終活で家族に何を伝える?
連絡先・お墓・医療介護・死後手続きの整理
すべてを一度に決める必要はありません。分かることから整理し、必要な準備へつなげていきます。
終活で家族に伝えておきたいことは、連絡先、お墓や葬儀、医療・介護、死後の手続き、財産情報の5つに分けると整理しやすくなります。この記事では、家族が確認しやすい伝え方と、書類や契約が必要になる場面を分かりやすく解説します。
終活というと財産や相続の準備を思い浮かべる方もいますが、家族が迷いやすいのは「誰に連絡するか」「どこへ納骨するか」「本人はどのような暮らしを望んでいるか」といった日常に近い情報です。親の終活を聞きたい子世代も、緊急連絡先など話しやすい項目から確認できます。
連絡先、お墓・葬儀、医療・介護、死後手続き、財産・契約に整理します。
書き残すだけでよいことと、正式な書類が必要なことを区別します。
未定の項目があっても、現時点の考えから話し合えます。
家族・医療・専門家
希望と契約状況
暮らしと価値観
解約・納骨・家財
所在と必要書類
現在分かっていることを伺い、家族に伝える情報と、確認した方がよい手続きや書類を一緒に整理します。
家族に終活を伝えることで変わる3つのこと
- 家族が緊急時の連絡先や相談先を探しやすくなる
- 医療・介護や葬儀で家族が判断に迷いにくくなる
- 本人の希望と必要な手続きを早めに切り分けられる
家族に終活情報を伝える目的は、将来の対応を家族だけに任せることではありません。本人の希望や必要な情報を共有し、家族だけでは判断しにくい事項や専門家へ相談した方がよい事項を明らかにすることです。
家族が緊急時の連絡先や相談先を探しやすくなる
最初に整理したいのは、急な入院や体調変化の際に必要となる連絡先です。家族であっても、親族、友人、かかりつけ医、利用中の介護サービス、保険会社などをすべて把握しているとは限りません。氏名と電話番号だけでなく、本人との関係や、どのような場合に連絡してほしいかを添えると実用的です。古い情報による混乱を避けるため、年に一度程度の見直しも考えましょう。
医療・介護や葬儀で家族が判断に迷いにくくなる
本人の考えが分からないと、家族は限られた時間で多くの選択を迫られます。希望を共有しておけば、家族や関係者が話し合う際の手掛かりになります。ただし、医療や介護は本人の状態や医療上の判断、利用できるサービスによって選択肢が変わります。「どの治療を希望するか」だけでなく、「会話できる時間を大切にしたい」「できるだけ住み慣れた地域で暮らしたい」など、価値観も伝えることが大切です。
本人の希望と必要な手続きを早めに切り分けられる
葬儀で流してほしい音楽や知らせてほしい友人は、エンディングノートで伝えられます。一方、財産の承継方法を法的に定めたい場合は遺言書、死亡後の解約や納骨などを特定の人へ依頼したい場合は死後事務委任契約が選択肢になります。希望を書き出すことで、情報共有で足りることと、正式な書類や契約を検討した方がよいことを分けやすくなります。
家族に伝える前に確認したい3つのポイント
- 決まっていることと決まっていないことを分ける
- 希望・情報・法的な手続きを混同しない
- 誰にどこまで伝えるかを決める
終活の話し合いは、すべての答えが出てから始めるものではありません。未定の事項があっても、現時点の考えを共有することに意味があります。情報の種類と共有する相手を整理し、必要なときに確認できる状態をつくりましょう。
決まっていることと決まっていないことを分ける
すでに決めていること、現時点の希望、家族と相談したいこと、専門家に確認したいことを分けます。「納骨先は決まっているが、葬儀の規模は相談したい」という整理でも構いません。決まっていないことを無理に確定せず、「今後話し合いたい」と記録することで、家族も本人の考えを理解しやすくなります。
| 区分 | 記載例 |
|---|---|
| 決まっていること | 納骨を希望する場所、最初に連絡してほしい人 |
| 現時点の希望 | できれば自宅で過ごしたい |
| 家族と相談したいこと | 葬儀の規模、介護環境 |
| 専門家に確認したいこと | 遺言、死後事務、将来の財産管理 |
希望・情報・法的な手続きを混同しない
「希望」は葬儀の形式や暮らし方、「情報」は金融機関や連絡先、「法的な手続き」は遺言書や任意後見契約、死後事務委任契約などです。エンディングノートは希望や情報を幅広く整理できますが、通常は遺言書の代わりにはなりません。実現したい内容に応じて、必要な書類を確認します。
誰にどこまで伝えるかを決める
終活情報を家族全員へ同じように公開する必要はありません。緊急連絡先やかかりつけ医は身近な家族と共有し、財産一覧や重要書類は信頼できる人に保管場所を伝えるなど、情報の性質に合わせます。暗証番号やパスワードを誰でも見られる場所へ記載することは避け、安全な保管方法を検討しましょう。
連絡先と親族関係は4つに分けて整理する
- 緊急時に最初に連絡してほしい家族・親族
- 友人・勤務先・地域関係者など知らせてほしい人
- かかりつけ医や介護事業者など生活を支える連絡先
- 行政書士・税理士・保険会社など手続きを相談する相手
連絡先は単なる電話帳ではなく、家族が必要な場面で迷わず連絡するための一覧です。相手との関係、連絡する場面、書類の保管場所も添えると使いやすくなります。
緊急時に最初に連絡してほしい家族・親族
氏名、続柄、電話番号、住所に加え、連絡の優先順位や連絡がつきやすい時間帯を記載します。離れて暮らす家族だけでなく、近くに住む親族や知人が対応できる場合は、その役割も共有しましょう。戸籍上の関係と、日常的に頼りにしている相手が一致しないこともあるため、本人の考えを基に整理します。
友人・勤務先・地域関係者など知らせてほしい人
親しい友人、勤務先、元同僚、自治会、趣味の団体など、入院や死亡を知らせてほしい人を整理します。「入院時に知らせる」「死亡後に知らせる」「葬儀の案内を希望する」と区分すると家族が対応しやすくなります。すべての知人を載せる必要はなく、本人が大切にしている関係からまとめます。
かかりつけ医や介護事業者など生活を支える連絡先
かかりつけ医、歯科医、調剤薬局、ケアマネジャー、訪問介護事業者、通所施設などを一覧にします。持病、アレルギー、服薬情報、お薬手帳や診察券の保管場所も確認しておくと、急な受診や入院時に役立ちます。医療情報は個人情報であるため、共有範囲にも配慮してください。
行政書士・税理士・保険会社など手続きを相談する相手
専門家や契約先の名称、担当者、連絡先、依頼内容、契約書の保管場所を整理します。「遺言について相談」「保険金請求の窓口」「税務申告を依頼」など役割を添えると、家族が適切な相手へ連絡できます。専門家ごとに扱える業務が異なるため、相談内容も記録しましょう。
お墓や葬儀の希望は3段階で伝える
- 希望する葬儀の規模や形式を書き出す
- お墓・納骨先・墓じまいの意向を確認する
- 希望が実現できるか家族や関係者と話し合う
本人の希望に加え、現在のお墓の状況、寺院・霊園との関係、契約、費用を確認します。希望に優先順位を付け、家族が現実的に判断できる材料を残しましょう。
希望する葬儀の規模や形式を書き出す
一般葬、家族葬、一日葬などの名称だけでなく、「家族中心にしたい」「友人にも知らせてほしい」「宗教形式を大切にしたい」といった基本方針を整理します。遺影候補、音楽、香典に対する考えなども希望があれば記載できます。費用や会場の状況によって調整が必要になるため、特に大切にしたい点を一つか二つ示すと伝わりやすくなります。
お墓・納骨先・墓じまいの意向を確認する
既存のお墓がある場合は、所在地、寺院・霊園、墓地使用者、管理費、使用許可証などを確認します。納骨堂、樹木葬、散骨などを希望する場合は、申込みや契約の有無も記載しましょう。墓じまいを考える場合は、親族や墓地管理者との調整、遺骨の移転先、改葬許可なども検討します。
希望が実現できるか家族や関係者と話し合う
家族葬を希望しても親族が多い場合は連絡範囲の調整が必要です。先祖代々のお墓への納骨も、使用権や宗派、親族との関係により確認事項が生じます。本人の希望を尊重しつつ、実際に対応する家族の状況や費用も共有します。生前契約がある場合は、契約先、支払状況、解約条件、書類の場所も伝えてください。
医療・介護の希望は4つの視点から話し合う
- 介護が必要になった場合の暮らし方を考える
- 在宅・施設など希望する介護環境を整理する
- 医療や終末期の希望は家族と医療関係者に共有する
- 希望は状況によって変わることを前提に見直す
医療や介護の希望は、一度書けば確定するものではありません。本人の健康状態、家族の生活、利用できる支援によって選択肢が変わります。結論だけでなく、大切にしたい暮らしや価値観を共有しましょう。
介護が必要になった場合の暮らし方を考える
「自宅か施設か」だけでなく、住み慣れた地域で過ごしたい、ペットと暮らしたい、食事や趣味を大切にしたいなど、日常生活で重視することを書き出します。家族だけによる介護を前提にせず、介護保険サービスや民間サービスを含めて考えると、本人と家族の双方に合う方法を検討しやすくなります。
在宅・施設など希望する介護環境を整理する
自宅、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど、環境ごとの特徴を確認します。費用、介護度、医療対応、家族との距離も大切です。「まずは自宅で支援を受け、生活が難しくなったら施設を検討する」など、段階ごとの考えを残すと実用的です。
医療や終末期の希望は家族と医療関係者に共有する
希望を書面に残すことは、本人の考えを伝える手掛かりになります。ただし、書面だけで医療方針が自動的に決まるわけではありません。本人の意思を基本に、医師等からの説明、本人の状態、家族や医療・ケアチームとの話し合いを踏まえて検討されます。治療名だけでなく、苦痛の軽減や会話の時間など、重視する価値観も共有しましょう。
希望は状況によって変わることを前提に見直す
医療や介護への考えは、入院、介護認定、転居、家族構成の変化などで変わることがあります。厚生労働省が案内する「人生会議」も、望む医療やケアについて、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い共有する取組です。更新日を記載し、現在の希望が分かるようにしておきましょう。
死後の手続きは5つの項目に分けて伝える
- 葬儀や火葬を依頼する先
- 公共料金・携帯電話・定額サービスなどの解約情報
- ペットや自宅、家財の管理方法
- SNS・メール・端末などデジタル情報の取扱い
- 行政手続きや関係者への連絡を誰に頼みたいか
亡くなった後は、葬儀以外にも多くの事務が発生します。家族が郵便物や利用履歴から調べなくてもよいよう、契約先、連絡先、必要書類、希望を分けて整理しましょう。
葬儀や火葬を依頼する先
葬儀社や互助会との契約があれば、会社名、窓口、契約番号、支払状況を伝えます。菩提寺がある場合は寺院名や連絡先も必要です。依頼先を決めていない場合でも、希望地域、予算の目安、葬儀の規模など、選ぶ基準を示せます。
公共料金・携帯電話・定額サービスなどの解約情報
電気、ガス、水道、携帯電話、インターネット、新聞、動画配信などの契約先、契約者名、顧客番号、支払方法を一覧にします。同居家族が利用を続ける契約もあるため、「解約」と「名義変更」に分けると実用的です。利用明細も確認し、不要な契約は生前に整理できます。
ペットや自宅、家財の管理方法
ペットの引受先は、相手の同意を得たうえで決めます。動物病院、保険、食事、服薬情報もまとめましょう。自宅が持ち家か賃貸か、空き家になるかによって対応は異なります。残したい品、形見分けの希望、家財処分の考えも整理します。不動産や財産の承継を定める場合は遺言書も検討します。
SNS・メール・端末などデジタル情報の取扱い
スマートフォン、パソコン、メール、SNS、オンラインストレージ、ネット銀行などの利用サービスを一覧にします。削除、保存、追悼アカウント化などの希望も記載できます。IDやパスワードを無防備に書かず、パスワード管理サービスや封印書面など、安全な保管方法を考えましょう。
行政手続きや関係者への連絡を誰に頼みたいか
役所への届出、年金・保険の手続き、契約解約、納骨、家財処分などを、誰が担うか整理します。家族へ一括して任せるのではなく、家族が対応する項目、事業者に依頼する項目、専門家へ依頼する項目を分けると負担を見通しやすくなります。特定の人へ死亡後の事務を依頼する場合は、死後事務委任契約も選択肢です。
財産情報は「金額」より先に4つの所在を整理する
- 預貯金・証券・保険がある金融機関
- 不動産や自動車など名義変更が必要な財産
- 借入れ・保証・未払い金などの負債
- 通帳・印鑑・契約書・権利証などの保管場所
財産情報は、変動する残高を細かく書くより、どこに何があるかを確認できる状態にすることが重要です。プラスの財産だけでなく、借入れや保証も含めて整理します。
預貯金・証券・保険がある金融機関
金融機関名、支店名、口座や商品の種類を一覧にします。通帳のないネット銀行やネット証券は家族が気付きにくいため、サービス名を記録しましょう。保険は、会社名、証券番号、種類、担当窓口、証券の保管場所、受取人の指定状況を確認します。
不動産や自動車など名義変更が必要な財産
自宅以外の土地、貸家、共有持分、自動車などを整理します。不動産は所在地、利用状況、共有者、固定資産税資料、権利証または登記識別情報の保管場所を記載します。美術品や貴金属などは、購入先や鑑定資料があれば併せて残します。
借入れ・保証・未払い金などの負債
住宅ローン、自動車ローン、カードローン、事業上の借入れ、未払い税金、保証債務などを確認します。借入先、契約番号、返済口座、残高確認資料、担保や保証の有無をまとめます。負債の存在は相続の判断にも関わるため、家族や専門家が確認できる状態にしておきましょう。
通帳・印鑑・契約書・権利証などの保管場所
通帳、印鑑、保険証券、不動産書類、契約書、遺言書の保管場所を一覧にします。一か所に集める場合は盗難や災害にも配慮し、原本と写しを分ける方法も考えます。遺言書を作成した場合は、内容をすべて伝えなくても、存在と確認方法を信頼できる人へ知らせることが大切です。
親の終活を自然に聞くための3ステップ
- 自分の終活や身近な出来事から話題を始める
- 「何を残すか」より「困ったときの連絡先」から聞く
- 一度で聞き切ろうとせず少しずつ確認する
親の終活は、財産や死亡後の話から始めると構えられることがあります。親に準備を求めるのではなく、親子で一緒に情報を整理する姿勢を大切にしましょう。
自分の終活や身近な出来事から話題を始める
「自分も緊急連絡先を整理している」「知人が入院し、家族が保険の場所を探したそうだ」といった身近な話から始めます。親だけに準備を求めず、自分の情報も一緒に整理すると対等な話し合いになります。「終活」という言葉に抵抗がある場合は、「入院したら誰に連絡する?」など具体的に切り出します。
「何を残すか」より「困ったときの連絡先」から聞く
最初から預貯金や不動産を質問するより、かかりつけ医、服薬、保険証、近所で頼りにしている人など、安全に関わる情報から確認します。目的を説明し、連絡先、お墓、介護、財産の順に話題を広げると負担を抑えられます。聞いた内容は本人へ確認し、家族側だけで解釈しないことも大切です。
一度で聞き切ろうとせず少しずつ確認する
最初は緊急連絡先や書類の場所など、一つのテーマに絞ります。別の日にお墓や介護を確認し、少しずつ情報を増やしましょう。考えが定まっていないときは結論を求めず、「一緒に考えよう」と伝えます。兄弟姉妹がいる場合は、本人の意向を踏まえ、共有範囲や役割を確認すると行き違いを減らせます。
エンディングノートだけでは足りない3つの場面
- 財産の分け方を法的に決めたい場合
- 死後の解約・納骨・行政手続きを依頼したい場合
- 判断能力が低下した後の財産管理に備えたい場合
- 補足で整理する手続き
エンディングノートは希望や情報を自由に整理できる一方、記載内容によって法律上の効果が生じるとは限りません。実現したい内容に合わせ、遺言書や各種契約を組み合わせます。
財産の分け方を法的に決めたい場合
預貯金や不動産を誰にどのように承継させたいかを定める場合は、法律で定められた方式に沿う遺言書を検討します。エンディングノートへ希望を書くだけでは、通常、遺言書と同じ効果にはなりません。自筆証書遺言、公正証書遺言などの特徴を確認し、家族関係や財産内容に合う方法を選びます。
死後の解約・納骨・行政手続きを依頼したい場合
死亡後の契約解約、納骨、家財処分、関係者への連絡などを特定の人へ依頼する場合は、死後事務委任契約が選択肢です。依頼する項目を具体化し、受任者の承諾、必要費用、報酬、資金の管理方法も確認します。親族がいる場合でも、対応範囲を整理する目的で検討できます。
判断能力が低下した後の財産管理に備えたい場合
任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来の任意後見人と委任する事務を公正証書で定める制度です。判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると契約の効力が生じます。本人の状況により利用できる制度は異なるため、早い段階で整理すると選択肢を確認しやすくなります。
補足で整理する手続き
| 書類・契約 | 主な目的 |
|---|---|
| 遺言書 | 財産の承継方法などを定める |
| 死後事務委任契約 | 死亡後の解約、納骨、行政手続きなどを依頼する |
| 任意後見契約 | 判断能力が低下した後の生活・療養看護・財産管理に備える |
| 財産管理等委任契約 | 判断能力がある段階から財産管理などを依頼する |
一つの書類ですべての課題に対応するとは限りません。本人の希望、健康状態、家族関係、財産、依頼したい事務を整理し、必要なものを組み合わせます。
終活情報を伝えるときに避けたい4つのつまずき
判断材料が不足しないよう、最低限の希望と情報を残します。
日付を付けた一覧やノートにも記録します。
内容を公開しなくても、存在と保管場所を共有します。
生活や家族関係の変化に合わせて更新します。
家族にすべて任せるだけで具体的な情報を残さない
「家族に任せる」という考えだけでは、葬儀、お墓、連絡先、契約解約、家財処分について判断する材料が不足します。すべてを細かく指定する必要はありませんが、緊急連絡先、重要書類、基本的な希望、利用中のサービスは整理しましょう。家族が対応する部分と専門家へ依頼する部分を分けることも大切です。
口頭で伝えただけで記録を残さない
時間がたつと内容が曖昧になり、家族ごとの理解が異なることがあります。話し合った内容は、エンディングノートや一覧表へ日付とともに記録します。財産承継や代理権など法律上の効果が必要な事項は、必要に応じて遺言書や契約書に反映します。
書類の存在を誰にも知らせない
遺言書や契約書があっても、存在を誰も知らなければ必要なときに確認できません。内容をすべて見せる必要はありませんが、「遺言書を作成している」「契約書は専門家が保管している」など、存在と確認方法は信頼できる人へ伝えましょう。
一度書いた内容を長期間見直さない
連絡先、金融機関、契約、健康状態、家族関係は変わります。年に一度、または入院、転居、退職、家族構成の変化などを機に見直し、更新日を記載します。遺言書や契約の変更は、方式に注意して専門家へ確認すると安心です。
HANAWA行政書士事務所で相談できる3つのこと
- 家族に伝える情報の整理と優先順位づけ
- 遺言書・死後事務委任契約など必要書類の検討
- 本人と家族が一緒に進める終活相談
何を準備すればよいか分からない段階からご相談いただけます。特定の契約を前提にせず、現在の状況と希望を伺い、情報整理で足りる事項と、書類や契約を検討した方がよい事項を分けます。
家族に伝える情報の整理と優先順位づけ
連絡先、財産、お墓、介護、葬儀などを一度に決める必要はありません。緊急時に必要な連絡先、重要書類、現在利用している医療・介護サービスなどから確認し、順番に範囲を広げます。エンディングノートを作成済みの場合は、その内容を基に不足事項や共有方法を整理できます。
遺言書・死後事務委任契約など必要書類の検討
財産の承継方法を定めたい場合は遺言書、死亡後の解約や納骨を依頼したい場合は死後事務委任契約、判断能力低下後の財産管理に備える場合は任意後見契約などを検討します。それぞれの役割を説明し、本人の希望に合う準備を整理します。税務、登記、紛争など他士業の業務が含まれる場合は、適切な専門家との連携を検討します。
本人と家族が一緒に進める終活相談
本人だけでなく、家族と一緒に状況や希望を整理することもできます。第三者を交えることで、本人の希望、家族が確認したいこと、現実的な対応、必要な手続きを分けて話しやすくなります。本人の意思を中心に、家族が担う部分と専門家や事業者へ依頼する部分を整理します。
ご相談から書類作成までの4つの流れ
家族関係と希望
連絡先・財産・介護
必要な書類・契約
見直し方法も確認
現在の家族関係と希望を確認する
家族関係、生活状況、健康状態、財産の概要、現在感じている不安を確認します。「子どもに負担を集中させたくない」「お墓について親族と話したい」「死亡後の手続きを頼める人がいない」など、相談のきっかけは人によって異なります。希望が具体的でなくても、決まっていることと迷っていることから整理できます。
連絡先・財産・医療介護・死後手続きを整理する
緊急連絡先、親族関係、医療・介護、お墓・葬儀、財産・負債、契約サービス、死亡後の事務を分野ごとに確認します。資料がそろっていなくても、分かる範囲から始められます。優先度の高い情報から整理し、家族への共有方法も考えます。
必要な書類や契約を選ぶ
正式な書類や契約が必要な事項を確認します。複数の制度を利用する場合は、役割が重複したり内容が矛盾したりしないよう調整します。本人の希望、家族の状況、依頼する相手、費用を踏まえ、必要な準備を選びます。
作成後の保管・共有・見直し方法を決める
誰がどこで保管し、必要なときにどう確認するかを決めます。財産情報やパスワードなどは閲覧できる人を限定し、一覧と重要書類を分けて保管する方法もあります。作成日と見直し予定日を記載し、家族関係、財産、健康状態が変化したときは更新します。
お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。
終活を家族に伝えるときのよくある4つの質問
終活で家族に何を伝えればよいですか?
回答を確認する
連絡先、お墓や葬儀、医療・介護、死後手続き、財産・契約情報の5分野に分けると整理しやすくなります。すべてを一度に決めず、緊急連絡先や重要書類など、確認しやすい項目から始めて構いません。
お墓や葬儀の希望はどう伝えるとよいですか?
回答を確認する
希望する形式だけでなく、現在のお墓、寺院や霊園、契約状況、親族との関係、費用の考え方も整理します。特に大切にしたい点へ優先順位を付け、家族や関係者と話し合いましょう。
エンディングノートに書くだけで大丈夫ですか?
回答を確認する
希望や連絡先を整理する目的には役立ちますが、財産の承継や死亡後の事務を具体的に定めたい場合は、遺言書や死後事務委任契約などを検討します。まず書き出し、正式な準備が必要な項目を専門家と分ける方法が現実的です。
家族と一緒に相談できますか?
回答を確認する
本人の意思を中心に、家族と一緒に現在の状況や希望を整理する相談も可能です。話しにくい事項がある場合は、本人だけで相談した後、必要な範囲を家族へ共有する方法もあります。
家族に伝える終活は5つに分けると整理しやすい
- 緊急時や死亡後に必要な連絡先を整理する
- お墓や葬儀の希望と現在の契約状況を分けて伝える
- 医療・介護の希望は家族や関係者と繰り返し話し合う
- 死後の解約や納骨など、必要な手続きを明確にする
- 財産の所在と、遺言書や契約が必要な事項を切り分ける
終活で大切なのは、すべてを家族へ任せることでも、細部まで一方的に指定することでもありません。本人の希望と必要な情報を整理し、家族が確認できる材料を残すことです。まずは緊急連絡先や重要書類の場所など、取り組みやすい項目から書き出しましょう。正式な書類や契約が必要か分からない場合は、現在の状況から相談できます。
家族に伝えたい終活を、一緒に整理しませんか
相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは現在の状況を伺い、必要な手続きや確認した方がよい内容を一緒に整理します。
お手元に資料があれば確認がスムーズですが、資料がそろっていない段階でもご相談いただけます。ご本人とご家族の希望を確認し、情報整理で足りることと、遺言書や死後事務委任契約などを検討した方がよいことを分けてご案内します。
相談・お問い合わせはこちら現在の状況に合わせて確認できるページ
制度や医療・ケアの考え方を確認できるページ
※本記事は一般的な制度と考え方を説明するものです。医療・介護の方針、必要な書類、手続き、専門家の関与範囲は個別事情により異なります。紛争、税務、登記、裁判所手続などは、必要に応じて弁護士・税理士・司法書士等へご相談ください。