても、工事の大部分を下請へ発注し、下請契約総額が基準以上になれば、特定建設業許可が必要となります。「大型工事だから特定」「小型工事だから一般」と単純化せず、施工体制と下請発注計画に基づいて判断しましょう。
1社ごとの発注額ではなく下請契約の総額で判断する
下請契約の金額は、発注先1社ごとではなく、同じ元請工事について締結する一次下請契約の総額で判断します。
建築一式工事以外で、各社への発注額がそれぞれ5,000万円未満でも、合計額が5,000万円以上になれば特定建設業許可が必要です。建築一式工事では、合計8,000万円以上が基準となります。
下請発注計画には会社ごとの発注額だけでなく、建設工事契約の合計欄を設けてください。発注先の追加や増額があった場合は、その都度総額を更新すると管理しやすくなります。
発注者から直接請け負った工事と下請工事を区別する
特定建設業許可の金額基準は、発注者から直接工事を請け負った元請業者に適用されます。一次下請以下として受注した建設業者には、同じ下請契約総額による一般・特定の制限は適用されません。
案件台帳や契約管理表では、元請、一次下請、二次下請など、自社の立場を明記すると管理しやすくなります。受注額だけを一覧にするのではなく、契約相手、発注者、施工体制も併せて記録しましょう。
契約を分割して基準を回避できるとは考えない
本来一つの工事として発注する内容を、正当な理由なく複数の契約に分け、特定建設業許可の基準を回避しようとする判断は適切ではありません。
一般・特定の区分は、発注者から直接請け負った工事1件について締結する下請契約の総額で判断します。書面を複数に分けても、実態として一体の工事であれば、全体を合算して判断される可能性があります。
工期、施工場所、工事目的、発注者、見積内容などを総合的に整理し、契約書の形式ではなく、工事の実態に沿って確認してください。
特定建設業許可の取得前に確認したい3つの要件
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 財産的基礎の基準を満たしているか
- 特定営業所技術者を配置できるか
- 取得する業種ごとの条件を満たしているか
特定建設業許可は、下請発注額が増えた時点で自動的に切り替わるものではありません。財産的基礎や技術者の要件を満たしたうえで申請し、許可行政庁の審査を受ける必要があります。
財産的基礎の基準を満たしているか
特定建設業許可を取得するには、申請時の財務内容が所定の基準を満たしている必要があります。欠損額、流動比率、資本金、自己資本の4項目すべてを確認します。
欠損の額が資本金の20%を超えていないこと。
流動比率が75%以上であること。
資本金が2,000万円以上であること。
自己資本が4,000万円以上であること。
申請書に添付する財務諸表上の数値で判定するため、通常の決算書だけで即断せず、管轄行政庁の申請手引きに沿って確認しましょう。
特定営業所技術者を配置できるか
特定建設業許可を受ける営業所には、許可を取得する業種に対応した特定営業所技術者を配置しなければなりません。
指定建設業以外では、対応する一級国家資格者のほか、主任技術者となれる基礎要件を満たした者が、元請として請け負った所定金額以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験を有する場合などに、要件を満たすことがあります。
資格や経験だけでなく、対象営業所に常勤し、営業所技術者として職務を担える雇用・勤務実態があるかも確認してください。
取得する業種ごとの条件を満たしているか
特定建設業許可は、会社全体を一括して一般から特定へ切り替える制度ではありません。建設業の種類ごとに、特定建設業の要件を満たして申請します。
別の業種で特定建設業許可を持っていても、予定工事に必要な業種まで特定になっているとは限りません。許可通知書に記載された業種と区分を一つずつ確認しましょう。
許可区分の見直しには準備期間が必要です。
財産要件や技術者要件の確認、申請書類の準備、許可行政庁の審査があるため、受注予定が具体化した段階で早めに状況を整理すると進めやすくなります。
元請契約を結ぶ前に準備したい3つの確認資料
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 受注予定の工事内容がわかる契約書案
- 工事金額と施工範囲がわかる見積書
- 下請業者ごとの発注予定がわかる下請発注計画
予定工事に必要な許可区分を確認するには、工事金額を口頭で伝えるだけでは十分ではありません。契約関係、施工内容、下請発注額がわかる資料をそろえることで、個別の事情に即した判断につながります。
受注予定の工事内容がわかる契約書案
契約書案や注文書案では、発注者、受注者、工事件名、施工場所、請負金額、工期、工事内容を確認します。特に重要なのは、自社が発注者から直接工事を請け負う元請の立場にあるかどうかです。
基本契約書と個別注文書を併用している場合は、双方の内容を確認します。変更契約や追加工事が予定されているときは、当初契約だけでなく、見込まれる工事内容と金額も整理すると確認しやすくなります。
工事金額と施工範囲がわかる見積書
見積書は、元請受注額を確認するだけでなく、どの工事を自社で施工し、どの工事を下請へ発注するかを整理するために使用します。
工種別の内訳があれば、予定工事に必要な許可業種を検討しやすくなります。「工事一式」とだけ記載された見積書では十分な判断材料にならないことがあるため、可能な範囲で工種、施工範囲、自社施工部分、外注予定部分が確認できる資料を用意するとスムーズです。
下請業者ごとの発注予定がわかる下請発注計画
下請発注計画には、一次下請業者ごとの工事内容と発注予定額を記載します。一般・特定の判断では、同じ元請工事について締結する一次下請契約の総額を確認するため、重要な資料となります。
- 下請業者名または発注予定先
- 発注する工種
- 発注予定額
- 建設工事契約か、資材購入・業務委託か
- 追加発注の可能性
- 下請契約総額
発注先や金額が未確定の場合も、概算額を記載しておくと検討できます。基準額に近づく見込みがある場合は、確定を待たずに確認する方法もあります。
資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。
現在の許可区分を契約前に確認すべき3つのケース
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 元請として大型工事を初めて受注するケース
- 建築一式工事以外で下請契約総額が5,000万円前後になるケース
- 建築一式工事で下請契約総額が8,000万円前後になるケース
特定建設業許可が必要か迷いやすいのは、元請工事の増加や下請発注額の拡大など、従来の受注形態が変わる場面です。契約後では対応に時間を要することもあるため、見積りや発注計画の段階で確認しましょう。
元請として大型工事を初めて受注するケース
これまで下請工事を中心に受注してきた会社が、初めて大型の元請工事を受注する場合は、現在の許可区分を確認する必要があります。
下請として受注していたときには問題にならなかった下請契約総額の基準が、発注者から直接請け負う元請工事では適用されるためです。
許可区分だけでなく、工事に対応する許可業種、主任技術者または監理技術者の配置、施工体制の整備など、元請として必要となる事項も併せて確認すると安心です。
建築一式工事以外で下請契約総額が5,000万円前後になるケース
建築一式工事以外の元請工事で、一次下請との契約総額が5,000万円前後になる場合は、契約額が確定する前に確認することが重要です。
一般建設業で対応できるのは5,000万円未満です。5,000万円以上になれば特定建設業許可が必要となるため、合計額がちょうど5,000万円の場合も一般建設業では対応できません。
当初は4,800万円の予定でも、追加工事や発注範囲の変更によって基準に達する可能性があります。金額に余裕がない場合は、想定される増額も含めて確認しましょう。
建築一式工事で下請契約総額が8,000万円前後になるケース
建築一式工事では、一次下請との契約総額が8,000万円以上になる場合に特定建設業許可が必要です。一般建設業で対応できるのは8,000万円未満であり、8,000万円ちょうどの場合も特定建設業側に当たります。
ただし、工事名称に「建築」「新築」「改修」などと記載されていても、当然に建築一式工事となるわけではありません。施工内容によっては、内装仕上工事や管工事などの専門工事に該当し、5,000万円の基準で判断する場合があります。
工事業種と下請契約総額を別々に判断せず、契約書案や見積書をもとに一体として確認してください。
よくある質問
工事の受注額が大きいと、必ず特定建設業許可が必要ですか
いいえ。一般・特定の区分は、元請として受注した工事の請負総額だけでは決まりません。発注者から直接請け負った工事について締結する一次下請契約の総額を確認します。受注額が大きくても、下請契約総額が基準未満であれば、受注額だけを理由として特定建設業許可が必要になるわけではありません。
5,000万円ちょうどの下請契約は一般建設業で対応できますか
建築一式工事以外で下請契約総額が5,000万円ちょうどの場合は、5,000万円以上に含まれるため、対象業種の特定建設業許可が必要です。一般建設業で対応できるのは5,000万円未満です。
特定建設業許可を持っていれば、すべての現場に監理技術者が必要ですか
いいえ。元請工事における一次下請契約総額が基準未満であれば、原則として主任技術者を配置します。基準以上の場合は監理技術者が必要です。許可区分だけでなく、工事ごとの下請発注計画を確認します。
特定建設業への変更はすぐにできますか
財産的基礎や特定営業所技術者などの要件を満たし、必要書類を準備したうえで申請し、許可行政庁の審査を受けます。予定工事の契約時期が決まっている場合は、現在の許可状況と必要な準備を早めに整理すると進めやすくなります。
相談する資料がそろっていなくても大丈夫ですか
はい。相談内容がまとまっていない段階でも、分かる範囲から確認できます。お手元に契約書案、見積書、下請発注計画などがあれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
予定工事の下請発注計画を契約前に確認する
一般建設業と特定建設業の違いを判断するときは、元請として受注する工事の請負総額だけを見ず、発注者から直接請け負う工事か、どの業種に該当するか、一次下請との契約総額がいくらになるかを順番に確認します。
- 一般・特定の区分は、元請工事の受注総額だけでは決まりません
- 発注者から直接請け負った工事の一次下請契約総額で判断します
- 一般建設業で対応できるのは5,000万円未満、建築一式工事では8,000万円未満です
- 特定建設業では、財産的基礎や特定営業所技術者について厳しい要件があります
- 契約書案、見積書、下請発注計画をもとに契約前に確認すると安心です
特定建設業許可が必要と分かっても、直ちに許可区分を変更できるとは限りません。財産要件や技術者要件の確認、申請書類の準備、許可行政庁による審査が必要です。
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
現在の許可で予定工事に対応できるか確認したい方へ
契約書案、見積書、下請発注計画がある場合は、その内容をもとに確認できます。資料が未完成でも、分かる範囲から整理できます。