契約書と覚書はどのように使い分けますか?
最終確認:2026/08/09
最終確認:2026/08/09
民法上、契約は、契約内容を示した申込みに相手方が承諾することで成立し、法令に特別の定めがある場合を除き、契約成立のために書面作成などの方式は必要とされていません。したがって、書面が「契約書」「覚書」のどちらと題されているかだけで、その取扱いが決まるわけではありません。
実務上は、次のように整理すると分かりやすいです。
当事者、業務内容、代金、期間、支払条件など、取引の基本事項を一つの書面にまとめるのであれば、「契約書」とすることが一般的です。
契約期間の変更、業務範囲の追加、金額など既存契約の一部だけを変更する場合には、「覚書」などの書面で変更内容を確認する方法があります。
当事者間で合意した事項を後から確認できるよう記録する目的で、覚書を作成することもあります。
「覚書」という名称であっても、当事者が具体的な権利義務について合意する内容が記載されている場合があります。反対に、「契約書」と題していても、その内容や成立経緯によって評価は異なり得ます。個別の書面が法的にどのような効力を持つかは、タイトルだけでは判断できません。
また、契約内容や成立時期などをより明確にしておく必要がある場合には、公正証書の利用を検討する場面もあります。法務省は、公証制度について、私的法律関係の明確化・安定化や紛争予防を目的とする制度と案内しています。契約の種類によっては法令上特別な方式が定められている場合もあるため、重要な契約ではその点も確認が必要です。
【確認するポイント】
書面を作る前に、少なくとも次の点を整理しておくとよいでしょう。
特に既存契約を覚書で変更する場合は、「○年○月○日付の契約のどの部分を変更するのか」が分かるよう、元の契約と変更内容との対応関係を明確にすることが重要です。
なお、相手方への通知内容や送付時期を記録として残したい場合には、内容証明郵便を利用する方法があります。ただし、日本郵便が内容証明によって証明するのは「いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したか」であり、文書の内容が真実であることや、その主張が法律上認められることを証明する制度ではありません。
【確認先・次の行動】
まず、既存の契約書がある場合はその内容を確認し、「新規契約」なのか「変更・追加・確認」なのかを整理してください。そのうえで、当事者、対象となる契約、変更事項、適用時期などを書面上明確にします。
契約の有効・無効、条項の法的効力、損害賠償責任、相手方との紛争について具体的な法律判断が必要な場合は、弁護士への確認が適切です。公正証書の作成を検討する場合は公証役場、内容証明郵便の取扱方法については日本郵便の公式案内を確認してください。