親が認知症になる前に家族で確認したいこと
財産管理・施設入所・死後手続き
家族だけで結論を出さず、本人が希望を伝えられるうちに、必要な手続きと役割を一緒に整理します。
親の物忘れが増えたり、通帳や支払いの管理に不安を感じたりすると、「今のうちに何をしておくべきか」と迷う方は少なくありません。大切なのは、家族だけで決めるのではなく、本人が希望を伝え、手続きの内容を理解できるうちに、財産管理・施設入所・任意後見・死後の手続きを整理することです。
認知症の診断と、個別の契約を理解して意思決定できるかという判断は同じではありません。診断名だけで一律に扱わず、本人の状態や手続きの内容に応じて慎重に確認します。行政書士が医学的な診断を行うものではなく、必要に応じて医師、公証人、弁護士、司法書士などと役割を分けます。
親の判断能力低下、通帳管理、施設入所、任意後見、死後の手続きが心配なご家族です。
本人の意思と、家族が実際に担える支援の両方を確認します。
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。資料がそろっていない段階でも、現在の状況から整理できます。
この記事でわかること
- 本人の判断能力が低下する前に確認したい事項
- 財産管理等委任契約・任意後見・法定後見の違い
- 施設入所前に整理する契約・費用・保証・自宅管理
- 遺言・死後事務委任・墓じまいの役割
- HANAWA行政書士事務所へ相談できる内容と進め方
制度を先に選ぶのではなく、「現在困っていること」「将来心配していること」「本人が希望していること」の順に整理すると、必要な準備が見えやすくなります。
親が認知症になる前に確認したい5つの理由
- 本人の希望を確認できるうちに将来の方針を整理できる
- 財産管理や契約を家族が当然に代行できるとは限らない
- 任意後見は本人が内容を理解して契約できる段階で準備する
- 施設入所では費用・契約・身元保証など複数の課題が生じる
- 死後の手続きやお墓の希望は生前に確認しないと分からなくなる
早めに確認する目的は、家族が親の将来を決めることではありません。本人が希望を伝えられる時期に選択肢を整理し、必要な支援を本人と一緒に考えるためです。
本人の希望を確認できるうちに将来の方針を整理できる
自宅で暮らし続けたいのか、必要になれば施設入所も検討するのかによって、介護、住まい、財産管理の準備は変わります。医療、葬儀、お墓なども含め、現在の希望を日付とともに記録し、本人に確認してもらいましょう。希望を固定するのではなく、状況の変化に応じて見直す資料として残すことが大切です。
財産管理や契約を家族が当然に代行できるとは限らない
親子であっても、子どもが親名義の預貯金や不動産を当然に管理・処分できるわけではありません。通帳を預かることと、金融機関や契約相手に対する代理権があることは別です。出金、不動産売却、施設契約では、本人の手続き、有効な委任状、後見人等の権限確認を求められることがあります。
任意後見は本人が内容を理解して契約できる段階で準備する
任意後見は、本人が十分な判断能力を有する間に、将来支援を任せる人と委任する事務を決める制度です。契約は、公証人が作成する公正証書によって締結します。実際に任意後見人が代理権を行使するのは、本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時からです。
施設入所では費用・契約・身元保証など複数の課題が生じる
施設選びに加え、入居費用、契約者、緊急連絡先、身元引受人、連帯保証人、自宅や家財の管理を整理します。各呼称の責任は施設ごとに異なるため、名称ではなく契約条項で確認してください。
死後の手続きやお墓の希望は生前に確認しないと分からなくなる
葬儀、納骨、住居の明渡し、公共料金の解約などは、本人が亡くなった後に家族や受任者が対応します。葬儀の規模、納骨先、実家のお墓を維持するか、墓じまいを考えるかなど、本人の希望を話しやすい項目から確認しましょう。
本人の意思を確認するために家族で話したい6つのテーマ
- これからも自宅で暮らしたいか施設入所も検討するか
- 医療や介護について誰に相談してほしいか
- 預貯金・年金・保険・不動産をどのように管理したいか
- 判断能力が低下したとき誰に支援を任せたいか
- 遺言や相続について希望があるか
- 葬儀・納骨・実家のお墓をどのようにしたいか
家族が用意した結論への同意を求めるのではなく、本人の希望と理由を聞き取ります。答えが決まっていない項目は「検討中」として構いません。
これからも自宅で暮らしたいか施設入所も検討するか
自宅を希望する場合は、訪問介護、通所サービス、住宅改修、配食、見守りなどを検討します。施設も選択肢に含めるなら、地域、医療対応、居室、費用の上限を確認しましょう。本人の希望と、家族が継続して担える支援の範囲を一緒に考えます。
医療や介護について誰に相談してほしいか
主な連絡先、予備の連絡先、かかりつけ医、服薬、ケアマネジャーを整理します。医療・介護情報を誰に共有してよいかも本人へ確認すると、緊急時の連絡が円滑です。
預貯金・年金・保険・不動産をどのように管理したいか
財産額を聞き出すことが目的ではありません。金融機関、年金受取口座、保険、不動産、日常の支払いを把握し、本人が自分で管理する部分と支援を希望する部分を分けます。本人の財産は家族の財産と混在させず、収支を説明できる状態にします。
判断能力が低下したとき誰に支援を任せたいか
支援者は、近くに住む家族という理由だけで決めず、本人の信頼、継続性、負担、利益相反の有無を考慮します。任意後見人候補として親族、専門職、法人などを比較し、先に「何を任せたいか」を整理してください。
遺言や相続について希望があるか
自宅や預貯金を誰へ引き継ぎたいか、その理由も確認します。遺言は本人の意思で作成するものであり、家族が特定の内容へ誘導しないことが重要です。財産や家族関係が複雑な場合は、内容に応じて行政書士、弁護士、司法書士、公証人へ相談します。
葬儀・納骨・実家のお墓をどのようにしたいか
宗教・宗派、葬儀の規模、納骨先、実家のお墓の維持、墓じまい、永代供養などを確認します。本人の希望だけでなく、実行する人、費用、親族・寺院・墓地管理者との調整まで考えると、実現しやすくなります。
親の終活を自然に切り出すための3つのポイント
- 認知症を前提にせず自分たち家族の将来の話として始める
- 一度ですべてを決めず話しやすいテーマから確認する
- 本人の発言を否定せず希望として記録する
「認知症になったら困るから」と迫るより、家族全体の備えとして話し、本人を説得するのではなく希望を聞く姿勢を示します。
認知症を前提にせず自分たち家族の将来の話として始める
子世代が自分の保険や相続を整理していることを伝え、「私たちも準備しているので、希望を聞いておきたい」と話す方法があります。知人の施設入所や終活をきっかけにしてもよいでしょう。
一度ですべてを決めず話しやすいテーマから確認する
緊急連絡先、かかりつけ医、重要書類の保管場所から始め、通帳、保険、不動産、施設、任意後見へ段階的に広げます。確認済み・検討中・専門家へ相談の三つに分けると進めやすくなります。
本人の発言を否定せず希望として記録する
「最期まで自宅で暮らしたい」といった希望が難しく見えても、理由を聞くことで、訪問介護や見守りなど希望に近づける方法が見つかることがあります。日付を付けて記録し、本人の了承を得て共有してください。
財産と通帳の管理で確認したい7つの項目
- 預貯金口座と日常的に使用している通帳
- 年金・家賃・公共料金などの入出金
- クレジットカードと定期的な支払い
- 生命保険・医療保険・損害保険
- 自宅や賃貸物件などの不動産
- 借入れ・保証・未払い金の有無
- 印鑑・重要書類・デジタル情報の保管場所
財産額だけでなく、生活を維持する入出金や契約を把握します。本人の了承を得て一覧を作り、通帳やカードを無断で使用しないことが基本です。
| 確認分野 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 口座・収支 | 金融機関、口座の用途、年金、公共料金、税金、介護・医療費 |
| 契約 | カード、定期課金、保険、通信、賃貸借、借入れ・保証 |
| 不動産 | 名義、共有者、固定資産税、登記関係書類、自宅管理 |
| 重要情報 | 印鑑、本人確認書類、保険証券、デジタルサービス、保管場所 |
預貯金口座と日常的に使用している通帳
金融機関、支店、口座の用途、通帳の保管場所を確認します。家族が通帳やカードを預かっても、金融機関が家族による操作を認めるとは限りません。所定の委任状、本人確認、代理人登録などを事前に確認してください。恒常的な管理には正式な契約や後見制度を検討します。
年金・家賃・公共料金などの入出金
年金、家賃収入、公共料金、税金、医療費、介護費を一覧にします。支払日、金額、契約先、問い合わせ先を整理すると、支援者が変わった際の引継ぎが円滑です。
クレジットカードと定期的な支払い
カード、引落口座、定期課金、解約方法を確認します。暗証番号を安易に共有せず、カード会社へ家族カードや代理手続きの有無を問い合わせましょう。
生命保険・医療保険・損害保険
保険会社、種類、証券番号、受取人、保険料の支払方法を整理します。契約内容や受取人の変更は、本人の意思に基づいて行います。
自宅や賃貸物件などの不動産
所在地、名義、共有者、固定資産税、登記識別情報等の保管場所を確認します。施設入所後に空き家となる場合は、換気、防犯、保険、郵便物、庭木などの管理も必要です。委任契約があっても、売買や登記では個別の本人確認・委任状が求められる場合があります。
借入れ・保証・未払い金の有無
住宅ローン、カードローン、事業上の借入れ、保証債務、税金や公共料金の未払いを確認します。債務整理、債権者との交渉、紛争対応は行政書士が扱えない業務を含むため、必要に応じて弁護士・司法書士へつなぎます。
印鑑・重要書類・デジタル情報の保管場所
実印、印鑑登録証、本人確認書類、保険証券、不動産書類、年金書類の所在を本人と確認します。デジタルサービスは名称と問い合わせ先を整理し、パスワードそのものとは分けて安全に保管してください。
家族による通帳管理で避けたい4つのつまずき
- 本人の同意を確認しないまま通帳を預かる
- 親のお金と家族自身のお金を混在させる
- 支出の記録や領収書を残さない
- 兄弟姉妹への説明が不足する
通帳管理では、本人の同意、金融機関の取扱い、支出範囲、記録、家族への報告を明確にします。
本人の同意を確認しないまま通帳を預かる
無断で通帳やカードを持ち出すと、本人との信頼関係を損なうだけでなく、無断出金の返還請求など民事上の問題や、態様によっては刑事上の問題に発展するおそれがあります。対象口座、期間、用途を書面にし、金融機関へ必要な手続きを確認しましょう。
親のお金と家族自身のお金を混在させる
立替払いは日付、金額、目的を記録し、領収書を保存して精算します。親の口座から出金した現金を家族の財布や口座に長期間置かないようにします。
支出の記録や領収書を残さない
少額の日用品も含め、日付、金額、支払先、目的を記録します。領収書を月ごとに整理し、通帳の出金と対応させれば、本人への報告や相続時の説明がしやすくなります。
兄弟姉妹への説明が不足する
本人の同意を前提に、誰が何を管理し、どの程度の支出があるかを共有します。本人のプライバシーを守りながら、共有項目と報告頻度を決めてください。
親の財産管理を支える4つの方法と違い
- 本人が元気な間の財産管理等委任契約
- 判断能力低下後に備える任意後見契約
- 任意後見では対応できない事項への備え
- すでに判断能力が低下している場合の法定後見制度
財産管理等委任
本人が理解し意思表示できる間の事務支援
任意後見
監督人選任後に契約範囲の代理権を行使
遺言・死後事務
財産承継と死亡後の実務を分けて準備
本人が元気な間の財産管理等委任契約
本人が判断能力を有する間に、支払い、書類取得、行政手続きなどを委任する契約です。委任・準委任の性質を持ちますが、契約書だけで全機関の手続きを同じように代理できるとは限りません。金融機関所定の書式や登記手続き上の本人確認が別途必要な場合があります。事務範囲、報告、帳簿・領収書、報酬、解除方法を定めます。
判断能力低下後に備える任意後見契約
本人が十分な判断能力を有する間に、公証人作成の公正証書で締結します。判断能力が低下した後、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者などが任意後見監督人の選任を申し立て、家庭裁判所が監督人を選任した時から契約が効力を生じます。代理権目録には、預貯金、生活費、介護・施設契約などを具体的に記載します。
任意後見では対応できない事項への備え
任意後見人が代理できるのは契約で定めた事務です。本人の死亡により任意後見は終了するため、葬儀、納骨、住居の明渡し、解約などは死後事務委任、財産の承継は遺言として分けて考えます。
すでに判断能力が低下している場合の法定後見制度
任意後見契約を新たに締結することが難しい場合は、本人の状態に応じて後見・保佐・補助を検討します。申立ては本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長などが行えます。家庭裁判所が本人の心身、生活、財産、候補者との関係等を踏まえて選任するため、希望した親族が必ず選ばれるとは限りません。
行政書士の業務範囲
制度説明や関連資料の整理は可能ですが、家庭裁判所へ提出する法定後見申立書の作成代理、訴訟・紛争の代理、債務整理の交渉などは扱えません。必要に応じて弁護士・司法書士等をご案内します。
施設入所を考える前に整理したい6つの準備
- 本人が希望する生活環境と地域
- 要介護認定や介護サービスの利用状況
- 入居一時金・月額費用・医療費の支払方法
- 施設との契約内容を誰が確認するか
- 緊急連絡先・身元引受人・保証人の候補
- 自宅・家財・郵便物をどのように管理するか
施設の設備だけでなく、契約、費用、保証、医療・介護、自宅管理までを一つの計画として整理します。
本人が希望する生活環境と地域
自宅や家族の近く、医療対応、居室、外出、食事などの希望を確認します。可能であれば本人と見学し、説明内容と本人の反応を確かめます。
要介護認定や介護サービスの利用状況
要介護度、利用中のサービス、ケアマネジャー、かかりつけ医、服薬を整理します。未申請の場合は自治体や地域包括支援センターへ相談できます。
入居一時金・月額費用・医療費の支払方法
入居一時金、月額利用料、介護保険自己負担、医療費、日用品、通院などを試算します。表示料金に含まれる費用、追加費用、退去時の精算方法を書面で確認してください。
施設との契約内容を誰が確認するか
本人が理解できる場合は本人が説明を受け意思を示します。家族は説明を補い、本人の希望を伝えます。契約書、重要事項説明書、料金表、退去条件を持ち帰り、不明点を確認してから署名すると安心です。
緊急連絡先・身元引受人・保証人の候補
緊急連絡、費用保証、退去、遺品・遺体の引取りなど、役割を項目ごとに確認します。身元保証サービスを利用する場合も、費用、解約、預託金、事業者の継続性を確認してください。
自宅・家財・郵便物をどのように管理するか
空き家の換気、防犯、保険、固定資産税、郵便物、庭木の担当を決めます。家財は本人の了承なく処分せず、重要書類、貴重品、思い出の品を本人と仕分けます。
施設入所の契約前に注意したい3つの問題
- 家族が本人に代わって当然に契約できるとは限らない
- 身元保証と連帯保証と緊急連絡先を混同しない
- 入所後の財産管理と自宅管理まで見落とさない
家族が本人に代わって当然に契約できるとは限らない
子どもであっても当然に代理署名できるわけではありません。本人、代理人、保証人のどの立場で署名するのか、委任状や後見権限が必要かを施設へ確認します。
身元保証と連帯保証と緊急連絡先を混同しない
連帯保証は、本人が支払わない場合に契約範囲の支払義務を負う可能性がある強い債務負担です。保証する債務、上限額、期間、更新、終了条件を確認し、不明点は書面で回答を受けます。個人根保証では極度額の記載も確認してください。
入所後の財産管理と自宅管理まで見落とさない
施設費、医療費、税金、自宅の保険や修繕費は入所後も続きます。誰が、どの権限で、どの口座から支払うかを一覧にします。
親の死後に備えて確認したい5つの手続き
- 葬儀・納骨・供養についての希望
- 実家のお墓を維持するか墓じまいを検討するか
- 病院・施設・賃貸住宅の精算や退去
- 公共料金・契約・デジタルサービスの解約
- 親族や知人への連絡方法
葬儀・納骨・供養についての希望
宗教・宗派、規模、葬儀社、参列してほしい人、納骨先を確認します。希望、担当者、連絡先、概算費用を一緒に整理してください。
実家のお墓を維持するか墓じまいを検討するか
お墓を管理する人がいない場合は、維持、墓じまい、改葬、永代供養を比較します。遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す改葬には、現在遺骨がある市区町村長の許可が必要です。一般には改葬先の確保、墓地管理者の証明、改葬許可申請、移転先への納骨という流れです。自治体ごとに様式や必要書類が異なります。
病院・施設・賃貸住宅の精算や退去
未払い費用、私物、居室の明渡し、賃貸借契約、残置物を整理します。施設契約時に、死亡時の連絡先、退去期限、荷物の引取り、費用精算を確認しておきましょう。
公共料金・契約・デジタルサービスの解約
電気、ガス、水道、電話、ネット、新聞、カード、動画配信などを一覧にします。家族が無断でアカウントへログインせず、各事業者の死亡時手続きに従います。
親族や知人への連絡方法
知らせてほしい親族、友人、近隣、所属団体を本人に確認します。連絡先リストは定期的に更新し、個人情報として適切に保管してください。
遺言と死後事務委任を分けて考える3つの理由
- 遺言は主に財産の承継方法を定める
- 死後事務委任は葬儀や解約など死後の実務を依頼する
- お墓や供養の希望は契約内容と実行者を具体化する
遺言は主に財産の承継方法を定める
遺言は預貯金や不動産を誰へ承継させるかを定め、遺言執行者を指定できます。遺言執行者は、遺言内容を実現するための手続きを行う人です。自筆証書遺言、公正証書遺言などの方式があり、家族が内容を強要しないことが重要です。
死後事務委任は葬儀や解約など死後の実務を依頼する
死後事務委任は、葬儀、納骨、住居の明渡し、施設費用の精算、契約解約などを依頼する契約です。民法の一般原則では委任は当事者の死亡で終了するため、死亡後も事務を行う旨、対象事務、報告先、報酬・実費、預託金、残金の取扱いを具体化します。第三者の協力が必要な事項は、契約へ記載しても必ず実行できるとは限りません。
お墓や供養の希望は契約内容と実行者を具体化する
墓じまい・改葬では、実行者、費用、改葬先、墓地管理者、寺院、自治体との調整が必要です。「墓じまいをしてほしい」と希望を残すだけでなく、手続きと費用を具体化します。
家族だけで決める前に確認したい4つの注意点
- 本人の判断能力を家族だけで一律に決めつけない
- 本人名義の財産を家族の判断だけで動かさない
- 任意後見契約だけですべての終活をカバーできると考えない
- 兄弟姉妹で役割と情報を共有する
本人の判断能力を家族だけで一律に決めつけない
物忘れがあることと、すべての契約を理解できないことは同じではありません。反対に、日常会話ができるだけで複雑な契約能力があるとも断定できません。契約内容、本人の理解、意思表示、結果の認識を個別に確認し、必要に応じて医師や公証人等の確認を得ます。
本人名義の財産を家族の判断だけで動かさない
介護費用のためでも、本人名義の預金を自由に出金したり、不動産を売却したりはできません。本人の意思、有効な代理権、金融機関や登記手続き上の要件を確認します。
任意後見契約だけですべての終活をカバーできると考えない
現在の支援は財産管理等委任、判断能力低下後は任意後見、財産承継は遺言、死亡後の実務は死後事務委任というように、開始時期、終了時期、権限を分けて整理します。
兄弟姉妹で役割と情報を共有する
財産管理、通院、施設連絡、自宅管理の担当を見える化します。情報共有は本人の同意とプライバシーを前提とし、共有する項目と頻度を決めてください。
HANAWA行政書士事務所に相談できる5つのこと
- 親の終活で何から確認すべきかの整理
- 財産管理等委任契約と任意後見契約の検討
- 施設入所前に必要となる手続きの整理
- 遺言・死後事務・葬儀後の手続きの準備
- 墓じまい・改葬・供養方法に関する手続き
一つの制度を先に勧めるのではなく、本人の希望、現在の生活、家族の困り事を伺い、優先順位と役割分担を整理します。
親の終活で何から確認すべきかの整理
通帳、施設、お墓など複数の悩みが重なっていても、現在の状況から順番を整理できます。家族が先に相談し、本人へどのように説明するかを検討することも可能です。
財産管理等委任契約と任意後見契約の検討
財産管理等委任では事務範囲、報告、帳簿、報酬、解除を整理します。任意後見では候補者、代理権目録、監督人選任後の支援を検討し、公証役場との調整を行います。
施設入所前に必要となる手続きの整理
入居契約、費用、緊急連絡先、保証、自宅、家財、郵便、入所後の財産管理を確認します。紛争性のある交渉や法的代理が必要な場合は、弁護士等へつなぎます。
遺言・死後事務・葬儀後の手続きの準備
遺言と死後事務の役割を分け、実行者、報酬・実費、預託金、報告先、残金の取扱いを具体化します。相続人間の争いや遺言無効をめぐる紛争は、弁護士への相談が必要です。
墓じまい・改葬・供養方法に関する手続き
改葬先の確保、墓地管理者の証明、自治体への改葬許可申請、墓石撤去、納骨までの流れを整理します。本人の希望を確認し、親族、寺院、墓地管理者、自治体との調整を進めます。
- 本人が困っていること、家族が心配していることのメモ
- 通帳・年金・保険・不動産・借入れの概要
- 施設の契約書、料金表、保証条項
- 遺言、委任契約、エンディングノート
- 墓地使用許可証、墓地管理者・寺院の連絡先
資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
当事務所の業務範囲
行政書士の業務範囲内で、契約書・遺言書等の作成支援、任意後見契約の準備、公証役場との調整、死後事務や改葬の行政手続きを行います。債務整理の交渉、訴訟・紛争の代理、家庭裁判所へ提出する法定後見申立書の作成代理などは扱っておりません。必要に応じて弁護士・司法書士等と連携します。
ご相談から手続き開始までの4つの流れ
- 電話または相談フォームから問い合わせる
- 家族が抱えている心配と現在の状況を伝える
- 本人の希望と必要な手続きを整理する
- 内容と費用を確認して必要な手続きを進める
お問い合わせ
状況の確認
本人の希望と手続き整理
内容・費用確認後に開始
電話または相談フォームから問い合わせる
「通帳管理が心配」「施設入所前に何をすればよいか分からない」など、現在感じていることをそのままお伝えください。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。
家族が抱えている心配と現在の状況を伝える
診断名だけでなく、本人が日常生活で何をでき、何に支援が必要かを伺います。行政書士が医学的診断を行うものではなく、契約能力の確認が必要な場合は、医師の所見や公証人等の確認も踏まえます。
本人の希望と必要な手続きを整理する
現在の財産管理、判断能力低下後、施設、遺言、死後事務、お墓を分け、行政書士、公証役場、地域包括支援センター、家庭裁判所、弁護士、司法書士、医療機関など、課題に応じた相談先も整理します。
内容と費用を確認して必要な手続きを進める
作成書類、支援内容、報酬・実費、進行の見通しをご説明し、納得いただいたうえで進めます。他士業の専管業務が必要な部分は、役割分担を明確にします。
よくある質問
親が認知症になる前に何を確認すればよいですか?
住まい、医療・介護の連絡先、預貯金や支払い、財産管理、任意後見、遺言、死後事務、お墓を確認します。緊急連絡先や重要書類の場所など、話しやすい項目から始められます。診断前という時期だけでなく、本人が対象の手続きを理解し、意思を伝えられるうちに始めることが大切です。
親の任意後見について子どもから相談できますか?
制度や本人へ確認する事項は子どもから相談できます。ただし、契約するのは親本人です。任意後見人候補と委任事務を本人が決め、公証人が作成する公正証書で締結します。任意後見監督人の選任後に任意後見人が代理権を行使します。
親本人が同席しなくても相談できますか?
家族だけで現状や制度、本人への話し方を整理できます。ただし、任意後見、財産管理等委任、遺言、死後事務委任などは、適切な段階で本人への説明と意思確認が必要です。
親の死後事務やお墓についても一緒に相談できますか?
遺言、死後事務委任、葬儀後の手続き、墓じまい・改葬を含めて整理できます。財産承継、死亡後の実務、改葬の行政手続きは目的が異なるため、必要な書類と実行者を分けて考えます。
まとめ|親の希望を確認できるうちに家族で準備を始める
- 本人がどのように暮らしたいかを最初に確認する
- 通帳を預かることと、代理権を持って財産管理することは異なる
- 財産管理等委任、任意後見、遺言、死後事務は役割と効力の時期が異なる
- 施設契約では代理権、保証範囲、入所後の財産・自宅管理まで確認する
- 行政書士、医師、公証人、弁護士、司法書士等の役割を分ける
親の終活について家族だけで考えていると、「まだ早いのではないか」「どの制度が必要か分からない」と迷うことがあります。まずは、現在困っていること、将来心配していること、本人へ確認したいことを書き出してください。制度が決まっていない段階でも、状況を整理する相談から始められます。
親の認知症への備えを一緒に整理しませんか
「通帳を誰が管理すればよいか分からない」「施設入所前に何を準備すべきか知りたい」「任意後見や死後事務について家族で相談したい」といった段階でもご相談いただけます。
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
相談フォームを確認する関連ページ
主な相談先・参考情報
制度や手続きは変更される場合があります。実際の手続きでは最新の案内をご確認ください。
ご注意
本記事は一般的な情報を提供するもので、個別事案の医学的診断や法的判断を行うものではありません。本人の判断能力、契約の有効性、代理権、保証責任、相続関係、金融機関の取扱いは個別事情により異なります。具体的な契約、財産処分、成年後見申立て、紛争対応については、行政書士、公証人、弁護士、司法書士、医師等との面談に基づく助言を受けてください。