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任意後見契約業務 4-16

任意後見監督人選任申立ての準備
新人行政書士が資料整理・説明・連携まで進める実務

任意後見契約は、作成して終わりではありません。本人の判断能力に不安が出てきたときは、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されることで、契約に基づく代理権が発効し、任意後見が始まります。本記事では、初心者行政書士が申立て準備の段階で何を確認し、どこまで支援し、どの場面で司法書士・弁護士・福祉機関へつなぐかを実務順に整理します。

任意後見監督人家庭裁判所判断能力低下おひとりさま支援

この実務で大切にする考え方

任意後見監督人選任申立ての準備は、「本人の判断能力が落ちたように見えるから、すぐ後見業務を始める」という業務ではありません。まず行うべきことは、本人の生活上・財産上の支障を客観的に整理し、任意後見契約公正証書と代理権目録を確認し、申立人候補と必要資料を整えることです。

任意後見契約は、本人が元気なうちに将来に備えて結ぶ契約です。ただし、任意後見受任者が実際に任意後見人として代理できるのは、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した後です。契約書があるだけで、預金管理や施設契約を当然に始められるわけではありません。

最初に押さえる実務の境界行政書士は、契約確認、資料整理、本人・親族への制度説明、関係機関連携、他士業への引継ぎ資料作成を行えます。一方で、家庭裁判所での申立代理、紛争性のある親族調整、代理・法律判断を伴う家庭裁判所提出書類の作成は、弁護士・司法書士の業務範囲に注意します。

特におひとりさま・おふたりさまの案件では、親族が遠方、疎遠、非協力であることも少なくありません。その場合でも、行政書士が一人で抱え込まず、ケアマネジャー、地域包括支援センター、市町村の成年後見制度担当、司法書士、弁護士と連携し、本人の生活と財産を守るための体制を整えます。

この記事で到達できること

開始時期を説明できる

任意後見は、任意後見監督人が選任された時点で始まり、契約に基づく代理権が発効することを説明できます。

申立て準備を判断できる

見守り記録、財産管理記録、医療・介護情報から、申立てを検討すべき段階か整理できます。

資料を集められる

公正証書、診断書、本人情報、財産資料、収支資料、親族関係資料を過不足なく確認できます。

連携先を選べる

行政書士が支援できる範囲と、司法書士・弁護士・福祉機関へつなぐ場面を区別できます。

図解|任意後見監督人選任申立て準備の4つの柱
事実確認本人の判断能力低下の兆候、生活上の支障、金銭管理の困難を記録します。
契約確認公正証書、代理権目録、報酬、財産管理等委任契約との関係を確認します。
資料整理診断書、本人情報、財産資料、収支資料、親族関係資料を集めます。
連携判断家庭裁判所手続、親族対立、福祉的危機の有無に応じて専門職へつなぎます。

基本知識

任意後見監督人選任申立ての目的

任意後見監督人選任申立ては、本人の判断能力が不十分になり、任意後見契約に基づく支援を開始する必要が生じたときに、家庭裁判所へ任意後見監督人の選任を求める手続です。

任意後見契約は、公証人が作成する公正証書によって締結されます。本人がひとりで決めることに心配が出てきた場合、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されて初めて、契約に基づく代理権が発効し、任意後見が開始します。

表現の注意実務では「任意後見契約の効力が生じる」と説明されることもありますが、契約自体は公正証書作成時に成立しています。新人行政書士は、「任意後見監督人の選任により、契約に基づく代理権が発効する」「任意後見が開始する」と説明すると、より誤解が生じにくくなります。

申立人の範囲

任意後見監督人選任申立ての申立人として確認するのは、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者です。本人以外の方が申し立てる場合、本人が意思表示できるときは本人の同意が必要です。

市町村長申立ては、法定後見や福祉的支援の実務では重要な制度です。ただし、任意後見監督人選任申立ての直接の申立人としては、本人、配偶者、四親等内親族、任意後見受任者を確認します。身寄りなし、親族不在、虐待、放置、セルフネグレクトなど福祉的危機がある場合は、市町村や地域包括支援センターを連携先として検討します。

申立先と申立て後の流れ

申立先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。家庭裁判所は、任意後見契約が登記されており、本人が精神上の障害により判断能力が不十分な状況にあるとき、任意後見監督人を選任できます。

申立て後は、家庭裁判所から照会や呼出しが行われることがあります。申立てをする前に、本人・申立人候補・親族に、手続の意味、必要資料、監督人が選任された後の流れを丁寧に説明しておくことが大切です。

申立て準備の進め方

図解|申立て準備の基本フロー
  1. 見守り記録・財産管理記録から、判断能力低下の兆候を確認します。
  2. 本人面談を行い、金銭管理、契約理解、生活上の困りごとを確認します。
  3. 任意後見契約公正証書と代理権目録を確認します。
  4. 申立てを検討すべき段階か、生活上・財産上の支障から判断します。
  5. 申立人候補として、本人、配偶者、四親等内親族、任意後見受任者を確認します。
  6. 本人、任意後見受任者、親族に、任意後見開始の仕組みを説明します。
  7. 診断書、本人情報、財産資料、収支資料、親族関係資料を整理します。
  8. 行政書士の支援範囲を確認し、必要に応じて司法書士・弁護士へつなぎます。
  9. 福祉的危機があるときは、地域包括支援センターや市町村へ相談します。
  10. 任意後見監督人選任後の初期対応に向けて、未了事項を整理します。

申立てを検討しやすい場面

  • 本人が通帳、印鑑、キャッシュカードの保管状況を把握できなくなっている。
  • 介護費、施設費、公共料金、税金などの未払いが続いている。
  • 同じ請求を何度も支払う、必要な支払いを忘れるなど、金銭管理に支障がある。
  • 訪問販売、投資勧誘、不要な契約などに対応できず、財産を失うおそれがある。
  • 介護施設入所、賃貸借、入院費支払いなど、法的・財産的判断を要する手続が迫っている。
  • 金融機関、施設、病院、ケアマネジャーから、後見制度の利用を検討してほしいと言われた。
  • 財産管理等委任契約による任意代理の継続について、本人の意思確認や監督が難しくなっている。

任意後見契約公正証書で確認すること

確認項目 実務上の見方
本人・受任者 氏名、住所、連絡先、複数受任者・予備的受任者の有無を確認します。
代理権目録 預貯金管理、年金、支払、介護契約、施設契約、不動産管理等が含まれるか確認します。
報酬条項 任意後見開始後の報酬額、支払方法、監督人への説明に備えます。
関連契約 見守り契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約との関係を整理します。
医療に関する記載 医療行為への同意は原則として本人の専権事項であり、任意後見契約で包括的に代理できるものではないと整理します。

ヒアリング項目

本人に確認すること

  • 現在の生活で困っていることはあるか。
  • お金の管理で不安なことはあるか。
  • 通帳、印鑑、キャッシュカードの保管場所を把握しているか。
  • 毎月の収入と支出を理解しているか。
  • 介護サービス、施設利用、入院費などの内容を理解しているか。
  • 任意後見契約を結んだこと、任意後見受任者が誰かを認識しているか。
  • 今後、誰にどのような支援をしてほしいか。
  • 親族や関係者に連絡してよいか。

本人の発言が日によって変わる場合でも、すぐに否定せず、体調、時間帯、服薬、疲労、入院環境なども含めて記録します。

任意後見受任者に確認すること

  • 任意後見契約締結の経緯と本人の希望。
  • 現在行っている見守り・財産管理・生活支援の内容。
  • 判断能力低下を感じた時期と具体的な出来事。
  • 預金、支払い、介護契約、施設契約で急ぐ課題。
  • 親族との関係、協力可否、不信感の有無。
  • 申立人となる意思の有無。
  • 受任者自身に利益相反がないか。
  • 任意後見開始後に担当する予定の事務と報酬説明の状況。

親族・医療介護関係者に確認すること

相手 確認すること 注意点
親族 本人との関係、生活状況の認識、申立てへの賛否、財産管理への不安、申立人となる意思 特定の親族や受任者の代理人のように振る舞わず、説明内容を記録します。
主治医 診断書取得の段取り、認知機能の評価、生活上の支障 行政書士が診断内容を誘導しないよう注意します。
ケアマネジャー 日常生活の支障、服薬管理、金銭管理の困難、本人情報シートの協力可否 本人同意や情報共有の範囲を確認します。
地域包括支援センター 親族不在、虐待、セルフネグレクト、福祉的危機の有無 任意後見で足りるか、法定後見や福祉支援が必要かを整理します。

判断フロー

図解|申立てに進むかどうかの判断
  1. 任意後見契約公正証書があるか確認します。ない場合は、法定後見など別制度を検討します。
  2. 本人の判断能力低下を示す具体的事実があるか確認します。
  3. 生活、財産、契約に具体的支障が出ているか確認します。
  4. 代理権目録に、必要な支援内容が含まれているか確認します。
  5. 申立人候補として、本人、配偶者、四親等内親族、任意後見受任者を確認します。
  6. 本人・親族間で争いがある場合は、弁護士へ連携します。
  7. 家庭裁判所提出書類の作成支援が必要な場合は、司法書士または弁護士へ連携します。
  8. 行政書士は、事実資料整理、下書き支援、説明、連携資料作成を進めます。

急いで整理したい場面

  • 施設入所、退院、介護契約、入院費支払いの期限が迫っている。
  • 預金管理ができず、生活費や施設費の支払いが滞っている。
  • 高額契約、詐欺的勧誘、財産持出しの心配がある。
  • 親族間で財産管理をめぐる不信感が出ている。
  • 本人が一人暮らしで、緊急時に継続対応できる人がいない。

確認・整理する資料

区分 資料 確認ポイント
契約 任意後見契約公正証書、代理権目録 受任者、代理権、報酬、関連契約を確認します。
登記 成年後見等に関する登記事項証明書 任意後見契約登記、他の後見等の有無を確認します。
本人確認 戸籍謄本、住民票、本人確認資料 氏名、生年月日、本籍、住所、実際の居所を確認します。
医療 診断書、本人情報シート 判断能力、生活状況、医療・福祉関係者の情報を整理します。
財産 通帳、残高証明、不動産資料、有価証券、保険 財産目録の基礎資料として整理します。
収支 年金通知、施設費、医療費、公共料金、税金、借入資料 収支予定表の基礎資料として整理します。
親族 親族関係図、連絡先、意向確認メモ 申立人候補、照会対応、紛争性を整理します。
記録 見守り記録、財産管理記録、支払記録 申立て必要性と行政書士の対応経過を説明できるようにします。
家庭裁判所提出書類との関係裁判所は、任意後見監督人選任申立書、申立事情説明書、親族関係図、任意後見受任者事情説明書、財産目録、収支予定表などの書式を公開しています。行政書士は、事実資料の整理や下書き支援にとどめ、代理・法律判断を伴う作成や提出は、本人・申立人本人、司法書士または弁護士に委ねる整理が安全です。

説明文例・記録例

本人への説明文例

○○様、以前作成した任意後見契約は、将来、判断する力に不安が出てきたときに備えるための契約です。ただし、この契約があるだけで、すぐに任意後見人が代理できるわけではありません。家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、その時点から契約に基づく代理権が発効し、任意後見が始まります。最近、支払いの確認や契約内容の理解でご負担が出ているため、今後の生活や財産を守るために、申立ての準備を一緒に整理していきます。

任意後見受任者への説明文例

任意後見契約を締結していても、家庭裁判所が任意後見監督人を選任するまでは、任意後見人としての代理権は発効していません。そのため、監督人選任前に、任意後見人として預金を動かしたり、本人に代わって契約を締結したりすることは控える必要があります。現時点では、見守り記録、財産管理記録、診断書、本人情報、財産資料、収支資料を整理し、誰が申立人となるかを確認する段階です。

親族への説明文例

○○様については、以前から任意後見契約が作成されています。任意後見契約は、本人の判断能力が不十分になった場合に、家庭裁判所へ任意後見監督人の選任を申し立て、監督人が選任されることで契約に基づく代理権が発効する仕組みです。最近、金銭管理や契約判断に支障が見られるため、任意後見を開始するための準備を検討しています。この手続は、本人の生活と財産を守るために行うものです。

記録メモ例

2026年7月5日、本人自宅で面談。本人は介護施設利用料の請求書を見ても、何の請求か説明できなかった。同じ請求書について10分間で3回「これは払ったのか」と質問した。通帳の所在について、「長男が持っている」「自分で持っている」と発言が変動した。ケアマネジャーから、薬の飲み忘れ、訪問販売への対応不安が増えているとの情報あり。任意後見契約公正証書と代理権目録を確認済み。診断書取得、本人情報シート準備、親族説明、財産資料整理を進める。

他士業・関係機関との連携

場面 連携先 理由
家庭裁判所提出書類の最終作成支援が必要 司法書士 申立書、財産目録、収支予定表等の作成支援を整理します。
親族間対立、財産使い込み疑い、受任者の適格性争い 弁護士 紛争性のある法律対応は行政書士単独で抱えません。
診断書・本人情報が必要 医師、ケアマネジャー、施設 生活状況と医療上の評価をつなげます。
おひとりさま、親族不在、虐待・放置の疑い 地域包括支援センター、市町村 福祉的支援や法定後見の検討につなげます。
不動産、相続登記、財産調査が複雑 司法書士、税理士 登記・税務の専門判断が必要になることがあります。
金融機関対応 金融機関、監督人選任後は任意後見監督人 監督人選任前後で権限が変わるため、名義・資格の説明を慎重に行います。

金融機関対応の注意

任意後見監督人選任前は、任意後見人としての代理権は発効していません。そのため、任意後見人という名義・資格で預金の払戻しや口座管理を行うことはできません。

ただし、別途、財産管理等委任契約に基づく代理権があり、本人の意思確認が有効に機能している場合には、任意代理として対応できる余地があります。もっとも、本人の判断能力低下が進み、本人による監督や意思確認が難しくなっている場合は、任意代理の継続には慎重であるべきです。

新人が気をつけたい論点

論点 気をつけること 実務対応
任意後見契約があるだけで代理を始める 監督人選任前は代理権が発効していません。 資料整理と申立て準備にとどめます。
判断能力を断定する 行政書士は医学的診断を行いません。 発言、行動、支払状況など客観事実を記録します。
市町村長申立てとの混同 任意後見監督人選任申立ての申立人とは分けて考えます。 身寄りなし等では市町村を連携先として検討します。
家庭裁判所書類を主導しすぎる 代理・法律判断を伴う作成は弁護士・司法書士の業務に注意します。 事実資料整理、下書き支援、引継ぎにとどめます。
医療同意を当然の権限と説明する 医療行為への同意は原則として本人の専権事項です。 医療現場の運用と法的代理権を分けて説明します。
利益相反を見落とす 受任者・親族・行政書士自身の利害を確認します。 不正疑い、贈与、不動産売買、相続対立があれば弁護士へつなぎます。

ケーススタディ

認知症が進み預金管理が困難になった場合

Aさんは82歳、一人暮らしです。5年前に任意後見契約公正証書を作成し、任意後見受任者は甥Cさんです。見守り契約と財産管理等委任契約もあります。最近、通帳と印鑑を何度も紛失し、介護サービス利用料を3か月滞納しています。同じ公共料金を二重に支払い、訪問販売業者から高額な浄水器を購入しようとしていました。ケアマネジャーからは「契約内容の理解が難しくなっている」と連絡がありました。

最初に行うこと

  • 任意後見契約公正証書と代理権目録を確認します。
  • 通帳紛失、滞納、二重払い、高額契約リスクを記録します。
  • 本人、甥Cさん、疎遠親族の申立人候補を確認します。
  • 診断書取得と本人情報シート作成に向け、医師・ケアマネジャーと連携します。
  • 家庭裁判所提出書類の最終作成が必要な場合は、司法書士へ連携します。
  • 親族対立、財産使い込み疑い、訪問販売トラブルがある場合は、弁護士へ連携します。

整理すべき判断

この事案では、預金管理困難、滞納、二重払い、高額契約リスク、医療・介護関係者からの情報がそろっています。任意後見監督人選任申立てを具体的に準備すべき場面と考えられます。ただし、甥Cさんが任意後見人としてすぐに預金を動かすのではなく、監督人選任前は任意後見人としての代理権が発効していないことを説明します。

実務上の落ち着いた対応

財産管理等委任契約に基づく代理権があり、本人の意思確認が有効に機能している場合には、任意代理として必要最小限の支払い対応を検討する余地があります。しかし、本人の判断能力低下が進んでいるため、任意後見監督人選任申立ての準備を並行して進め、記録と説明を丁寧に残します。

実務チェックリスト

初期確認

  • 任意後見契約公正証書を確認した
  • 代理権目録を確認した
  • 任意後見受任者を確認した
  • 報酬条項を確認した
  • 見守り契約・財産管理等委任契約を確認した

判断能力低下

  • 本人面談を実施した
  • 本人の発言を記録した
  • 金銭管理の支障を確認した
  • 契約理解の支障を確認した
  • 医療・介護関係者の情報を確認した

申立人候補

  • 本人の理解状況を確認した
  • 配偶者を確認した
  • 四親等内親族を確認した
  • 任意後見受任者の意向を確認した
  • 市町村は連携先として整理した

必要資料

  • 戸籍・住民票を準備した
  • 登記事項証明書を確認した
  • 診断書の段取りを確認した
  • 財産資料を整理した
  • 収支資料を整理した

業務範囲

  • 申立代理をしないことを確認した
  • 家庭裁判所書類の関与範囲を確認した
  • 紛争性の有無を確認した
  • 司法書士・弁護士連携を検討した
  • 監督人選任前に後見業務を始めていない

おひとりさま対応

  • 親族の有無・疎遠状況を確認した
  • 緊急連絡先を確認した
  • 地域包括支援センターとの連携を検討した
  • 単独判断を避ける体制を作った
  • 説明経過を記録した

確認テスト

問題1
任意後見契約公正証書があれば、受任者はすぐに任意後見人として預金管理を始められますか。
始められません。家庭裁判所が任意後見監督人を選任するまでは、契約に基づく代理権は発効していません。
問題2
任意後見監督人選任申立ての申立人候補は誰ですか。
本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者です。市町村長申立ては法定後見等の福祉的支援と分けて整理します。
問題3
行政書士が家庭裁判所提出書類について関与する場合、どこに注意しますか。
代理・法律判断を伴う作成や提出は弁護士・司法書士の業務に注意し、行政書士は事実資料の整理、下書き支援、連携資料作成にとどめます。
問題4
本人の判断能力低下を記録する際、「認知症で判断能力がない」と書くことは適切ですか。
行政書士が医学的に断定する表現は避けます。本人の発言、行動、支払いの誤り、契約理解の状況など、客観的事実を記録します。
問題5
親族間で財産管理をめぐる対立がある場合、どの専門職へ連携しますか。
弁護士へ連携します。行政書士が紛争性のある親族調整や代理交渉を行うことは避けます。

次回への接続

今回扱ったのは、本人の判断能力低下により任意後見を開始する必要が生じた場合の、任意後見監督人選任申立ての準備です。重要な点は、任意後見契約だけでは任意後見人としての代理権はまだ発効しておらず、申立て準備では、記録、契約、診断書、本人情報、財産資料、収支資料、親族関係資料を丁寧に整理することです。

次回第4-17回では、家庭裁判所により任意後見監督人が選任され、任意後見が開始した後の実務を扱います。任意後見人として最初に行うべき本人・監督人・金融機関・施設・親族への対応、代理権の確認、初期報告、財産管理開始時の注意点を学びます。

HANAWA行政書士事務所にご相談ください任意後見契約、見守り契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約は、本人の生活状況や親族関係に合わせて整理することが大切です。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。

本記事は一般的な実務教材です。個別案件では、契約内容、本人の判断能力、親族関係、家庭裁判所・金融機関・福祉機関の運用により確認事項が異なります。

参考資料

HANAWA行政書士事務所|任意後見契約業務

本人の意思・契約内容・記録化を大切にしながら、任意後見開始に向けた準備を丁寧に進めます。

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