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情報公開 個人情報開示 制度比較

情報公開請求と保有個人情報開示請求の違い
——「学校だより」と「自分の通知表」で考える

欲しい情報があるのに、請求の入口を間違えて遠回りしてしまうケースは少なくない。学校だよりを見るのか、自分の通知表を見るのかで使う制度は変わる。本記事では、2つの請求の違いを初めての人にも分かりやすく整理する。

情報公開請求
📄 学校だより
公的文書を広く開く制度
保有個人情報開示請求
📋 自分の通知表
本人情報にアクセスする制度
比較項目 情報公開請求 保有個人情報開示請求
典型例 学校だより、会議資料、事業記録 通知表、指導記録、申請履歴
請求できる人 誰でも 本人・法定代理人・任意代理人
本人確認 原則不要 必要
本人情報の扱い 原則不開示(部分開示になりやすい) 原則開示
決定期間 原則30日以内(国) 原則30日以内(国)
根拠法令(国) 情報公開法 個人情報保護法

情報公開制度は、国では情報公開法に基づき行政文書の開示を求める仕組みである。一方、個人情報の開示請求は、法令や窓口で「保有個人情報の開示請求」と表現されることがあり、国の行政機関でもその呼称が使われている。令和5年4月1日からは地方公共団体にも個人情報保護法が直接適用されており、個人情報保護制度の基本ルールは全国共通化されている。

01

情報公開請求と保有個人情報開示請求は
「見る対象の違い」で3分で整理できる

この章のポイント
  • 学校だよりを見たいときは「情報公開請求」を考える
  • 自分の通知表を見たいときは「保有個人情報開示請求」を考える
  • 「同じ紙に見えても入口が違う」と理解すると迷いにくい

2つの制度の差は、「誰が請求するか」よりも、まず何を見たいのかで整理すると理解しやすくなる。広く公開される公的文書を求める制度なのか、本人が自分の情報へアクセスする制度なのかを分けて考えると、入口の取り違えをかなり防げる。仙台市の案内でも、公文書の開示請求と保有個人情報の開示請求は別制度として整理されている。

学校だよりを見たいときは「情報公開請求」を考える

学校だよりのように、学校や役所が業務として作成し保有している文書を見たいなら、まず情報公開請求を考えるのが基本だ。国の行政機関では、情報公開法に基づき、誰でも行政文書の開示を請求できる。請求者が当事者かどうかよりも、その文書が組織の業務として保有されているかが入口選びの基準になる。まずは「見たいのは組織の文書か」を確かめると、制度を選びやすくなる。

自分の通知表を見たいときは「保有個人情報開示請求」を考える

自分の通知表や指導記録のように、本人にひもづく情報を見たい場合は、個人情報の開示請求を考えるのが自然だ。法令や窓口では「保有個人情報の開示請求」と案内されることがあり、国の行政機関でもその名称が使われている。たとえば仙台市では、本人に関する情報の開示を希望する場合、公文書の開示請求とは別に保有個人情報の開示請求が案内されている。本人情報を確認したい場面では、こちらの入口のほうが目的に合いやすい。

「同じ紙に見えても入口が違う」と理解すると迷いにくい

同じ学校にある紙でも、学校だよりと通知表では制度上の役割が異なる。前者は公的な文書として広く開示の可否を判断する対象となり、後者は本人の情報として開示を考える対象になりやすいからだ。仙台市の例では、公文書の開示請求では請求者本人の情報であっても個人情報として原則不開示と整理される一方、保有個人情報の開示請求では請求者本人の情報が原則開示とされている。紙の見た目が似ていても、役割で入口を分ける必要があるということだ。

02

情報公開請求で見に行くべき3つの情報を知ると
入口を間違えにくい

この章のポイント
  • 学校や役所が作成・保有している公的な文書
  • 自分以外の人にも同じ条件で開示されうる情報
  • 本人の情報が含まれていても「自分の情報」とは限らないケース

情報公開請求に向くのは、組織が業務として保有している文書だ。しかもその文書が開示されるかどうかは、原則として請求者ごとに変わるのではなく、同じ文書なら同じ基準で判断される。ここを押さえると、「自分に関係があるから個人情報の開示だろう」と早合点しにくくなる。

学校や役所が作成・保有している公的な文書

情報公開請求の対象は、職員が職務上作成または取得し、組織的に用いるものとして保有している文書や電磁的記録だ。国の行政機関でも、そのような行政文書が開示請求の対象と案内されている。通知、会議資料、事業の記録、行政手続の中で作られた文書などは、この制度で検討しやすい典型例だ。まずは「その文書は業務の中で組織が持っているか」を確認すると、入口の見当がつきやすくなる。

自分以外の人にも同じ条件で開示されうる情報

情報公開請求は、原則として「誰が請求したか」で中身が増減する制度ではない。農林水産省は誰でも行政文書の開示を請求できると案内しており、仙台市も公文書の開示請求は「どなたでも」できる制度として整理している。「自分が当事者だから追加で見せてもらえる」という考え方はこの制度にはなじまない。そう理解しておくと、個人情報の開示請求との違いが見えやすくなる。

本人の情報が含まれていても「自分の情報」とは限らないケース

公文書の中に自分の氏名や住所が書かれていても、その文書全体が当然に「自分の情報」として扱われるわけではない。情報公開制度は誰にでも同じ基準で開く仕組みなので、特定の個人を識別できる情報は不開示情報となり、部分開示になることがある。厚生労働省の案内でも、情報公開制度では個人に関する情報は不開示情報に当たり、マスキングした状態で部分開示になると説明されている。

⚠ 注意

「自分の名前が載っているから見られるはず」は情報公開制度では通じない。本人情報を確認したいなら、制度の入口から見直すことが重要だ。

03

保有個人情報開示請求を使うべき3つの場面を押さえると
「自分の情報」にたどり着きやすい

この章のポイント
  • 通知表・指導記録・相談記録など本人にひもづく情報を見たいとき
  • 申請履歴や対応履歴など自分に関する記録を確認したいとき
  • 本人確認が必要になるのはどんな請求かを先に知っておく

個人情報の開示請求は、「自分について学校や役所がどう記録しているか」を確かめたいときに向いている。令和5年4月1日からは地方公共団体にも個人情報保護法が直接適用され、開示請求などの個人情報保護制度は全国共通ルールで整理された。もっとも、窓口名、受付方法、手数料などの実務運用には差が残るため、請求先の案内は必ず確認したい。

通知表・指導記録・相談記録など本人にひもづく情報を見たいとき

通知表、指導記録、相談記録のように、特定の本人について評価や経過が記録された情報は、個人情報の開示請求で考えるのが基本だ。仙台市では、保有個人情報の開示請求を「市が保有している公文書に記載されている個人情報を、ご本人からの請求により開示する制度」と説明している。こうした情報は、広く一般に公開するための文書というより、本人との関係で意味を持つ記録だ。自分の生活や権利に関わる情報を確かめたいなら、こちらの制度が合っている。

申請履歴や対応履歴など自分に関する記録を確認したいとき

役所への申請履歴、相談への対応履歴、問い合わせ後の処理状況など、「自分の件がどう扱われたか」を知りたい場合も、個人情報の開示請求が有力だ。e-Govの案内でも、個人情報を保有する行政機関に対する開示請求、訂正請求、利用停止請求の手続が案内されている。本人情報へのアクセスを前提とする制度だからこそ、自分に関する記録を確認したい場合に適している。

本人確認が必要になるのはどんな請求かを先に知っておく

多くの請求先では、個人情報の開示請求が本人または代理人による手続であることを確認するため、本人確認書類の提示や提出が求められる。仙台市は、請求される個人情報の本人または代理人であることの確認を行うと明示しており、財務省の案内でも、保有個人情報開示請求書による請求と手数料納付を前提とした手続が整備されている。窓口、郵送、オンラインで細かな運用は異なるため、請求先のページを事前に確認することが重要だ。

04

入口の取り違えを防ぐ4つのチェックで
「どちらを使うか」はほぼ判断できる

この章のポイント
  • 見たいのは「みんなに開かれる情報」か「自分だけの情報」か
  • 請求するときに本人確認書類が必要か
  • 文書そのものを知りたいのか、自分に関する記録を知りたいのか
  • 迷ったときは窓口で何をどう伝えると振り分けてもらいやすいか

制度名を暗記するより、判断の物差しを持つほうが実務では役立つ。ここでは、入口選びで迷ったときに使える4つのチェックを整理する。請求前にこの順で確認すれば、制度の取り違えで出し直すリスクをかなり抑えられる。

  1. 1
    「みんなに開かれる情報」か「自分だけの情報」か
    前者なら情報公開請求、後者なら個人情報の開示請求を疑うのが基本だ。国の情報公開制度は誰でも請求できる一方、仙台市の保有個人情報の開示請求は本人・法定代理人・任意代理人が行う制度として整理されている。この違いを最初に押さえるだけで、かなりの案件は振り分けられる。
  2. 2
    請求するときに本人確認書類が必要か
    仙台市では、保有個人情報の開示請求で本人や代理人の確認を行うと明示している。国の行政機関でも、保有個人情報開示請求書や委任状が整備されており、本人または代理人による請求を前提とする運用だ。本人確認が必要だと案内されたときは、「いま見ようとしているのは本人情報なのだ」と考えると整理しやすくなる。
  3. 3
    文書そのものを知りたいのか、自分に関する記録を知りたいのか
    請求したいのが「〇月の学校だより」「〇〇会議の資料」のような文書そのものなのか、「自分についてどう記録されているか」なのかを分けて考えることも大切だ。国土交通省は、行政文書の名前が分からない場合でも、内容等を明記して窓口で相談しながら特定すると案内している。文書名を知らなくても、目的を言葉にできれば制度選択と文書特定の両方が進みやすくなる。
  4. 4
    迷ったときは窓口で何をどう伝えると振り分けてもらいやすいか
    制度名を先に断定するより、「何を見たいのか」「おおよその時期はいつか」「どの部署が持っていそうか」を伝えるほうが通りやすくなる。仙台市の公文書開示請求では、公文書の名称のほか「お知りになりたい具体的な内容」を書けるようになっており、目的ベースで伝えると、適切な制度に振り分けてもらいやすくなる。
05

入口を間違えたときに起こりやすい3つのズレを知ると
請求の失敗を減らせる

この章のポイント
  • 本人のことを知りたいのに「公開文書」として扱われてしまう
  • 開示されると思った部分が個人情報として伏せられる
  • 出し直しや確認の手間が増えて、ほしい情報に届くまで遠回りになる

入口のミスは、単なる用語の勘違いでは終わらない。制度ごとに、誰が請求できるか、不開示情報の考え方、本人確認、通知の流れが変わるため、最初の選択がその後の進み方を左右する。もっとも、どちらの制度でも全部かゼロかで決まるとは限らず、不開示部分を伏せた「部分開示」が行われることがある。そのうえで、目的に合う制度を選んだほうが、必要な情報に届きやすくなる。

本人のことを知りたいのに「公開文書」として扱われてしまう

自分の情報を確かめたいのに情報公開請求で進めると、制度上は「誰に対しても同じ基準で開く文書」として審査される。その結果、本人向けアクセスという観点ではなく、一般公開の可否という観点で判断されるため、目的とのズレが生じやすくなる。仙台市では、本人に関する情報の開示を希望する場合、公文書開示請求ではなく保有個人情報の開示請求を利用するよう案内している。本人情報を見たいなら、入口を合わせることが重要だ。

開示されると思った部分が個人情報として伏せられる

入口を誤ると、「自分の名前が書いてあるのだから見られるはずだ」と思っていた部分が、情報公開制度では個人情報として伏せられることがある。国の情報公開制度でも、特定の個人を識別できるような個人情報は不開示情報に当たり、厚生労働省の案内ではマスキングした状態で部分開示になると説明されている。仙台市でも、公文書開示請求では請求者本人の情報であっても個人情報として原則不開示と案内されており、制度の役割の違いがはっきり表れている。

出し直しや確認の手間が増えて、ほしい情報に届くまで遠回りになる

制度を取り違えると、請求内容の補正、文書の再特定、制度の切り替えが必要になり、時間を失いやすくなる。厚生労働省の案内では、開示を求める文書が特定されていなかったり、請求書に不備があったりすると補正が必要で、その期間は決定期限に算入されない。情報公開請求も個人情報の開示請求も、国では原則30日以内に決定される仕組みだが、補正や延長が入ると体感はかなり長くなる。入口選びの時点で迷いを減らすことが、結果的な近道になる。

06

最初の一歩で迷わないための3つの進め方を押さえると
次の記事にもつながる

この章のポイント
  • まずは「何を見たいか」を文書名ではなく目的で整理する
  • 次に「公開情報」か「本人情報」かで入口を決める
  • 請求書の書き方・文書特定・期限の見方は次の記事で深掘りする

請求をうまく進めるコツは、制度名を丸暗記することではない。見たい情報の目的を整理し、公開情報か本人情報かで入口を分けることだ。ここまで押さえれば、次に必要になる請求書の書き方や期限管理も理解しやすくなる。なお、個人情報保護法の「個人情報」は生存する個人に関する情報なので、亡くなった方の情報は別の扱いになることがある。

まずは「何を見たいか」を文書名ではなく目的で整理する

最初の一歩は、文書名を当てにいくことではなく、「何を知りたいのか」を短く整理することだ。たとえば「学校だよりを見たい」「自分の通知表を確認したい」「申請後の対応履歴を知りたい」と言い換えるだけで、制度選択の精度は上がる。国土交通省は、行政文書の名前が分からない場合でも内容等を明記して窓口で相談しながら特定すると案内している。目的を先に言語化すると、窓口とのやり取りも進めやすくなる。

次に「公開情報」か「本人情報」かで入口を決める

目的が整理できたら、その情報が公開情報か本人情報かを判定する。学校だより、会議資料、事業の通知などは公開情報として考えやすく、通知表、相談記録、申請履歴などは本人情報として考えやすい。ここで迷う場合は、「誰が請求しても同じ基準で見られるか」を自問すると整理しやすくなる。情報公開制度は誰でも請求でき、保有個人情報の開示請求は本人や代理人が行う制度だと押さえておくと、入口を外しにくくなる。

請求書の書き方・文書特定・期限の見方は次の記事で深掘りする

入口が決まった後は、請求書をどう書くか、対象文書をどう特定するか、決定通知や期限をどう読むかが次の論点になる。国の行政機関では、情報公開請求も保有個人情報の開示請求も、原則30日以内に開示・不開示の決定が行われる仕組みだ。一方、手数料や受付方法は請求先で差があり、国では1件300円とされる例がある一方、仙台市では請求と閲覧を無料とし、写しの交付だけ実費としている案内もある。実務では、制度選択の次に文書特定、本人確認、期限管理を押さえることが大切だ。

まとめ
  • 情報公開請求は、学校だよりのような公的文書を広く開く制度で、国の行政機関では誰でも請求できる。
  • 個人情報の開示請求は、通知表や申請履歴のような本人情報を確認したいときの入口で、国の窓口では「保有個人情報の開示請求」と案内されることがある。
  • 令和5年4月1日からは地方公共団体にも個人情報保護法が直接適用され、個人情報の開示請求の基本ルールは全国共通化された。
  • 情報公開制度では、本人の名前が文書に含まれていても、個人情報として伏せられたり部分開示になったりすることがある。
  • 迷ったときは、制度名を先に決め打ちするよりも、何を見たいか、いつ頃の情報か、どの部署が持っていそうかを整理して窓口に伝えるほうが実務的だ。

「学校だより」なのか「自分の通知表」なのかを切り分けられれば、請求の出発点はかなり整う。次は、入口を選んだあとに迷いやすい請求書の書き方や文書特定のコツに進むと、実際の手続でつまずきにくくなる。

 

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