施設入所前に何を整理する?
財産管理・緊急連絡先・死後手続きの確認ポイント
施設入所前は、入所申込みだけでなく、財産管理、緊急連絡先、任意後見、死後事務、遺言、お墓のことを整理する重要なタイミングです。
導入:施設入所前は「入所手続き」だけでなく暮らしと財産の整理が必要です
施設入所を検討する際は、入所申込みや必要書類だけでなく、財産管理、緊急連絡先、死後手続きまで整理しておくことが大切です。入所後に困らないよう、本人・家族・支援者が早めに確認したいポイントを解説します。
施設入所前は、今後の暮らし方を見直す大きな節目です。施設費用の支払い、通帳や印鑑の管理、緊急時の連絡体制、判断能力が低下した場合の備え、亡くなった後の手続きなど、確認すべきことは多岐にわたります。本人だけで進めるのが難しい場合は、家族や支援者、専門家と一緒に整理しておくと安心です。
また、緊急連絡先、財産管理、医療・ケアの意思決定、死後事務などは、それぞれ役割や法的な位置付けが異なります。言葉の意味を混同したまま準備を進めると、入所後に家族や支援者が対応に迷うことがあります。早めに確認することで、本人の意思を尊重しながら、現実的な支援体制を整えやすくなります。
この記事でわかること
この記事では、施設入所前に確認しておきたい手続きや準備について、実務的な視点から整理します。入所そのものの手続きだけでなく、入所後の生活を安定させるために必要な財産管理、支払い、緊急連絡先、任意後見、死後事務、遺言、お墓のことまで幅広く確認できます。
- 施設入所前に整理すべき理由
- 財産管理や支払い方法の確認ポイント
- 緊急連絡先や支援体制の考え方
- 任意後見・財産管理等委任契約・見守り契約の活用場面
- 医療・ケアの意思決定に備える考え方
- 死後事務・遺言・お墓について早めに確認する意味
- 家族やケアマネジャー、地域包括支援センターが相談する際の流れ
図解整理:施設入所前に確認する全体像
施設入所前の準備は、入所契約だけでなく「お金」「連絡」「判断能力低下」「亡くなった後」を分けて考えると整理しやすくなります。
預貯金、年金、施設費用、医療費、通帳・印鑑の保管を確認します。
連絡窓口、家族・支援者の役割、身寄りがない場合の相談先を整理します。
任意後見、財産管理等委任契約、見守り契約の役割を分けて検討します。
死後事務委任契約、遺言、お墓、納骨、関係者への連絡を確認します。
施設入所前に確認したい3つの理由
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 入所後は本人が手続きを進めにくくなる場合がある
- 家族や支援者だけでは判断に迷う場面が増えやすい
- 財産管理・緊急連絡先・死後手続きを早めに整理できる
施設入所前に手続きや生活上の課題を整理しておくことは、入所後の混乱を防ぐために重要です。入所が決まると、契約、費用、書類、連絡体制などを短期間で確認しなければならない場面が増えます。早めに準備しておくことで、本人の意思を尊重しながら、家族や支援者も動きやすくなります。
入所後は本人が手続きを進めにくくなる場合がある
施設入所後は、本人が自宅にいるときと同じように手続きを進められない場合があります。生活環境が変わることで、銀行、役所、関係機関への確認や書類管理が難しくなることがあるためです。
通帳や印鑑、保険証、介護保険証、年金関係の書類、固定資産税や公共料金の通知などが自宅に残ったままになると、必要なときにすぐ確認できません。体調や判断能力の変化により、本人が手続きを理解し、署名や確認を行うことが難しくなるケースもあります。
家族や支援者だけでは判断に迷う場面が増えやすい
施設入所後は、家族や支援者が本人に代わって確認や連絡を求められる場面が増えます。ただし、家族や支援者であっても、本人の財産を自由に動かしたり、契約内容を一方的に決めたりできるわけではありません。
施設費用の支払い、預貯金の管理、家財の整理、入院時の連絡、亡くなった後の手続きなどは、事前に本人の意思や関係者の役割を確認していないと判断に迷いやすい内容です。医療やケアの方針についても、家族や支援者が当然に本人の代わりに決められるわけではないため、本人の希望、延命治療に関する考え方、信頼できる相談相手を確認しておくことが重要です。
財産管理・緊急連絡先・死後手続きを早めに整理できる
施設入所前は、財産管理、緊急連絡先、死後手続きをまとめて確認しやすいタイミングです。入所準備を進める中で、本人の生活状況、収入、支出、家族関係、支援者の有無が見えてきます。
施設費用をどの口座から支払うのか、通帳や印鑑を誰が管理するのか、緊急時に誰へ連絡するのか、亡くなった後の手続きを誰に依頼するのかを整理します。任意後見契約、財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約、遺言などを検討するきっかけにもなります。
財産管理と支払いで整理したい4つのこと
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 預貯金・年金・口座情報を確認する
- 施設費用や医療費などの支払い方法を決める
- 通帳・印鑑・重要書類の保管場所を整理する
- 家族や第三者が関わる場合の管理ルールを明確にする
施設入所前の財産管理では、「何があるか」「どこにあるか」「誰が確認できるか」を整理することが基本です。本人の意思を確認しながら、無理のない管理体制を整えておくことが大切です。
預貯金・年金・口座情報を確認する
施設入所前には、預貯金、年金、口座情報を確認します。年金の振込口座、預貯金口座の金融機関名、口座の用途、定期預金の有無、保険や証券口座の有無などを整理しておくと、施設費用や生活費の支払いが見通しやすくなります。
本人以外が口座を扱う場合は、金融機関のルールや法的な権限を確認する必要があります。財産管理等委任契約を締結していても、金融機関ごとに代理対応の可否や必要書類が異なるため、事前確認が不可欠です。金融機関に、本人の判断能力があるうちに登録できる「代理人指名サービス」「予約型代理人サービス」などがあるかを確認しておくことも実務上有効です。
施設費用や医療費などの支払い方法を決める
施設入所後は、施設費用、医療費、薬代、日用品費、理美容代など、継続的な支払いが発生します。本人の口座から支払うのか、家族が一時的に立て替えるのか、後日精算するのかを決めておくと混乱を防げます。
支払い方法が曖昧なままだと、滞納や立替金のトラブルにつながることがあります。毎月発生する費用と支払い担当を一覧にし、施設費用、医療費、日用品費などの支払い記録を残すことで、後日の確認や家族間の説明もしやすくなります。
通帳・印鑑・重要書類の保管場所を整理する
通帳、印鑑、保険証、介護保険証、年金関係書類、不動産資料、保険証券、契約書などは、施設入所前に保管場所を整理しておくことが大切です。自宅から施設へ移る際には、家財整理や荷物の移動が重なり、重要書類が紛失する可能性もあります。
重要書類を一か所にまとめ、一覧表を作り、誰が原本を保管し、誰がコピーを確認できるのかを決めておくと安心です。ただし、通帳や印鑑の保管は財産管理と密接に関係するため、本人の意思と法的な権限を確認し、不正利用や誤解を防ぐ視点も欠かせません。
家族や第三者が関わる場合の管理ルールを明確にする
家族や第三者が財産管理に関わる場合は、管理ルールを明確にします。施設費用を誰が支払うのか、通帳を誰が保管するのか、現金をいくら手元に置くのか、立替金はどのように精算するのかを決め、支払いの記録や領収書を残すことが大切です。
第三者に財産管理を依頼する場合は、口約束ではなく、財産管理等委任契約や任意後見契約などの形で整理することが望まれます。不正防止の観点から、通帳コピーの共有、収支一覧の作成、領収書の保管、定期報告の頻度なども取り決めておくと安心です。
緊急連絡先と支援体制で確認したい3つのポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 施設から連絡を受ける人を決めておく
- 家族・親族・支援者の役割を整理する
- 身寄りがない高齢者の場合は早めに相談先を確保する
緊急連絡先は、施設からの連絡を受け、関係者へ情報をつなぐ重要な役割を担います。ただし、法的な代理権や責任を当然に伴うものではありません。できることとできないことを確認し、無理のない体制を整えることが大切です。
施設から連絡を受ける人を決めておく
施設入所前には、体調変化、受診の相談、書類確認、支払いに関する連絡などに対応する連絡窓口を決めます。電話に出られない場合の代替連絡先や、家族・支援者への共有方法も整理しておくと実務上スムーズです。
緊急連絡先は、すべての判断や手続きを代行する立場ではありません。医療同意や財産処分など、本人の意思や法的な権限が必要な事項については別途確認が必要です。施設に提出する情報と、実際に対応できる範囲を分けて考えましょう。
家族・親族・支援者の役割を整理する
家族、親族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、専門職などの役割を整理しておくと、連絡や手続きが滞りにくくなります。家族が日常的な連絡を受け、ケアマネジャーが介護サービスを調整し、専門職が財産管理や契約の相談を受けるなど、役割を分けて考えることができます。
医療・ケアの方針については、本人の希望を確認しておくことが大切です。法的な医療同意権を当然に代行できるわけではありませんが、本人の意思を推定する「意思決定代行者」として、家族や信頼できる第三者を指定しておく実務があります。リビングウィル、事前指示書、任意後見契約の特約、身元保証契約等の関連書面で、延命治療や終末期医療に関する希望を残しておくと、関係者が本人の意思を確認しやすくなります。
身寄りがない高齢者の場合は早めに相談先を確保する
身寄りがない高齢者や、家族と疎遠な方の場合は、施設入所前に相談先を確保しておくことが特に重要です。支払い、連絡、書類確認、将来の判断能力低下、亡くなった後の手続きなど、本人だけでは対応が難しい課題が出てくることがあります。
地域包括支援センター、ケアマネジャー、行政窓口、専門家などと連携し、任意後見契約、財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約などを組み合わせて検討します。相談先を決めることはすべての緊急対応を保証することではないため、対応できる範囲や契約内容を確認し、書面で整理することが重要です。
任意後見・財産管理等委任契約で備えられる3つの場面
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 判断能力があるうちに将来の支援者を決められる
- 財産管理等委任契約で入所前後の手続きを支援できる
- 見守り契約で生活状況の確認や相談体制を整えられる
施設入所前は、将来の判断能力低下に備える契約を検討しやすい時期です。任意後見契約や財産管理等委任契約、見守り契約は、それぞれ役割が異なります。見守り契約は状況確認のための契約であり、手続きや財産管理を行う代理権を当然に含むものではありません。
判断能力があるうちに将来の支援者を決められる
任意後見契約は、本人に判断能力があるうちに、将来判断能力が低下した場合の支援者を決めておく契約です。本人が信頼できる人を任意後見受任者として選び、将来必要になったときに家庭裁判所で任意後見監督人が選任されることで支援が始まります。
施設入所後に判断能力が低下してからでは、任意後見契約を結ぶことが難しくなる場合があります。任意後見契約を結んだからといって、医療同意権が包括的に認められるわけではないため、医療・ケアの希望は別途書面で整理しておくことが望まれます。
財産管理等委任契約で入所前後の手続きを支援できる
財産管理等委任契約は、本人の判断能力がある段階で、財産管理や各種手続きの支援を依頼する契約です。施設費用の支払い、公共料金の解約や変更、役所手続き、郵便物の確認、必要書類の整理など、本人が一人で対応しにくい事務を支援する場面で役立ちます。
ただし、本人の判断能力があることを前提とする契約であり、本人の意思確認が難しくなった場合には、任意後見や法定後見の検討が必要になることもあります。金融機関ごとに代理対応の可否や必要書類が異なるため、契約書だけでなく、実際に金融機関がどのように対応するかも確認しておく必要があります。
見守り契約で生活状況の確認や相談体制を整えられる
見守り契約は、定期的な連絡や面談を通じて、本人の生活状況や判断能力の変化を確認するための契約です。施設入所前後の不安を早めに把握し、必要な支援につなげる役割があります。
ただし、見守り契約は法律で定められた定型契約ではなく、当事者間の合意に基づく契約です。内容や範囲は個別に定める必要があります。見守り契約だけでは、手続きを代行する法的な権限、つまり代理権はありません。施設入所前後の具体的な手続きや支払い、契約対応、書類提出などを任せたい場合は、財産管理等委任契約を別途結ぶ必要があります。
死後事務・遺言・お墓で確認したい4つのこと
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 死後事務委任契約で亡くなった後の手続きを整理する
- 遺言で財産の承継に関する意思を残す
- お墓・納骨・供養の希望を確認する
- 家族や支援者が困らないよう情報をまとめておく
施設入所前は、亡くなった後の手続きについても整理しやすいタイミングです。死後事務、遺言、お墓の希望が不明確なままだと、家族や支援者が対応に悩むことがあります。
死後事務委任契約で亡くなった後の手続きを整理する
死後事務委任契約は、亡くなった後に必要となる事務手続きを、あらかじめ第三者へ依頼しておく契約です。関係者への連絡、葬儀や火葬に関する手配、施設利用料や医療費の精算、公共料金や各種契約の解約、役所への届出、遺品整理に関する調整などが含まれることがあります。
ただし、死後事務委任契約は万能ではありません。相続財産の分け方を決めるものではないため、財産の承継については遺言とあわせて考える必要があります。預貯金の解約、不動産の相続手続き、相続財産の処分などは、相続人や遺言執行者の関与が必要となることがあります。金融機関や各機関の運用により、対応範囲が制限される場合もあります。
遺言で財産の承継に関する意思を残す
遺言は、亡くなった後に財産を誰へどのように承継させるかについて、本人の意思を残すための方法です。預貯金、不動産、保険、株式などの財産がある場合、遺言がないと相続人同士で遺産分割協議が必要になることがあります。
死後事務委任契約と遺言は役割が異なります。死後事務委任契約は、葬儀や各種解約などの事務手続きに関する備えであり、財産の承継先を決めるものではありません。財産を誰に引き継ぐかを決めたい場合は、遺言を別途検討する必要があります。
お墓・納骨・供養の希望を確認する
施設入所前には、お墓、納骨、供養に関する希望も確認しておくとよいでしょう。先祖代々のお墓があるか、墓地や納骨堂の契約があるか、永代供養を希望するか、散骨や合祀を考えているか、宗教者との関係があるかなどを整理します。
お墓や納骨の手続きは、寺院、霊園、納骨堂、親族との関係によって必要な確認事項が異なります。死後事務委任契約でどこまで依頼できるか、親族の同意や関与が必要になるかも含めて確認しておくと安心です。
家族や支援者が困らないよう情報をまとめておく
施設入所前には、親族や支援者の連絡先、金融機関、年金、保険、医療機関、介護関係者、施設、葬儀や納骨の希望、契約中のサービスなどをまとめておくことが重要です。紙の一覧表やエンディングノートを活用してもよいでしょう。
ただし、情報をまとめるだけで法的な手続きがすべて完了するわけではありません。財産の承継には遺言、死後の事務には死後事務委任契約、判断能力低下への備えには任意後見契約など、それぞれに適した方法があります。
施設入所前の整理で注意したい3つのつまずき
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 緊急連絡先と身元保証人を混同しない
- 医療同意の代行を前提にしない
- 「いざという時に誰かが対応するだろう」と先送りしない
緊急連絡先と身元保証人を混同しない
緊急連絡先は、施設からの連絡を受ける窓口としての役割が中心であり、施設費用の保証やすべての手続きの引受けを意味するものではありません。施設によっては、入所契約の際に身元保証人や連帯保証人、またはそれに準ずる役割を求められることがありますが、その内容は施設ごとに大きく異なります。
施設から書類を受け取った際は、「緊急連絡先としての登録なのか」「金銭的な保証を含むのか」「退去時や死亡時の対応まで求められるのか」を分けて確認することが大切です。
医療同意の代行を前提にしない
緊急連絡先や支援者がいるからといって、本人に代わって当然に医療同意ができるわけではありません。日本では、成年後見人であっても包括的な医療同意権が明確に認められているわけではなく、実務上は医療機関が家族等の意向を確認しながら判断する運用が多くなっています。
誰かが法的な医療同意を代行する前提で準備を進めるのは避けるべきです。一方で、本人の意思を推定する「意思決定代行者」をあらかじめ指定し、延命治療や終末期医療、介護方針に関する希望を書面に残しておくことは実務上重要です。リビングウィル、事前指示書、ACPに関する記録、任意後見契約の特約、身元保証契約等の関連書面を活用することで、医療機関や施設が判断に迷うリスクを軽減できます。
「いざという時に誰かが対応するだろう」と先送りしない
施設入所前の準備で避けたいのは、「必要になったら誰かが対応するだろう」と先送りすることです。施設費用の支払い口座が不明なまま本人が手続きできなくなる場合や、緊急連絡先が決まっていないため施設や医療機関からの連絡が滞る場合があります。
見守り契約だけでは支払いや手続きの代行はできません。財産管理を依頼するには財産管理等委任契約、将来の判断能力低下に備えるには任意後見契約、亡くなった後の手続きを依頼するには死後事務委任契約など、目的に応じた準備が必要です。
HANAWAで相談できる5つのこと
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 施設入所前の手続き整理に関する相談
- 財産管理や支払い体制に関する相談
- 任意後見・財産管理等委任契約に関する相談
- 死後事務委任契約・遺言・お墓に関する相談
- ケアマネジャーや地域包括支援センターからの相談
HANAWAでは、施設入所前に整理しておきたい手続きや契約について、本人・家族・支援者からの相談を受け付けています。入所そのものの準備だけでなく、財産管理、緊急連絡先、任意後見、死後事務、遺言、お墓のことまで、状況に応じて確認できます。
施設入所前の手続き整理に関する相談
施設費用の支払い、重要書類の保管、緊急連絡先、家族や支援者との役割分担、亡くなった後の手続きなどを整理します。施設比較や紹介ではなく、入所前後に必要となる実務整理を中心に扱います。
財産管理や支払い体制に関する相談
預貯金、年金、施設費用、医療費、公共料金、重要書類の管理などについて相談できます。財産管理等委任契約を結んでいても、金融機関ごとに代理対応の可否や必要書類が異なることがあります。金融機関の代理人届や予約型代理人サービスなどの有無を確認し、実際に使える支援体制を整えることが重要です。
任意後見・財産管理等委任契約に関する相談
任意後見契約は、将来判断能力が低下した場合に備える契約です。財産管理等委任契約は、本人の判断能力がある段階で、財産管理や事務手続きの支援を依頼する契約です。見守り契約は、定期的な意思疎通や生活状況の確認を目的とする契約であり、手続きや支払いを代行する代理権を当然に含むものではありません。
死後事務委任契約・遺言・お墓に関する相談
死後事務委任契約では、葬儀、火葬、施設費用や医療費の精算、各種契約の解約、関係者への連絡などを整理できます。一方、財産の承継については遺言が関係します。預貯金の解約、不動産の相続手続き、相続財産の処分など、相続人や遺言執行者の関与が必要となる手続きは単独で完結できない場合があります。
ケアマネジャーや地域包括支援センターからの相談
HANAWAでは、本人や家族だけでなく、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどの支援者からの相談にも対応しています。支援者が緊急連絡先、医療同意、財産管理、死後手続きをすべて担えるわけではありません。法的な代理権の有無、契約の範囲、本人の意思確認の方法を整理し、必要に応じて契約や書面を検討することが重要です。
施設入所前相談の流れは4ステップです
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 現在の状況と不安を確認する
- 財産・連絡先・支援者の有無を整理する
- 必要な契約や手続きを検討する
- ご本人・ご家族・支援者と連携して準備を進める
入所予定時期、体調、判断能力、家族や支援者の関わり方を整理します。
預貯金、年金、保険、不動産、家族、施設、医療機関などを一覧化します。
任意後見、財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務、遺言などを目的別に確認します。
本人の意思確認、家族への説明、施設やケアマネジャーとの情報共有を進めます。
現在の状況と不安を確認する
施設入所を検討している理由、入所予定時期、本人の体調、判断能力、家族や支援者の関わり方などを整理します。医療・ケアに関する希望や、将来判断能力が低下した場合に誰へ意思確認をしてほしいかも確認しておくと実務上役立ちます。
財産・連絡先・支援者の有無を整理する
預貯金、年金、保険、不動産、負債の有無、家族、親族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、医療機関、施設などを整理します。金融機関の代理人登録や、本人が利用している銀行の認知症対応サービスの有無も確認しておくとよいでしょう。
必要な契約や手続きを検討する
入所後の支払い管理が不安な場合は財産管理等委任契約、将来の判断能力低下に備えたい場合は任意後見契約、定期的な連絡や状況確認を希望する場合は見守り契約が関係します。亡くなった後の手続きを家族に頼みにくい場合は死後事務委任契約、財産の承継について意思を残したい場合は遺言を検討します。
ご本人・ご家族・支援者と連携して準備を進める
本人の意思確認、家族への説明、施設やケアマネジャーとの情報共有、必要書類の準備、契約内容の確認などを段階的に行います。緊急連絡先、財産管理、医療・ケアの意思確認、死後事務は役割が異なるため、契約書、一覧表、記録を活用して整理しておくことが実務上有効です。
よくある質問
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 施設入所前に何を整理すればよいですか?
- 緊急連絡先がいない場合も相談できますか?
- 財産管理や任意後見も一緒に相談できますか?
- ケアマネジャーからの相談も可能ですか?
財産管理、支払い方法、緊急連絡先、重要書類、任意後見、死後事務、遺言、お墓の希望などを整理します。医療・ケアの意思決定についても、本人の希望を確認し、本人の意思を推定する人や、延命治療等に関する希望を書面に残しておくと安心です。
相談できます。身寄りがない高齢者や、家族と疎遠な方の場合、施設入所前に支援体制を整理しておくことが特に重要です。ただし、緊急連絡先は法的な代理権や責任を当然に伴うものではなく、連絡窓口としての位置付けが基本です。
相談できます。財産管理等委任契約、任意後見契約、見守り契約を状況に応じて整理します。見守り契約は財産管理や手続きの代理権を当然に含むものではないため、支払いや契約手続きまで依頼したい場合は、財産管理等委任契約を別途検討する必要があります。
可能です。支援者だけで抱え込まず、専門家と一緒に課題を整理することで、本人に合った準備を進めやすくなります。法的な代理権の有無、契約の範囲、本人の意思確認の方法を整理し、必要に応じて任意後見契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約、リビングウィル等の書面を検討します。
まとめ:施設入所前は財産管理・緊急連絡先・死後手続きを整理する大切なタイミングです
施設入所前は、入所申込みや必要書類だけでなく、今後の暮らしと将来の手続きを整理する大切な時期です。本人の判断能力があるうちに、財産管理、緊急連絡先、任意後見、死後事務、遺言、お墓のことを確認しておくことで、入所後の不安や家族・支援者の負担を軽減しやすくなります。
- 施設入所前は、財産管理・支払い方法・重要書類を整理する必要があります。
- 緊急連絡先は、法的な代理権や責任を当然に伴うものではなく、身元保証や医療同意と混同しないことが大切です。
- 判断能力があるうちに、任意後見契約、財産管理等委任契約、金融機関の代理人届や予約型代理人サービスなどを確認できます。
- 見守り契約は状況確認のための契約であり、手続きや支払いを任せるには財産管理等委任契約などの別契約が必要です。
- 死後事務委任契約、遺言、お墓の希望、医療・ケアの意思確認を整理しておくと、本人の希望を反映しやすくなります。
施設入所前の準備は、早く始めるほど本人の意思を反映しやすくなります。不安な点がある場合は、財産管理や死後手続き、医療・ケアの希望まで含めて、専門家に相談しながら一つずつ整理していきましょう。
施設入所前の不安を整理したい方はご相談ください
施設入所前は、財産管理・緊急連絡先・死後手続きを整理する大切なタイミングです。ご本人・ご家族・支援者の方からのご相談をお受けしています。
医療・ケアの希望、見守り契約と財産管理等委任契約の違い、金融機関での代理対応、死後事務委任契約の限界など、誤解しやすい点も含めて確認できます。
施設入所前の支援について相談する関連LPリンク
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 施設入所前の支援に関するご案内
- 認知症や将来の判断能力低下に備えるご案内
- 死後事務委任契約に関するご案内
- 支援者・関係機関との連携に関するご案内
補足:施設入所前の準備では、財産管理、認知症への備え、死後事務、支援者との連携など、複数の課題が関係します。必要な情報をあわせて確認することで、本人に合った準備を進めやすくなります。