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第3-12回 費用見積りと預託金設計

死後事務委任契約の費用見積りと預託金設計
葬儀・納骨・住居明渡し・残置物処理・清算まで

死亡後の事務は、希望を聞くだけでは進められません。葬儀、火葬、納骨、医療・施設精算、賃貸借契約の解除、残置物処理、家財処分、ペット対応、行政書士報酬、実費を見積もり、預託金不足や相続人からの解除に備えた清算ルールまで整える必要があります。

対象:新人行政書士死後事務委任契約業務 3-12費用項目表・判断フロー・文例・条項例・チェックリスト収録
この記事の位置づけ前回までに、葬儀・火葬、納骨、住居明渡し、家財・遺品整理、公共料金・契約解約、デジタル契約、ペット対応の希望整理を学習済みです。本回では、それらを「いくら必要か」「誰の権限で実行するか」「預託金が不足・余剰・解除になったときどう清算するか」という実務設計に落とし込みます。行政書士は、事実確認・書類作成・連絡調整・手続補助の範囲で支援し、紛争性のある法律事務、代理交渉、法的判断の最終確定は行いません。

1. この回の到達目標

  • 葬儀・火葬、納骨、住居明渡し、残置物処理、家財処分、公共料金、医療費・施設費、ペット対応、行政書士報酬、実費を分けて見積もれる。
  • 報酬、実費、預託金、立替金、着手金、既遂報酬、清算金の違いを本人に説明できる。
  • 預託金を受任者固有財産と明確に区分し、分別管理、帳簿管理、領収書保管を前提に設計できる。
  • 預託金で死亡後の費用をできる限り賄う運用を設計しつつ、不足時に費用や契約関係の負担が相続財産・相続人側に及び得ることを説明できる。
  • 委任者死亡後、相続人が委任者の地位を承継し得ることを前提に、解除時の既発生報酬、実費、未処理業務の引継ぎ、預託金残額の返還、精算報告を設計できる。
  • 賃貸借契約の解除に関する事務と、残置物の処理に関する事務を分けて設計できる。
  • 見積書・費用説明書など消費者向けの価格表示では、税込総額表示を原則にできる。

2. この業務が必要になる実務場面

死後事務委任契約では、本人死亡後に受任者が葬儀、火葬、納骨、医療・施設精算、賃貸住宅の解約、残置物処理、家財処分、公共料金・契約解約、ペット対応などを進めます。死亡後は本人から追加で支払いを受けることができず、預貯金口座もすぐ利用できるとは限りません。そのため、契約前に費用と預託金を設計します。

実務場面 新人行政書士が確認すること
直葬を希望している 搬送、安置、火葬料、棺、骨壺、死亡診断書、葬儀契約主体、キャンセル料を確認。
賃貸住宅に住んでいる 賃貸借契約解除事務と残置物処理事務を分け、相続人承諾、遺言、モデル契約条項の有無を確認。
家財が多い・長期居住 家財量、特殊清掃、貴重品探索、写真記録、業者見積、処分権限を確認。
施設入所・入院中 最終医療費、施設費、死亡診断書、私物搬出、退去精算、身元保証人との関係を確認。
相続人が疎遠・遠方 預託金を厚めに設計し、解除時清算、余剰金返還、連絡先、他士業連携を確認。
ペットがいる 一時預かり、引受人承諾、医療費、搬送費、引受不能時の代替費用を確認。

3. 基本知識

3-1. 死後事務費用を見積もる目的

目的は、金額を知ることだけではありません。死亡後に事務を止めないこと、行政書士が過大な立替リスクを負わないこと、本人に生前のうちに費用負担を理解してもらうこと、相続人や親族との行き違いを減らすこと、契約解除時の清算を説明できることが目的です。

実務上の注意「直葬だから少額で足りる」「荷物は少ないと聞いたから大丈夫」といった感覚的な概算は避けます。見積書、料金表、契約書、写真、電話確認記録など、金額の根拠を残します。

3-2. 費用の区分

区分 意味 具体例 注意点
報酬 行政書士の業務対価 契約書作成、死後事務実行、報告書作成 消費者向け表示は税込総額表示を原則。
実費 第三者や機関に支払う費用 火葬料、郵送費、証明書、家財処分費 領収書・請求書を保管。
預託金 死後事務実行のため預かる金銭 葬儀、納骨、退去、報酬、予備費 受任者固有財産と分け、帳簿管理。
立替金 受任者が一時的に支払う金銭 緊急搬送費、交通費 多額の立替を前提にせず、上限を決める。
着手金・既遂報酬 準備・完了済み業務の対価 初動対応、手配済み業務 解除時に控除するなら契約書に明記。
清算金 完了・解除時に返還または控除する金額 残額、キャンセル料控除後の金額 返還先、期限、報告方法を決める。

3-3. 預託金の基本式

図解|預託金の考え方
預託金額 = 外部費用(葬儀・納骨・退去・処分等) + 行政書士報酬 + 実費見込額 + 着手金・既遂報酬見込額 + 予備費
不足時:実行範囲の見直し、追加費用の確認、立替上限、相続人・遺言執行者・弁護士連携を検討
余剰時:契約で定めた返還先へ、精算報告後に返還

3-4. 相続人による解除と清算

死後事務委任契約では、委任者の死亡後も契約を存続させる特約を置くことがあります。一方、委任は原則として各当事者がいつでも解除できる契約であり、委任者死亡後は相続人が委任者の地位を承継し得ます。そのため、相続人から解除の申出があった場合の清算を事前に条文化します。

清算に含める内容解除通知方法、相続人確認、業務停止範囲、既発生報酬、実費、キャンセル料、立替金、未処理業務の引継ぎ、領収書整理期限、精算報告期限、預託金残額の返還先を定めます。

3-5. 賃貸借解除と残置物処理は分ける

賃貸住宅では、賃貸借契約を終了させる事務と、室内に残された家財・残置物を保管・廃棄・引渡しする事務を分けます。死後事務委任契約だけで、無制限に解約や処分ができるようには設計しません。

  • 賃貸借契約解除関係事務:誰が解約通知をするか、管理会社が受け付けるか、解約日と賃料をどう整理するか。
  • 残置物関係事務:何を廃棄し、何を保管し、誰に引き渡すか。相続人承諾、遺言書、モデル契約条項の有無を確認。

3-6. 預託金は分別管理する

預託金は行政書士の売上ではなく、受任者固有財産でもありません。報酬口座・事業用口座・生活口座とは分け、入出金を帳簿管理し、領収書・請求書・支払記録を保存します。詳細な運用は第3-13回で扱いますが、見積り段階から本人へ説明します。

4. 実務の進め方

図解|相談から見積書作成まで

1 本人確認・意思確認

本人の希望、判断能力、同席者、利益相反を確認。相談内容がまとまっていなくても、現在の状況から一緒に整理します。

2 業務範囲の説明

行政書士は事実確認・書類作成・連絡調整・手続補助を行い、紛争性がある場合は他士業へつなぎます。

3 費用項目化

葬儀、納骨、医療施設費、住居、残置物、家財、契約解約、ペット、報酬、実費、予備費に分けます。

4 権限確認

葬儀契約主体、賃貸借解除、残置物処理、相続人承諾、遺言書、モデル契約条項を確認します。

5 見積・説明・記録

根拠資料を残し、預託金、不足時対応、解除時清算、余剰金返還を説明して記録します。

葬儀・火葬費用

搬送、安置、ドライアイス、棺、骨壺、火葬場使用料、死亡診断書、直葬プラン、深夜対応、キャンセル料を確認します。葬儀契約の主体が行政書士名義か、相続人名義か、生前契約かにより支払責任が変わります。

納骨費用

納骨先、永代供養、合祀、送骨、石材店、読経、遺骨搬送、火葬許可証(火葬済印付)の提出方法を確認します。親族感情や祭祀主宰者が問題になりそうな場合は慎重に進めます。

住居・残置物・家財

賃料、原状回復費、清掃費、特殊清掃、家財処分、貴重品探索、個人情報書類、仏壇・位牌・遺骨、デジタル機器を確認します。賃貸借解除関係事務と残置物関係事務を分け、相続人承諾、遺言、モデル契約条項を確認します。

医療・施設・契約解約・ペット

最終医療費、施設費、死亡診断書、私物搬出、公共料金、携帯、インターネット、サブスク、端末残債、解約料、ペットの一時預かり、医療費、引受不能時の代替費用を見込みます。

5. ヒアリング項目

本人の基本意思

  • 誰に迷惑をかけたくないと考えているか。
  • 相続人へ連絡してよいか。
  • 預託金でできる限り賄う設計を希望するか。
  • 不足時の連絡先は誰か。
  • 余剰金の返還先は誰か。

費用資料

  • 葬儀社見積、火葬場料金、納骨先資料。
  • 賃貸借契約書、施設契約書。
  • 公共料金、通信、カード、保険、サブスク。
  • 家財写真、業者見積。

権限確認

  • 葬儀契約主体は誰か。
  • 賃貸借解除事務を誰が行うか。
  • 残置物処理事務を誰が行うか。
  • 相続人承諾・遺言・モデル契約条項はあるか。

預託金・清算

  • 分別管理を理解しているか。
  • 帳簿管理・領収書保管に同意するか。
  • 解除時の控除項目を理解しているか。
  • 精算報告期限を決めるか。

6. 判断フロー

死後事務の範囲が整理できている
→ 費用項目化へ進む。未整理なら希望整理に戻る。

行政書士業務の範囲内で対応できる
→ 書類作成・連絡調整・手続補助として進める。紛争性があれば弁護士等へ。

賃貸住宅がある
→ 賃貸借契約解除事務と残置物処理事務を分け、相続人承諾・遺言・モデル契約条項を確認。

預託金で支払う費用が見積もれる
→ 報酬、実費、予備費を加算。不足時の連絡先と立替上限を決める。

相続人から解除申出があり得る
→ 既発生報酬、実費、キャンセル料、未処理業務引継ぎ、精算報告、残額返還を条文化。

余剰金返還先が決まっている
→ 氏名・住所・関係・返還方法を記録。未定なら契約前に整理。

7. 作成・確認する書類

書類 目的
死後事務費用見積書 葬儀、納骨、住居、残置物、医療施設、契約解約、報酬、実費、予備費を一覧化。
費用説明書 預託金の性質、不足時対応、解除時清算、余剰金返還、分別管理を説明。
預託金設計書 預託金額、使用範囲、分別管理、帳簿管理、領収書保管を整理。
相続人解除時清算ルール確認書 控除項目、未処理業務引継ぎ、精算報告、残額返還を確認。
賃貸借契約解除関係事務確認書 解約通知、管理会社対応、解約日、賃料、承諾の有無を確認。
残置物関係事務確認書 保管、廃棄、引渡し、相続人承諾、遺言、モデル契約条項を確認。
本人説明記録 本人の理解、同席者、質問、回答、判断能力、利益相反を記録。

見積書の項目例

項目 内容 備考
葬儀・火葬 搬送、安置、火葬料、死亡診断書 契約主体とキャンセル料を確認。
納骨 永代供養、送骨、立会い 火葬許可証(火葬済印付)を確認。
住居 賃料、原状回復、清掃 解除関係事務を分ける。
残置物・家財 保管、廃棄、家財処分、特殊清掃 承諾・遺言・モデル契約を確認。
医療・施設 最終医療費、施設費、私物搬出 死亡時点で変動。
行政書士報酬 契約書、実行、報告、清算 税込総額表示を原則。
予備費 安置延長、家財増加、相続人対応 余剰時は精算後返還。

8. 文例・記載例

本人への費用説明

本契約では、ご本人が亡くなられた後に、葬儀、火葬、納骨、住居明渡し、残置物処理、家財処分、公共料金等の精算、各種契約の解約、関係者への連絡等を行うため、一定の費用が必要となります。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。

預託金不足時の説明

死亡後の費用が預託金を上回る場合、予定していた事務の全部または一部を見直すことがあります。費用や契約関係の負担が相続財産・相続人側に及び得ますが、行政書士が当然に相続財産から回収できるわけではありません。相続人の同意、遺言執行者の権限、契約上の根拠、別の法的根拠が必要になる場面があります。

解除・清算条項例

委任者の死亡後、相続人が委任者の地位を承継し得ることを前提として本契約の解除を申し出る場合、相続人は受任者に対し、書面または記録に残る方法で通知する。受任者は、申出人の相続人性および他の相続人の意向を確認する。解除時点までに発生した報酬、着手金、既遂報酬、既発生実費、立替金、キャンセル料、未処理業務の引継資料作成費用、精算報告書作成費用は預託金から控除できる。受任者は、解除日または最終支出日から契約で定める期間内に領収書、請求書、支払記録を整理し、精算報告書を作成する。残額がある場合は契約で定める返還先へ返還する。ただし、返還先に争いがある場合は返還を保留し、弁護士等と連携する。

賃貸借・残置物説明

賃貸住宅については、賃貸借契約の解除に関する事務と、室内に残された残置物の処理に関する事務を分けて確認します。相続人の承諾、遺言書、国土交通省の残置物処理に関するモデル契約条項等の有無を確認し、権限が不明確なまま処分を進めないようにします。

預託金分別管理の説明

預託金は、当職の報酬や事業資金ではなく、死後事務を実行するためにお預かりする金銭です。受任者固有財産と明確に区分し、報酬口座・事業用口座・生活口座とは分けて管理します。入出金は帳簿に記録し、領収書・請求書・支払記録を保存します。

10. 新人が間違えやすいポイント

注意点 実務対応
直葬なら少額で足りると考える 搬送、安置、火葬料、死亡診断書、追加費用まで確認。
葬儀契約主体を確認しない 行政書士名義か、相続人名義か、生前契約かを整理。
預託金で必ず完結すると説明する 不足時は負担が相続財産・相続人側に及び得ると説明。
相続財産から当然に回収できると思う 同意、権限、法的根拠、他士業連携を確認。
賃貸借解除と残置物処理を混同する 解除関係事務と残置物関係事務を分ける。
家財を本人同意だけで処分する 相続人承諾、遺言、モデル契約条項を確認。
着手金・既遂報酬を明記しない 解除時に控除する項目を契約書へ記載。
預託金を報酬口座と混同する 分別管理、帳簿管理、領収書保管を徹底。
税別表示だけにする 見積書・費用説明書は税込総額表示を原則。
紛争性のある案件を単独で抱える 代理交渉や法的判断の最終確定は行わず、弁護士等へ連携。

11. トラブル予防策

  • 見積り根拠として、業者見積、料金表、契約書、請求書、写真、メール、電話確認記録を保存する。
  • 見積書には、死亡時の状況で費用が増減する可能性を明記する。
  • 預託金不足時の優先順位を、遺体搬送・火葬、ペット保護、住居保全、医療施設精算、賃貸借解除、残置物処理、納骨、契約解約の順で検討する。
  • 立替をする場合は、対象費用、上限額、精算方法を決める。
  • 余剰金返還先は、氏名、住所、関係、返還方法、受領拒否時の対応まで確認する。
  • 解除時の清算条項には、未処理業務の引継ぎ、領収書提出期限、精算報告期限、預託金残額の返還を入れる。
  • 預託金は受任者固有財産と明確に区分し、帳簿と領収書で説明できる状態にする。
  • 本人説明記録には、本人の理解、同席者、質問、回答、利益相反、他士業連携の要否を残す。

12. ケーススタディ

事案

Aさん82歳。配偶者死亡、子なし。兄弟は遠方で疎遠。賃貸マンションで一人暮らし。直葬、合祀型永代供養を希望。ペットなし。1LDKに20年以上居住し、家財は「少ない」と話す。

確認資料

賃貸借契約書、管理会社連絡先、葬儀社見積、納骨先資料、公共料金、通信契約、家財写真、行政書士報酬表、相続人候補の連絡先、遺言書作成予定、解除関係事務・残置物関係事務の契約有無。

概算設計

項目 概算 理由
遺体搬送・安置・直葬 250,000円 搬送、安置、棺、骨壺、火葬手続。
火葬場・死亡診断書 60,000円 地域差と医療機関費用を考慮。
永代供養・納骨 180,000円 合祀、遺骨搬送、立会い。
賃貸借解除・賃料等 230,000円 解約連絡、死亡月・退去月賃料。
原状回復・残置物処理 400,000円 長期居住、処分、清掃、追加費用。
公共料金・通信解約 80,000円 最終料金、撤去費、違約金可能性。
行政書士報酬・着手金 400,000円 税込総額表示。初動・実行・報告。
実費・清算報告・予備費 370,000円 交通費、郵送、引継ぎ、変動費。
合計 1,970,000円 預託金設計のたたき台。

判断

直葬希望でも、賃貸借解除、残置物処理、家財処分、原状回復、公共料金、行政書士報酬が必要です。兄弟が遠方で疎遠なため、預託金不足時にすぐ支払いが得られるとは限りません。相続人承諾、遺言書、モデル契約条項を確認し、解除時清算も契約書へ入れます。

本人への説明

「葬儀は簡素にできますが、死亡後には住居の解約、残置物処理、家財処分、納骨、各種精算が必要です。資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。まずは現在分かる範囲で概算を作り、業者見積や契約書を確認しながら、預託金額と不足時・余剰時・解除時の扱いを一緒に整理します。」

13. 実務チェックリスト

本人・範囲

  • 本人確認をした。
  • 本人の希望を記録した。
  • 行政書士業務範囲を説明した。
  • 紛争性の有無を確認した。
  • 利益相反を確認した。

費用

  • 葬儀・火葬費用を確認した。
  • 納骨費用を確認した。
  • 医療・施設精算を確認した。
  • 契約解約費を確認した。
  • 予備費を設定した。

住居・残置物

  • 賃貸借契約書を確認した。
  • 解除関係事務を確認した。
  • 残置物関係事務を確認した。
  • 相続人承諾を確認した。
  • 遺言・モデル契約を確認した。

預託金

  • 使用範囲を明確にした。
  • 分別管理を説明した。
  • 帳簿管理を説明した。
  • 領収書保管を説明した。
  • 余剰金返還先を確認した。

解除・清算

  • 相続人解除の可能性を説明した。
  • 既発生報酬を定めた。
  • 実費・キャンセル料を定めた。
  • 未処理業務引継ぎを定めた。
  • 精算報告期限を定めた。

表示・記録

  • 報酬は税込総額表示にした。
  • 根拠資料を保存した。
  • 本人説明記録を作成した。
  • 同席者を記録した。
  • 他士業連携を検討した。

14. 確認テスト

問1 預託金を設計する目的を3つ挙げてください。
死亡後の事務を止めないこと、行政書士の過大な立替を避けること、本人・相続人・関係者に費用と清算方法を説明できるようにすることです。
問2 預託金と行政書士報酬の違いは何ですか。
報酬は業務の対価です。預託金は死後事務実行のために預かる金銭で、受任者固有財産とは区分し、分別管理・帳簿管理・領収書保管が必要です。
問3 相続人から解除申出があった場合、何を清算しますか。
既発生報酬、着手金、既遂報酬、実費、立替金、キャンセル料、未処理業務引継資料作成費用、精算報告書作成費用を整理し、残額を契約に従い返還します。
問4 賃貸住宅で分けて考えるべき2つの事務は何ですか。
賃貸借契約の解除に関する事務と、残置物の処理に関する事務です。相続人承諾、遺言、モデル契約条項の有無を確認します。
問5 「預託金で完結する」と断定しない理由は何ですか。
死亡時の状況で費用が増え、不足分や契約関係の負担が相続財産・相続人側に及び得るためです。行政書士が当然に相続財産から回収できるわけでもありません。
問6 消費者向けの報酬表示で注意することは何ですか。
見積書や費用説明書では税込総額表示を原則とし、税抜額は補足的に併記します。

15. 次回への接続

今回の要点死後事務費用は葬儀費用だけではありません。納骨、住居、残置物、家財、医療施設、契約解約、ペット、報酬、実費、予備費を総合して見積もります。さらに、相続人による解除、未処理業務の引継ぎ、預託金残額の返還、分別管理まで契約前に説明します。

次回3-13では、預託金管理のリスクを扱います。預り金口座、出納帳、領収書保存、報酬への振替時期、信託口等の活用、流用を疑われないための記録化を学習します。

ご相談について死後事務委任契約の費用は、住まい、家財量、納骨先、施設利用状況、相続人との関係によって変わります。資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。まずは現在の状況を伺い、必要な確認事項を一緒に整理します。

行政書士実務マニュアル|死後事務委任契約業務 第3-12回

本記事は教育・研修目的で作成されています。個別案件では最新の法令・公的資料・所属会規程・専門家判断を確認してください。

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