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任意後見契約業務 4-13

任意後見契約公正証書作成当日の対応
本人説明・代理権目録・正本謄本まで確認する実務

公証役場での作成当日は、単なる付き添いではありません。本人の意思表示、内容理解、持参物、報酬、効力発生時期、関連契約、書類保管、完了記録まで確認し、将来の任意後見開始へつながる土台を整える日です。新人行政書士が一人で実務を進められるよう、当日の流れと判断基準を整理します。

任意後見契約公正証書公証役場対応新人行政書士向け実務教材

この記事で到達できること

この回では、任意後見契約公正証書の作成当日に、本人、任意後見受任者、公証人との間で必要な確認を行い、契約内容、代理権目録、報酬、効力発生時期、正本・謄本の保管、作成後の説明、面談記録まで整理できる状態を目指します。

行政書士は医学的な判断能力の診断を行う立場ではありません。当日は、本人が自分の意思を表示し、説明を聞き、内容を理解して署名押印に進めるかという実務上の確認を行います。疑義がある場合は、公証人に共有し、必要に応じて医師や関係機関との連携、作成延期を検討します。

相談内容がまとまっていなくても大丈夫です本人や受任者が不安を抱えている場合も、まず現在の状況を伺い、当日確認する内容、必要書類、費用、作成後の流れを一緒に整理します。資料がそろっていない段階でも確認すべき順番を示せることが、行政書士の実務力です。
図解|公正証書作成当日に行政書士が見る4つの視点
本人の意思本人が自分の希望で契約するか、受任者を理解しているかを確認します。
契約内容本文、代理権目録、報酬、関連契約の違いを確認します。
効力発生時期家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じる点を説明します。
記録と保管署名押印、受領書類、正本・謄本の保管者、次の対応を記録します。

当日対応が重要になる場面

任意後見契約公正証書の作成当日は、事前準備の確認日であると同時に、本人と任意後見受任者が公証人の前で契約内容を確認する大切な場面です。公証人は本人確認、意思確認、契約内容の確認を行いますが、行政書士も依頼者支援の立場から、本人の理解、契約内容の反映、今後の運用に支障がないかを確認します。

  • おひとりさまの高齢者が将来の財産管理、入退院、施設入所、行政手続に備える場合
  • 子どものいない夫婦が、互いに支えられなくなった後を見据える場合
  • 甥、姪、友人、専門職、法人を任意後見受任者にする場合
  • 任意後見契約と見守り契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約を同日に作成する場合
  • 本人の移動負担が大きく、公証人の出張作成を利用する場合
  • 親族関係が複雑で、本人意思の記録を丁寧に残したい場合

公証人が説明するから行政書士は同席だけでよい、という考え方は実務上適切ではありません。特に本人が「今日から受任者がすべて動いてくれる」と誤解している場合、作成後の運用や親族説明で問題が生じやすくなります。

最初に押さえる基本知識

任意後見契約の効力発生時期

任意後見制度は、本人が十分な判断能力を有する時に、将来判断能力が不十分になった場合に備え、任意後見人となる方と委任する事務の内容を公正証書による契約で定めておく制度です。任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。任意後見人は、この時から契約で委任された事務を本人に代わって行います。

区分 本人・受任者への説明 新人行政書士の注意点
公正証書作成日 契約内容を公証人の前で確認し、署名押印します。 今日から任意後見人として事務が始まるとは説明しません。
選任申立て 将来、判断能力が不十分になった場合、任意後見監督人選任申立てが必要となる場合があります。 申立ては本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者が行えます。
本人同意 本人以外の方が申立てる場合、本人の同意が必要となる場合があります。 本人が意思表示できないときは同意は必要ありません。
効力発生後 家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。 任意後見人は監督人の監督のもと、契約で定めた事務を行います。

行政書士の当日の役割

本人支援

本人が落ち着いて内容を確認できるよう、分からない点を確認しやすい雰囲気を整えます。

内容確認

契約本文、代理権目録、報酬、関連契約、氏名住所、正本・謄本の通数を確認します。

実務上の確認

本人の意思表示や内容理解に支障がないかを確認します。医学的診断は行いません。

記録化

本人の発言、説明内容、署名押印、受領書類、保管者、次回対応を記録します。

行政書士自身が受任者になる場合

行政書士自身が任意後見受任者となる場合、当日は支援者であると同時に契約当事者です。公証人による本人意思確認の際は、本人の回答を先取りせず、公証人と本人の対話を優先します。報酬、権限、利益相反、解除・辞任、監督人選任後の関係は、通常案件より丁寧に記録します。

当日の進め方

図解|公正証書作成当日の標準フロー
  1. 出発前に公証役場、集合時刻、作成書類、持参物、費用、出張費用を確認します。
  2. 本人・受任者と合流し、体調、意思、内容理解、持参物を確認します。
  3. 公証役場で受付を行い、公証人による本人確認に進みます。
  4. 契約内容の読み聞かせ又は閲覧による確認・説明を受けます。
  5. 代理権目録、報酬、効力発生時期、関連契約の違いを確認します。
  6. 本人が納得していることを確認し、署名押印に進みます。
  7. 費用を支払い、正本・謄本、領収書、後見登記に関する説明を確認します。
  8. 退出後に本人・受任者へ保管方法、今後の流れ、見守り運用を説明します。
  9. 当日中に面談記録、完了記録、受領書類記録を作成します。

出発前に確認すること

  • 公証役場名、住所、集合時刻、公証人または担当者名
  • 任意後見契約単独か、関連契約も同日作成するか
  • 本人・受任者・同行者の氏名、連絡先、本人確認資料
  • 印鑑登録証明書が必要かどうか、必要な場合の期限・通数
  • 公証人手数料、謄本代、後見登記関係費用、出張作成時の日当・旅費
  • 契約書案、代理権目録案、説明資料、面談記録用紙、預り証

持参物チェック

対象 確認するもの 補足
本人 本人確認書類、印鑑、必要に応じた印鑑登録証明書、住民票等、費用、眼鏡・補聴器 印鑑登録証明書の要否、有効期限、通数は公証役場の取扱いにより異なるため個別確認します。
受任者 本人確認書類、印鑑、必要に応じた証明書、連絡先、費用負担分 専門職受任者は事務所名、登録情報、法人名、担当者表示も確認します。
行政書士 契約書案、代理権目録案、関連契約案、ヒアリング記録、チェックリスト、預り証 公証役場作成の最終文案と事前確認案を照合できるようにします。

本人への当日最初の声かけ

本日は任意後見契約の公正証書を作成する日です。今日から任意後見人として銀行や施設の手続が始まるわけではありません。将来、判断能力が不十分になった場合に、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、任意後見契約の効力が生じます。分からない点があれば、途中で確認して大丈夫です。

出張作成時の注意

本人の自宅、病院、施設で作成する場合は、プライバシー、本人の体調、机や署名環境、同席者の範囲を整えます。出張作成では、通常の手数料に加えて日当・旅費等が発生する場合があるため、事前に確定額、支払者、領収書の宛名、延期時の費用扱いを確認します。

本人・受任者への確認事項

本人へ確認する質問例

項目 質問例 確認したいこと
今日の目的 本日はどのような契約を作るために来られましたか。 任意後見契約と理解しているか。
受任者 将来、任意後見人になってもらう予定の方はどなたですか。 相手方と選んだ理由を説明できるか。
効力発生時期 今日からすぐに任意後見人として事務が始まると思われていますか。 家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じると理解しているか。
代理権 将来、どのような手続きをお願いしたいですか。 預貯金、介護、医療、施設、行政手続などの大枠を理解しているか。
報酬 報酬について、どのように説明を受けていますか。 任意後見開始前の契約報酬と混同していないか。
申立て 将来、家庭裁判所への申立てが必要となる場合があると聞いていますか。 本人、配偶者、四親等内親族、任意後見受任者が申立てできること。
強制性 この契約はご自身の希望で作成されますか。 受任者や親族からの強い誘導がないか。

受任者へ確認する事項

  • 任意後見受任者と任意後見人の違いを理解しているか
  • 任意後見契約は家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じると理解しているか
  • 判断能力が不十分になった場合、適切な時期に申立てを検討する立場であると理解しているか
  • 本人の財産と自己財産を分け、記録を残す意識があるか
  • 本人との金銭貸借、同居、贈与、扶養など利益相反につながる事情がないか
  • 正本・謄本の保管、緊急時連絡、関連契約の違いを理解しているか
おひとりさま・おふたりさま特有の確認おひとりさまでは、緊急連絡先、入院・施設入所、死後事務、鍵、デジタル情報まで確認します。おふたりさまでは、一方の判断能力が不十分になった場合、双方が同時に支援を要する場合、第三者の予備的関与を確認します。

作成を進めるか判断する流れ

図解|当日作成の可否判断
  1. 本人確認書類、印鑑、必要証明書、費用が揃っているか確認します。
  2. 本人の体調、疲労、眠気、痛み、緊張の程度を確認します。
  3. 本人が今日の目的、受任者、契約の大枠を説明できるか確認します。
  4. 今日から任意後見人として事務が始まるわけではないと理解しているか確認します。
  5. 契約本文、代理権目録、報酬、関連契約に事前合意との相違がないか確認します。
  6. 本人が署名押印に納得しているかを確認します。
  7. 不安が残る場合は、公証人へ共有し、休憩、再説明、延期を検討します。

延期を検討する場面

  • 本人が契約の種類や受任者を理解していない
  • 本人が「よく分からない」と繰り返す
  • 受任者が本人の回答を遮り、本人の言葉で確認できない
  • 本人の疲労や混乱が強く、意思表示や内容理解に不安が残る
  • 代理権目録、報酬、関連契約の内容に重大な相違がある
  • 本人確認書類や必要証明書に不足、期限切れ、通数不足がある
  • 出張作成時の環境が本人確認・内容確認に適していない

延期を公証人へ伝える文例

本日はお時間をいただいたところ恐縮ですが、ご本人の体調と内容理解の状況を踏まえると、現時点で署名押印まで進めることには慎重であるべきと考えます。後日の紛争予防のため、本日は作成を延期し、改めて日程調整をお願いできますでしょうか。出張作成の場合、本日発生する日当・旅費等についても確認・精算させてください。

作成・確認する書類

書類 確認内容 実務上のポイント
任意後見契約公正証書 当事者、契約条項、報酬、終了事由 氏名住所、生年月日、受任者表示に誤りがないか確認します。
代理権目録 預貯金、年金、介護、医療、施設、不動産、行政手続 将来必要な手続が入っているか、過大・不要な権限がないか見ます。
見守り契約 連絡・訪問・異変時対応 任意後見開始前の契約として区別します。
財産管理等委任契約 判断能力がある段階の任意代理 任意後見開始後の代理権と混同しないよう説明します。
死後事務委任契約 葬儀、納骨、役所手続、家財整理等 任意後見は原則として死亡により終了する点を整理します。
本人確認資料 本人・受任者の本人確認 公証役場の指定どおりか確認します。
印鑑登録証明書等 必要性、期限、通数 公証役場ごとの取扱いを個別確認します。
正本・謄本・領収書 通数、保管者、費用精算 後見登記に関する説明の有無も確認します。
面談記録・完了記録 本人発言、説明内容、署名押印、保管者 当日中に作成すると記憶が正確です。

正本・謄本の保管説明

公正証書の原本は公証役場に保管されます。正本・謄本は将来の申立てや関係機関への説明で必要になることがあります。本人用、受任者用、行政書士控えの区別をつけ、誰がどの書類を保管するかを記録します。行政書士が原本性のある書類を預かる場合は、預り証を作成します。

文例・記録例

効力発生時期の説明文例

任意後見契約は、今日から任意後見人として銀行や施設の手続を始める契約ではありません。将来、判断能力が不十分になった場合に、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。その時から、任意後見人が契約で委任された事務を本人に代わって行います。

代理権目録の説明文例

こちらの代理権目録は、将来、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した後に、任意後見人が本人に代わって行うことができる手続の一覧です。ここに書かれていない手続は、原則として当然にできるわけではありませんので、将来必要になりそうな手続が入っているか確認します。

関連契約を同日作成する場合の説明文例

本日は複数の契約を作成します。任意後見契約は、将来判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じる契約です。見守り契約は現在から定期的に連絡を取る契約、死後事務委任契約は亡くなった後の手続に関する契約です。一つずつ分けて確認します。

当日面談記録の記載例

令和〇年〇月〇日、〇〇公証役場にて、本人〇〇氏、任意後見受任者〇〇氏、公証人〇〇氏、行政書士〇〇同席のもと、任意後見契約公正証書を作成した。作成前に本人へ本日の目的を確認したところ、「将来判断能力が落ちたときに〇〇さんに銀行や施設の手続を頼むための契約」と本人の言葉で説明があった。

任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じる旨を説明したところ、本人は「今日から全部任せるわけではない」と述べた。代理権目録、報酬、正本・謄本の保管方法を確認し、本人および受任者に異議なし。本人は自署押印を行い、署名時に大きな混乱は見られなかった。

専門家・関係機関との連携

公証役場

本人確認、契約内容の読み聞かせ又は閲覧による確認・説明、署名押印、正本・謄本交付、後見登記に関する説明を行います。本人の体調や内容理解に不安がある場合は共有します。

弁護士

親族間紛争、金銭トラブル、利益相反、無効・取消し・意思表示能力に関する争いが見込まれる場合に連携します。

司法書士

不動産管理、将来の売却、相続登記未了不動産、民事信託との比較が必要な場合に連携します。

税理士

多額の財産、不動産収入、生前贈与、相続税対策、財産管理に税務申告が関係する場合に連携します。

医師

認知症の診断歴、服薬、せん妄、急性疾患などにより内容理解に疑義がある場合に連携します。行政書士は医学的判断を行いません。

福祉関係者

地域包括支援センター、ケアマネジャー、社会福祉士とは、生活状況、介護サービス、見守り体制の確認で連携します。

新人行政書士が注意したい点

注意点 実務での整え方
公証人任せにする 公証人の確認とは別に、本人説明、内容確認、記録化を行います。
効力発生時期を曖昧にする 任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じると説明します。
代理権目録を読み飛ばす 預貯金、医療、介護、施設、行政、不動産を本人の生活に照らして確認します。
関連契約を混同させる 見守り、財産管理、死後事務、任意後見を開始時期と役割で分けて説明します。
受任者が話しすぎる 本人が自分の言葉で答えられるよう、受任者には必要以上に代答しないよう伝えます。
印鑑登録証明書を決めつける 要否、期限、通数は公証役場の取扱いにより異なるため個別確認します。
出張費用を見落とす 日当、旅費、延期時の費用、支払者、領収書の宛名を事前確認します。
書類保管を曖昧にする 正本・謄本の保管者を決め、行政書士が預かる場合は預り証を作成します。
説明の基本姿勢「できません」と一言で終えるのではなく、「ご希望を実現するために、契約の開始時期、代理権、費用、保管方法を順番に整えましょう」と伝えると、本人や受任者の不安に寄り添いながら安全な手続へ進められます。

ケーススタディ

本人が当日緊張して内容を十分話せない場合

Aさんは82歳女性。夫は死亡し、子どもはいません。甥Bさんを任意後見受任者として、公正証書を作成する予定です。事前面談では、将来の預貯金管理、介護施設入所手続、医療費支払、行政手続をBさんに頼みたいと明確に話していました。

当日、公証役場に到着するとAさんは緊張し、公証人の質問に「はい」「そうです」としか答えられません。Bさんが横から「任意後見契約です」と答えました。

この場面での対応

  • Bさんに、本人の言葉で確認する時間をいただきたいと伝えます。
  • 質問を簡単にし、「将来、Bさんに何をお願いする書類でしたか」と確認します。
  • 必要に応じて休憩を入れ、本人が落ち着いて答えられる環境を作ります。
  • 今日からすぐに全部任せるわけではなく、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じると説明します。
  • なお本人の言葉で確認できない場合は、公証人に共有し、延期を検討します。

記録例

公証役場到着時、本人A氏は緊張により返答が短く、受任者B氏が回答しようとしたため、本人の意思確認を優先する旨を伝えた。約5分休憩後、A氏に本日の目的を確認したところ、「子どもがいないので、将来手続ができなくなったらBに銀行や施設のことを頼みたい」と本人の言葉で説明があった。任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じる旨を説明し、A氏は「今すぐ全部任せるのではない」と述べた。

実務チェックリスト

出発前

  • 公証役場、集合時刻、作成書類を確認した
  • 本人・受任者・同行者を確認した
  • 本人確認資料、印鑑、証明書、費用を確認した
  • 契約書案、代理権目録案、記録用紙を持参した

本人確認

  • 体調、疲労、緊張を確認した
  • 今日の目的を本人の言葉で確認した
  • 受任者と選んだ理由を確認した
  • 意思表示や内容理解に支障がないか確認した

契約理解

  • 効力発生時期を説明した
  • 今日から事務開始ではないと説明した
  • 申立てできる人を説明した
  • 本人同意が必要となる場合を説明した

代理権目録

  • 預貯金、年金、介護、医療を確認した
  • 施設入所、行政手続、不動産を確認した
  • 本人の生活状況に照らして不足を見た
  • 過大・不要な権限がないか確認した

関連契約

  • 見守り契約との違いを説明した
  • 財産管理等委任契約との違いを説明した
  • 死後事務委任契約との違いを説明した
  • 報酬と開始時期を契約ごとに確認した

作成後

  • 正本・謄本の通数と保管者を確認した
  • 後見登記に関する説明を確認した
  • 作成後の見守り運用を説明した
  • 面談記録・完了記録を作成した

確認テスト

問題1
任意後見契約公正証書を作成した当日から、任意後見受任者は任意後見人として本人の預貯金を当然に管理できるでしょうか。
答え:原則としてできません。任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。開始前の財産管理には、別途、財産管理等委任契約などの根拠が必要です。
問題2
任意後見監督人選任申立てを行うことができる人は誰ですか。
答え:本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者です。本人以外の方が申立てる場合、本人の同意が必要となる場合があります。ただし、本人が意思表示できないときは必要ありません。
問題3
公証人が説明するため、行政書士は本人説明や記録を省略してよいでしょうか。
答え:省略しない方が安全です。行政書士は、本人の理解、代理権目録、報酬、関連契約、書類保管、作成後の流れを確認し、本人の発言を記録します。
問題4
本人が緊張して話せない場合、どのように対応しますか。
答え:受任者の代答を控えてもらい、質問を簡単にし、必要に応じて休憩を入れます。それでも本人の言葉で確認できない場合は、公証人へ共有し、延期も検討します。
問題5
印鑑登録証明書について確認することは何ですか。
答え:必要かどうか、必要な場合の有効期限、本人分・受任者分、関連契約ごとの必要通数です。公証役場の取扱いにより異なるため、個別確認します。

次回への接続

公正証書作成当日の対応により、任意後見契約公正証書の作成は完了します。しかし、任意後見契約は作成して終わりではありません。任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じ、任意後見人はその時から契約で委任された事務を本人に代わって行います。

そのため、契約後に本人の生活状況や判断能力の変化を継続的に確認し、必要な時期に任意後見監督人選任申立てへつなげることが大切です。次回「契約後の見守り運用」では、定期連絡、訪問、生活状況確認、異変時対応、受任者との情報共有を扱います。

HANAWA行政書士事務所にご相談ください任意後見契約、公正証書作成、見守り契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約は、本人の生活状況に合わせて整理することが大切です。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。

本記事は一般的な実務教材です。個別案件では、本人の状態、親族関係、財産内容、関連契約、公証役場の取扱いにより確認事項が異なります。

HANAWA行政書士事務所|任意後見契約・公正証書作成当日の実務

本人の意思と将来の生活を大切にしながら、契約内容と実務手順を丁寧に整理します。

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相続、遺言、終活に関する手続きでは、戸籍、財産、関係者の状況を落ち着いて整理することが大切です。川崎市北部で家族の手続きについて確認したい方は、関連するご案内をご覧ください。

相続、遺言、任意後見、死後事務委任などをまとめて考えたい場合は、家族構成や財産、必要な手続きを整理するところから相談できます。

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