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保有個人情報の開示請求で「見られるはず」が崩れる理由
——不開示・部分開示の考え方と線引き

保有個人情報の開示請求では、「本人の情報なら当然見られる」と考えがちです。しかし実務では、第三者の権利利益や記録の性質によって、不開示や部分開示が行われる場合があります。この記事では、制度上の考え方と、どこまで見られるのかの線引きを解説します。

第1章

本人情報なのに開示されない3つの理由——「見られるはず」が崩れるポイント

この章で扱う主なポイント
  • 保有個人情報でも無条件に開示されるわけではない理由
  • 法律上の「不開示・部分開示」という考え方
  • なぜ"自分のこと"でも制限がかかるのか

「本人情報=すべて開示」という考えは必ずしも正しくありません。開示制度はあくまで権利調整の仕組みであり、無制限の閲覧権ではありません。この章では、その前提となる基本的な考え方を整理します。

保有個人情報でも無条件に開示されるわけではない理由

保有個人情報であっても、必ずしも全てが開示されるわけではありません。開示制度は「本人の知る権利」と「第三者の権利利益」や「業務の適正な遂行」とのバランスで成り立っています。例えば、記録の中に他人の発言や評価が含まれている場合、それをそのまま開示すると第三者の権利利益を害するおそれがあります。開示請求は強い権利ではあるものの、一定の制限のもとで運用されている点が重要です。

法律上の「不開示・部分開示」という考え方

個人情報保護法等の規定では、開示請求に対して「全部開示」「部分開示」「不開示」のいずれかの対応が想定されています。この判断は、情報ごとに不開示条項に該当するかどうかを基準に行われます。開示される部分は不開示条項に該当しない部分であり、不開示となる部分は第三者情報・犯罪捜査・業務の適正な遂行に支障を及ぼす情報などが該当します。単に「本人の情報かどうか」ではなく、情報の性質ごとに判断される点が実務上の特徴です。

なぜ"自分のこと"でも制限がかかるのか

「自分の情報なのに見られないのはおかしい」と感じるのは自然です。しかし実際の記録は、複数の人物や評価が含まれる複合的な情報で構成されています。例えば相談記録や内部検討資料には、第三者の発言や評価、未確定の方針などが含まれることがあります。これらをそのまま開示すると、関係者の権利利益を害したり、業務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあります。そのため、制度上は一定の制限が設けられています。

第2章

第三者情報が含まれると変わる3つの判断基準——「日記に友だちの秘密がある」状態

この章で扱う主なポイント
  • 第三者情報とは何か(家族・友人・関係者の情報)
  • なぜ第三者の権利が優先される場合があるのか
  • 「一部だけ隠す(マスキング)」という実務対応

開示判断の分かれ目は「第三者情報が含まれているか」にあります。ここでは具体的に整理します。

第三者情報とは何か(家族・友人・関係者の情報)

第三者情報とは、請求者本人以外の個人に関する情報を指します。対象は家族、友人、職場関係者など幅広く含まれます。例えば「家族との会話」「同僚の評価」「担当者の意見」などは第三者情報に該当する可能性があります。このような情報は、本人に関する記録の中に含まれていても、そのまま開示できるとは限りません。

なぜ第三者の権利が優先される場合があるのか

第三者情報が制限されるのは、他人の権利利益を保護する必要があるためです。第三者の同意があれば開示される可能性は高まりますが、制度上の判断は同意の有無だけで決まるものではありません。例えば、同意があっても業務の適正な遂行に支障が出る場合は不開示となることがあります。逆に、公益性などの観点から同意がなくても開示されるケースもあります。

「一部だけ隠す(マスキング)」という実務対応

実務では、「開示できる部分」と「開示できない部分」を分ける部分開示が多く採用されています。例えば、第三者の氏名や発言部分のみを黒塗りにし、それ以外の情報は開示する方法です。このような対応により、本人の知る権利と第三者保護の両立が図られています。

第3章

どこまで見られるのかが分かる3つの線引き——開示・部分開示・不開示の違い

この章で扱う主なポイント
  • 全部開示されるケースの特徴
  • 一部黒塗りになるケースの具体例
  • 完全に不開示になるケースの判断基準

「どこまで見られるか」は情報の性質によって段階的に決まります。代表的な区分を以下に整理します。

開示区分 内容の状態 具体例
全部開示 純粋に本人の情報のみ 自分の提出書類、本人限定の通知
部分開示 本人と第三者情報が混在 相談記録、担当者の意見を含む資料
不開示 性質上開示が制限される 犯罪捜査資料、内部検討情報、人事評価プロセス

全部開示されるケースの特徴

全部開示となるのは、第三者の権利利益や業務への影響が認められない場合です。例えば、本人が提出した書類や、本人だけに関する事実情報はそのまま開示されやすい傾向にあります。

一部黒塗りになるケースの具体例

部分開示は、最も一般的な対応です。例えば、相談記録において担当者の意見や第三者の発言が含まれる場合、その部分のみ黒塗りされることがあります。これにより、必要な情報を確保しつつ、保護すべき部分を適切に制限できます。

完全に不開示になるケースの判断基準

不開示となるのは、開示によって重大な不利益が生じるおそれがある場合です。例えば、関係者の生命・身体・財産上の権利利益を害するおそれや、正当な業務の遂行を著しく妨げるおそれがある内部調査の詳細などは、開示が制限されることがあります。

第4章

家族や身近な人の情報で起きやすい3つの誤解——「自分のこと=全部見られる」の落とし穴

この章で扱う主なポイント
  • 家族の情報は"自分の情報"ではないという考え方
  • 共有された情報でも開示できないケース
  • 感情的な納得と法的な判断がズレる理由

身近な情報ほど誤解が生じやすいことが分かります。

家族の情報は"自分の情報"ではないという考え方

配偶者や子どもに関する情報は、それぞれ独立した個人情報として扱われます。そのため、本人の開示請求の対象として認められるのはあくまで本人の保有個人情報に限られ、家族の情報は別個の扱いとなります。

共有された情報でも開示できないケース

共有された情報であっても、その中に第三者の個人情報が含まれる場合には、その第三者の権利利益を考慮して開示制限が行われることがあります。単に関わっているという理由だけでは、自由に閲覧できるわけではありません。

感情的な納得と法的な判断がズレる理由

制度上の判断と個人の感情は一致しないことがあります。「自分のことなのだから知りたい」という感覚は自然ですが、制度は権利の調整を前提として設計されています。この違いを理解することで、結果への納得度は大きく変わります。

第5章

「納得できない」と感じたときの3つの対応策——開示結果への向き合い方

この章で扱う主なポイント
  • 不開示理由の確認と読み解き方
  • 異議申立て・再請求の考え方
  • 専門家に相談すべきタイミング

開示結果に納得できない場合でも、複数の対応手段が存在します。

不開示理由の確認と読み解き方

まずは、不開示理由を正確に確認することが重要です。通知書には法的根拠や判断理由が示されているため、その内容を整理することで次の対応が見えてきます。

異議申立て・再請求の考え方

判断に疑問がある場合は、審査請求(異議申立て)や再請求を検討できます。また、事業者への再説明の要求や、第三者機関への苦情申立てといった手段もあります。重要なのは、具体的な理由を整理したうえで対応することです。

専門家に相談すべきタイミング

不開示理由が複雑な場合や重要な情報が関わる場合には、専門家への相談が有効です。法的な観点から適切な対応を検討することで、無駄な手続きを避けることができます。

なぜこのテーマが重要なのか——個人情報開示の核心となる考え方

本人の保有個人情報であっても、無条件に開示されるわけではありません。制度は常に「本人の権利」と「他者の権利利益」「業務の適正な遂行」とのバランスの上に成り立っています。この前提を理解しておくことで、誤解やトラブルを防ぎ、より適切な請求や対応が可能になります。

まとめ

  • 本人の保有個人情報でも無条件に開示されるわけではない
  • 不開示判断は不開示条項に基づき個別に行われる
  • 第三者情報は重要な判断要素となる
  • 同意の有無だけで開示可否は決まらない
  • 不服がある場合は審査請求や苦情申立てなどの手段がある

開示結果に違和感を持った場合は、まず理由を整理し、適切な手続きを検討することが重要です。必要に応じて専門家の力を活用することで、より納得のいく解決につながります。

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